LINEで動画が送れない、という相談は、行事のあとに必ず来ます。運動会や発表会、練習試合の様子を撮ったのに、グループへ送ろうとすると途中で止まる、送れたはずなのに勝手に短くなっている、相手から「見られません」と返ってくる。この3つがほとんどです。
原因は端末の不調ではなく、たいていは長さと容量の上限に当たっているだけです。この記事では、送れない理由を4つに切り分けたうえで、動画を分割せずに渡す方法と、会や部として動画をどこに保存するかの決め方まで書きます。とりまとめる立場の人が、その場しのぎではなく来年も使える形にできることを目標にします。
LINEで動画が送れない理由は4つに分かれる
「送れない」という一言の中には、まったく性質の違う出来事が混ざっています。まずここを分けないと、対処のしようがありません。部活や少年団の連絡役を長く務めている人たちの話を聞いても、保護者から来る「送れません」の中身は、次の4つのどれかにほぼ収まります。
1つ目は、動画が長すぎて上限に当たっている場合です。トークにそのまま動画を送ろうとすると、長い動画は全部は送れず、送る範囲を切り取る画面が出ます。これは不具合ではなく仕様なので、何度やり直しても結果は同じです。
2つ目は、容量が大きすぎて弾かれる場合です。最近のスマートフォンは初期設定のままだと、かなり高い画質で撮影します。4Kで撮った3分の動画は、条件によっては1GB近くになります。この大きさになると、送信の待ち時間そのものが長く、途中で失敗しやすくなります。
3つ目は、通信と端末側の問題です。体育館や公民館は電波が弱いことが多く、アップロードの途中で切れます。写真と動画で埋まっていて本体の空き容量が足りない、アプリの版が古い、といった原因もここに入ります。
4つ目は、相手側の受け取り環境です。自分の手元では送信済みになっているのに、相手が「見られない」と言う。これは保存期間が切れている、相手の通信が細い、相手が後からグループに入ったので過去の投稿が見えていない、のどれかであることが多いです。
「送れない」と「送れたが劣化した」は別の問題
とりまとめる側として押さえておきたいのは、送信の失敗より、送れてしまったときの劣化のほうが厄介だという点です。送れなければやり直せますが、粗い画質で送れてしまったものは、受け取った側にはそれが元の画質だと思われます。
トークに送る動画は、送信の過程で圧縮されます。目で見て分かるほど画質が落ちることもあり、ゼッケンの番号や楽譜、ホワイトボードの文字は読めなくなります。記録として残したい動画、たとえばフォームの確認や演奏の講評に使うものは、トークにそのまま流すのに向きません。
よく起きるのは、少年団の練習動画をトークに流して「あとで各自で見返してください」と伝えておく形です。数週間が経ったころに、保護者から「見返そうとしたら再生できません」と連絡が来ます。トークに送った動画には保存期間があり、期間を過ぎると再生できなくなります。撮った本人の手元には残っているので送り直せますが、同じ動画を何度も送り直す作業が担当者に降ってきます。ここでつまずいた会は、記録として残すものと、その場で見てもらうものを分けて保存するように変えています。
動画の長さと容量の上限を先に押さえる
やり方を試す前に、上限を知っておくほうが早いです。上限に当たっているのに設定をいじっても解決しません。
トークにそのまま送るときの長さ
トークに動画を送るとき、長い動画は全部は送れません。長さの上限に当たると、動画のどこを送るかを選ぶ切り取り画面が出ます。おおむね5分が区切りで、これを超える分は送信の対象から外れます。
ここで多くの人がやってしまうのが、動画を前半と後半に分けて2回に分けて送る方法です。送ること自体はできますが、受け取る側にとっては最悪です。トークは新しい発言で流れていくので、前半と後半の間に別の話題が入ると、どちらがどちらか分からなくなります。運動会のように種目が多い日は、これが10本単位で起きます。
長さの上限は、アプリの版や端末によって細かく違うことがあります。手元の環境で一度、長めの動画を選んでみて、切り取り画面が出るかどうかを確かめておくと、当日あわてずに済みます。
ファイルとして送るときの容量と保存期間
