同窓会のアンケートが集まらないのは、聞き方が丁寧でないからではありません。答える側にとって、いま答える理由がないからです。卒業から何年も経った相手に、まだ日程も会場も決まっていない集まりの出欠を尋ねれば、返事は保留になります。ここでは、同窓会という母集団に固有の事情を踏まえて、設問の作り方、締め切りの決め方、集まらなかったときの読み方を順に示します。
同窓会のアンケートは、母集団が動かないことが前提
町内会や部活のアンケートは、対象が目の前にいます。回覧を回せば手渡しで届き、返ってこなければ声をかけられます。同窓会にはこの手立てがありません。対象は全国に散っていて、こちらから接触できる経路は、こちらが持っている連絡先だけです。
この違いが、回収率の意味を変えます。手渡しで配れる団体なら、回収率が低いのは設問か締め切りに問題があるということです。同窓会の場合は、そもそも案内が本人に届いていない可能性が常にあります。500人に案内を出して80人から返事が来たとき、残る420人が答えなかったのか、案内を受け取っていないのかを、こちらは区別できません。
したがって、アンケートを設計する前に確認すべきことが1つあります。いま持っている連絡先のうち、届くことが確かめられているものが何件あるかです。前回の案内で宛先不明で戻った分を除いた数が、実質的な母集団になります。この数を出さずに回収率を語ると、毎回「反応が悪い」という結論にしかなりません。
もう1つ、同窓会に固有の条件があります。同じ学年のなかに、卒業後もつながっている輪と、まったく接点のない人が混在していることです。前者は幹事が個別に声をかけられるので、放っておいても答えが返ります。後者には郵送しか経路がありません。回収した答えが前者に偏っていることを踏まえずに集計すると、実態とずれた結論が出ます。
出欠を「出る」「出ない」の二択にしない
同窓会のアンケートで最も多い設計の誤りが、出欠を二択にすることです。卒業から十数年経った相手にとって、参加するかどうかは日程と場所と会費が決まってからでないと判断できません。二択で聞けば、決めきれない人はすべて「出ない」に流れます。
実務で効いているのは、次の4つの選択肢です。参加する。参加しない。日程が合えば参加したい。今回は難しいが今後の案内は続けてほしい。
3つ目があるかないかで、集まる情報の質が変わります。「日程が合えば」を選んだ人は、参加の意思がある人です。この人数が分かれば、候補日を絞る判断ができます。二択にしていると、この層が「出ない」に混ざってしまい、開催そのものを見送る判断につながります。
4つ目も同窓会には必要です。今回は事情があって出られないが、会とのつながりは切りたくないという人は一定数います。この選択肢がないと、その人は何も返さず、次からは案内の対象から外れていきます。「今後の案内は不要」という選択肢を別に置いておけば、案内を止めるべき相手と、続けるべき相手を区別できます。
選択肢を増やすときの上限もあります。5つを超えると、読む側が全部を比較しなくなり、上から2つ目あたりを選ぶ傾向が出ます。4つに収めてください。
会費の上限を聞くと、開催の可否が先に見える
同窓会の開催で最後まで決まらないのが会費です。会場と料理の水準で金額が変わり、金額で参加者数が変わり、参加者数で会場が決まる。この循環を切るには、金額に対する反応を先に取るしかありません。
聞き方は、金額をこちらから示す形にします。「会費はいくらまでなら参加できますか」と自由に書かせると、答えが散らばって集計できません。5,000円まで、8,000円まで、10,000円まで、金額は問わない、という段階で示すと、各段階での参加見込み人数がそのまま出ます。
この設問がなぜ効くかというと、会場を決める前に「この価格帯なら何人来るか」が分かるからです。8,000円までなら60人、10,000円までなら35人、という数字が手元にあれば、会場との交渉で最低保証人数を何人にするかを決められます。逆にこの数字がないまま会場を押さえると、集まらなかったときの差額を会が被ることになります。
年代による差も見ておいてください。卒業から日が浅い年次と、退職後の年次では、出せる金額も、平日か休日かの都合も違います。学年同窓会ではなく学校全体の同窓会でアンケートを取るなら、卒業年次を必ず聞き、年代別に集計してください。全体の平均だけを見ると、どの層にも合わない金額に落ち着きます。
会費に何が含まれるかも、設問の前に書いておきます。食事、飲み物、記念品、会場費、恩師の招待分の負担。同じ8,000円でも、含まれるものが違えば答えは変わります。
