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学童保育の保護者会の個人情報をどう扱うか|集めてよいものと、置き場所の決め方

2026年9月15日 ・ Tsudoo編集部

学童保育の保護者会で個人情報の扱いが話題になるのは、たいてい何かが起きたあとです。名簿を別のグループに誤って送ってしまった、退所した家庭の連絡先がいつまでも役員の携帯に残っている、行事の写真に写っていた子どもの家庭から削除を求められた。学童の保護者会は、子どもの放課後の居場所というとても具体的な情報に近いところにいるので、他の団体よりも扱いを誤ったときの影響が大きくなります。この記事では、学童保育の保護者会が集めてよい情報と集めなくてよい情報を分け、それぞれをどこに置き、いつ消すかを決めるための考え方を整理します。

学童の家庭の情報は、三つの場所に分かれて置かれている

学童に子どもを預けている家庭の情報は、少なくとも三つの持ち主のもとに分かれています。

一つめは、クラブを運営する側です。入所の申し込みのときに、保護者の就労の状況を示す書類、勤務先、家族の構成、子どもの健康やアレルギー、迎えに来る人の名前と続柄、帰宅の方法などを受け取っています。利用料の減免を受けている家庭なら、家計に関わる情報もここにあります。

二つめは、子どもが通う学校です。学級の名簿や緊急の連絡先、健康の記録など、学校としての情報を持っています。

三つめが、保護者会です。会員の連絡先、会費の入金の記録、当番や役員の割り振り、行事の出欠などを持っています。

この三つは、同じ家庭についての情報でも、集めた目的も、使ってよい範囲も違います。保護者会の役員が困るのは、この線がふだんの活動の中で簡単に越えられてしまうことです。支援員に「この子の引き取りは誰ですか」と聞けば教えてもらえるかもしれませんし、学校の役員を兼ねている保護者が学級の連絡網を持っていることもあります。

保護者会が個人情報の扱いを考えるときは、まず自分たちが持っているのは三つめだけであるという前提に立ちます。運営側や学校の情報が必要になったら、その持ち主を通して、その持ち主の判断で受け取る。保護者会の側から直接集め直すなら、何のために使うかを会員に示して、会員本人から受け取る。この二つの道以外で情報が流れ込まないようにしておくことが、扱いの出発点になります。

非営利の保護者会でも、名簿を持てば法律の対象になり得る

保護者会は、会社でも法人でもない任意の団体であることがほとんどです。そのため、個人情報の法律は自分たちには関係がないと考えている役員も少なくありません。

個人情報保護委員会は、よくある質問の中で、営利か非営利かを問わず、個人情報をデータベースの形で事業に使っている団体は個人情報取扱事業者にあたるという考え方を示しています。そこでは自治会や町内会、同窓会、PTAに加えて、サークルやマンション管理組合も例に挙げられています。詳しくは個人情報保護委員会のよくある質問に書かれています。学童の保護者会も、会員の名簿を作って連絡や会費の管理に使っている以上、この考え方の外にあるとは言えません。

同じ委員会は、PTAや同窓会などが名簿を作って配布する場合について、利用目的を示したうえで本人から情報を受け取り、本人以外に配るときは原則として本人の同意を得るという考え方も示しています。

法律の細かな解釈は、個別の事情によって変わります。保護者会として判断に迷う場面では、委員会の相談窓口に問い合わせるのが確実です。ただ、日々の運用で押さえておきたいことは多くありません。何のために集めるのかを会員に示すこと、その目的に使うものだけを集めること、目的の外に出さないこと、要らなくなったら手放すこと。この四つを、学童の保護者会の具体的な場面に当てはめていくのが、次の節からの内容です。

運営を担う保護者会は、職員の守秘と同じ重さを負う

保護者会が放課後児童クラブの運営主体になっている場合、話はもう一段重くなります。保護者会は、会員どうしの団体であると同時に、子どもを預かる事業者でもあるからです。

