町内会でアンケートを取ると、たいてい2つのことで詰まります。ひとつは戻ってこないこと、もうひとつは戻ってきたあとの集計が終わらないことです。この記事では、町内会のアンケートに特有の事情、つまり世帯単位の会員制であること、地域が狭くて匿名が成立しにくいこと、集計する人が無報酬の持ち回りであることを前提に、答えが集まる聞き方と締め切りの置き方を書きます。先に結論を書くと、回答が集まらない原因のほとんどは設問の数と締め切りの置き方にあり、住民の関心の低さではありません。設問を減らして締め切りを短く切るだけで、回収率は目に見えて変わります。
町内会のアンケートは、何を決めるために取るのか
まず、何のために取るのかを役員会で言語化しておく必要があります。ここが曖昧なまま配ると、集計が終わったあとに「で、これをどうするのか」という話になり、結果が使われないまま終わります。
町内会で実際に取られているアンケートは、おおむね次の5種類に分かれます。
・行事の実施可否を決めるためのもの。夏祭りをやるか、餅つきを再開するか、盆踊りの規模を縮めるか。参加見込みの人数と、手伝える人の数を知りたい ・負担の配分を決めるためのもの。会費の改定、班の再編、当番の回り方、集会所の使用ルール ・施設や設備の判断材料にするもの。集会所の改修、ごみ集積所の場所変更、防犯灯の増設場所、掲示板の設置位置 ・加入や退会の理由を知るためのもの。加入していない世帯へ理由を聞く、退会した世帯に理由を聞く ・自治体からの依頼で実施するもの。防災意識調査、高齢者の見守り希望調査、要支援者の把握
このうち、性質がまったく違うのが2番目です。負担の配分を聞くアンケートは、多数決の材料に見えて、実際には総会の議決とは別のものです。アンケートで賛成が過半数を超えても、それだけで会費を上げることはできません。規約に沿った手続きが別に必要です。ここを混同すると、「アンケートで決まったはずだ」「いや決まっていない」という争いが起きます。
アンケートを配る前に、次の一文を役員会の議事録に残しておくと、あとの揉めごとがほぼ消えます。「このアンケートは総会に諮る議案を作るための意見聴取であり、結果がそのまま決定になるものではない」。この一文をアンケート用紙の冒頭にも書いておくと、なお確実です。
もうひとつ決めておくのは、集めた結果を誰まで見せるかです。役員会だけで共有するのか、総会で全世帯に公表するのか。公表する前提かどうかで、書ける設問と、書けない設問が変わります。
世帯で1票か、人で1票か。ここを決めないと集計が割れる
町内会は世帯単位の会員制です。会費も世帯ごと、議決権も世帯ごとという会が大多数です。ところがアンケートになると、この前提が急に曖昧になります。
たとえば「夏祭りに参加しますか」と聞いたとき、答えるのは世帯なのか個人なのかで、集計の意味がまるで変わります。世帯で答えると、5人家族も単身世帯も1票です。個人で答えると、参加人数の見込みが立ちます。用意する食材の量を決めたいなら個人単位、開催の賛否を測りたいなら世帯単位です。
さらに難しいのは、世帯単位で配った紙に、世帯主の意見だけが載ることです。70代の世帯主が答え、同居している30代の子や中学生の意見が入らない。これが積み重なると、若い世代の意見が制度的に集まらない構造ができます。「若い人が行事に来ない」という話の背景に、意見を聞く経路が世帯主にしか開かれていない、という事情があるのはよくあることです。
対処は3つあります。
・設問ごとに単位を明示する。「この設問は世帯で1つお答えください」「この設問はご家族それぞれお答えください」と、用紙の中で切り替える ・世帯の人数と年代を、冒頭で1問だけ聞く。これがあると、あとから世帯単位の回答を人数で重み付けして読めます ・世帯単位のアンケートとは別に、個人が自由に答えられる経路を1つ用意する。掲示板に貼る意見箱でも、画面上のフォームでも構いません
