学童保育の保護者会で「緊急の連絡」と言うと、地震や大きな事故を思い浮かべがちです。けれども実際に役員が夜遅くや休みの日に連絡を回すことになるのは、明日の朝クラブが開くかどうか、明日の行事が予定どおりか、といった知らせのほうがずっと多くあります。保護者は全員が働いていて、翌朝の出勤前に子どもの預け先を決めなければなりません。この記事では、学童保育の保護者会が夜間と休日に緊急の連絡を確実に届かせるために、誰が何を、どの時刻までに、どの形で出すかを組み立てていきます。
学童の緊急連絡は、ほとんどが翌朝どうするかの知らせになる
学童の保護者にとって、夜に届く知らせで困るのは、翌日の自分の行動が変わるものです。クラブが開かない、開く時間が短くなる、弁当が必要になる、行事の集合時刻が変わる。どれも、知らせを受け取った保護者が、職場に連絡する、祖父母に頼む、休みを取るといった手配をしなければなりません。
この手配には時間がかかります。職場に休みを申し出るなら、前日のうちに上司に連絡したい保護者が多くいます。祖父母に来てもらうなら、祖父母が寝る前に電話をかけたいところです。つまり学童の緊急連絡は、届いたかどうかだけでなく、何時までに届いたかが意味を持ちます。朝の6時に「本日は閉所します」と知らせても、その時点で手配できる家庭は多くありません。
他の団体の緊急連絡と比べると、この性格ははっきりします。町内会なら、翌朝のごみ集積所の変更が夜に届かなくても、朝に掲示を見れば間に合います。スポーツの少年団なら、雨で練習が中止になっても、子どもが家にいれば済みます。学童は、子どもを家に置いておけないから利用している家庭の集まりなので、クラブが開かないことは、そのまま保護者の仕事に響きます。
ここから、学童の保護者会の緊急連絡の組み方には、一つの原則が出てきます。翌朝の行動が変わる知らせは、前日のできるだけ早い時刻に出し、それが間に合わなかったときのための朝の手順を別に持っておくことです。
クラブからの知らせと、保護者会からの知らせは、出どころを分ける
学童の緊急連絡を考えるとき、最初に整理しておきたいのは、その知らせを出す権限が誰にあるかです。
クラブを開くか閉じるか、子どもにけがや事故があったときに家庭に伝えるかどうかは、運営する側が判断して知らせることです。国の基準も、事故が起きたときの連絡を事業者の務めとして定めています。
放課後児童健全育成事業者は、利用者に対する支援の提供により事故が発生した場合は、速やかに、市町村、当該利用者の保護者等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。 出典: laws.e-gov.go.jp
自治体や社会福祉法人、事業者が運営しているクラブでは、開所の変更や事故の連絡は、運営側が自前の連絡手段で保護者に届けます。そこに保護者会が「明日は休みになるそうです」と重ねて流すと、運営側の正式な知らせより先に不確かな情報が広がり、あとで内容が違っていたときに混乱が起きます。
保護者会が運営側の知らせに関わるなら、役割は「転送」にとどめます。運営側から届いた知らせを、原文のまま、出どころを明記して流す。独自の言い換えや推測を加えない。運営側の連絡手段に登録していない家庭や、通知を見落としやすい家庭のための補助として位置づけます。
一方で、保護者会の行事の中止や、保護者会が集めたお金の期日の変更、保護者会の役員会の延期などは、保護者会が自分で判断して出す知らせです。この二種類を同じ場所、同じ見た目で流していると、保護者は「これは誰が決めたことか」が分からなくなります。転送するときは冒頭に「クラブからのお知らせを転送します」と書き、保護者会の判断のときは「保護者会からのお知らせです」と書く。この一行を徹底するだけで、夜に届いた知らせへの問い合わせはかなり減ります。
保護者会が運営主体のクラブでは、この線が一つにまとまります。開所の判断も行事の判断も保護者会が出すので、次の節からの手順は、ほぼすべて役員が担うことになります。