国の基準には、事業者の職員に対して、業務で知った子どもや家族の秘密を漏らしてはならないという定めがあります。

放課後児童健全育成事業者の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。 出典: laws.e-gov.go.jp

同じ条文は、職員を辞めたあとにも秘密が漏れないよう、事業者が必要な措置を取ることも求めています。運営主体の保護者会では、入所の書類、子どもの健康の記録、迎えの届け出、減免の申請といった事業の情報を、役員が扱うことになります。

ここで気をつけたいのは、役員が同時にクラブに子どもを預ける保護者でもあるという点です。入所の書類を処理した役員が、ほかの家庭の勤務先や家族の事情を知ってしまう。その役員が、お迎えのときに別の保護者と立ち話をする。悪意がなくても、知ってしまった情報は会話のはしばしに出てしまうことがあります。

そのため運営主体の保護者会では、事業の情報を扱う役員を最小限に絞り、その役員には年度の初めに守秘の約束を書面で交わしてもらう形を取る会があります。役員を退いたあとも約束が続くことを、同じ書面に書いておきます。事業の情報と、会員どうしの活動の情報を、置き場所の段階から分けておくことも欠かせません。

保護者会の名簿に載せるのは、連絡と当番と行事に要るものだけ

保護者会が自分で集める情報は、会の活動に必要なものに限ります。学童の保護者会の活動は、おおむね連絡、会費、当番、行事の四つです。ここから逆算すると、名簿に載せる項目は多くありません。

載せてよいものは、次のくらいです。

・保護者の氏名と、連絡を受け取る手段 ・子どもの氏名と学年 ・在籍しているきょうだいの有無 ・会費の入金の状況 ・当番や役員を引き受けられるかの意向 ・行事の写真に写ってよいかの意向

これらを集める用紙には、項目ごとに何に使うかを一言ずつ添えておきます。「連絡を受け取る手段:保護者会からのお知らせと緊急の連絡に使います」「当番の意向:当番表の作成に使い、年度末に破棄します」のように書けば、会員はどの項目が何のために求められているのかが分かり、書きたくない項目があれば相談しやすくなります。使い道を書けない項目は、そもそも集める必要がない項目です。

一方で、学童の保護者会が集めがちですが、実は要らないものがあります。

勤務先の名前や住所は、当番の日程を組むときの参考になりそうに見えますが、必要なのは勤務先そのものではなく「平日の昼に動けるか」「土曜に出られるか」という答えです。勤務の形を聞けば足ります。

家族の構成も、ひとり親かどうか、祖父母と同居しているかといった情報まで保護者会が持つ必要はありません。当番の負担を調整したいなら、「当番の回数について配慮を希望するか」とだけ聞けば済みます。

子どもの健康やアレルギー、発達の特性は、行事で食べ物を出すときに気になる情報です。けれども、これは運営側が入所の時点で把握しています。保護者会の行事で食べ物を出すときは、その行事の参加申し込みの時点で「食べられないものがあれば書いてください」と聞き、行事が終わったら申し込みの記録ごと手放します。年間を通して名簿に載せておく必要はありません。

子どもの居場所と時刻が分かる情報は、名前よりも慎重に扱う

学童の保護者会が持つ情報の中で、他の団体にない性質を持つのが、子どもがいつどこにいるかが分かる情報です。

たとえば、夏休みの利用日の予定表があります。どの家庭の子どもが何日にクラブを使うかが一覧になっていて、行事の準備や当番の割り振りに使われます。曜日ごとの利用予定もあります。習い事がある曜日は利用しない、水曜だけ祖父母の家に行く、といった情報です。一人で帰る子どもの帰宅時刻の一覧もあります。

これらは一つずつ見れば、子どもの氏名と日付が並んでいるだけの表です。けれども組み合わせると、ある子どもが何曜日の何時ごろに一人で道を歩いていて、家には大人がいないということまで読み取れてしまいます。名前や連絡先よりも、子どもの安全に直接かかわる情報です。

