PTAで配るアンケートは、返ってこないのが普通です。配った枚数の半分が戻れば良いほうで、締め切りを過ぎてから担当が電話をかけ始める。この光景はどこの会でも見られます。ただ、集まらない原因は保護者の意識ではなく、たいてい設計のほうにあります。何を聞かれているのか分からない、答えたところで何が変わるのか見えない、答える手段が面倒。この3つが重なると、返事は止まります。この記事では、回収できるアンケートの組み立て方を、設問を書く前の段階から順に扱います。
PTAのアンケートが3種類あることを先に分ける
まず整理しておきたいのが、PTAで配られる調査には性質の違う3種類が混ざっているという点です。これを分けずに1枚の紙に詰め込んでいるのが、回収率が下がる最大の原因です。
1つ目は、委員や役員の希望調査です。誰がどの仕事を担うかを決めるための調査で、書いた内容が本人の負担に直結します。答える側は身構えます。
2つ目は、行事に関する調査です。参加するかしないか、何人で来るか、いつなら都合がつくか。事実を書くだけなので、答える負担は軽い種類です。
3つ目は、活動そのものを見直すための意見聴取です。今のやり方をどう思うか、やめたい行事はあるか、負担をどう感じているか。答えに正解がなく、書く人の考えが問われます。
この3つは、答える側の心理も、集める側が使う目的も、締め切りの重さもまったく違います。にもかかわらず、年度当初に配る1枚の中に委員の希望と行事の出欠と意見欄が同居している会が少なくありません。そうなると、委員の話が重いせいで紙全体が重くなり、答えるのが後回しになります。分けて配れば、軽いものは軽いまま返ってきます。
配る回数が増えるのを嫌う気持ちは分かりますが、回数より1枚あたりの重さのほうが回収率に効きます。軽い調査を先に返してもらう経験を作っておくと、重い調査のときにも返信の習慣が残ります。
委員の希望調査を設計し直す
3種類のうち最も難しいのが委員の希望調査です。ここでつまずくと、年度の始まりが3週間遅れます。
よくある形は、委員会の名前を並べて第1希望から第3希望まで書かせるものです。この形式には弱点があります。委員会の名前だけでは、何をする仕事なのかが分からないという点です。広報委員会と書かれていても、年に何回集まって、どんな作業があって、平日の日中に動く必要があるのかどうかが読み取れません。分からないものに希望は書けないので、多くの人が空欄で返します。
改善するには、委員会ごとに3つの情報を添えます。年間の活動回数、活動する時間帯、家でできる作業の割合です。この3つが書いてあると、自分の生活と照らして選べます。特に3つ目は効きます。集まる回数が多くても、家でできる部分が大きい委員会なら引き受けられる人がいます。
もうひとつ大事なのが、引き受けられない事情を書く欄の扱いです。介護、出産、持病、勤務の形。書きたくない人に書かせない形にしないと、この欄が事実上の免除申請になり、書けない人だけが割り当てられます。「今年度は引き受けられない」という選択肢を、理由の記入なしで選べるようにしてください。理由を集めても、担当者が判断に困るだけです。
そして、希望調査の結果をどう使うかを先に決めます。希望が集中した委員会をどう調整するか、希望が誰も出なかった委員会をどうするか。この2つの手順を決めていないと、調査を取ったあとに結局は電話で頼み込む展開になります。それなら最初から調査を取らないほうが正直です。
行事の出欠を聞く調査は別の組み立てにする
3種類のうち2つ目、行事に関する調査は、他の2つと決定的に違う点があります。回答が時間とともに変わるという点です。
委員の希望は、書いた時点の意思がそのまま使われます。意見聴取も同じです。ところが行事の出欠は、当日までに変わります。子どもが熱を出す、仕事が入る、天気が崩れる。締め切りの時点の回答は、あくまで見込みです。
この性質を踏まえずに設計すると、当日に人数が合わなくなります。弁当を人数分注文したのに来ない、資料が足りない、受付の列がさばけない。準備した側の負担として跳ね返ります。
対処は3つです。第一に、変更をいつまで受け付けるかを最初に示します。「〇日以降のキャンセルは、材料の手配の都合で参加費をご負担いただきます」と書いておけば、後から揉めません。第二に、当日の変更を受ける窓口を1つ決めます。当日の朝に担当者の個人の端末へ連絡が集中する形は避けたいところです。第三に、見込みと確定を分けて数えます。締め切り時点の数と、直前の数と、当日の実数。この3つを毎回記録しておくと、翌年の見積もりの精度が上がります。
