配車表のエクセルでの作り方を探している人の多くは、表の作り方そのもので困っているわけではありません。困っているのは、誰の車に誰が乗るかを決めて、それを試合の朝までに全員に伝え、直前の変更にも対応する一連の流れです。表は途中の道具にすぎません。この記事では、配車表に入れる項目から始めて、エクセルでの作り方を手順で追い、無料のテンプレートを使う場合の直し方、保護者の負担が偏らない割り振りのコツ、当日の変更への対応までを並べます。エクセルのままでよい条件と、道具を変えたほうが早い条件も最後に整理します。
配車表が要るのはどんな場面か
配車表という言葉は、2つの世界で使われています。検索すると先に出てくるのは、運送会社がトラックと運転手と配送先を組み合わせる業務用の表です。そちらは荷物の量と距離と拘束時間を計算する話になります。
もう1つが、部活、少年団、教室、地域の行事で、保護者の車に子どもを乗せて移動する場合の表です。こちらは計算よりも、誰に何回頼むかという人の話が中心になります。この記事が扱うのは2つめです。
配車表が要る場面は3つに分かれます。
1つめが、試合や大会への移動です。会場が公共の交通機関で行きづらい場所にあり、道具も多いため、保護者の車に分乗します。集合の時刻と場所、誰の車に誰が乗るか、荷物をどの車に積むかを決める必要があります。
2つめが、合宿や遠征の移動です。距離が長く、途中で休憩を入れるため、車列をまとめて動かす前提になります。運転を交代する段取りまで決める会もあります。
3つめが、日々の練習の送迎です。毎週決まった曜日に、当番の保護者が複数の子どもを乗せる形です。表を1枚作って年間で回す形になります。
どの場面でも共通するのは、表を作ることより配ることのほうが難しいという点です。表を作る作業に30分かけても、配り方を決めていなければ、当日の朝に電話が鳴ります。
配車をお願いする案内の書き方
表を作る前に、車を出せる保護者を集める案内を出します。この案内の書き方で、集まる数が変わります。
書く項目は5つです。行事の名前と日付、会場と片道のおおよその距離、集合の時刻、返事の締め切り、そして車を出せない場合の答え方です。5つめを書いていない案内が多く、それが返事の遅れにつながります。出せない人が返事をしづらい書き方だと、答えないまま締め切りを過ぎます。
例文を1つ挙げます。「〇月〇日の△△大会の配車について、車を出していただける方を募ります。会場は□□体育館で、片道およそ25キロです。集合は午前7時に学校の駐車場を予定しています。乗せられる人数と、当日の連絡が付く番号を、〇月〇日までにお知らせください。出せない場合も、出せないとだけお返事いただければ助かります。」
締め切りは、行事の10日前に置いてください。表を作り、配り、確認を取る時間が要ります。前日に募る形にすると、毎回同じ人に頼むことになります。
返事の集め方も決めておいてください。口頭で受けると、聞いた人の記憶だけが記録になります。文字で返事をもらい、一覧として残る形にすると、そのまま表の材料になります。返ってきていない人が誰かも、一覧を見れば分かります。
配車表に入れる項目は8つ
まず、表に何を入れるかを決めます。これが決まっていないと、作り直しになります。入れる項目は8つです。
1つめが、行事の名前と日付です。何の移動のための表なのかを、表の一番上に書きます。過去の表を見返すときに、これがないと探せません。
2つめが、集合の場所と時刻です。出発の時刻ではなく、集合の時刻を書いてください。出発の時刻だけ書くと、5分前に来る人と15分前に来る人が混ざります。
3つめが、運転する人の名前と車の情報です。車種と色、乗れる人数を書きます。駐車場で車を探す子どもがいるので、車種と色は実際に役に立ちます。
4つめが、その車に乗る子どもの名前です。ここが表の本体になります。
5つめが、乗る子どもの人数と、乗れる人数の残りです。定員を超えていないかを、表の上で目で確かめられるようにします。