こうした表は、作る目的がはっきりしている期間だけ持つようにします。夏休みの利用日の予定表なら、行事の準備と当番の割り振りが終わった時点で役目を終えます。夏休みが明けたら、保護者会の側からは消してしまいます。

表を共有する範囲も絞ります。当番の割り振りに使うなら、当番を組む役員だけが見られれば足ります。会員全員が見られる場所に貼る必要はありません。一人で帰る子どもの帰宅時刻のような情報は、そもそも保護者会が持つかどうかから考え直し、安否確認などにどうしても必要な場合でも、担当の役員一人か二人の手元にとどめます。

学校の違う子どもが一緒にいることを、名簿の作り方に映す

学校の敷地内にあるクラブでは、子どもの多くが同じ学校に通っています。一方で、地域のクラブや事業者が運営するクラブでは、いくつかの学校から子どもが集まってくることがあります。

複数の学校の子どもがいるクラブの保護者会では、名簿に学校名を載せるかどうかを考える必要があります。行事の日程を学校行事と重ならないように組むには、どの学校の家庭が何家庭いるかが分かれば足ります。家庭ごとの学校名を一覧にしなくても、学校ごとの人数を役員が把握しておけば目的は果たせます。

学校名と学年と子どもの名前がそろった一覧は、学童の外に出たとき、その子どもがどこの学校の何年生かを特定する材料になります。学童の保護者会の名簿は、学校の学級名簿よりも広い範囲の家庭をまたいで作られるので、同じ学校の保護者だけで閉じた名簿とは性質が違います。

同じ理由で、保護者会の連絡の場で、子どもを学校名と学年で呼ぶ習慣も見直しておくと安心です。「〇〇小の三年生の〇〇ちゃん」ではなく、「三年生の〇〇さん」でたいていの連絡は通じます。

支援員の連絡先を、保護者が個人で持たないようにする

学童の保護者会で見落とされやすいのが、支援員の個人情報です。長く勤めている支援員は、保護者と顔なじみになり、行事の準備や子どもの相談で個人の電話番号やトークのアカウントを保護者と交換していることがあります。

これには二つの問題があります。一つは、支援員の側の負担です。勤務時間の外に保護者から個別の連絡が届き、断りにくい関係になります。もう一つは、情報の流れがクラブの正式な経路から外れることです。子どもの様子についての相談や、ほかの家庭についての話が、支援員と特定の保護者の個人のやり取りの中で交わされるようになると、運営側も保護者会も把握できません。

運営主体でない保護者会なら、支援員への連絡は運営側の窓口を通すことを、保護者会の申し合わせとして会員に伝えておきます。行事の準備で支援員と打ち合わせが必要なときは、担当の役員が運営側の了解を得たうえで、クラブの業務用の連絡手段を使います。

運営主体の保護者会では、支援員は雇っている職員です。雇用主として、職員の個人の連絡先を保護者に知らせない、保護者会の連絡の場に職員を個人のアカウントで招かない、という扱いを決めておきます。職員に保護者会の連絡の場に入ってもらう必要があるなら、業務のために用意したアカウントで参加してもらいます。

行事の写真は、学年をまたいで写り込むことを前提にする

学童の行事の写真は、学校の学級の写真とは写り方が違います。一年生から高学年までが同じ場所で遊び、同じテーブルでおやつを食べるので、一枚の写真に複数の学年の子どもが写ります。夏祭りやクリスマス会では、きょうだいや保護者、支援員も写り込みます。

写真を保護者会の連絡の場で共有するなら、年度の初めに、子どもが写った写真を会員の間で共有してよいかを家庭ごとに聞いておきます。ここで「不可」と答えた家庭の子どもが写っている写真は、共有の前に外すか、ぼかす必要があります。担当の役員は、一枚ずつ写っている子どもを確かめることになるので、行事の写真係を決めるときにこの作業も伝えておきます。