回数を重ねると、自分の会の「歩留まり」が見えてきます。締め切り時点で参加と答えた人のうち、実際に来るのは何割か。この比率が分かっていれば、翌年の発注量を根拠を持って決められます。感覚で多めに用意する運用から抜けられるのは、この記録があるときだけです。
調査を出す前に決めておく4つのこと
設問を書き始める前に、担当者の間で言葉にしておくことがあります。ここを飛ばすと、集めたあとに使えないデータが手元に残ります。
1つ目は目的です。何を判断するために聞くのか。「参考までに」で始まる調査は、集まったあとに誰も使いません。判断が先にあって、そのために足りない情報を聞く。この順番が逆になっていないか確かめてください。
2つ目は使い道です。集めた回答を誰が見て、どの会議にかけ、いつ結論を出すのか。ここまで決まっていれば、設問は自然に絞られます。決まっていないと、聞きたいことを全部並べた長い調査になります。
3つ目は対象です。全会員に聞くのか、特定の学年だけか、委員経験者だけか。全員に配るのが公平に見えますが、関係のない人にまで配ると回答率が下がり、集計の手間だけが増えます。学年ごとに違う話を聞きたいなら、学年ごとに分けて配ったほうが結果的に早く終わります。
4つ目が公表の範囲です。結果を全会員に返すのか、役員会の中だけで扱うのか、学校にも共有するのか。特に学校への共有は、事前に伝えていないと約束違反になります。会の内部の意見として集めたものを、断りなく学校へ渡してはいけません。
この4点を短い文章にして、調査の案内の冒頭に載せます。「何のために、誰に聞き、どう使い、どこまで公表するか」が書いてあるだけで、答える側の警戒が下がります。
毎年同じ調査を続けるときの見直し
年に一度の調査は、続けるうちに惰性になります。去年の様式をそのまま印刷して配る。3年も続けば、誰も設問の意味を説明できなくなります。
見直しの入口は、集計結果を使ったかどうかです。前年の調査で、実際に判断に使った設問はどれか。使わなかった設問は、今年は落とします。落とすことに抵抗があるのは分かりますが、答える側の負担は設問の数に比例します。使わない設問を1つ残すたびに、回答率が少しずつ削れます。
次に、選択肢の陳腐化を見ます。連絡の受け取り方を尋ねる設問で、選択肢に古い手段しか並んでいない調査は珍しくありません。実態と合わない選択肢が並んでいると、答える側は「この会は現状を分かっていない」と感じます。
そして、聞き方の重複を確認します。行事のたびに似た設問を出していると、年間で同じことを4回聞いている場合があります。過去の調査を一覧にして並べてみると、重複が見つかります。過去の調査結果が探せる場所にまとまっているかどうかが、この作業の難しさを決めます。
見直しの結果は、必ず記録に残します。今年この設問を落とした理由、この選択肢を足した理由。書いておかないと、翌年の担当が去年の様式を復活させます。
設問の書き方で回収率が変わる
設問の作り方には、守ると効く決まりがいくつかあります。
第一に、1つの設問で1つのことだけを聞きます。「行事の回数と内容についてどう思いますか」という設問は、回数の話と内容の話が混ざっています。答える側は、どちらについて書けばよいか分からず、書くのをやめます。回数と内容は別の設問に割ります。
第二に、選択肢を先に尽くします。選択肢が足りないと「その他」に集中し、集計が自由記述の山になります。逆に選択肢が多すぎると読むのが面倒になるので、5つから7つに収めるのが扱いやすい範囲です。「その他」を置くなら、記入欄を必ず添えてください。「その他」だけ選ばれても情報になりません。
第三に、自由記述は最後に1つだけ置きます。途中に自由記述を挟むと、そこで手が止まって最後まで到達しません。最後に置けば、書きたい人だけが書き、書きたくない人は空欄のまま出せます。
第四に、必須にする設問を絞ります。デジタルのフォームでよくある失敗が、全部の設問を必須にしてしまうことです。答えたくない設問が1つあるだけで、送信できずに離脱します。氏名と学年学級のように、集計に絶対必要なものだけを必須にしてください。
第五に、設問の数の上限を決めます。紙なら片面1枚、デジタルなら画面を3回ほどめくる長さが目安です。それを超えると、途中で止まる人が増えます。聞きたいことが多い年は、複数回に分けて配るほうが結果的に多く集まります。
締め切りの置き方とリマインドの回数