同じ動画でも、動画としてではなくファイルとして送ると、扱いが変わります。ファイル送信は1GBまでという上限があり、長さの制限は受けません。10分の動画でも、容量が上限内に収まっていればそのまま送れます。画質も、動画として送るときのような強い圧縮はかかりません。
ただし、ファイル送信には保存期間があります。一般に7日間とされていて、期間を過ぎるとダウンロードできなくなります。行事の直後に送って、見た人は見た、で終わる用途なら困りませんが、年度の記録として残したい動画には向きません。「一週間で消える」ことを前提に運用を組む必要があります。
もう1つ、受け取る側の手間も見ておいたほうがいいです。ファイルとして送られた動画は、いったんダウンロードしてから再生する形になります。スマートフォンの空き容量が少ない人、操作に慣れていない人にとっては、これが壁になります。年配の会員が多い会では、ここで問い合わせが増えます。
アルバムやノートに保存するという選択肢
写真については、トークに流すよりアルバムに保存するほうが後から探しやすくなります。アルバムは保存期間の制約がゆるく、後から入った人も見られるので、写真の共有先としては現実的です。
一方、動画については、アルバムは写真を並べる場所であって動画を保存する場所ではない、という前提で考えたほうが安全です。仕様は更新されることがあるので、手元の版で一度試してみてください。ノートには動画も投稿できますが、長さの制限はトークと同じように働きます。
ここで言いたいのは、機能の細かい違いではありません。写真はアルバム、短い動画はトーク、長い動画はファイル、記録に残すものは別の場所、と保管場所が分かれていくこと自体が、とりまとめる側の負担になるという点です。保管場所が4つに分かれた時点で、「あの動画どこですか」という問い合わせが必ず来ます。
送れないときに現場で試す順番
上限の話を踏まえたうえで、実際に送れないときの手順を書きます。上から順に試すと、無駄が少なくなります。
1. 通信のせいか、動画のせいかを切り分ける
まず、小さい動画を1本送ってみます。10秒ほどの動画が問題なく送れるなら、通信もアプリも生きています。原因は動画の側にあります。小さい動画も送れないなら、通信か端末の側です。
通信が原因のときは、場所を変えるのが一番早いです。体育館や地下の会議室では、電波が届いていても上りの速度が出ていないことがあります。会場を出て駐車場や玄関先で試すだけで通ることがあります。屋外の行事なら、家に帰ってから無線LANにつないで送るのが確実です。
端末側で確認するのは、本体の空き容量とアプリの版です。空き容量が極端に少ないと、送信の準備段階で失敗します。1GBを切っている状態なら、まず不要な写真を整理してください。アプリの版が古いまま何年も更新していない端末も、地域の会では珍しくありません。
2. 動画そのものを軽くする
動画の側に原因があるときは、軽くします。方法は3つあります。
1つ目は、撮影の設定を変えることです。多くのスマートフォンは、カメラの設定で解像度とフレームレートを選べます。4Kから1080pに落とすだけで、容量はおおよそ半分以下になります。行事の記録に4Kが必要な場面はほとんどありません。撮る前に設定を落としておくのが、一番手間のかからない対策です。
2つ目は、不要な部分を切ることです。スマートフォンの標準の写真アプリで、前後の待ち時間を切り落とすだけで、容量はかなり減ります。試合の動画なら、整列や移動の時間を落とすだけで半分近くになることもあります。
3つ目は、圧縮アプリを使うことです。ただし、とりまとめる側が全員に「このアプリを入れてください」と頼むのは現実的ではありません。圧縮は、撮った本人ではなくとりまとめる人が引き受けて、渡された動画をこちらで整えてから配る、という分担にしたほうが回ります。
3. 分けて送るか、保管場所を渡すか
軽くしても収まらないときは、分けて送るか、保管場所のURLを渡すかの二択になります。前に書いたとおり、分けて送るのは受け取る側の負担が大きいので、保管場所を渡す方法のほうが確実です。
保管場所を渡すというのは、動画そのものをトークに流すのではなく、動画が保存してある場所への案内だけを流すやり方です。クラウドの共有リンクでも、団体向けの連絡ツールの中の投稿でも構いません。共通するのは、トークの流れの中に大きなデータを乗せないという点です。