「不可」の理由は聞きません。家庭の事情を話したくない家庭もあるので、意向だけを受け取り、名簿の一つの項目として持っておきます。

卒所の行事でよく作られる、在籍していた数年分の写真をまとめたスライドや記念の冊子は、とくに注意が要ります。すでに退所した家庭の子どもが、昔の写真の中に写っていることがあるからです。退所した家庭には、写真の掲載の意向を改めて聞く手立てがないことも多いので、退所した子どもが中心に写っている写真は使わない、という線を引いておくと判断が楽になります。

写真を置く場所も、会員でない人が見られないところに限ります。共有のためのリンクを発行する形の置き場所では、そのリンクが保護者の手から祖父母や知人に転送され、会員の外に広がることがあります。

配慮が要る家庭の事情は、保護者会の記録に残さない

学童に通う家庭の中には、家庭の事情から、特定の人に子どもの居場所を知られてはならない家庭があります。別居している親族からの接触を避けている家庭などです。こうした家庭への対応、たとえば特定の人には子どもを引き渡さないといった取り決めは、運営側と家庭の間で扱われるべきもので、保護者会が中身を知る必要はありません。

保護者会がこうした家庭に対してできることは、ごく限られています。そして、限られていることがかえって家庭を守ります。

具体的には、次のような扱いにしておきます。

・写真の掲載の可否は、理由を聞かずに意向だけを受け取る ・名簿を会員の間で配らない。連絡は保護者会の連絡の場を通し、連絡先を会員どうしで交換させない ・行事の案内や報告に、子どもの名前と写真を組み合わせて載せない ・家庭から事情を打ち明けられた役員は、それを記録に書かず、ほかの役員にも広げない

四つめは、とくに意識しておきたい点です。善意の役員が「この家庭は配慮が必要」と役員会で共有すると、その情報は役員の数だけ広がり、翌年には引き継ぎの資料に書かれてしまうことがあります。保護者会として必要なのは、写真の扱いや名簿の配り方をすべての家庭に対して慎重にしておくことで、特定の家庭の事情を把握することではありません。

連絡の場に入る人を、保護者本人に限るかどうかを決めておく

学童の迎えは、保護者だけが担っているわけではありません。祖父母が毎日迎えに来る家庭、曜日によって配偶者と交代で迎えに行く家庭、近所の親族に頼んでいる家庭があります。そうした家庭から、「迎えに行く祖母も保護者会の連絡を見られるようにしたい」という相談が来ることがあります。

一家庭から複数の人が連絡の場に入ること自体は、連絡の届き方をよくする面があります。迎えの時刻の変更や、クラブの前での行事の案内は、実際に迎えに行く人に届かなければ意味がないからです。

一方で、連絡の場に入る人が増えるほど、行事の写真や会員の名前を見られる人も増えます。一家庭から三人が入れば、写真を見られる人は保護者会の会員の数の三倍近くになります。祖父母の端末では、写真の保存や転送の扱いに慣れていないこともあります。

そこで、入ってよい人の範囲を保護者会として決めておきます。考え方としては、「クラブに迎えの届け出をしている大人まで」とするのが、学童の保護者会には分かりやすい線です。迎えの届け出は運営側に出されているので、保護者会はその中身を知りませんが、家庭の側に「届け出をしている人なら入れてよい」と伝えれば、家庭ごとに判断できます。

入る人が増えた家庭では、年度末の退出のときにも全員が外れているかを確かめます。保護者本人は抜けたのに、祖父母の端末だけが翌年まで残っていた、ということが起きやすいからです。参加を承認制にして、誰がどの家庭の人として入っているかを役員が把握できる形にしておくと、この確認が楽になります。

協議会や自治体に出す書類には、人数を載せて名前を載せない

学童の保護者会は、会の外に向けて書類を出す場面があります。地域の学童保育の連絡協議会に加入している会なら、会員数や役員の名簿の提出を求められることがあります。運営主体の保護者会なら、自治体への補助金の申請や実績の報告があります。