締め切りの置き方には、経験則があります。長すぎても短すぎても回収率は下がります。
長く取ると、後回しにされて忘れられます。1か月先の締め切りを設定した調査は、締め切りの前日にならないと動きません。しかも前日に思い出す人は少数です。短すぎると、家庭の中で相談する時間が取れません。配偶者と予定を合わせる必要のある調査を、翌日締め切りで出すのは無理があります。
実務的に扱いやすいのは、配布から1週間程度です。この長さなら、週末を1回はさめます。土日に家族で予定を確認して、月曜に返す流れが作れます。
リマインドは2回までに抑えます。1回目は締め切りの2日前、2回目は締め切り当日です。3回以上流すと、すでに答えた人にとって雑音になり、次の調査を読まなくなります。
理想は、まだ返していない人だけに届くリマインドです。全体へ向けて「未提出の方はお願いします」と流すと、答えた人にも同じ文面が届きます。誰が返したかが名簿と結びついている仕組みなら、対象を絞れます。この絞り込みができるかどうかが、担当者の心理的な負担をかなり左右します。
文部科学省は、学校が保護者から回答を集める取り組みについて、次のように整理しています。
保護者もスマートフォン等の情報端末から、都合の良い時間に回答できるので便利です。ただ、しばらくしても回答のない方には再度連絡することや、紙媒体でも配布して、回答を促すことも運用初期には必要であると考えます。 出典: 文部科学省
デジタルに切り替えれば自動的に集まるわけではなく、始めた最初の年は紙との併用と督促が要る。この見立ては、実際に切り替えた会の経験ともよく一致します。
紙とデジタルを併用したときの数え漏れ
併用は避けられません。全員がデジタルで答えられる会は現実にはほとんどないからです。問題は、併用そのものではなく、併用したときの数え方です。
起きる事故は3つあります。1つ目は二重回答です。フォームで答えたことを忘れて紙も出す。あるいは家庭内で父と母がそれぞれ答える。名簿と突き合わせないと、集計が実際より多くなります。
2つ目は、紙の回答をデジタル側に転記するときの入力間違いです。手入力は必ず一定の割合で誤ります。転記する人を1人に固定し、入力したあとにもう1人が突き合わせる形にすると、誤りが目に見えて減ります。
3つ目が最も見つけにくく、締め切り後に届いた紙の扱いです。集計を終えたあとに封筒が出てくると、集計をやり直すか、その回答を捨てるかの二択になります。締め切り後の扱いを事前に決めて、案内に書いておいてください。「締め切り後にいただいた回答は集計に含めず、参考として拝見します」と書いてあれば、担当者が判断に迷いません。
併用のときに一番効くのは、回答の入口を1つにすることです。紙で答えた人の回答も、最終的には同じ場所に集まる形にする。入口が2つに分かれたまま、それぞれ別の表で管理すると、突き合わせの作業が毎回発生します。
学校が取る調査と会が取る調査を混ぜない
保護者の手元には、学校からの調査とPTAからの調査が両方届きます。同じ時期に、同じ経路で、似た紙で届くと、答える側はどちらから来たものか区別しません。区別しないまま答えられると、集める側で問題が起きます。
第一に、回答の持ち主が曖昧になります。学校の調査で集めた回答をPTAが使うことも、その逆も、本来はできません。集めた目的の範囲を超えるからです。同じ用紙にまとめて配ってしまうと、この線が引けなくなります。
第二に、負担の総量が見えなくなります。学校が年に何回、PTAが年に何回調査を出しているかを誰も把握していない会が大半です。合わせて年に10回を超えていることもあり、そのうち何枚が同じ内容を聞いているかは、双方が持ち寄らないと分かりません。
対処は難しくありません。年度の初めに、学校側とPTA側で「今年出す予定の調査」を突き合わせる場を1回持つことです。時期が重なっているものを1週ずらす、同じことを聞いている設問を片方に寄せる。この調整だけで、保護者に届く紙の枚数が目に見えて減ります。
そのうえで、差出人を紙の上ではっきり分けます。用紙の冒頭に「この調査はPTAが実施しています」と書き、回答の宛先と問い合わせ先も会の窓口にする。学校の職員室が問い合わせを受ける形にしていると、学校の負担が増え、いずれ協力を得にくくなります。
配布の経路も分けられるなら分けます。学校からの連絡と会からの連絡が同じ流れで届いていると、受け取る側は全部を学校からのものとして扱います。会からの連絡が会のものとして届く経路を持っているかどうかは、調査の回収率だけでなく、会の存在そのものの見え方にも関わります。