この方法の利点は、あとから入った人にも同じものを見せられることです。トークに流した動画は、その時点でグループにいた人にしか届きません。年度の途中で入った保護者、役員が交代して新しく担当になった人は、過去に流れた動画にたどり着けません。保管場所を1つ決めておけば、「ここを見てください」の一言で済みます。
4. 相手が見られないと言ってきたときの確認
自分は送信できているのに相手が見られない、という場合は、原因が自分の手元にないので確認の順番が変わります。
最初に確認するのは、いつ送ったかです。トークに送った動画にもファイルとして送った動画にも保存期間があるので、行事から日が経ってから「見られません」と言われたときは、たいてい期限切れです。この場合はもう一度送るしかありませんが、そのたびに送り直すのは無駄なので、期限のない保管場所に移す合図だと考えてください。
次に確認するのは、その人がいつからグループにいたかです。過去に流れたものは、後から入った人には見えません。年度の途中で加入がある団体では、この確認を最初にしたほうが早く終わります。
最後が、相手の端末と通信です。動画は容量が大きいので、電波の弱い場所では再生の途中で止まります。本体の空き容量が足りないと、ファイルとして送ったものはダウンロード自体ができません。「無線LANにつながる場所で、もう一度開いてみてください」と伝えるだけで解決することが、実際にはかなりの割合を占めます。
iPhoneとAndroidが混ざっている集まりで起きること
会や部の中で端末がそろっていることはまずありません。ここで起きる行き違いは、上限とは別の話なので分けて書きます。
動画の形式が違うことがある
iPhoneは初期設定で、容量を節約する新しい形式で撮影することがあります。設定の中に「互換性優先」といった項目があり、こちらに切り替えると、より広く再生できる形式で撮れます。容量は少し増えますが、受け取った側が再生できないという事故は減ります。
とりまとめる側として使えるのは、行事の前に撮影担当だけこの設定にしてもらう、という運用です。全員に頼むと必ず伝わらない人が出るので、動画を撮る役の人を1人か2人決めて、その人だけに頼むほうが確実です。撮る人を絞ると、あとで動画を集める手間も減ります。
端末をまたぐ受け渡しの手段が限られる
Apple製の端末どうしなら、その場で高画質のまま渡せる仕組みがあります。ただしこれはApple製どうしに限られるので、集まりの中に別の端末の人がいると使えません。「一部の人だけ簡単に受け取れる」状態は、とりまとめる側にとって一番やっかいです。受け取れなかった人から個別に連絡が来て、結局その人だけ別の方法で渡すことになります。
全員に同じ手順で渡せることのほうが、画質より優先されます。手順が1つなら、説明も1回で済み、次の担当にもそのまま引き継げます。
機種変更のときに動画が消える
意外に多いのが、機種変更をきっかけに過去の動画が見られなくなる相談です。トークの履歴を引き継いでも、期限を過ぎた動画は復活しません。担当者の端末の中にしか残っていない動画は、その人が機種を変えた時点で、会からは失われたのと同じです。
この事故を防ぐには、撮った動画を個人の端末の中で完結させないことです。行事が終わったその週のうちに、会の保管場所へ移す。この1手順を運用に入れておくだけで、数年後の「あの年の動画はどこですか」がなくなります。
分けずに渡すための具体的な方法
ここからは、実際にどう渡すかです。会や部の事情によって選び方が変わるので、それぞれの向き不向きを書きます。
クラウドの共有リンクを使う
一番よく使われているのが、クラウドの保存場所に動画を保存して、そのURLを配る方法です。長さの制限も、トークのような強い圧縮もありません。
ただし、とりまとめる側から見ると、注意点が3つあります。
1つ目は、リンクの権限です。「リンクを知っている全員が見られる」設定にすると、URLが外に出た時点で誰でも見られます。子どもが写っている動画では、これが問題になります。かといって1人ずつ許可を出す形にすると、名簿の管理が増えて、役員が代わったときに引き継げません。