画面で取る場合、この単位の問題は自動的には解決しません。むしろ「同じ世帯から2人が答えた」という状態が起きやすくなります。世帯ごとに1つの登録にするのか、世帯の中で複数の人が入るのかを、道具を選ぶ段階で決めておく必要があります。
設問は7問まで。増やすほど戻ってこない
町内会のアンケートで最も多い失敗は、設問が多すぎることです。役員会で「これも聞いておこう」を繰り返すと、あっという間にA4で2枚になります。
紙で配る場合、実務上の上限はA4で1枚、設問数で7問前後です。裏面に回った時点で、裏を見ない人が一定数出ます。2枚になると、記入をあとまわしにする人が増え、そのまま提出されません。
設問を削るときの考え方は単純です。「この設問の答えが変わったら、こちらの行動が変わるか」を1問ずつ確認します。変わらないなら削ります。参考までに聞いておきたい、という設問はすべてここで落ちます。
削りにくいのは、自治体から依頼された調査項目です。この場合は、町内会が独自に聞きたい設問と、依頼された設問を1枚にまとめないほうがよいです。まとめると設問数が倍になり、両方の回収率が下がります。別々に配って、それぞれの締め切りを分けます。
設問の作り方にも、町内会特有の注意点があります。
・選択肢に「どちらでもない」を置くかどうか。行事の実施可否を聞くときに置くと、半数近くがそこに入り、判断材料になりません。負担の配分を聞くときは置いたほうが正確です ・「参加しますか」ではなく「手伝えますか」を聞く。参加の意思は当日に変わりますが、手伝えるかどうかは変わりにくく、準備の見積もりに使えます ・「ご意見をお書きください」を最初に置かない。書く負担が高い設問が先頭にあると、そこで手が止まります
設問文の書き方。ひとつの設問でふたつを聞かない
集計が破綻するアンケートには、共通した書き方の癖があります。
いちばん多いのが、1つの設問で2つのことを聞いてしまう形です。「夏祭りに参加し、準備を手伝えますか」と聞くと、参加はするが手伝えない人が答えられません。「はい」と答えた人が何に対して「はい」と言ったのかも分かりません。設問は必ず1つのことだけを聞きます。分けると設問数が増えますが、答えられない設問を1問置くより、答えられる設問を2問置くほうが結果は使えます。
次に多いのが、答えを誘導する書き方です。「多くの会員から継続の要望が出ている夏祭りについて、来年も実施すべきだと思いますか」と書けば、反対しにくくなります。この形で集めた「賛成8割」は、総会で反対意見が出たときに何の根拠にもなりません。前置きを削って「来年の夏祭りの実施について、お考えに近いものを選んでください」と書くだけで、結果の信頼性が変わります。
3つめは、選択肢の粒度がそろっていないことです。「賛成」「反対」「規模を縮小して実施」の3択は、賛否の軸と規模の軸が混ざっています。答える人は「規模を縮小するなら賛成」と思っていても、どれを選べばよいか分かりません。軸が2つあるなら、設問を2つに分けます。
4つめは、数を聞くべきところを言葉で聞いていることです。「よく参加する」「たまに参加する」「あまり参加しない」という選択肢は、人によって基準が違います。「過去3年で何回参加しましたか」と回数で聞けば、集計した数字がそのまま使えます。
最後に、専門用語と略語です。町内会の文書には「地区社協」「自主防」「単位自治会」「班常会」といった、役員には当たり前でも住民には通じない語が混じります。転入して間もない世帯には意味が取れません。用紙を作ったら、その地区に引っ越してきて1年の人に一度読んでもらうと、通じない語がすぐに見つかります。
加入していない世帯に聞くとき
町内会のアンケートには、会員以外に配るものがあります。加入していない世帯に、加入しない理由や、必要としている活動を聞く場合です。