こうした書類で、会員の名簿をそのまま添付してしまう会があります。前年度の書類を写して作ると、前年度に添付していた名簿の形がそのまま引き継がれていくからです。

提出先が求めているものを、書類ごとに確かめます。会員数や在籍児童の人数で足りるものに、家庭ごとの名前は要りません。役員の名簿が必要な場合も、連絡の窓口になる会長と事務担当の名前と連絡先があれば足りることが多く、役員全員の住所や電話番号まで載せる必要があるかは、提出先に確かめてから決めます。

提出した書類の控えも、置き場所を考えます。控えを役員の個人の端末に残すと、前の節で書いた問題がそのまま起きます。会として持てる場所に置き、見られる人を事務担当に絞ります。

運営を担う保護者会は、雇用の書類を活動の名簿と同じ場所に置かない

運営主体の保護者会は、支援員を雇う雇用主でもあります。雇用にともなって、職員の住所や口座、税や社会保険の手続きに使う番号など、会員の名簿とはまったく性質の違う情報を扱います。

これらの情報を、会員の名簿や行事の資料と同じ共有の場所に置いてしまう会があります。役員が交代しても引き継げるように、という理由からですが、会員の名簿を見られる役員全員が、職員の個人情報まで見られる状態になります。

雇用の書類は、事務や会計を担う役員だけが見られる場所に分けます。紙の書類なら鍵のかかる場所に、電子のファイルなら閲覧できる人を絞った場所に置きます。給与の計算や社会保険の手続きを外部の専門家に頼んでいる会なら、その専門家に渡す書類の受け渡しの方法も決めておきます。

退職した職員の書類をいつまで保管するかは、税や社会保険の手続きの決まりによって必要な期間が変わるので、依頼している専門家や自治体の担当課に確かめたうえで決めます。保護者会の役員の判断だけで早めに捨ててしまうのも、必要な期間を過ぎても持ち続けるのも、どちらも避けたい扱いです。

置き場所は、役員の個人の端末ではなく、会として持てる場所にする

保護者会の情報がどこに置かれているかを書き出すと、多くの会で、役員の個人のスマートフォンや自宅のパソコンが中心になっています。前年度の会長が作った表計算のファイル、会計担当のノート、写真係のスマートフォンの中の写真。これらは、その役員が退いたあとも、その人の手元に残り続けます。

学童の保護者会は、子どもの在籍に合わせて役員が一年か二年で入れ替わります。三年生で退所する家庭の役員は、退所と同時に保護者会からも離れます。個人の端末に置いた情報は、退所した家庭の手元に残ることになります。

置き場所に求める条件は、次の三つです。

・会として持てること。特定の役員の個人のアカウントに結びついていない ・見られる人を選べること。会員全体、役員だけ、担当者だけ、と範囲を分けられる ・人の出入りに合わせて、見られる人を外せること

LINEのグループのように、トークの履歴を端末ごとに持つ形の道具では、役員が交代しても前の役員の端末に履歴が残ります。LINEグループとの比較には、役員が代わったときの記録の扱いや、参加の管理の違いが項目ごとに並んでいます。BANDを使っている会なら、BANDとの比較で、記録の残り方と預け先の違いを確かめられます。

年度末に、退所した家庭の情報をいつ手放すかを決める

学童の保護者会の情報は、年度末に大きく入れ替わります。三月に卒所や退所をする家庭がまとまって抜け、四月に新しい家庭が入ってきます。この入れ替わりに合わせて、抜けた家庭の情報を手放す時期を決めておきます。

手放す時期の目安は、その家庭との間でやり取りが残っていないことを確かめられた時点です。会費の精算、行事の立て替えの返金、卒所の記念品の受け渡しが済めば、保護者会がその家庭の連絡先を持っている理由はなくなります。多くの会では、年度の決算の監査が終わる時期がちょうどよい区切りになります。

