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PTAの名簿をどう持つか|学校の名簿と分けて持つ決め方

2026年9月5日 ・ Tsudoo編集部

「pta 名簿」で調べる人がぶつかっているのは、名簿の書式ではありません。学校が持っている児童生徒の名簿をPTAが使ってよいのか、使えないなら自分たちで何をどこまで集めるのか、そして集めたものを年度末に誰へどう渡すのか、この3つです。PTAの名簿は、学校の名簿とよく似た見た目をしていながら、出どころも管理者も責任の持ち方も別物です。この記事では、PTAの名簿を「学校のものと分けて持つ」という前提に立ち、載せる項目の決め方、置き場所の選び方、年度替わりの引き継ぎ手順、個人情報の扱いで多くの会が取っている運用まで、順番に整理します。

PTAの名簿は、いまどんな状態に置かれているか

PTAは学校の中で活動していますが、学校の組織ではありません。校長や教職員が会員として加わっていることは多いものの、法人格を持たない任意団体として、保護者が自分たちで運営している会です。ここが名簿の話の出発点になります。学校が持つ児童生徒名簿は、学校が教育活動のために集めて管理しているものです。PTAが会の運営のために使う名簿は、PTAが自分たちで集めて自分たちで管理するものです。両者は同じ子どもの名前が並んでいても、別の名簿として扱うのが原則になります。

この整理が全国で広く共有されるようになったのは、ここ10年ほどのことです。かつては、入学時に学校が集めた連絡先の一覧が、そのまま学級委員やPTA役員へ渡されるという運用が各地にありました。いまは、学校が集めた情報をPTAへ渡すには保護者本人の同意が要る、という考え方が広がり、入学説明会の書類にPTAへの情報提供に関する確認欄を設ける学校が増えています。名簿の作り方が変わったのではなく、名簿を誰が持っているのかという線引きがはっきりしたと言うほうが実態に近いところです。

個人情報保護のルールが、任意団体にも及ぶようになった

もう1つの背景が、個人情報保護法の適用範囲の変化です。以前は、取り扱う個人情報が一定数以下の小さな団体は法律の対象から外れていました。この除外がなくなり、規模にかかわらず個人情報を扱う者が対象になったことで、PTAや町内会のような非営利の任意団体も、名簿の扱いについて説明できる状態が求められるようになりました。

個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいいます。法人か個人かを問わず、また、営利・非営利を問いません。 出典: ppc.go.jp

とはいえ、個々の場面で何が適法かの判断は、集めた経緯や使い方によって変わります。この記事でも法律の解釈を断定することはしません。実務でおさえておくとよいのは、次の3点です。集めるときに使い道を伝えること、伝えた使い道を超えて使わないこと、他へ渡すときは本人に確認すること。この3つを守っている限り、細かい条文の解釈で迷う場面はそれほど多くありません。多くの会が、この3点を会則や個人情報取扱規程の形で1枚にまとめ、毎年の総会資料に添えて配る運用を取っています。

加入の任意性が明確になり、名簿の性格が変わった

PTAへの加入は任意である、という説明を入学時に明記する学校とPTAが増えました。これにより、名簿の性格も変わっています。かつての名簿は「その学校に通う全児童生徒の保護者一覧」に近いものでしたが、いまは「会に加入している人の一覧」です。全員が載っているわけではない名簿を、学校からの一斉連絡や災害時の安否確認にそのまま流用することはできません。

この違いは、名簿を作る前に役員間で共有しておくと効きます。共有されていないと、名簿の項目を決める会議で「緊急時に必要だから携帯番号は全員分ほしい」という意見と「会の連絡にしか使わないなら1件でよい」という意見が噛み合わないまま長引きます。名簿の使い道を先に固定してから項目を決めると、議論は30分ほどで終わります。使い道が決まっていないうちに項目から議論を始めると、必ず「念のため」の項目が増えます。

PTAの名簿でよく起きている困りごと

現場から出てくる困りごとは、会の規模や地域が違ってもよく似ています。名簿そのものの出来ではなく、名簿と運営の関係のところで詰まっているためです。

誰が最新版を持っているのか分からなくなる

いちばん多いのがこれです。年度初めに作った一覧を、委員会ごとに配り、そこから各自が自分の担当分を抜き出して手元に置く。この時点で複製が何部あるのか誰も数えていません。数か月後に転入や連絡先変更があると、修正されるのは一部の写しだけで、残りは古いまま残ります。行事の当日に「そこに載っている番号はもう使われていない」という事態が起きるのは、ほぼこの経路です。