6つめが、荷物の割り振りです。ボール、用具、氷や飲み物のような、誰かが運ぶ必要があるものを車ごとに書きます。
7つめが、連絡先です。当日に連絡が付く番号を、運転する人の分だけ書きます。子ども全員の番号を並べると、紙を落としたときの被害が大きくなるので避けてください。
8つめが、現地での集合の場所です。会場に着いてから、どこに集まるかを1行書いておくと、駐車場で迷いません。
この8つで足ります。これ以上増やすと、紙に印刷したときに文字が小さくなり、朝の駐車場で読めなくなります。
エクセルでの作り方を手順で追う
項目が決まったら、表を作ります。手順は6つです。
1つめに、上の3行を見出しにします。1行目に行事の名前と日付、2行目に集合の場所と時刻、3行目は空けます。この3行は印刷したときに毎ページ出るようにしたいので、あとで見出しの固定を設定します。
2つめに、4行目に列の名前を並べます。左から、車の番号、運転する人、車種と色、定員、乗る子ども、人数、荷物、連絡先の順です。乗る子どもの欄は、1つのセルに全員を書く形と、1人ずつ別の行に書く形があります。1人ずつ別の行にするほうが、あとで数を数えるのが楽になります。
3つめに、車ごとに行をまとめます。1台につき乗る人数分の行を使い、車の番号と運転する人のセルを結合します。結合を使うと並べ替えができなくなるので、並べ替えを使いたい場合は結合せず、車の番号を各行に繰り返し書いてください。
4つめに、定員と人数を比べる欄を作ります。乗る人数が定員を超えたら気付けるようにします。
5つめに、印刷の設定をします。用紙は縦のA4、余白は狭く、列の幅は名前が折り返さない幅に広げます。印刷の見出しで4行目までを繰り返すように設定すると、2枚目にも列の名前が出ます。
6つめに、ファイルの名前を決めます。行事の名前と日付を入れて、末尾に作った日を付けてください。名前を付けずに上書きしていくと、どれが最新か分からなくなります。
作業の時間は、慣れれば30分ほどです。1度作ったら、次の行事では日付と名前だけを差し替えて使い回してください。
入力を楽にする3つの仕掛け
毎回手で名前を打っていると、書き間違いが起きます。エクセルの機能を3つ使うと、入力の手間と間違いが減ります。
1つめが、データの入力規則です。別のシートに部員の名前を一覧にしておき、乗る子どもの欄でその一覧から選べるように設定します。一覧から選ぶ形にすれば、名前の表記が揺れません。同じ子どもが「ゆうた」と「悠太」で二重に数えられる事故が防げます。
2つめが、条件付き書式です。定員を超えた行に色が付くように設定します。乗る人数のセルが定員のセルより大きいときに背景を赤くする、という設定です。目で確かめるより確実で、急いで作ったときの見落としが減ります。
3つめが、COUNTIF関数です。別のシートに部員の名前を並べ、その横で「配車表の中にその名前が何回出てくるか」を数えます。結果が0の子どもは、どの車にも乗せ忘れています。30人を超える部では、目で見て探すのは難しいので、この1列があるだけで乗せ忘れが消えます。結果が2以上の子どもは、二重に書いています。
この3つは、1度設定すれば次の行事でも使えます。設定に慣れていない場合は、入力規則だけでも入れてください。名前の揺れが消えるだけで、あとの数え上げがすべて楽になります。
計算式を入れた表は、行を挿入したときに範囲が広がらないことがあります。行を増やしたあとは、数えている列の結果が正しいかを1度確かめてください。壊れた計算式のまま使い続けると、乗せ忘れを見逃します。
無料のテンプレートを使う場合
ゼロから作らず、無料で配られているテンプレートを直して使う道もあります。配車表のテンプレートは、自動配車のシステムを扱う会社が無料で公開しているものがいくつかあります。