2つ目は、容量です。無料で使える範囲には上限があり、動画を年に何本も保存していくと、数年で足りなくなります。有料に切り替えるとき、誰の名義で払うのかを決めておかないと、担当が代わるたびに揉めます。
3つ目は、名義です。個人のアカウントに保存した動画は、その人が抜けたら消えます。これが一番よく起きる事故です。会として使うなら、会の名義のアカウントを作って、そこに保存するのが原則になります。
圧縮のときに落とすべきものと、落としてはいけないもの
圧縮というと画質を落とす話だと思われがちですが、実際に効くのは解像度とフレームレートと長さです。この3つのうち、記録としての価値を一番損なわないのが長さです。使わない部分を切るのは、ためらわずにやってください。
解像度は、スマートフォンで見る前提なら1080pで充分です。テレビの大画面に映して振り返る予定があるなら、そのぶんは元のまま別に取っておいて、配る用には軽い版を作る、という二本立てにします。
落としてはいけないのは音です。演奏や発表の記録では、音のほうが本体であることがあります。強い圧縮をかけると音が割れることがあるので、音楽系の記録は圧縮前後で一度聞き比べてください。
見てもらう仕掛けを一緒に渡す
URLだけを流しても、開かない人は開きません。とりまとめる側からよく挙がるのは、開封率を左右しているのは次の3つだという話です。
1つは、何が写っているかを1行で書くこと。「10月5日の運動会、6年生のリレー」まで書けば、自分に関係あるかどうかが分かります。
もう1つは、いつまで見られるかを書くこと。期限があると分かれば、後回しにされにくくなります。
最後に、掲示や紙で配る場面では、URLを打たせないことです。QRコードにして配布物に載せると、打ち間違いによる「開けません」という問い合わせがなくなります。
動画を配るときに、とりまとめる側が先に決めること
技術的な話より、こちらのほうが後々効きます。動画は写真より問題になりやすく、あとから「消してほしい」と言われる場面も出ます。
撮る前に決めておく合意
顔が写っている動画は個人情報として扱われます。制度の解釈を断定するつもりはありませんが、前提として次の定義は押さえておいて損はありません。
「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものをいいます。 出典: ppc.go.jp
実際の運用としては、次の3つを年度のはじめに決めて、紙で1枚配っている会が多いです。
1つ目は、撮影と共有の範囲です。会の中だけで共有するのか、SNSに出すこともあるのかを分けます。ここを混ぜると、あとで必ず揉めます。
2つ目は、写りたくない人の申し出方です。「言いにくいこと」を言わせない仕組みが要ります。名簿に印を付けてもらう、担当者に一言伝えれば済む、という形にしておくと、当日に確認しやすくなります。
3つ目は、消してほしいと言われたときの窓口です。誰に言えばいいかがはっきりしていないと、言われた人が個別に対応してばらばらになります。
保存期間を決めておく
動画は容量を食うので、置きっぱなしにすると必ず限界が来ます。1年で消す、卒団や卒業までは残す、といった期間をあらかじめ決めておくと、担当者が判断に迷いません。
保存期間を決めておくもう1つの効果は、引き継ぎが軽くなることです。何年分も溜まった動画を次の担当に渡すと、受け取る側は中身を把握できません。決めた期間で整理されていれば、渡すものが少なくて済みます。
誰が見られる場所に保存するかを決める
一番大事なのがここです。会の動画を保存する場所は、次の3つの条件を満たしていると運用が続きます。
第一に、メンバー以外は見られないこと。URLが外に出ても、名簿にない人には開けない形になっているのが理想です。
第二に、あとから入った人も過去のものを見られること。トークの弱点はここにあります。年度の途中で加わる人がいる団体では、この差が大きく効きます。
第三に、担当が代わっても引き継げること。個人の端末やアカウントに紐づいていない形にしておく、ということです。
他の連絡手段では動画がどう扱われているか
いま使っているものを変えるかどうかを決める前に、それぞれの手段が動画をどう扱っているかを整理しておきます。読者の多くはLINEを使っていて、それが悪いという話ではありません。向いている用途と向いていない用途があるだけです。