手放すものは、名簿の行、連絡の場への参加、行事の出欠や利用予定の記録、写真の掲載の意向です。一方で、決算の記録として会費の入金を残す必要がある場合は、家庭の名前ではなく年度ごとの番号で残す形にしておくと、翌年以降に家庭を特定できる情報を持ち続けずに済みます。

連絡の場からの退出は、とくに忘れられがちです。退所した家庭が連絡の場に残っていると、翌年度の新しい家庭の名前や行事の写真が、もうクラブに関係のない家庭にも見え続けます。三月の最後の保護者会の議題に「退所する家庭の連絡の場からの退出」を入れ、四月の最初の連絡を出す前に済ませておきます。

名簿が外に出たと分かったときに、誰がどう動くか

どれほど気をつけていても、名簿や写真が意図しない相手に届いてしまうことはあります。別のグループへの誤送信、役員のスマートフォンの紛失、共有のリンクの転送。起きたときに慌てないよう、動く順番を決めておきます。

最初にするのは、何がどこまで届いたかを確かめることです。誤送信なら送った先のグループや相手、紛失なら端末に何が入っていたか。次に、届いた相手に削除を頼めるなら頼みます。そのうえで、情報が含まれていた家庭に、何が起きたかと、保護者会が取った対応を知らせます。

運営主体でない保護者会でも、情報に子どもの利用予定や帰宅の方法が含まれていた場合は、運営側にも知らせます。子どもの安全に関わる情報が外に出たなら、運営側が迎えや帰宅の扱いを見直す判断をすることがあるからです。運営主体の保護者会で事業の情報が外に出た場合は、自治体の担当課への相談も考えます。

法律上どのような手続きが必要になるかは、出た情報の種類や件数、団体の性質によって変わります。判断に迷ったら、個人情報保護委員会の相談の窓口に問い合わせるのが確実です。

こうした場面に備える意味でも、情報を置く場所はメンバー以外は見られないことを前提にしておきます。連絡先を会員どうしで交換しなくても連絡が回る形は、PTAでの使われかたに例があります。データがどこで管理されているか、運営する会社が投稿を見ることがあるのかといった点は、よくある質問で確かめてから、置き場所を決めると判断がぶれません。

Q1. 学童保育の保護者会は、クラブから保護者の連絡先をもらってもよいですか?

クラブが持っている情報は、入所の手続きのために運営側が集めたものです。保護者会に渡すかどうかは運営側が判断することで、保護者会から求めて受け取るものではありません。保護者会の名簿は、何に使うかを示したうえで、会員の家庭から直接受け取る形にするのが無理のないやり方です。入所説明会の場で案内を配ってもらう形なら、運営側にも頼みやすくなります。

Q2. 夏休みの利用日の予定表は、会員全員で共有してよいですか?

子どもが何日にクラブにいて何日にいないかが分かる表なので、共有の範囲は絞ります。行事の準備や当番の割り振りに使うなら、担当の役員が見られれば足ります。一人で帰る時刻などと組み合わさると、子どもが一人でいる時間まで読み取れてしまいます。目的が済んだら、夏休み明けに保護者会の手元からは消しておきます。

Q3. 支援員の先生と個人の連絡先を交換してもよいですか?

避けたほうがよい扱いです。勤務時間外に個別の連絡が届いて支援員の負担になり、子どもや他の家庭についての話がクラブの正式な経路の外で交わされるようになります。支援員への連絡は運営側の窓口を通すことを、保護者会の申し合わせにしておきます。運営主体の保護者会なら、職員の個人の連絡先を保護者に知らせない扱いを雇用主として決めます。

Q4. 退所した家庭の名簿は、いつ消せばよいですか?

会費の精算や立て替えの返金、卒所の記念品の受け渡しなど、その家庭とのやり取りが残っていないことを確かめた時点が目安です。年度の決算の監査が終わる時期を区切りにする会が多くあります。入金の記録を残す必要があるなら、家庭の名前ではなく年度ごとの番号で残します。連絡の場からの退出も、四月の最初の連絡を出す前に済ませます。

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