自動配車ベンダーが作成したエクセル配車表を無料でダウンロードいただけます。 事前にちょこっと情報を登録しておけば、かんたんなマウス操作だけで配車スケジュールを作成できたり、配送先までのおおよその移動距離・時間が自動で計算されたりという、とても便利なエクセル配車表です! 出典: lynalogics.com
こうしたテンプレートの長所は、計算式と印刷の設定が最初から入っていることです。マウスの操作だけで割り振りを組み立てられる作りになっているものもあります。表の作り方そのものに時間をかけたくない場合は、ここから始めるのが速いです。
一方で、そのままでは部活には合いません。運送業向けに作られているため、列が荷物と配送先を前提に並んでいます。改変が自由に認められているテンプレートなら、列の名前を書き換えて使えます。ダウンロードする前に、改変してよいかどうかを配布元のページで確かめてください。
テンプレートを使うときに気を付ける点が2つあります。1つめが、マクロが入っている場合です。ボタンで集計する作りのものは、パソコンの設定によってボタンが動かないことがあります。動かない場合は、マクロなしの版があるかを探してください。2つめが、余計な列を消しすぎないことです。計算式が参照している列を消すと、表の他の場所が壊れます。使わない列は、消すのではなく非表示にしておくのが安全です。
運送業向けのテンプレートを部活用に直す
運送業向けのテンプレートを部活の配車表に直すときは、置き換える列が決まっています。
配送先の列は、乗る子どもの名前に置き換えます。荷物の量や重量の列は、荷物の内容に置き換えます。トラックの番号と積載量の列は、車の番号と定員に置き換えます。移動の距離と時間を自動で計算する列は、部活では使わないので非表示にします。
弊社も、AI自動配車サービス(サービス名:ADS)を提供しております。実際の配車結果のイメージは、エクセル配車表内の④詳細を管理したい時の配車表のような形式で配車計画を自動で出力してくれます。 出典: column.eii-net.co.jp
業務用の配車では、条件を入れると割り振りを自動で出す仕組みがあります。部活の配車でも同じことをしたくなりますが、自動で決められない条件が多いのが実際です。誰と誰を同じ車にしたくないという事情、運転に慣れていない保護者に長距離を頼まない配慮、きょうだいを同じ車にするかどうか。こうした条件は表に書けないため、最後は人が決めることになります。
自動化を目指すより、決めたあとの確認を機械に任せる形が向いています。定員を超えていないか、乗せ忘れがいないか、同じ保護者に頼みすぎていないか。この3つだけを表で確かめられるようにすれば、人が決める部分に集中できます。
割り振りを決めるコツ
表ができたら、中身を埋めます。ここが実務でいちばん時間のかかるところです。コツは4つです。
1つめが、決める順番です。まず運転できる保護者を確定し、次に定員の合計が参加する子どもの人数を超えているかを確かめ、最後に誰を乗せるかを決めます。先に子どもを割り振ってから車を探すと、足りないことに気付くのが遅れます。
2つめが、余裕を1席残すことです。定員をぴったり埋めると、当日に1人増えた時点で組み直しになります。1席だけ空けておくと、朝の変更を電話1本で吸収できます。
3つめが、住んでいる場所でまとめることです。同じ地区の子どもを同じ車に乗せると、集合の場所を地区ごとに分けられます。1か所に全員を集める必要がなくなり、朝の駐車場の混雑も減ります。
4つめが、学年を混ぜることです。同じ学年だけで固めると、車の中で盛り上がりすぎて運転する保護者が疲れます。上の学年を1人入れておくと、車の中が落ち着きます。
避けたほうがよいのは、前回と同じ組み合わせを機械的に繰り返すことです。同じ子どもが毎回同じ車になると、保護者の側にも固定の負担が生まれます。3回に1度は組み合わせを変えると、保護者どうしの顔も覚えられます。