対策は単純で、正本を1つだけ決め、それ以外は写しであることを全員が分かる状態にしておくことです。写しの余白に「2026年4月時点の写し」のように日付を入れる運用にしている会もあります。日付が入っていれば、古い写しを見た人が自分で気づけます。逆に日付のない紙が出回っていると、どれが新しいのか誰にも判断できません。

更新の担当が決まっていない

名簿は作ったときが最も正確で、そこから毎日少しずつ古くなっていきます。転出入、きょうだいの卒業、携帯番号の変更、離婚や再婚による姓の変更。年間を通して更新の理由は途切れません。それにもかかわらず、更新の担当を決めている会は多くありません。作る担当は決まっているのに、直す担当が決まっていないという状態です。

更新を役割として置くのが難しい場合、更新のきっかけを行事に紐づけてしまう方法があります。総会、運動会、バザー、この3つのように出欠を取る機会に、連絡先の確認欄を一緒に置いておく形です。出欠の回答と同時に連絡先が最新化されるので、名簿更新のためだけの作業を別に立てなくて済みます。

卒業や退会のあとの扱いが決まっていない

名簿の困りごとで、いちばん後回しにされるのがここです。子どもが卒業した保護者の情報を、いつまで持っておくのか。退会した人の情報をどうするのか。決めていない会では、歴代の名簿ファイルがフォルダの中に何年分も積み上がったまま残ります。

多くの会が取っているのは、保存期間を決めて明示する運用です。会計処理や周年行事の名簿作成に必要な範囲として、1年から3年程度を目安に置き、期限を過ぎたものは紙なら裁断、データなら削除と決めておきます。期間の長さそのものより、期間が決まっていて誰が実行するかが書いてあることのほうが重要です。決まっていない状態のまま置かれた古い名簿が、後年に流出して問題になる例が繰り返し報じられています。

学校の名簿とPTAの名簿を分けて持つ

ここからが本題です。PTAの名簿の設計でつまずく原因のほとんどは、学校の名簿を借りて済ませようとするか、学校の名簿と同じ粒度で作ろうとするところにあります。分けて持つと決めた瞬間に、決めるべきことが一気に減ります。

分けると何が変わるか

学校の名簿は、児童生徒を単位に作られています。学年、組、出席番号、氏名、生年月日、住所、保護者氏名、緊急連絡先。教育活動と安全管理に必要な情報が並びます。一方、PTAの名簿が必要としているのは、会の連絡が届く相手と、その人がどの委員会や学年に属しているかです。子どもの生年月日も出席番号も、PTAの運営では使いません。

分けて持つと決めれば、PTA側は学校の名簿から項目を引き写す必要がなくなり、自分たちの連絡に要るものだけを集めればよくなります。集める項目が減れば、集めるときの説明も短くなり、保管の負担も、万一のときの影響範囲も小さくなります。役員が交代するときに引き継ぐものも軽くなります。

もう1つの効果が、責任の所在がはっきりすることです。学校の名簿はあくまで学校が管理し、PTAの名簿はPTAが管理する。この線が引かれていれば、名簿に関する問い合わせが来たときに、どちらが答えるべきかで迷いません。線が引かれていないと、連絡先をどこで知ったのかという保護者からの問い合わせに、学校もPTAも答えられないという事態が起きます。

分けるときに先に決める4つのこと

分けて持つと決めたら、次の4つを役員会で決めて議事録に残しておくと、その後の運用が安定します。

1つ目は、名簿の管理者を誰にするかです。役職で決めます。個人名で決めると、その人が抜けたときに宙に浮きます。会長と書記の2名、あるいは会長と副会長と書記の3名、という置き方が多く見られます。1名だけにすると不在時に何も動かせなくなり、全役員にすると誰も責任を持たなくなります。

2つ目は、見られる範囲です。全項目を見られるのは管理者だけ、委員長は自分の委員会の分だけ、一般会員は役員の連絡先だけ、という三段構えが実務上は扱いやすい形です。段を増やすほど設定と説明が複雑になるので、3段までにとどめている会がほとんどです。