これは会員向けとは前提がまったく違います。相手はそもそも会と関わりを持たないことを選んでいる人なので、配ること自体が押しつけに見える可能性があります。
配り方から変える必要があります。
・組長が訪問して手渡すのは避けます。断りにくい状況を作ると、答えは集まっても本音は出ません ・ポストに投函し、回収は掲示板下の箱か、返信用の宛先だけを示す形にします ・「加入のお願い」と同じ紙にしない。勧誘の文書と一緒に配ると、アンケートも勧誘だと受け取られます
設問も絞ります。3問で十分です。加入していない理由(選択式)、町内会にしてほしいことがあるか、連絡だけでも受け取りたいか。この3つが分かれば、次の手が打てます。
聞いてはいけないのは、世帯の事情に踏み込む設問です。世帯人数、年齢構成、勤務先、在宅時間。加入していない世帯からこれらを集める正当な理由が説明できません。
回収率は低く出ます。10%台になることも珍しくありませんが、それでも意味はあります。「役員が回ってくるのが負担」「会費の使い道が分からない」といった理由が数件でも見えれば、加入率の議論が感情論から具体論に変わります。
自治体の中には、未加入世帯への調査を町内会に依頼する例もあります。この場合、依頼した自治体の名前と目的を用紙に明記してください。町内会が独自に個人情報を集めているように見えると、答える側の警戒が強くなります。
締め切りの置き方。回覧で回すと締め切りは機能しない
町内会のアンケートで最もよく壊れているのが、締め切りです。
回覧板に用紙を挟んで回すやり方は、締め切りと相性が悪いという以前に、成立しません。組が15世帯あり、1軒あたり1日で回っても、最後の家に届くのは15日後です。「2週間後までにご提出ください」と書いてあっても、後半の世帯には締め切り後に届きます。届いた時点で締め切りが過ぎていれば、書く理由がありません。
回覧で回すのではなく、戸別配布にするだけで、この問題は消えます。組長が15軒のポストに入れるのに20分かかりません。全世帯が同じ日に受け取れば、締め切りは全員に同じ意味を持ちます。
締め切りまでの日数は、短いほうが集まります。1か月後に設定すると、多くの人は最初の1週間で忘れます。実務的には10日前後が適当です。土日を2回はさむ長さがあり、かつ忘れる前に締まります。
回収の方法も決めておきます。町内会でよく使われるのは次の4つです。
・組長の家のポストに入れてもらう。回収率は高いが、組長の負担と、誰が出したか分かる問題が残ります ・集会所に回収箱を置く。誰が出したかは分かりにくくなりますが、集会所が遠い地区では出しにくい ・掲示板の下に鍵付きの箱を置く。通りがかりに出せるので、回収率が上がります ・画面上で受け付ける。締め切りの管理と集計が同時に片づきます
締め切り前の声かけを、最初から予定に組み込んでおくと回収率が変わります。締め切りの3日前に「まだの方はお願いします」と一度出す。これだけで、締め切り当日の提出がまとまって増えます。紙だけで運用しているとこの声かけができないので、集まらないまま締め切りを迎えます。
無記名にしても、狭い地域では書いた人が分かる
町内会のアンケートで、匿名は完全には成立しません。ここを理解しないまま「無記名なので率直にお書きください」と書くと、あとで信頼を失います。
15世帯の組で、自由記述に「集会所の隣に住んでいるので夜の騒音が気になる」と書けば、誰が書いたかは全員に分かります。世帯人数や年代を聞いている場合、「70代の単身世帯」という条件だけで1軒に絞れることもあります。組ごとに集計して結果を公表すると、さらに特定しやすくなります。
現実的な扱い方は次のとおりです。
・無記名にするなら、集計結果を組ごとに分けて公表しない。全体の数字だけを出す ・自由記述を公表する場合、原文のまま載せない。趣旨をまとめた形にする。原文を載せるなら、書いた人に確認を取ってからにする ・特定につながる属性(世帯人数、年代、居住年数)を、自由記述と同じ用紙で聞かない ・「無記名です」と書くのではなく、「お名前の記入は任意です。結果は全体の数字のみ公表します」と、扱いを具体的に書く