候補日を先に絞ってから聞く
日程を聞くとき、白紙のカレンダーを渡して都合を書かせる方式は、同窓会では機能しません。対象が数百人いる以上、全員の都合が重なる日は存在しないからです。書かせた日程を集計しても、最も多い日で参加できるのが2割という結果にしかならず、判断材料になりません。
先に候補を絞ってください。絞る条件は3つあります。第1に、会場が押さえられる日であること。人気のある会場は半年前から埋まります。第2に、遠方から来る人が動きやすい日であること。土曜の午後から夕方が最も集まり、日曜の夕方は翌日の勤務があるため敬遠されます。第3に、母校の行事と重ならないこと。文化祭や創立記念行事に合わせると、会場も駐車場も取れません。
この条件で残るのは、多くの場合3日程度です。その3日を示して、それぞれについて参加できるかどうかを聞きます。集計すると、どの日が最も多いかが一目で出ます。
年代によって都合の付きやすい時期が違う点も押さえてください。現役世代は年度末と年度初めが動けません。子育て期の年次は、学校行事の多い時期を避けます。退職後の年次は平日でも問題なく、むしろ夜より昼を望みます。学年同窓会であれば年代がそろっているので絞りやすく、学校全体の集まりでは折り合いを付ける必要が出ます。
盆と正月に合わせる会も多くあります。帰省の時期に重ねれば、遠方に住む同期が来やすくなるためです。ただしこの時期は会場と宿泊の確保が難しく、費用も上がります。候補日を出す前に、会場の空きと料金を確かめてから示してください。
二次会と宿泊の希望は、本編と分けて聞く
同窓会のアンケートで見落とされがちなのが、本編以外の設問です。ここを本編の出欠と一緒くたにすると、当日の手配が合わなくなります。
二次会は、本編に出た人の一部が参加します。この人数を本編の出欠から推測すると、毎回ずれます。会場を押さえるには数が要るので、アンケートの段階で「二次会にも参加しますか」を独立した設問にしてください。選択肢は、参加する、参加しない、当日決める、の3つです。3つ目を用意しないと、決めきれない人が「参加しない」を選び、当日になって人数が増えます。
宿泊についても、遠方の会員が多い会では設問を置く価値があります。ただし、会が宿を手配するのか、案内だけするのかを先に決めてください。手配すると答えた以上、部屋を確保する責任が生じます。地方の会場では、同窓会の当日に周辺の宿が埋まることもあります。案内だけにとどめるなら、「近隣の宿泊施設の情報が必要か」を聞く形にします。
食事の制限も、この枠で聞きます。アレルギー、宗教上の理由、体調による制限。会場に伝える必要があるので、自由記入の欄を1つ置いてください。年代が上がるほど、量を減らしてほしいという要望が増えます。
送迎の希望も、地方の会では実務に直結します。最寄り駅から会場までの距離、当日の天候、高齢の出席者の人数。ここを事前に把握していないと、当日に幹事が自家用車を出す羽目になります。
はがきと郵送の費用を先に見積もる
紙でアンケートを取る会は、費用の見積もりを先に済ませてください。同窓会の規模では、この費用が開催の可否を左右することがあります。
かかるのは4つです。往復はがきか封筒の代金。印刷代。宛名の印字と封入の手間。そして戻ってきた分を再送する費用です。500人に往復はがきで案内を出せば、それだけで数万円になります。学年同窓会をこの規模でやる場合、案内の費用だけで会費の一部が消えます。
削れる部分と削れない部分があります。削れるのは、印刷の質と封入の手間です。往復はがきなら封入が要らず、返信用の切手も含まれます。削れないのは、宛先不明で戻ってきた分の調査です。ここを省くと、その人は次回以降も届かないままになります。
紙以外の経路を持っている会は、費用の構造が変わります。連絡先を把握している人には電子的に案内を出し、それが無い人にだけ紙を送る形にすれば、通数が減ります。ただし、電子の案内は届いたかどうかが分かりにくく、迷惑メールに振り分けられる場合もあります。「送った」と「届いた」を同一視しないでください。
費用を抑えるために案内の回数を1回に減らす判断は、多くの場合逆効果になります。1回目で返らなかった人に2回目を出すほうが、回収数は増えます。減らすなら通数ではなく、紙面の枚数のほうです。
締め切りは、会場のキャンセル規定から逆算する
同窓会のアンケートの締め切りを、なんとなく「1か月後」に置いている会は、必ず一度は痛い目に遭います。締め切りの日付は、こちらの都合ではなく、会場との契約で決まります。