3つ目は、保存期間です。前述のとおり、年度終了後に何年で消すかを決めます。決めた期間は、名簿を集めるときの説明文にも書いておきます。

4つ目は、正本の置き場所です。紙なのか、表計算ファイルなのか、共有のサービス上なのか。ここが次の章の話につながります。

名簿を集めるときの説明で書いておくこと

新しく集め直すときは、記入をお願いする用紙やフォームの冒頭に、次の4行を入れておくと後で揉めません。何に使うのか、誰が管理するのか、誰まで見えるのか、いつまで持つのか。この4つです。長い規程文を添える必要はなく、4行で足ります。

書いておくと何が変わるかというと、あとから「聞いていない」という指摘が出なくなります。名簿にまつわるトラブルの多くは、情報が漏れたことそのものより、使い道が事前に説明されていなかったことをきっかけに大きくなります。集める段階での4行が、年度末までの安心を作ります。

名簿に何を載せ、何を載せないか

項目の決め方には、実務的な指針があります。「その項目を使う場面を、具体的な行事名で言えるか」です。言えない項目は載せません。

連絡に使う項目だけに絞る

PTAの運営で実際に使われるのは、次の項目です。保護者の氏名、子どもの学年と組、会員が所属する委員会または係、連絡先が1件、そして情報を更新した日付。この5つがあれば、総会の案内、委員会の招集、行事の割り当て、緊急の連絡変更は回ります。

連絡先を1件にするか2件にするかは、会によって判断が分かれます。2件持つと不通のときに追える一方、更新すべき欄が倍になります。連絡の手段を1つに寄せている会では、1件で足りているという声が多く聞かれます。複数の手段が並行して動いている会では、2件目が実質的な保険として機能しています。

子どもの氏名を載せるかどうかも判断が分かれるところです。学年と組だけで運営が回るなら、氏名は載せないという選択があります。委員会の割り当てや行事の学年別集計は、学年と組だけでできます。載せる場合は、その必要性を説明できるようにしておきます。

載せないほうが運用が楽になる項目

反対に、載せると負担のほうが大きくなりやすいのが次の項目です。住所、勤務先、生年月日、家族構成、子どもの顔写真。

住所は、紙の配布物を郵送する必要がなくなった会では使われません。学校を通じて配れるか、電子的に配れる会では、住所欄が数年間まったく参照されないまま更新だけが必要な状態になります。勤務先は、かつて役員選出の際の判断材料として集められていた例がありますが、就労状況を理由に負担を割り振ること自体が見直されており、集めない会が増えています。生年月日と家族構成は、PTAの運営で使う場面をほぼ説明できません。

顔写真については、名簿に載せる話と、行事の記録として撮った写真を共有する話を混ぜないことが大切です。名簿は連絡のための一覧であり、写真の保管場所ではありません。行事の写真は別の場所で、別のルールで扱うほうが、どちらの管理も楽になります。

会員本人に確認してもらう欄を作る

項目を絞ったあとに効いてくるのが、内容が合っているかを本人に見てもらう仕組みです。名簿の間違いは、集めるときの記入ミスと、集めたあとの入力ミスの両方から生まれます。役員が全件を突き合わせて確認するのは現実的ではないので、本人に一度だけ見てもらう機会を作るほうが早く終わります。

多く見られるのは、年度初めの総会や最初の委員会の場で、自分の行だけを印刷した短冊を配り、間違いがあれば直して戻してもらう形です。全員分の一覧を配らずに済むので、ほかの会員の情報が見えることもありません。電子的にやり取りしている会では、自分の登録内容だけを表示して本人が直せるようにしておく形が使われています。どちらの形でも、確認を年に1回の行事として決めておくと、担当者が代わっても手順が残ります。

確認の機会を作らないままだと、間違いは行事の当日に発覚します。連絡がつかない1件を探すために複数人が動くことになり、その場では直したつもりでも名簿の正本には反映されないまま次の年へ渡っていきます。年に1回の確認は、当日の混乱を減らすためだけでなく、名簿が世代を越えて劣化していくのを止めるためのものです。

様式は1つの表に寄せる

委員会ごとに別々の様式で名簿を作っている会は、統合のときに必ず苦労します。列の順番、学年の書き方、電話番号のハイフンの有無、こうした細かい違いが、年度末の集約で数時間の手作業を生みます。