記名にするほうがよい場面もあります。要支援者の把握、見守りの希望、防災時の連絡先確認。これらは名前がなければ意味がありません。この場合は無記名を装わず、記名式であること、集めた情報を何に使い、誰が保管するかを明記します。町内会も個人情報保護法の適用を受ける立場なので、利用目的を書かずに個人情報を集める形にはできません。
自由記述欄を置くかどうか
自由記述欄は、置けば必ず何かが書かれます。問題は、何が書かれるかを選べないことです。
町内会のアンケートに自由記述を置くと、集まる内容は大きく3つに分かれます。行事や運営への具体的な提案、役員個人への不満、そして会の管轄外の要望です。3つめは、街灯が暗い、道路の陥没、隣家の樹木、ごみ出しのマナーといった内容で、町内会では解決できないものが多く含まれます。
置くかどうかの判断基準は、返せるかどうかです。書かれた意見に対して、次の総会や会報で何らかの応答ができる体制があるなら置きます。応答する予定がないなら、置かないほうが誠実です。書いたのに何も返ってこない経験を一度させると、その世帯は次から何も書きません。
置くなら、範囲を絞ります。「ご意見をお書きください」ではなく、「夏祭りについて、来年に向けて改善したほうがよい点があればお書きください」と限定します。限定すると書きやすくなり、管轄外の要望が減ります。
役員個人への不満が書かれた場合の扱いも、事前に決めておきます。役員会でそのまま読み上げると、書いた人の特定が始まり、会の空気が悪くなります。会長と副会長など少人数で先に目を通し、内容ごとに扱いを決めてから役員会に出す、という手順を作っておくのが無難です。
回収率をどう読むか。反対が3割のとき何が言えるか
集まった数字をどう解釈するかで、その後の判断が変わります。
回収率の目安は、紙の戸別配布で40%から60%、回覧で回した場合は20%台に落ちることが珍しくありません。画面で受け付ける場合、登録している世帯の中では60%を超えることもありますが、登録していない世帯がそもそも母数から外れます。
大事なのは、回収率が低いこと自体を問題にしないことです。100世帯に配って45世帯が答え、そのうち30世帯が賛成なら、「全体の3割が賛成」であって「7割が賛成」ではありません。総会で説明するときは、この2つを混ぜないでください。混ぜたことが後から分かると、以降のアンケートが信用されなくなります。
反対が一定数出たときの扱いも決めておきます。行事の実施可否のような案件では、反対が3割あっても実施することはあります。ただし、反対の理由が「負担が重い」なのか「必要性を感じない」なのかで、次に打つ手が違います。賛否だけを聞いて理由を聞かないアンケートは、この判断ができません。賛否を聞くなら、理由の選択肢を必ず添えます。
答えなかった世帯をどう扱うかも決めます。無回答を賛成に含めるのは不適切です。無回答は無回答として数え、母数を明示します。総会資料には「配布100、回答45、うち賛成30」と3つの数字を並べます。この3つがあれば、読む人が自分で判断できます。
集計にかかる時間を先に見積もる
アンケートで最も過小評価されるのが、集計の手間です。
100世帯に7問のアンケートを配り、45世帯が回答したとします。選択式の設問を1枚あたり30秒で数えても、45枚で23分。ここまでは大したことがありません。問題は自由記述で、45枚のうち20枚に手書きの文章があると、読んで書き写すだけで1時間を超えます。読めない字を判読する時間、集計表に打ち込む時間、集計表を作る時間を足すと、合計で3時間前後になります。
この作業を、書記や会計が1人で夜にやっているのが実情です。しかも締め切り後の数日でやらなければ、総会に間に合いません。