夜と休日に起きる緊急を、型ごとに分けておく
学童の保護者会が夜間や休日に扱う緊急の知らせは、おおよそ次の型に分かれます。型ごとに、誰が判断し、何時までに出し、保護者に何をしてもらうかが違います。
・気象警報や交通機関の運休による、翌日の開所の変更 ・支援員の急な体調不良や家庭の事情による、開所時間の短縮や閉所 ・クラブの子どもや職員に感染症が出たときの知らせ ・水漏れや停電、空調の故障など、施設が使えなくなったときの知らせ ・不審者の出没や近隣の事件など、子どもの帰り道に関わる地域の情報 ・週末や長期休業中に予定していた行事の中止や変更
このうち、上から四つは運営に関わる知らせで、運営主体でない保護者会にとっては転送の対象です。五つめは、学校や警察など外から来る情報で、これも転送が基本になります。保護者会が自分で判断して出すのは、主に六つめです。
型ごとに分けておくと、夜に何かが起きたとき、担当の役員は「これはどの型か」を最初に決めるだけで、あとは決めてある手順に沿って動けます。型を決めずにいると、夜の22時に役員どうしで電話をかけ合い、誰が出すか、何と書くかを一から相談することになります。
型ごとの手順は、一枚の表にまとめておきます。列は「型」「判断する人」「出す時刻の目安」「保護者にしてもらうこと」「文面のひな形」の五つです。この表は年度の初めの役員会で確かめ、役員が交代するときにそのまま渡します。
気象警報の朝は、判断が出る時刻を前日に知らせておく
台風や大雪の予報が出ているとき、学童の保護者がもっとも気にするのは、明日クラブが開くかどうかです。学校が休校になっても、学童は開所する場合があります。学校が通常どおりでも、警報の出方によってはクラブの開所を遅らせる場合もあります。
この判断の基準は、自治体や運営者によって違います。朝の決まった時刻に警報が出ているかどうかで決める仕組み、学校の休校の判断に合わせる仕組み、その都度運営者が判断する仕組みなど、さまざまです。保護者会がこの基準を自分で決めることはできませんし、決めてはいけません。
保護者会にできるのは、この基準を保護者が知っている状態を作ることです。年度の初めに運営側から基準を聞き取り、保護者会の連絡の場に上から固定して掲示しておきます。台風の予報が出た前日には、その掲示をもう一度案内し、「明朝の判断は〇時ごろにクラブから届く予定です」と伝えます。これは翌朝の開所の判断を保護者会が先回りして出すことではなく、判断が出る時刻を知らせるだけの連絡です。
判断が出る時刻が分かっていれば、保護者は前夜のうちに二通りの手配を考えておけます。開いた場合の出勤と、開かなかった場合の預け先です。祖父母に「明日の朝7時に連絡するから、そのとき来てもらえるか決めさせて」と頼んでおくこともできます。
翌朝、運営側の判断が届いたら、保護者会は転送の役割に戻ります。運営側の連絡手段に届いていない家庭がないか、担当の役員が朝の短い時間で確かめ、必要なら個別に知らせます。長期休業中はクラブが朝から開いているので、判断の時刻も平日より早くなることがあります。夏休みの前に、この違いも掲示に書き足しておきます。
保護者会が運営するクラブでは、支援員の欠勤の判断を夜に出すことになる
保護者会が運営主体のクラブでは、夜の緊急連絡でいちばん重いのが、支援員が翌日出勤できなくなったときの判断です。支援員の急な発熱、家族の入院、子どもの病気。支援員自身も家庭を持つ働き手なので、前日の夜に欠勤の連絡が入ることは避けられません。
国の基準では、支援の単位ごとに放課後児童支援員などの職員を2人以上置くことが定められています。一人が欠けたとき、補助員や他の職員で埋められるか、それとも開所の時間を短くするか、閉所するか。この判断を出すのは、雇用主である保護者会です。
夜にこの判断を役員が一人で抱えると、判断が遅れます。そこで、欠勤の連絡を受けてから知らせを出すまでの流れを、あらかじめ決めておきます。