最初から1つの表に寄せ、委員会は列の1つとして持つ形にしておくと、絞り込むだけで委員会別の一覧が作れます。表を分けると統合の作業が発生し、表を1つにすると絞り込みで済みます。この差は、毎年繰り返されると小さくありません。

名簿をどこに置くか

置き場所の選択肢は、実質的に4つです。それぞれの向き不向きを、引き継ぎのしやすさという観点で比べます。

紙の名簿

長所は、誰でも読めることと、機器やアカウントに依存しないことです。年配の役員が多い会では、この点が決め手になります。短所は、更新が反映されないことと、複製の数を管理できないことです。1か所直しても、配った分は古いまま残ります。

紙で持つと決めた場合は、配る部数を記録に残し、年度末に回収するところまでを手順にしておきます。回収しない運用にするなら、配る内容を役員の連絡先だけに絞るのが安全です。

表計算ファイルをメールでやり取りする

いま最も多い形です。長所は、誰の家にもある道具で扱えること。短所は、版が増えることです。メールに添付して送るたびに写しが増え、返ってきたファイルが元のファイルと違う版になっているという事態が起きます。ファイル名に日付を入れる運用でしのいでいる会は多いものの、根本的には解決しません。

さらに、添付ファイルは宛先を1文字間違えると外部へ出ます。パスワードを別便で送る運用も広く使われていますが、手順が増えるぶん、忙しい時期に省略されがちです。

メッセージアプリのグループやノート機能

連絡と名簿を同じ場所に置ける点が支持されています。一方で、名簿として使うには弱いところがあります。過去の投稿が流れていくため最新版を探しにくいこと、グループに入っている全員が全項目を見られてしまうこと、そして退会した人の扱いです。役員が交代するとき、グループの管理権限をどう渡すかも決めておく必要があります。この点はLINEグループとの比較に、連絡と記録を同じ場所に置いたときに何が起きるかが整理されています。

参加者を広く集める形のグループでは、匿名で入れることと引き換えに、誰が誰なのかを名簿と突き合わせられないという課題が出ます。LINEオープンチャットとの比較では、参加のハードルの低さと、参加者の把握のしにくさが表裏になっている点が扱われています。

団体向けの連絡サービスに名簿ごと持たせる

連絡先の一覧と、連絡を送る操作が同じ場所にある形です。長所は、連絡を送るたびに名簿を見ることになるため、更新のための作業を別に立てなくてよいこと。そしてメンバー以外は見られない状態を設定で作れることです。役員の交代時も、管理の権限を移すだけで、ファイルを渡し直す必要がありません。

短所は、新しいIDとパスワードを会員に増やしてもらう必要がある点です。年配の会員が多い会では、ここが最初の関門になります。導入を検討するときは、機能の多さより、招待から参加までに何回の操作が必要かを先に確かめるほうが、実際の定着率に効きます。

掲示板と予定表を中心に据えた形についてはBANDとの比較に、既存のアカウントを使い回す形についてはFacebookグループとの比較に、話題ごとに部屋を分ける形についてはDiscordとの比較に、それぞれの向き不向きがまとめられています。どれが優れているかではなく、自分の会の年齢層と役員の任期に合うかどうかで選ぶのが実際的です。

4つの置き場所の比較

置き場所 更新の反映 見える範囲の制御 引き継ぎの手間 向いている会
反映されない 配る相手で調整 大きい 高齢の役員が多い会
表計算ファイル 版が分かれる ファイル単位のみ 中くらい 会員数が少ない会
メッセージアプリ 流れて埋もれる 全員が同じ範囲 管理者の移譲が必要 連絡量が少ない会
団体向け連絡サービス 1か所で反映 役割ごとに設定可 権限の移譲で完了 役員が毎年代わる会

年度替わりの作り直しと引き継ぎ

PTAの名簿が町内会の名簿ともっとも違うのは、更新の頻度ではなく、更新の集中の仕方です。町内会は世帯単位でゆるやかに入れ替わりますが、PTAは3月4月に構成員が大きく入れ替わります。ここを手順にしておくかどうかで、新年度の立ち上がりが2週間ほど変わります。