減らし方は3つです。
・選択式の比率を上げる。自由記述を1問に絞るだけで、集計時間は半分以下になります ・集計する人を最初から2人にする。1人が数え、1人が確認する形にすると、間違いも減ります ・画面で受け付ける。答えた時点で集計された状態になるので、書き写す作業そのものが消えます
総務省の研究会の報告書でも、紙をデジタルに置き換えたときに、単に紙が減るだけでなく、意見を聞く仕組みそのものが変わる点が指摘されています。
さらに、こうした電子回覧板のようなソフトウェアを活用した場合、紙の回覧板をデジタル化するという点に止まらず、今まで市区町村が紙媒体で行っていた各種アンケートや広聴機能について、随時デジタル媒体で双方向かつ即時に実施可能となり、各市区町村が実施している行政サービスの課題を早期に把握し、その改善につなげるなど、市区町村自身のDXにも役立てることができる。 出典: 総務省
ここで言われている「随時」と「双方向」が、町内会にとっての実質的な変化です。年に1回の大掛かりなアンケートではなく、行事のたびに3問だけ聞く、という運用ができるようになります。設問が少なければ答える側の負担も軽く、集計の手間もほぼゼロです。
結果を返さないアンケートは、次から答えが来ない
アンケートで最も効くのは、実は結果の返し方です。
答えたのに結果が返ってこなかった世帯は、次のアンケートに答えません。これは町内会に限らず起きることですが、町内会の場合、同じ相手に何年も繰り返し聞くことになるので、影響が蓄積します。1回目に返さなかった結果、3年後の回収率が半分になる、という形で効いてきます。
返し方には、最低限の型があります。
・配布数、回答数、回収率の3つを出す ・設問ごとの集計結果を、数字で出す。「おおむね好評でした」という書き方はしない ・自由記述は、件数と主な内容のまとまりを出す。全部載せる必要はありません ・結果を受けて、役員会が何を決めたかを1行書く。「意見を踏まえ、開催時間を1時間繰り上げます」のように、変わったことを書く ・変えないことにした場合も、その理由を書く。理由なく無視されたと思われるのがいちばん良くありません
返す時期は、締め切りから1か月以内が目安です。総会を待つと半年後になり、答えたこと自体を忘れられています。会報の発行を待たず、掲示板と連絡の場に先に出しておくのが実務的です。
返す相手の範囲も決めておきます。答えた世帯だけに返すのか、全世帯に返すのか。答えなかった世帯に結果を届けると、次回は答えようという気持ちが生まれます。未加入世帯にも掲示板を通じて見える形にしておくと、会が何をどう決めているかが外からも分かり、加入の判断材料になります。
結果を保存しておくことも忘れないでください。翌年の役員が、去年どんな設問で何を聞いたのかを参照できると、同じことを繰り返し聞かずに済みます。設問の文面、配布数、回答数、集計結果、役員会が決めたこと。この5点を1つの文書にまとめて残しておくだけで、翌年の担当者は用紙を一から作らずに済みます。年に2回アンケートを取る会なら、3年で6件の記録が溜まり、住民の考えがどう動いてきたかも読み取れるようになります。
紙と画面を併用するときの組み方
すべてを画面に移せる町内会はまだ少数です。併用が前提になります。
併用でやってはいけないのは、同じアンケートを紙と画面の両方で受け付けて、集計を分けて数えることです。同じ世帯が両方で答えると二重に数えられます。防ぐには次のどちらかにします。
・世帯ごとに、どちらで答えるかを先に登録しておく ・画面で受け付けたあと、締め切り前に未回答の世帯だけへ紙を配る
後者のほうが運用しやすいです。画面で先に集め、締め切りの5日前に未回答の世帯を組長へ知らせ、そこだけ紙を配って回収します。配る枚数が100枚から30枚に減り、集計する紙も30枚で済みます。