匿名にするか、記名にするかの判断
3種類の調査ごとに答えが違います。
委員の希望調査は、必ず記名です。誰の希望かが分からなければ使えません。ここで匿名を選ぶ余地はありません。
行事の出欠も記名です。人数だけでなく、誰が来るかを把握しないと当日の受付が回りません。
問題は3つ目、活動を見直すための意見聴取です。ここは匿名にする会と記名にする会があり、どちらにも理由があります。
匿名にすると、本音が出ます。役員に直接言いにくい内容、たとえば特定の行事が負担だという意見や、運営のやり方への疑問が集まります。一方で、匿名だと書き手が特定されない安心感から、攻撃的な文章が混ざります。読んだ役員が傷つき、翌年のなり手が減るという副作用が実際に起きています。
記名にすると、内容は穏やかになりますが、踏み込んだ意見は減ります。書いた内容が誰のものか分かる状態で、行事をやめたいとは書きにくいものです。
折衷案として使われているのが、記名は任意にする形です。名前を書きたい人は書き、書きたくない人は書かなくてよい。そのうえで、集計と公表の方針を事前に示します。個人が特定される表現は伏せて公表する、と先に伝えておくと、書く側も読む側も安心できます。
集計を返さないと、次の年は返ってこない
アンケートは取って終わりではありません。集計を返すところまでが1つの作業です。
返さない会は多いのですが、返さないと何が起きるかは単純です。答えた人が「答えても何も変わらない」と学習します。翌年の同じ調査は、回収率がはっきり落ちます。この落ち方は数年かけて進むので、担当者が代わっていると原因に気づけません。
返し方は、丁寧なものである必要はありません。設問ごとの回答数を並べ、自由記述の主な内容を数行にまとめ、それを受けて役員会で何を検討することにしたかを1行添える。この3点で足ります。分量はA4で1枚あれば十分です。
大事なのは、実現できないことを実現できないと書くことです。「〇〇をやめてほしい」という意見が多かったが、規約上の位置づけと予算の関係で今年度は変更しない、と書く。理由つきで断られた人は納得しますが、無視された人は次から書きません。
公表の場所も決めておきます。紙で配るのか、届く経路で流すのか、会の記録として残すのか。集計結果を過去にさかのぼって見られる状態にしておくと、翌年の担当が「去年はこう答えられていた」と参照できます。同じ質問を毎年ゼロから聞き直す無駄が減ります。
活動見直しの調査で気をつけること
意見聴取の調査は、扱いを間違えると会が割れます。取る前に決めておくことが3つあります。
1つ目は、何を変える余地があるかを先に示すことです。規約で定められている事項や、学校との取り決めで動かせない部分は、聞いても変えられません。変えられないことを聞くと、変えられると期待した人が失望します。「今回は行事の実施方法についてご意見を伺います。規約と会費の額は今回の対象外です」と最初に書いてください。
2つ目は、多数決で決めない事項を分けることです。意見の数が多いほうを採る形にすると、少数の家庭にとって必要な配慮が切り捨てられます。集めた意見は判断の材料であって、判断そのものではありません。最終的に決めるのは役員会と総会だと、案内の時点で伝えておきます。
3つ目は、回答をどこまで公開するかです。自由記述をそのまま全文公開すると、書き方から個人が推測されることがあります。要約して公開する、個人が特定される部分は伏せる、といった方針を先に文章にしておきます。
そして、集めた意見を実際に検討する場を用意します。役員会の議題に「アンケートの結果について」を立て、時間を取る。取らないまま次の行事の準備に流れると、集めた意見は担当者の手元で止まります。
回答が届かない家庭をどう扱うか
どんなに設計を整えても、返ってこない家庭は残ります。ここへの向き合い方が、担当者の消耗を左右します。
まず、返ってこない理由を分けます。案内が届いていない、届いたが読んでいない、読んだが答えていない。この3つは対処が違います。1つ目は連絡先の登録が古いか、経路が届いていないかなので、名簿の更新の問題です。2つ目は流し方の問題で、通知の届き方や配布のタイミングを見直します。3つ目だけが、督促の対象です。
3つを区別せずに一律で電話をかけると、実は案内が届いていなかった家庭に「なぜ出さないのか」と迫ることになります。届いたかどうかが分かる仕組みを持っていれば、この事故は起きません。