3月にやること

まず、卒業する学年の会員を名簿から外す作業です。次に、その年度で退会した人の扱いを保存期間のルールに従って処理します。そして、配った紙の名簿を回収するか、回収しない運用なら破棄の依頼を出します。

同時に、次年度の役員へ渡すものの一覧を作ります。名簿本体だけでなく、共有フォルダの権限、連絡グループの管理者、規程や説明文の原本、そして個人の電話帳にしか入っていない外部の連絡先。この4つ目が最も抜けやすい場所です。前年度の会長が個人の携帯に入れていた業者や地域団体の連絡先が、誰にも渡らないまま消えるという例は各地で起きています。

4月にやること

新入生の保護者から情報を集める作業が中心になります。ここで押さえておきたいのは、学校の入学手続きと同じタイミングで集めようとすると、書類の量に埋もれて回収率が落ちることです。学校の書類と分けて、PTAとして独立した案内を出す会のほうが、結果的に回収は早く終わります。

集めるときの説明文は、前年度のものをそのまま使い回せる形にしておきます。毎年書き直すことにしていると、担当が代わったときに内容がぶれます。原本を1つ持ち、年度と会長名だけを差し替えるのが、いちばん揺れの少ない形です。

回収した情報を名簿へ反映したら、旧年度の名簿は正本から外し、保存期間のルールで管理される場所へ移します。新旧が同じ場所に並んでいると、次に見た人がどちらを使えばよいか判断できません。

引き継ぎ書に書いておくこと

引き継ぎ書は長くする必要がありません。次の5行が書いてあれば足ります。名簿の正本がどこにあるか。管理者は誰か。見られる範囲はどう分けているか。保存期間は何年か。更新のきっかけをどこに置いているか。

この5行があれば、次の役員は自分で読んで動けます。逆に、これがない状態で名簿ファイルだけを渡されると、受け取った側は前年と同じ運用をしているつもりで、少しずつ違うやり方を始めます。それが数年重なると、誰も全体像を説明できない状態になります。年度ごとの運用の細かい違いを揃えるより、この5行を揃えるほうがはるかに効きます。運用の詳しい疑問についてはよくある質問にも、団体の連絡と記録をまとめるときによく出る論点が整理されています。

名簿を安全に扱うための運用の決めごと

事故を完全に防ぐことはできません。決めておけるのは、事故が起きにくい形と、起きたときに小さく収める手順です。

持ち出しの範囲を決める

名簿を家に持ち帰ってよいか、印刷してよいか、写真を撮ってよいか。この3つは、役員の間で認識がずれやすい項目です。委員会の準備を自宅でする人が多い会では、持ち帰りを一律禁止にすると運用が回りません。現実的なのは、持ち出してよい範囲を「自分の委員会の分だけ」に限る形です。全会員分を持ち出せる人を管理者だけに絞れば、影響範囲は大きく変わります。

印刷については、印刷した紙に日付と部数の通し番号を入れ、行事が終わったら回収して裁断する運用を取っている会があります。手間は増えますが、行方不明の紙が出たときにすぐ気づけます。

事故が起きたときの手順を先に書いておく

紙をなくした、誤って別の宛先に送った、写しが外部に出た。こうしたときに、誰へ最初に連絡するかを決めておきます。多くの会が、会長と学校の管理職の両方へ同時に連絡する形を取っています。学校の中で活動している以上、学校側が事情を知らないまま保護者から問い合わせが入る状況は避けたいためです。

そのうえで、何が、いつ、何件、どの範囲へ出た可能性があるかを整理します。この整理を後回しにすると、対象者への説明が遅れ、遅れたこと自体が二次的な問題になります。手順を先に紙に書いておけば、当日は読みながら動けます。

他へ渡すときは必ず確認する

名簿を外部へ渡す場面は、思っているより多く発生します。地域の団体からの案内の送付依頼、卒業アルバムの制作業者、記念行事の名簿作成。いずれも、集めたときに説明した使い道の範囲を超えていないかを確認するところから始めます。超えている場合は、本人へ確認を取るのが原則です。

判断に迷ったときは、渡す代わりに「こちらから配る」という代替案を検討します。名簿そのものを渡さず、PTA側が案内を配布する形にすれば、情報は外へ出ません。この置き換えで解決する依頼が、実際にはかなりの割合を占めます。