LINEグループの向き不向き
LINEグループは、全員が既に持っている点で圧倒的に強いです。新しいIDとパスワードを増やさずに済むのは、年配の会員がいる会では決定的な利点になります。
弱点は、流れることと、遡れないことです。動画のように「後から見返す」前提のものとは相性がよくありません。連絡と記録が同じ場所に混ざるので、大事な連絡が動画で流されるという逆の事故も起きます。連絡はグループのままにして、記録だけ別の場所に保存し、という分け方が現実的です。日々の連絡をどこまでグループに残し、どこから別の場所に移すかの線引きについては、LINEグループとの比較に、引き継ぎと過去の閲覧という観点でまとめてあります。
LINEオープンチャットの向き不向き
オープンチャットは、電話番号や友だち登録なしで参加でき、人数の上限も大きいのが利点です。名前も別に設定できるので、個人の連絡先を交換したくない集まりには向きます。
一方で、動画や画像の扱いは通常のトークと同じ制約を受けますし、参加者の管理という点では別の難しさがあります。誰がメンバーなのかを名簿として持ちにくいので、動画のように見せる相手を限定したいものには慎重になったほうがいいです。参加の入口が広いことの利点と負担については、LINEオープンチャットとの比較に整理してあります。
BANDの向き不向き
BANDは、掲示板と予定表とアルバムが1つになっている形で、部活や少年団での採用例が多い手段です。過去の投稿を遡りやすく、動画も保存できます。
導入の関門は、参加者に新しいアプリを入れてもらうところです。ここを越えられるかどうかが、続くかどうかを分けます。機能の多さは利点であると同時に、使い方の説明が増えるという負担でもあります。掲示板型の連絡が向く団体とそうでない団体の差については、BANDとの比較を見てください。
Facebookグループの向き不向き
Facebookグループは、長い投稿と写真や動画を時系列で残せる点が強みです。すでに使っている世代が中心の会なら、追加の負担なく始められます。
ただし、若い世代の保護者や学生はアカウントを持っていないことが増えました。全員に行き渡らない連絡手段は、結局その外側で別の連絡が発生します。世代がばらつく団体で起きるこの問題については、Facebookグループとの比較にまとめました。
Discordの向き不向き
Discordは、話題ごとに部屋を分けられるので、動画の保管場所と連絡の場所を分けやすい手段です。ファイルの容量にも上限がありますが、話題別に整理できる点は他にない利点です。
反面、画面の作りが慣れていない人には難しく、年配の会員が多い集まりでは説明の負担が大きくなります。役員が代わったときに、新しい担当が設定を理解できるかどうかも見ておく必要があります。導入したあとに誰が管理するかという観点は、Discordとの比較に書いてあります。
団体の種類ごとに、動画の困りごとは違う
同じ「動画が送れない」でも、団体によってつまずく場所が違います。自分の会に近いものを見ておくと、決めるべきことがはっきりします。
町内会では、参加者の年齢の幅が最大の変数になります。祭りや防災訓練の動画を配りたいのに、受け取る側の端末がばらばらで、ダウンロードの操作でつまずく人が出ます。回覧板や掲示板との併用をどう組むかについては、町内会での使われかたが参考になります。
PTAでは、役員の任期が1年で入れ替わることが前提です。動画の保管場所が個人のアカウントにあると、引き継ぎのたびに消えます。担当が代わっても残る形をどう作るかは、PTAでの使われかたに整理してあります。
サークルでは、参加が任意で出入りが多いのが特徴です。途中から入った人が過去の記録にたどり着けるかどうかが、続くかどうかに直結します。出入りのある集まりでの共有の作り方は、サークルでの使われかたを見てください。
教室や習い事では、欠席した人への共有が中心の課題になります。同じ説明を何度も繰り返さずに済ませたい、という要望が最も強く出る場面です。教室での使われかたには、欠席者への共有を仕組みにする例が載っています。
学校の部活動では、生徒と保護者の両方に届ける必要があり、宛先が二重になります。誰にどこまで見せるかを分けられるかが判断の分かれ目です。学校での使われかたに、対象を分ける運用の例があります。