会場には、人数を確定する期限と、キャンセル料が発生する起点があります。この2つは別の日付です。人数の確定が7日前、キャンセル料の発生が14日前という契約なら、締め切りは14日前より手前に置く必要があります。締め切りを7日前に置くと、キャンセル料の発生後に人数が確定することになり、減った分をそのまま会が負担します。
逆算の順序は次のとおりです。まず会場と契約する前に、キャンセル規定の起点日と人数確定の期限を確認する。次に、その起点日から1週間を引いた日を締め切りにする。この1週間は、郵送での返送が遅れる分と、締め切り後に届く分を吸収する余裕です。そして、締め切りの2週間前に、まだ返事のない人へ再度の案内を出す日を決めておきます。
同窓会に特有なのが、締め切り後に増えるという現象です。同期の誰かが行くと知って、直前に参加を決める人が出ます。これは会にとって歓迎すべきことなので、締め切り後の追加をどこまで受けるかを最初に決め、案内に書いておいてください。「締め切り後の参加は会場の都合により受けられない場合があります」の一文があるかないかで、当日の交渉が変わります。
締め切りを守らせるための工夫としては、締め切り日を月末や週末に置かないことが挙げられます。金曜日を締め切りにすると、土日に思い出した人が月曜に送り、実質的に3日ずれます。火曜日か水曜日に置くと、このずれが小さくなります。
旧姓の欄を必ず作る
同窓会のアンケートが他の団体と決定的に違う点が、回答者の姓が卒業時と変わっていることです。ここを設問に入れていないと、集まった回答を名簿と突き合わせられません。
必要なのは、現在の氏名の欄とは別に、卒業時の姓を書く欄です。「旧姓(卒業時の姓)」と明記してください。「旧姓」とだけ書くと、離婚などで姓が戻った人がどちらを書くべきか迷います。卒業アルバムに載っている姓、という書き方をしている会もあります。
卒業年次とクラスも必須です。同姓同名は、学校全体の同窓会では実際に発生します。卒業年次とクラスまで書いてもらえば、ほぼ一意に特定できます。ただし、卒業から数十年経つと自分のクラスを覚えていない人がいるので、必須ではなく任意にしておくほうが回答が止まりません。
恩師の招待についての設問を入れる場合も、旧姓の扱いが関わります。「担任だった先生の名前」を書いてもらう欄を設けると、こちらが把握していない先生の情報が集まります。ただし、この情報をどう使うかは慎重に決めてください。恩師の連絡先を回答者から集める形にすると、本人の同意なく第三者の個人情報を集めることになります。名前までにとどめ、連絡先はこちらから学校を通じて確認する順序にするのが無難です。
名簿掲載の同意を兼ねるときの注意
出欠のアンケートに、名簿への掲載可否や連絡先の更新を同時に聞く会は多くあります。1回の郵送で複数の目的を果たせるので効率は良いのですが、法律上の扱いが変わることを理解しておく必要があります。
個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない。 出典: laws.e-gov.go.jp
個人情報の保護に関する法律の第17条第1項です。出欠の確認のために集めた情報を、名簿の作成や別の用途に使うのであれば、その用途を用紙に書いておかなければなりません。「同窓会の運営のため」という書き方では特定として弱く、実際に行う用途を並べるほうが確実です。
用紙に書くべき文言は、次の3点に絞れます。この用紙で集めた情報を何に使うか。名簿を作る場合、誰が見られる形にするか。回答したくない項目は空欄でよいこと。この3点が3行で書いてあれば足ります。長い文章にすると読まれません。
もう1つ、集めた回答用紙の扱いも決めておいてください。出欠の集計が終わったあと、氏名と連絡先が書かれた紙が幹事の自宅に残り続けるのが、同窓会で最もよく起きる情報の滞留です。集計後に処分するのか、事務局に引き渡すのか。アンケートを始める前に決め、幹事全員に伝えてください。
設問は何問までなら答えてもらえるか
アンケートの設問数と回収率の関係は、対象が同窓会の場合、他の団体より厳しく効きます。目の前にいない相手に、答える義務のない質問を並べているからです。
出欠を聞くだけのアンケートなら、設問は5問以内に収まります。氏名、旧姓、卒業年次、出欠、連絡先。ここに会費の上限と、恩師の招待についての意見を足しても7問です。この規模なら、はがき1枚の裏面に収まります。
問題は、会が抱えている他の課題を同じ用紙に載せたくなることです。会報を紙でなくてよいか、名簿を作るべきか、支部活動に参加する意思はあるか、記念事業に寄付する意向はあるか。これらを全部載せると設問が15問を超え、A4の両面になります。この時点で、回収率は目に見えて落ちます。