集まりの連絡ツールから見た、名簿の置きどころ

集まり向けの連絡ツールについてまとめられた記事の構成を見ると、比較の記事が5本、団体の種類ごとの使われかたの例が5本、という組み立てになっています。この構成そのものに、名簿の扱いのヒントがあります。

PTAでの使われかたには、年度ごとに構成員が入れ替わる団体で、連絡と記録をどう分けて持つかがまとめられています。PTAの名簿がほかの団体と違うのは、更新が年間を通じて少しずつ起きるのではなく、年度の変わり目に一気に起きる点です。この形の団体では、名簿を独立した表として持つより、連絡が届く相手の一覧がそのまま名簿になっている形のほうが、作り直しの負担が小さくなります。

学校での使われかたは、保護者と児童生徒という二層の連絡先を持つ点で、PTAの名簿の構造に近いところがあります。学校側とPTA側の名簿を分けて持ったうえで、連絡の流れだけを揃えるという設計が、両者の責任を混ぜずに済ませる方法として現実的です。

町内会での使われかたには、班や組といった階層を持つ団体で連絡を分けて流す方法がまとめられています。PTAの委員会や学年も同じ階層構造なので、この考え方はそのまま使えます。階層で絞り込めない形で名簿を持っていると、委員長が毎回自分で該当者を拾い出す手間が発生します。サークルでの使われかた教室での使われかたは、参加者が自分の意思で出入りする団体の例で、名簿を管理者が抱えるのではなく、参加している本人が自分の情報を直せる形に比重が置かれています。PTAでも、連絡先の変更を本人が直せるようにしておくと、更新の担当を置かずに済みます。

5つの例に共通しているのは、名簿を作る作業と、連絡を送る作業を別々に持たない形が中心になっていることです。PTAの名簿が年度の途中で古くなるのは、名簿と連絡が別の場所にあるからです。連絡を流す操作がそのまま名簿の確認になっていれば、更新のための作業を別に設ける必要がなくなります。

比較の記事が5本用意されているのも示唆的です。どの道具が優れているかだけでは判断が終わらず、自分の会の形に当てはめないと決められない、という読まれ方をしている表れです。PTAの名簿についても同じで、項目の正解や様式の正解を探すより、学校の名簿と分けて持つと決めたうえで、会員数、委員会の数、役員の任期、年齢層という4つの条件に当てはめて、引き継ぎが1回の説明で終わる形を選ぶほうが長く続きます。名簿は作る作業ではなく、渡し続ける作業です。渡す相手が毎年変わる団体では、渡しやすさが名簿の品質そのものになります。

Q1. 学校が持っている児童生徒の名簿を、PTAがそのまま使ってもよいですか?

学校が教育活動のために集めた情報と、PTAが会の運営に使う情報は、別の名簿として扱うのが原則です。学校からPTAへ渡すには保護者本人の同意が要るという整理が広がっており、入学時の書類に確認欄を設ける学校が増えています。PTA側で必要な項目だけを自分たちで集めるほうが、手続きも管理も簡単に済みます。

Q2. PTAの名簿には、どこまでの項目を載せればよいですか?

運営で実際に使うのは、保護者の氏名、子どもの学年と組、所属する委員会、連絡先1件、更新日の5つです。住所、勤務先、生年月日は使う場面を説明しにくいため、載せない会が増えています。「その項目を使う場面を具体的な行事名で言えるか」を基準にすると、迷わずに絞り込めます。

Q3. 卒業した保護者の名簿は、いつまで持っておくべきですか?

決まった年数はありませんが、会計処理や周年行事での利用を考えて1年から3年を目安に保存期間を決め、集めるときの説明文にも書いておく運用が多く見られます。期間の長さより、期間が決まっていて誰が実行するかが明記されていることのほうが重要です。期限が来たら紙は裁断、データは削除と手順まで書いておきます。

Q4. 役員交代のときに、名簿の引き継ぎで抜けやすいものは何ですか?

名簿本体は渡されても、共有フォルダの権限、連絡グループの管理者、規程や説明文の原本、そして前任者の個人の電話帳にしか入っていない外部の連絡先、この4つが抜けやすい場所です。渡すものの一覧を3月のうちに作り、正本の場所、管理者、見える範囲、保存期間、更新のきっかけの5行を引き継ぎ書に残しておくと、次の代でも同じ形が続きます。

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