決めた理由は書き残さないでください。表に「この2人は離す」と書くと、紙を見た本人や保護者が読みます。そうした事情は、とりまとめる人の手元のメモにとどめます。
保護者の負担を偏らせないための数え方
配車で不満が出るのは、ほぼ負担の偏りです。何回頼まれたかを数えていない会では、声をかけやすい人に集中します。
数えるのは3つです。運転を引き受けた回数、乗せた人数の合計、走った距離の合計です。3つのうち、最低でも回数だけは数えてください。
数え方は簡単です。配車表とは別に1枚のシートを作り、保護者の名前を縦に並べ、行事の名前を横に並べます。運転した行事のセルに1を入れ、右端で合計します。年度の終わりに、合計の列を見れば偏りが分かります。
この表を保護者に見せるかどうかは、会の考え方で分かれます。見せる会では、負担の偏りが自分で分かるため、余裕のある人が申し出やすくなります。見せない会では、とりまとめる人が次に誰に頼むかの判断材料として使います。どちらでもかまいませんが、数えていること自体は伝えたほうが、不満は出にくくなります。
距離の合計も数えている会は、遠征の割り振りで使っています。近い会場ばかりを頼まれる人と、毎回遠征を頼まれる人では、同じ回数でも負担が違います。会場までの片道の距離を行事ごとに書いておけば、合計を出すのは足し算だけです。
ガソリン代の扱いも、年度の始めに決めておいてください。実費を集める会、部費から一律で出す会、各自の負担にする会があります。決めていない会では、遠征のたびにその場の相談になり、言い出しづらい人が黙って負担します。決めた内容は、年間の予定表と一緒に配る資料に1行書いておいてください。
印刷して配るときのポイント
配車表は、紙で配る場面が残ります。朝の駐車場で画面を見ながら人を探すのは現実的ではないからです。
印刷のポイントは4つです。1つめが、1枚に収めることです。2枚に分かれると、2枚目を持っていない人が出ます。車の台数が多い会は、文字を小さくするのではなく、地区ごとに表を分けて別々の紙にしてください。
2つめが、文字の大きさです。朝の暗い駐車場で読むので、名前は大きく印刷してください。画面で見て十分だと思った大きさは、紙にすると小さく感じます。
3つめが、車ごとに枠線を太くすることです。どこからどこまでが1台分なのかが、線の太さで分かるようにします。細い線で全部を区切ると、行を読み間違えます。
4つめが、色を使わないことです。会の印刷機は白黒のことが多く、色で区別した情報は紙の上で消えます。色で分けたい場合は、色と一緒に記号も入れてください。
配る先も決めておきます。運転する保護者の全員、指導者、そして当日に会場で受け付けをする人。この3者が同じ紙を持っていれば、現地で照らし合わせられます。子ども全員に配る必要はありません。子どもには、自分が誰の車に乗るかだけを伝えれば足ります。
エクセルで作ることのメリットとデメリット
エクセルで配車表を作る形には、はっきりした長所と短所があります。両方を知ってから選んでください。
メリットは4つです。1つめが、追加の費用がかからないことです。パソコンに入っている表計算のソフトだけで作れます。2つめが、自由に作れることです。会の事情に合わせて列を増やせます。3つめが、印刷が前提の作りになっていることです。紙で配る場面に強いです。4つめが、引き継ぎのときにファイルを渡せば形が残ることです。
デメリットも4つあります。1つめが、配るのが別作業になることです。作った表を全員に届ける手段を、エクセルの外に用意する必要があります。2つめが、変更が伝わらないことです。ファイルを直しても、手元に古い紙を持っている人には届きません。3つめが、同時に直せないことです。指導者と保護者の代表が別々に直すと、どちらが最新か分からなくなります。4つめが、出欠と別管理になることです。誰が参加するかを別の場所で集めてから、手で表に写す作業が残ります。