・支援員は、欠勤の連絡を運営担当の役員に入れる(保護者のグループには書かない) ・運営担当の役員は、代わりに入れる職員や補助員に当たる ・代わりが見つからない場合、会長と相談して、時間短縮か閉所かを決める ・決まったら、決めた時刻から一定の時間内に保護者全体に知らせる
代わりの職員に当たる時間には、上限を決めておきます。たとえば「21時までに代わりが見つからなければ、時間短縮の知らせを出す」と決めておけば、担当の役員が夜遅くまで電話をかけ続けることがなくなり、保護者も22時前には翌日の知らせを受け取れます。
支援員の欠勤の理由は、保護者への知らせに書きません。「職員の都合により」と書くだけで足ります。子どもたちは支援員の先生の名前を知っているので、誰が休むのかを書くと、翌日子どもから「先生病気なの」と話が広がることがあります。
知らせを出す人を、曜日ごとに二人ずつ決めておく
学童の保護者会の役員は、全員が働いています。夜の時間は、夕食と入浴、子どもの寝かしつけで手が離せません。夜勤のある仕事の役員は、その日の夜は職場にいます。一人の役員を「緊急連絡の担当」と決めてしまうと、その人が動けない夜に連絡が止まります。
そこで、知らせを出す権限を、曜日ごとに二人ずつ割り当てます。月曜の夜は会長と書記、火曜の夜は副会長と会計、というように組み、どちらか先に気づいたほうが出す。もう一人は、出された知らせを見て、誤りがないかを確かめる役に回ります。
休日も同じように割り当てます。土曜と日曜は、行事の担当役員を必ず一人含めておくと、行事の中止の判断がすぐに出せます。長期休業の間、とくにお盆や年末年始は、役員が帰省していることがあるので、その期間だけ別の割り当てを作ります。
この割り当ては、役員の間だけで共有すれば足ります。保護者全体に知らせる必要はありません。保護者から見れば、どの役員が出したかより、決まった場所に決まった形で知らせが出ることのほうが大切です。
知らせを出す権限を二人に持たせるには、使っている道具の側で、複数の役員が同じ立場で投稿できる状態になっている必要があります。会長の個人のアカウントでしか全体への知らせが出せない形だと、割り当てを作っても会長が動けない夜には何も出せません。役員が交代するたびに、この権限の付け替えを最初に済ませます。
夜に送る文面は、明日の行動を一行めに書く
夜に届く知らせは、保護者が疲れている時間に、スマートフォンの通知の一行めだけで読まれることがよくあります。通知に表示される最初の数十文字で、翌朝の行動が分かるように書きます。
文面は、次の順番で組み立てます。
・一行め:明日の日付と、何が変わるか(「明日10日(水)、クラブは15時で閉所します」) ・二行め:理由を短く(「職員の都合によるものです」「台風の接近によるものです」) ・三行め:保護者にしてほしいこと(「15時までにお迎えをお願いします」) ・四行め:困ったときの相談先(「お迎えが難しい場合は、今夜22時までに運営担当までご連絡ください」)
「お知らせです」「夜分に失礼します」のような前置きから始めると、通知の一行めに内容が表示されず、開かないまま翌朝を迎える保護者が出ます。お詫びや前置きは、四行めのあとに回します。
型ごとに、この四行のひな形を作っておきます。台風、支援員の欠勤、施設の故障、行事の中止の四つがあれば、学童の保護者会で夜に出す知らせのほとんどは埋められます。ひな形は、日付と時刻と理由の部分だけを入れ替えれば使える形にしておきます。
写真や資料を添えるのは、夜の知らせでは避けます。画像を開かないと内容が分からない形は、通知の一行めで読めません。地図や施設の案内が必要な場合は、文面を先に出し、補足として別に添えます。
受け取ったかどうかを確かめるのは、翌朝の行動が変わる知らせだけにする
緊急の知らせを出したあと、全家庭に届いたかを確かめるかどうかは、型によって分けます。