分ける判断が要ります。出欠のアンケートは、開催の可否と規模を決めるためのものです。会の運営方針を問うアンケートは、総会の議案の準備として別に取るものです。目的が違うものを1枚に混ぜると、どちらの答えも精度が落ちます。
どうしても1枚にしたいなら、順序を工夫してください。答えやすい設問を先に置き、意見を求める設問を後ろに置く。途中でやめた人からも、前半の出欠の情報は取れます。逆にすると、最初の重い設問で手が止まり、何も返ってきません。
自由記述の欄は1つだけ置く
自由記述は、集計できない代わりに、選択肢では拾えない話が出てきます。同窓会のアンケートでは、恩師の近況、同期の消息、会への要望といった、こちらが想定していなかった情報がここに書かれます。ただし置きすぎると、書く負担が増えて回答そのものが止まります。
置くのは1つで足ります。設問の最後に「その他、ご意見やお知らせいただきたいことがあればご記入ください」と書き、3行分の空白を取ります。行を多く取ると、埋めなければならない気がして書けなくなる人が出ます。3行なら、一言だけ書く人が増えます。
書かれた内容の扱いも先に決めてください。同期の消息が書かれていた場合、それは第三者の個人情報です。「あの人は今こちらに住んでいる」という善意の情報を、本人の同意なく名簿に反映してよいかは別問題になります。会として扱う手順は、その人に直接連絡を取って本人から確認する、という一段を必ず挟むことです。
要望として書かれたものは、幹事の間で共有してください。1人が読んで終わりにすると、次回に生かされません。回答用紙をまとめる段階で、自由記述だけを別に書き出しておくと、開催後の振り返りにそのまま使えます。
答えてくれた人に、その後どう返すか
アンケートは、答えた側から見れば一方通行の作業です。返した後に何も起きなければ、次回は答えません。回収率を上げる最も確実な手立ては、設問の工夫ではなく、前回の回答に対して何を返したかです。
返すべきものは2つあります。集計の結果と、それを踏まえて何を決めたかです。「日程は候補の中で最も多かったこの日に決めました」「会費はいただいた回答を踏まえて8,000円としました」という一文があるだけで、答えた意味が伝わります。
返す時期も大切です。締め切りから決定までに数か月かかる会がありますが、その間に何も出さないと、答えたこと自体を忘れられます。締め切りの2週間以内に、集計の速報だけでも出してください。決定していない部分は「検討中」と書けば足ります。
返す先は、答えた人だけではありません。答えなかった人にも同じ内容を届けてください。「これだけの人が参加すると答えている」という情報が、判断を保留していた人を動かします。回答した人だけに知らせる形にすると、その輪の外にいる人は次も動きません。
返す経路も、集めた経路とそろえておいてください。はがきで集めたのに結果を電子的にしか出さなければ、はがきで答えた層には届きません。集めた経路ごとに、同じ内容を届ける先を用意する。この手間を惜しむと、次回の回収率にそのまま跳ね返ります。
回収率が低いとき、何を読み取るか
同窓会のアンケートの回収率は、他の団体の水準と比べるものではありません。比べるべきは、同じ会の前回の数字です。
読み取るときに分けるべき数字が3つあります。案内を出した数。宛先不明で戻ってきた数。返事が来た数です。この3つを毎回記録しておくと、回収率が下がった原因が、名簿の劣化なのか、内容への反応なのかを切り分けられます。宛先不明が増えているなら名簿の問題で、設問をどう直しても改善しません。
年次別の集計も必ず取ってください。卒業から日が浅い年次からは返事が来るのに、上の年次から来ないという傾向が出たら、それは連絡経路の問題である可能性が高くなります。逆に、上の年次からは郵送で返るのに若い年次から来ないなら、郵送という経路そのものが届いていないと考えるほうが自然です。
回答が集まらなかった場合の判断も、先に決めておきます。何人以上の参加見込みがあれば開催するのか。この線を決めずにアンケートを取ると、集まった数字を見てから議論することになり、幹事の間で意見が割れます。会場の最低保証人数を基準にして、それを下回れば会場を変えるか延期する、という形にしておけば判断が早く済みます。
開催しないと決めた場合も、その判断を答えた人に伝えてください。何も知らせずに立ち消えにすると、次に案内を出したときに返事が返りません。人数が集まらなかったこと、いつ改めて呼びかけるかを一行で書けば足ります。