この4つのデメリットのうち、実務で重いのは1つめと4つめです。表を作る30分より、出欠を集めて写す作業と、配って確認を取る作業のほうが時間を使います。エクセルで作ることを決めるなら、この2つの工程をどうするかまで一緒に決めてください。
配り方で失敗する3つの型
配車表そのものは正しくても、配り方で事故になる型が3つあります。
1つめが、画像で配る型です。エクセルの画面を写真に撮って連絡のグループに流す形です。手軽ですが、文字が小さくて読めない、拡大すると切れる、後から探せないという3つの問題が同時に起きます。読めない表は、電話で聞かれることになります。
2つめが、ファイルを添付して流す型です。スマートフォンでは表計算のファイルが開けない人がいます。開けたとしても、列の幅が崩れて読めない形で表示されます。ファイルで渡すのは、パソコンで見る指導者と代表の間だけにしてください。
3つめが、文章で書き出す型です。連絡の本文に「1号車は〇〇さん、乗るのは△△と□□」と書き並べる形です。これは読めますが、変更が出たときに全文を書き直すことになります。1人の変更で全員に長い文章が再送され、どれが最新か分からなくなります。
この3つを避けるには、表の置き場所を1か所に決めて、そこへの案内だけを流す形が向いています。変更があったときは、その1か所を直し、変わった点だけを短く知らせます。全員が同じ1か所を見ている状態を作れれば、古い紙を持っている人がいても、当日の朝に確かめる先が1つに決まります。
当日の変更にどう対応するか
配車で必ず起きるのが、前日と当日の変更です。子どもの発熱、保護者の急な仕事、車の不調。この3つはどの年も起きます。
備えは3つです。
1つめが、1席の余裕を残しておくことです。前に書いた通り、定員をぴったり埋めない形にしておけば、1人の増減はその場で吸収できます。
2つめが、変更の連絡先を1つに決めておくことです。とりまとめる人の番号を1つ決め、変更はそこに集めます。保護者どうしで直接やりとりして解決されると、表と実際が食い違ったまま出発することになります。誰がどの車に乗ったか分からない状態で移動するのは避けてください。
3つめが、出発前に人数を数える段取りです。集合の場所で、車ごとに乗った人数を数え、合計が参加する人数と合っているかを確かめます。1分で済む作業ですが、これをやっていない会では乗り忘れが起きます。
変更が出たときの表の直し方も決めておいてください。紙を持っている人に手で書き直してもらう形は、書き間違いが起きます。変わった車だけを対象に、誰が誰の車に移ったかを1行で伝えるほうが確実です。
帰りの配車も忘れないでください。行きと帰りで運転する人が変わる会では、帰りの表を別に作る必要があります。行きの表の下に帰りの欄を作っておけば、1枚で足ります。会場での解散の時刻が競技の進み方で動く行事では、帰りの割り振りだけを現地で決める形にしておくと、待ち時間が短くなります。
エクセルのままでよい条件と、道具を変える条件
ここまでの内容を踏まえて、エクセルを続けるかどうかの判断の材料を並べます。
エクセルのままでよい条件は4つです。行事の回数が年に5回以下であること。車の台数が5台以下であること。出欠を別の場所で確実に集められていること。そして、紙で配ることに会が慣れていることです。この4つが当てはまる会では、道具を変える手間のほうが大きくなります。
道具を変えたほうが早い条件も4つです。1つめが、毎週の練習の送迎まで表で回している場合。回数が増えるほど、配って確認を取る作業が積み上がります。2つめが、出欠を集めるところから手作業になっている場合。3つめが、直前の変更が毎回起きる場合。4つめが、とりまとめる人が毎年代わる場合です。
4つめは見落とされがちですが、いちばん大きな条件です。前の代表のパソコンの中にしかないファイルは、その人が抜けた時点で開けなくなります。年度が代わるたびに表を作り直している会は、作り方を引き継ぐより、全員が同じ場所を見る形に移したほうが続きます。