翌朝の開所が変わる知らせ、つまりクラブが閉じる、開く時間が変わるといった知らせは、確かめる価値があります。知らなかった家庭が翌朝いつもどおり子どもを連れて行き、クラブが閉まっていたら、子どもが一人で取り残されることになりかねません。この型の知らせには、「確認したら、リアクションかコメントで返事をしてください」と添えます。
一方で、地域の不審者情報や、行事の持ち物の変更のような知らせにまで返事を求めると、保護者は返事をすること自体に疲れ、本当に必要な知らせへの反応が鈍くなります。返事を求める知らせは、年に数回しかない特別なものにしておきます。
返事の締め切りは、夜の知らせなら22時、朝の知らせなら7時のように、時刻で書きます。締め切りまでに返事がない家庭には、担当の役員が個別に連絡します。この個別の連絡のために、名簿には「夜に連絡がつく時間帯」と「朝に連絡がつく時刻」を書いておいてもらうと、夜勤の家庭に深夜に電話をかけてしまうようなことが避けられます。
個別の連絡でもつかまらない家庭は、朝のクラブの前に役員か運営側の職員が立つかどうかを決めます。運営主体でない保護者会なら、この判断は運営側に委ね、保護者会は「返事がない家庭の一覧」を渡すところまでにします。
夜に通知が届かない理由は、ふだんの連絡の多さにある
緊急の知らせを出したのに届かなかった、という話の多くは、道具の不具合ではなく、保護者がその連絡の場の通知を切っていることから起きています。
学童の保護者会の連絡の場には、日中にさまざまな投稿が流れます。行事の準備のやり取り、忘れ物の問い合わせ、お礼のあいさつ。仕事中に通知が何度も鳴るのを避けて、通知を切る保護者が出るのは自然なことです。夜になっても、スマートフォンのおやすみの設定で、特定の相手以外の通知を止めている保護者もいます。
この状態で緊急の知らせだけを届けるには、ふだんの連絡の場を静かに保つことが先になります。やり方は二つあります。
一つは、全体への知らせを出す場と、会員どうしのやり取りの場を分けることです。全体への知らせは役員だけが出し、雑談や問い合わせは別の場で行う。知らせの場は投稿が少ないので、通知を切る保護者が減ります。
もう一つは、投稿の種類ごとに通知の受け取り方を選べる道具を使うことです。新しい知らせだけを通知し、コメントのやり取りは通知しない、という設定ができれば、保護者は必要なものだけを受け取れます。
どちらの形でも、年度の初めに「緊急の知らせはこの場所に出します。ここの通知だけは切らないでください」と一度だけ伝えておきます。この一言を、入所の説明会や最初の保護者会で伝えておくかどうかで、秋の台風の夜の届き方が変わります。
感染症と地域の事件の知らせは、誰のことかを書かずに出す
夜に届く緊急の知らせのうち、感染症と地域の事件の情報は、書き方によって別の問題を生みます。
クラブの子どもや職員に感染症が出たとき、保護者会の連絡の場に「〇年生の〇〇さんが」と書かれることがあります。善意からの注意喚起でも、名前が出れば、その家庭は子どもが復帰したあとまで気まずい思いをします。学童は学年をまたいで子どもが一緒に過ごす場なので、学校のクラスよりも話が広がる範囲が大きくなります。感染症の知らせは運営側から出るものとして、保護者会は名前や学年を含まない形で転送するにとどめます。
学級閉鎖や学年閉鎖になった子どもがクラブを利用できるかどうかも、運営側の決まりによります。夜に学校から学級閉鎖の知らせが届いた保護者が、保護者会の役員に「明日クラブに行っていいですか」と聞いてくることがありますが、役員が答えることではありません。運営側の決まりを事前に掲示しておき、「クラブに直接ご確認ください」と案内する形にします。
不審者や近隣の事件の情報は、学校からの一斉メールや、警察や自治体の地域の安全情報として届くことが多くあります。保護者会で流すときは、出どころを必ず書き、原文を転送します。「近所で〇〇があったらしい」という伝聞は流しません。一人で帰る子どもの帰宅時刻を早める、迎えを必須にするといった対応は、運営側の判断なので、保護者会は情報の転送までにとどめます。