返ってこない人に、もう一度どう届けるか
締め切りの2週間前に出す再度の案内は、最初の案内と同じものを送っても効きません。一度読んで判断を保留した人に、同じ紙を送っても状況が変わらないからです。
再度の案内に載せるべきは、最初の案内になかった情報です。現時点で何人が参加すると答えているか。誰が幹事を務めているか。会場と日程が確定したか。この3つのうち1つでも新しい情報があれば、判断が動きます。特に参加予定者の人数は効きます。同期の集まりに出るかどうかは、誰が来るかで決まるからです。
経路も変えてください。1回目を郵送で出したなら、2回目は電話やメール、あるいは同期のつながりを使います。同じ経路で2回出すのは、届いていない相手には意味がありません。学年幹事に依頼して、それぞれが把握している同期に個別に声をかけてもらう形が、実際に最も返答を増やしています。
ただし、この個別の声かけには限界があります。幹事とつながっている人にしか届かないので、卒業後に接点のない人は最後まで漏れます。この層に届けるには、会として持っている連絡先を更新し続けるしかありません。日常の連絡がどこで行われているかによって選べる手が変わるので、LINEオープンチャットとの比較で整理しているような公開型の場と、会員だけの場の違いは押さえておいてください。
アンケートの作業で、実際に止まっている場所
集まりの連絡をひとつにまとめる道具を用意する側から各地の相談を並べると、同窓会のアンケートで手が止まるのは、設問を作るところではなく、返ってきた答えを扱うところです。
最も多いのが、返ってきた経路がばらばらだという状態です。はがきで返る分、幹事が電話で聞き取った分、同期の連絡の輪の中で伝わった分、幹事の個人宛に直接届いた分。これらが別々の場所にあり、同じ人が二重に数えられます。締め切りの直前に照合しようとして、そこで数日を使います。
次に多いのが、集計した結果が幹事の一人の手元にしか残らないことです。誰が参加すると答えたかの一覧が、その人の表計算ファイルにある。当日の受付でその紙を見るしかなく、他の幹事は誰が来るのかを知らないまま当日を迎えます。次の開催のときには、そのファイルはもう見つかりません。
3つ目は、答えた本人が自分の回答を確認できないことです。出欠を出したあとに都合が変わり、変更を伝えたい人が、どこに言えばよいか分からない。結局、当日に来ないか、連絡なしに来ることになります。回答を出した本人が、締め切りまで自分でその内容を直せる形になっていれば、この連絡そのものが要りません。
この3つは、集める場所を1つにするだけで大半が消えます。回答が同じ場所に積み上がり、幹事全員が同じ数字を見られて、本人が自分の分を直せる。その場所がメンバー以外は見られない形になっていれば、卒業生でない人の書き込みや、回答内容が外に出ることを心配せずに済みます。同じ構図は他の団体でも起きていて、サークルでの使われかたやよくある質問にまとめた例と重なります。ただし同窓会には、母集団が数千人で、こちらから接触できる経路が限られているという条件が加わります。設問をどれだけ工夫しても、届いていない相手からは答えが返りません。アンケートの改善は、名簿の維持と同じ作業だと考えてください。
Q1. 出欠は「出る」「出ない」の二択で聞いてよいですか?
二択にすると、日程や会費が決まる前に判断できない人がすべて「出ない」に流れます。参加する、参加しない、日程が合えば参加したい、今回は難しいが今後の案内は続けてほしい、の4択にしてください。3つ目の人数が分かると候補日を絞る判断ができます。
Q2. 締め切りはいつに置けばよいですか?
会場のキャンセル料が発生する起点日から1週間を引いた日に置いてください。人数確定の期限とキャンセル料の起点は別の日付なので、契約前に両方を確認します。締め切りを金曜に置くと土日を挟んで実質3日ずれるため、火曜か水曜が適しています。
Q3. 会費はどう聞けば集計できますか?
自由記入にすると答えが散らばります。5,000円まで、8,000円まで、10,000円まで、金額は問わない、という段階で示すと、各価格帯での参加見込み人数がそのまま出ます。この数字があれば、会場との最低保証人数の交渉を先に進められます。
Q4. 出欠と一緒に名簿掲載の同意を聞いてもよいですか?
聞けますが、用紙に利用目的を書く必要があります。この用紙で集めた情報を何に使うか、名簿を作る場合は誰が見られるか、答えたくない項目は空欄でよいこと。この3点を3行で書いてください。集計後の用紙をどう処分するかも先に決めておきます。