紙で受け取った分の入力は、回収した組長ではなく、集計担当が1人でまとめて行います。分担すると入力の書式がばらつき、あとから集計できなくなります。
置き場所を選ぶときに見る点
アンケートを画面で受け付けるなら、どこで受けるかを決めることになります。町内会の場合、判断の軸は次の5つです。
・世帯単位で答えられるか。人単位でしか登録できない仕組みだと、同じ世帯から複数の回答が入り、集計が割れます ・答えが一覧で見えるか。返事が時系列のメッセージとして流れてくる形だと、結局は手で数えることになり、紙と手間が変わりません ・締め切りが設定できるか。締め切りを過ぎた回答をどう扱うかまで決められると、集計の判断が要らなくなります ・誰が回答を見られるか。要支援者の把握のような設問を含む場合、メンバー以外は見られないことがはっきりしている必要があります ・役員が代わったときに結果が引き継げるか。前任者の個人アカウントに紐づいていると、翌年に去年の結果を参照できません
多くの町内会がまず候補にするのは、すでに使われているメッセージアプリのグループ機能です。導入は簡単ですが、返事が時系列に流れて集計しにくい、という性質があります。この違いはLINEグループとの比較に、出欠や回答の集め方の観点で並べてあります。
参加者を招待だけに限りたい会では、公開範囲の扱いが判断の分かれ目になります。アンケートの結果は会の内部情報なので、誰が入れるかを管理できるかどうかは重要です。招待の管理をどこまで細かく設定できるかはLINEオープンチャットとの比較で確かめられます。
投稿が流れず、掲示のように残る形を探している会もあります。アンケートの案内が下に流れて見えなくなる問題は、置き場所の構造で決まります。この観点はBANDとの比較で整理しています。
すでに使っているアカウントで入れる仕組みなら、答える手前で脱落する人を減らせます。回答用の画面がどう見えるかはFacebookグループとの比較で確かめられます。
実際の町内会でアンケートや出欠をどう受け付けているかは、町内会での使われかたに画面の流れとしてまとめてあります。同じ役員がPTAも兼ねている場合は、PTAでの使われかたも合わせて見ておくと、2つの団体で同じ形に揃えられます。
費用、退会時の扱い、集めた回答の保管といった、総会で必ず聞かれる項目はよくある質問にまとめてあります。アンケートを画面に移す議案を出す前に、想定される質問の答えを用意しておくとよいです。
Q1. 町内会のアンケートで、回答が集まらないのはなぜですか?
原因のほとんどは設問数と締め切りです。設問がA4で2枚になると提出が後回しになり、回覧板で回すと後半の世帯には締め切り後に届きます。設問を7問前後まで絞り、戸別配布にして締め切りを10日程度に切り、3日前に一度声をかけるだけで回収率は大きく変わります。
Q2. アンケートの結果で会費の改定を決めてよいですか?
アンケートは意見聴取であり、総会の議決とは別のものです。規約に沿った手続きを経ずに決定にすると、後から争いになります。用紙の冒頭に「総会に諮る議案を作るための意見聴取である」と書き、役員会の議事録にも同じ趣旨を残しておくと安全です。
Q3. 無記名にすれば率直な意見が集まりますか?
狭い地域では無記名でも書いた人が推測できます。世帯人数や年代を同じ用紙で聞くと特定はさらに容易になります。無記名にするなら、集計は全体の数字だけを公表し、組ごとに分けて出さないことと、自由記述を原文のまま載せないことを先に決めておいてください。
Q4. 紙と画面を併用すると二重集計になりませんか?
画面で先に受け付け、締め切りの5日前に未回答の世帯だけへ紙を配る形にすると二重集計を防げます。配る枚数も集計する枚数も減るので、集計担当の負担が下がります。紙で回収した分の入力は組長に分担させず、集計担当が1人でまとめて行うと書式が揃います。