施設が使えなくなったときは、代わりの場所の知らせまでを一組にする
夜や休日に起きる緊急のうち、見落とされやすいのが施設そのものの不具合です。学童のクラブは、学校の余裕教室、児童館の一室、民家や店舗を借りた建物、専用に建てた施設など、さまざまな場所で開かれています。建物の形が違えば、起きる不具合も、誰に連絡すればよいかも違います。
よくあるのは、夏の空調の故障です。長期休業中のクラブは朝から夕方まで子どもが過ごすので、真夏に空調が止まれば、その日の開所そのものが難しくなります。週末に故障が分かり、修理の業者が月曜の朝に来られないとなれば、日曜の夜のうちに月曜の扱いを決めなければなりません。ほかにも、水道管の破損や漏水、トイレの故障、停電、窓ガラスの破損などが、夜や休日に見つかることがあります。
運営主体でない保護者会にとって、これは運営側が判断する知らせです。ただし、休日に保護者会の行事でクラブの建物を使っていて不具合を見つけた場合は、保護者会の役員が最初の発見者になります。そのときに連絡する運営側の窓口を、行事の担当役員が知っていなければなりません。休日の連絡先は平日と違うことが多いので、年度の初めに聞いておきます。
保護者会が運営主体のクラブでは、建物の持ち主や管理会社、学校や自治体の担当課への連絡も役員の仕事になります。借りている建物なら家主、学校の中なら学校と自治体、というように、建物ごとに連絡先が違います。この連絡先の一覧は、運営担当の役員だけでなく、夜間の発信担当の全員が見られるようにしておきます。
保護者への知らせでは、閉所の知らせと、代わりの場所の知らせを一組で出すことを心がけます。「明日は空調の故障で閉所します」だけでは、保護者は預け先を一から探すことになります。児童館や学校の別の教室を借りて開所できるなら、その場所と集合の方法を同じ知らせに書きます。代わりの場所が決まらないうちに閉所の知らせだけを出す場合は、「代わりの場所を探しています。21時までに改めてお知らせします」と、次の知らせの時刻を書き添えておくと、保護者は手配を急ぐべきかどうかを判断できます。
週末の行事を中止するときは、決める時刻と場所を先に告げておく
保護者会が自分で判断して出す緊急の知らせの代表が、週末や長期休業中の行事の中止や変更です。夏のキャンプ、秋のバザー、公園での親子行事、冬のクリスマス会。天候や参加者の体調で、前日や当日の朝に判断が必要になります。
行事の中止でもっとも避けたいのは、判断が遅れて、一部の家庭が集合場所に来てしまうことです。学童の行事では、子どもだけで集合場所に来る高学年や、祖父母が連れてくる家庭もあり、知らせを受け取った保護者と実際に集合場所に向かう人が違うことがあります。
そこで、行事の案内を出す時点で、次の三つを書いておきます。
・中止かどうかを決める時刻(「前日の18時に決めます」「当日の朝6時に決めます」) ・知らせを出す場所(「保護者会のお知らせ欄に出します」) ・知らせがない場合の扱い(「知らせがなければ予定どおり実施します」)
決める時刻を二段階にするのも一つのやり方です。前日の18時に「実施」「中止」「当日朝に判断」の三つのどれかを出し、当日朝に判断する場合は6時に最終の知らせを出す。こうしておくと、保護者は前日の夜に準備を進めるかどうかを決められます。
中止の知らせを出したあと、集合場所に誰かが来てしまった場合に備えて、担当の役員が集合時刻に現地に立つか、集合場所の施設に伝言を頼めるかも、行事ごとに決めておきます。
閉所期間の前後は、連絡の担当が手薄になることを見込む
学童のクラブは一年のほとんどの日に開いていますが、年末年始など、運営者が決めた閉所の期間があります。この期間とその前後は、夜間や休日の緊急連絡がもっとも手薄になる時期です。
役員は帰省や家族の予定で遠方にいることが多く、運営側の窓口も休みに入っています。一方で、閉所明けの初日には、休みの間に届いた学校や地域の知らせ、休み明けの開所時刻の確認、持ち物の変更などが一度に重なります。閉所の期間中に施設の不具合が起きても、気づくのは閉所明けの朝という場合もあります。