判断に迷う点や、始めるときの手順についての細かい疑問は、よくある質問にまとまっています。
相談の内容から見えてくること
集まりの連絡をまとめる道具の作り手のもとには、動画についての相談がまとまって集まります。数字は出せませんが、傾向ははっきりしています。
動画についての相談は、行事のある月に集中します。運動会、発表会、夏の大会、卒業や卒団の時期です。つまり、動画で困るのは日常ではなく年に数回で、そのたびに毎回同じところでつまずいています。裏を返すと、一度決めておけば数年は困らない類の問題です。
相談の中身で多いのは、送れないことそのものよりも、その後の始末です。分けて送ったので順番が分からなくなった、期限が切れて見られなくなった、前の担当が保存した場所が分からない、という相談が続きます。送信の失敗は自分で解決できるのに、保管場所の問題は自分だけでは解決できないからです。
もう1つ気づくのは、動画をきっかけに連絡手段そのものを見直す会が多いことです。写真だけなら流し見でも回りますが、動画は容量が大きく、期限があり、権限の設定も要るので、その場しのぎが効きません。動画で行き詰まったときが、保管場所を決め直す機会になっています。
相談の時期にも偏りがあります。行事の直後に「送れない」という相談が来て、その1か月ほど後に「保管場所をどうするか」という相談が来る、という順番になることが多いです。困った直後は目の前の1本を送ることしか考えられませんが、少し時間が経つと、来年も同じことが起きると気づく人が出てきます。この2回目の相談のときに決めたことは、たいてい長く続きます。
もう1つ、団体の規模による違いもはっきりしています。人数が30人を超えたあたりから、「誰に届いたか分からない」という悩みが加わります。少人数なら口頭で補えたものが、規模が大きくなると補えなくなり、とりまとめる人の負担だけが増えます。動画を送るときも、送ったかどうかではなく、見た人がどれだけいるかを気にし始める分岐点がこのあたりです。
比較のページに寄せられる質問を見ていても、聞かれるのは機能の一覧ではありません。「役員が代わったときに何を渡せばいいか」「年配の会員が新しいIDを覚えなくて済むか」「あとから入った人が過去のものを見られるか」の3つに集中します。動画が送れないという入口の問題も、突き詰めるとこの3つに行き着きます。
だから、今日の動画をどう送るかだけを解決しても、来年の同じ時期に同じ相談が起きます。決めるべきなのは、動画を含めた記録をどこに保存し、誰が見られて、担当が代わったときに何を引き継ぐか、というたった3つです。この3つが紙1枚に書けている会は、動画で止まりません。
Q1. LINEで動画が送れないのは、スマートフォンの不調が原因ですか?
ほとんどは不調ではなく上限です。トークに送る動画には長さの区切りがあり、おおむね5分を超える分は切り取りの画面が出ます。まず10秒ほどの短い動画を送って、それが通るかどうかを確かめてください。通るなら通信もアプリも正常で、原因は動画の長さか容量にあります。
Q2. 長い動画を分けずに送る方法はありますか?
動画としてではなくファイルとして送ると、長さの制限を受けずに1GBまで送れます。ただし保存期間があり、一般に7日を過ぎるとダウンロードできなくなります。後から見返してほしい動画なら、クラウドや団体向けの連絡ツールに保存して、その場所への案内だけを流すほうが確実です。
Q3. 送った動画の画質が落ちるのを防ぐにはどうすればよいですか?
トークに動画として送ると圧縮がかかるので、ゼッケンの番号や文字は読めなくなります。画質を保ちたいならファイルとして送るか、保管場所を共有してください。あわせて、撮影時の設定を4Kから1080pに落としておくと、容量が半分以下になり送信も安定します。
Q4. 子どもが写った動画を共有するときは、何を先に決めておくべきですか?
共有する範囲、写りたくない人の申し出方、消してほしいと言われたときの窓口の3つを、年度のはじめに決めておくと後で揉めません。保管場所は、メンバー以外は見られず、担当が代わっても引き継げる形を選んでください。保存期間を1年などと先に決めておくと、整理の判断でも迷わなくなります。