移す判断をする場合も、エクセルを捨てる必要はありません。印刷して配る紙は、引き続きエクセルで作れます。変えるのは、出欠を集める場所と、決まった配車を全員に届ける場所です。この2つを移すだけで、とりまとめる人の作業は目に見えて減ります。
予定と出欠と配車をまとめる
配車表の前後にある作業を数えると、表を作る時間より長くなっています。前にあるのが出欠を集めること、後にあるのが配車を全員に届けて確認を取ることです。
いま部活や少年団の連絡に多く使われているのはLINEのグループです。連絡は速く届きますが、出欠の返事が会話の中に混ざるため、とりまとめる人が読み返して数える作業が残ります。過去の行事の配車をさかのぼるのも難しくなります。この違いを整理したものがLINEグループとの比較にあります。
誰でも入れる公開の場所と、招いた人だけが入る場所の違いはLINEオープンチャットとの比較で扱っています。子どもの名前と保護者の連絡先を扱う表なので、メンバー以外は見られない場所で扱うのが前提になります。
掲示板と予定表を持つ無料のグループ機能から移す場合に何が変わるかはBANDとの比較にまとめました。予定と出欠の集計が同じ画面にあるかどうかで、配車を決め始めるまでの時間が変わります。同じく無料で使える仕組みとの違いはFacebookグループとの比較で扱っています。保護者がそのサービスのアカウントを持っている必要があるかどうかが、実際の定着に効きます。
部活や少年団での使いかたを並べたものがサークルでの使われかたです。練習と試合の予定、出欠、当日の連絡をどこでまとめるかの例が入っています。学年ごとに担当が分かれる団体の形を見たい場合はPTAでの使われかたのほうが近くなります。
費用や使い始めの手順でよく聞かれることはよくある質問にまとめてあります。配車表を作る作業を短くしたいなら、表の書き方を工夫するより、出欠が自動で集まる形にするほうが効きます。集まった出欠をそのまま見ながら割り振れば、写す作業が消えます。年度の始めに、出欠を集める場所と配車を知らせる場所を決めて役員の引き継ぎ書に書いておくと、担当が代わった年も同じ手順で回ります。
Q1. 配車表は無料のテンプレートから作ったほうが早いですか?
計算式と印刷の設定が最初から入っているぶん、ゼロから作るより速く始められます。ただし配られているものは運送業向けが多く、列が荷物と配送先の前提で並んでいます。改変が認められているかを配布元のページで確かめたうえで、配送先の列を子どもの名前に、積載量の列を定員に置き換えてください。使わない列は消さずに非表示にすると、計算式が壊れません。
Q2. 乗せ忘れを防ぐ方法はありますか?
部員の名前を別のシートに並べ、その横でCOUNTIF関数を使って配車表の中に何回出てくるかを数えてください。結果が0の子どもはどの車にも乗っていません。2以上の子どもは二重に書かれています。30人を超える部では目で探すのは難しいので、この1列を入れるだけで効果があります。出発前に車ごとの人数を数える段取りも合わせて決めてください。
Q3. 保護者の負担が偏らないようにするには、どう数えますか?
保護者の名前を縦、行事の名前を横に並べたシートを作り、運転した行事のセルに1を入れて右端で合計します。回数だけでも数えておけば、年度の終わりに偏りが分かります。遠征が多い会では、片道の距離も書いて合計を出してください。同じ回数でも、近い会場ばかりの人と遠征続きの人では負担が違います。
Q4. 配車表は紙で配るべきですか、画面で見せるべきですか?
両方を使い分けてください。朝の駐車場では紙のほうが確実なので、運転する保護者と指導者と受け付けの担当には印刷して渡します。一方で、直前の変更に対応するには、全員が同じ1か所を見ている状態が必要です。表の保存先を1か所に決めて案内し、変更があったときはその場所を直して変わった点だけを短く知らせる形にしてください。