そして、最終的に返ってこない分をどう処理するかを決めます。委員の希望調査なら「希望なし」として扱うのか、行事の出欠なら「欠席」として数えるのか。案内の中に明記しておけば、返さなかった家庭も結果に納得します。書いていないと、当日になって「出るつもりだった」という話になります。
督促の主体も決めておきます。担任に頼む会がありますが、学校の負担を増やす形は長続きしません。会の側で完結する経路を持っておくのが望ましく、それができない年は締め切りを延ばすほうが健全です。
アンケートの土台をどこに置くか
ここまで見てくると、アンケートの成否を分けているのは設問の巧拙より、配る経路と名簿と集計が同じ場所にあるかどうかだと分かります。
紙で配って紙で集める会では、配布と回収と集計と公表が全部別の作業になります。デジタルのフォームを使っても、フォームと名簿が別々なら、誰が返していないかを知るために毎回突き合わせが必要です。この突き合わせが、担当者の時間を最も食っています。
多くの会がいまメッセージアプリのグループでフォームのURLを流しています。届く広さでは強い手段で、実際に総務省の調査ではLINEの利用率は全体で94.9%に達しています。ただ、誰が読んで誰が答えたかを追う用途には向いておらず、会話が流れるため過去の調査結果を探すのも手間になります。どこで噛み合わないかはLINEグループとの比較に整理してあります。会員同士の連絡先を見せずに運用したい場合はLINEオープンチャットとの比較が近い論点を扱っています。
出欠や希望をその場で集める機能を持つ道具もあります。掲示と予定表と集計をひとまとめに置く考え方はBANDとの比較、資料や写真の蓄積を軸にする形はFacebookグループとの比較、委員会ごとに見える範囲を分ける設計はDiscordとの比較にまとめてあります。委員の希望調査のように答えの中身が繊細な調査では、メンバー以外は見られない状態を保てるかどうかが選ぶ前提になります。
学校単位の団体としての組み立てはPTAでの使われかた、学校からの調査と会からの調査を分けて扱う形は学校での使われかたに例があります。地域で回覧と調査を並行して回す形は町内会での使われかた、会員の出入りが多い団体の集め方はサークルでの使われかた、少人数で細かく希望を取る形は教室での使われかたが参考になります。細かい疑問はよくある質問にまとめてあります。
うまくいっているかどうかは、回収率だけでは測れません。見るべきなのは3つです。締め切りまでに返ってきた割合、督促に使った延べ時間、そして集計結果を返すまでの日数です。回収率が同じでも、督促の時間が半分になっているなら仕組みは前進しています。逆に、回収率が高くても担当者が毎年電話をかけ続けているなら、それは仕組みではなく個人の努力で成り立っている状態です。担当が代われば元に戻ります。
Q1. PTAのアンケートの締め切りはどのくらい先に置くのがよいですか?
配布から1週間程度が扱いやすい長さです。週末を1回はさめるので、家庭内で予定を確認する時間が取れます。1か月先に置くと後回しにされて忘れられ、翌日締め切りでは相談する時間がありません。リマインドは締め切りの2日前と当日の2回までにとどめ、できれば未回答の人だけに届く形にしてください。
Q2. 委員の希望調査で「できない理由」を書いてもらうべきですか?
理由の記入は必須にしないでください。介護や持病のように書きたくない事情を持つ人ほど、書けと言われれば引き受けてしまい、意思確認になりません。理由なしで「今年度は引き受けられない」を選べる形にしたうえで、委員会ごとに年間の活動回数と時間帯と在宅でできる割合を示すと、選べる人が選びやすくなります。
Q3. 活動の見直しについてのアンケートは匿名にすべきですか?
匿名にすると本音が集まる反面、攻撃的な記述が混ざり、読んだ役員のなり手が減る副作用があります。記名を任意にして、個人が特定される表現は伏せて公表すると先に伝える形が折衷案として使われています。あわせて、規約や会費など今回は変えられない事項を案内に明記しておくと、期待のずれを防げます。
Q4. 紙とデジタルを併用すると集計が合わなくなります。どうすればよいですか?
起きているのは二重回答、転記の入力間違い、締め切り後に届いた紙の3つです。名簿と突き合わせて重複を潰す工程を1回入れ、転記は担当を1人に固定して別の人が確認する形にしてください。締め切り後に届いた分をどう扱うかを案内に明記しておけば、集計をやり直すか捨てるかで迷うことがなくなります。