この時期に向けては、閉所に入る前の最後の開所日に、次の三つを知らせておきます。閉所明けの開所日と時刻、閉所の期間中に何かあったときの運営側の連絡先、閉所明けの前日の夕方に保護者会から改めて知らせを出すかどうかです。
保護者会の側では、閉所の期間中だけの発信担当を、遠方に出かけない役員から二人選んでおきます。閉所明けの前日の夕方に一度だけ連絡の場を見て、運営側からの知らせが届いているかを確かめる役割です。何もなければ何も出さなくて構いません。見る人が決まっていることが、この時期の空白を埋めます。
年度の初めに、一枚の連絡表と固定の掲示をそろえる
ここまでの手順を、役員の頭の中や前年度のトークの履歴に残しておくだけでは、役員が交代した翌年に使えません。年度の初めの役員会で、次の二つをそろえます。
一つは、役員だけが見る連絡表です。型ごとの判断者、曜日ごとの発信担当、四行の文面のひな形、運営側の連絡窓口、代わりの職員に当たる時間の上限を、一枚にまとめます。
もう一つは、保護者全体に向けた固定の掲示です。緊急の知らせを出す場所、気象警報のときの運営側の判断の基準と時刻、行事の中止を決める時刻の考え方、通知を切らないでほしい場所を書いておきます。
固定の掲示は、年度の途中に入所した家庭にもそのまま渡せます。いま使っている連絡の場が、新しい発言で古い投稿が流れていく形だと、四月に出した掲示は秋には見つからなくなります。LINEグループとの比較では、トークが新しい発言で押し流される仕組みと、大事なお知らせを上に固定できる仕組みの違いが並べられています。PTAでの使われかたには、延期になった校外学習の予定を示す例があり、変更になった行事の日程をどう見せるかの参考になります。
通知がどのように届くか、受け取る種類を選べるかは、道具を選ぶときに確かめておきたい点です。よくある質問には、新しい投稿やコメントの通知の受け取り方がまとめられています。支援員の欠勤や感染症のように扱いに注意が要る知らせを出す以上、連絡の場はメンバー以外は見られないことを前提に選びます。
Q1. 台風で学校が休校になったとき、学童の保護者会から開所の可否を知らせるべきですか?
開所するかどうかは運営する側が判断することなので、保護者会が独自に知らせるのは避けます。保護者会ができるのは、年度の初めに運営側から判断の基準と判断が出る時刻を聞き取って掲示し、台風の前日に「明朝何時ごろクラブから知らせが届く予定です」と伝えることです。当日は運営側の知らせを原文のまま転送します。
Q2. 支援員が前日の夜に欠勤すると分かったら、どう対応すればよいですか?
保護者会が運営主体のクラブでは、雇用主として役員が判断します。支援員から運営担当の役員に連絡を受け、代わりの職員や補助員に当たり、見つからなければ会長と相談して時間短縮か閉所かを決めます。代わりを探す時間に上限を決めておくと、保護者にも夜のうちに知らせが届きます。欠勤の理由や支援員の名前は知らせに書きません。
Q3. 緊急の知らせに、全家庭から返事をもらう必要はありますか?
翌朝クラブが閉じる、開所時間が変わるといった、保護者の行動が変わる知らせだけに返事を求めます。すべての知らせに返事を求めると、保護者が返事に疲れて、本当に必要なときの反応が鈍くなります。返事の締め切りは時刻で書き、返事がない家庭には、名簿にある連絡のつく時間帯を見て担当の役員が個別に連絡します。
Q4. 夜に出した緊急の知らせが届かない家庭があります。何を見直せばよいですか?
多くは、ふだんの連絡が多くて保護者が通知を切っていることが原因です。全体への知らせを出す場と会員どうしのやり取りの場を分けるか、知らせだけを通知できる設定にします。そのうえで、年度の初めに「緊急の知らせはここに出すので、この通知だけは切らないでください」と一度伝えておくと、届き方が変わります。
