合唱団の日程調整でよくある失敗は、団員全員の都合を聞くところから始めることです。候補日を10も並べて丸と三角とバツを付けてもらい、いちばん丸の多い日に決めたところで、指揮者が来られない、会場が取れていない、ということが分かる。合唱団の日程は、団員の都合より先に、動かせないものから順に決まっていきます。この記事では、演奏会、追加の練習、ふだんの練習のそれぞれについて、候補を出す順番、団員への聞き方、パートの出席を踏まえた決め方、決めたあとの変更の伝え方を書きます。
合唱団の日程は、動かせないものから順に決まる
合唱団の予定に関わる人と場所を、動かしにくい順に並べると、おおむね次のようになります。
・演奏会を開くホール ・指揮者 ・伴奏者 ・練習会場 ・賛助出演者や、合同で演奏する他の団体 ・団員
ホールがいちばん上に来るのは、使える日が限られていて、しかも早い時期に予約が埋まるからです。多くの公立のホールは、利用日のかなり前から予約を受け付けていて、週末の人気のある日は受付が始まるとすぐに埋まります。受付の時期や方法は施設ごとに決まりが違うので、使いたいホールの規則を最初に確かめます。
指揮者と伴奏者が次に来るのは、多くの場合、ほかの合唱団の指導や自身の演奏活動と予定を組み合わせているからです。団がお願いする日に来てもらえるとは限りません。指揮者と伴奏者は別の人であることが多く、2人の予定が合う日はさらに少なくなります。
団員の都合がいちばん下に来るのは、団員が大切でないからではありません。団員が30人いれば、全員の都合が合う日はまず存在しないからです。どんな日を選んでも、誰かは来られません。上の条件で絞り込んだ候補の中から、来られない人がいちばん少ない日、正確にはパートの釣り合いが崩れない日を選ぶことになります。
この順番を役員の間で共有しておくと、「なぜ団員の希望を先に聞かないのか」という疑問に答えられます。先に聞いても、その希望が実現できないなら、団員を落胆させるだけです。
演奏会の日は、ホールと指揮者を同時に押さえる
定期演奏会の日程は、ホールの予約と指揮者の予定の確認を、ほぼ同時に進めることになります。どちらかを先に決めてしまうと、もう一方が合わないことがあるからです。
進め方の例を挙げます。
・ホールの予約の受付が始まる時期を確かめ、その数か月前に、指揮者と伴奏者に候補の季節を伝える ・指揮者と伴奏者から、来られない週末を先に聞いておく ・受付の開始日に、指揮者と伴奏者が来られる週末の中から、第1希望から第3希望まで申し込む ・予約が取れたら、すぐに指揮者と伴奏者に日付を確定として伝える
ここで指揮者に「来られる日」ではなく「来られない日」を聞くのは、先の予定ほど、来られる日を約束しにくいからです。来られない日のほうが、すでに決まっている予定として答えやすい。
演奏会の日が決まったら、団員への発表は、なるべく早く行います。合唱団の団員は、演奏会の日に合わせて仕事の休みを取ったり、家族の行事を調整したりします。1年近く前に発表しても早すぎることはありません。
ホールを使う演奏会では、本番の日だけでなく、前日や当日の午前のリハーサルの時間もホールの利用区分の中で押さえることになります。ホールの利用は午前、午後、夜間といった区分で申し込む形が多く、本番の時間帯だけ借りると、ステージでのリハーサルの時間が取れません。本番と同じ区分の前の区分も一緒に押さえるか、前日の夜間を借りるかを、予算と合わせて決めておきます。
練習会場は、施設の予約の決まりに合わせて動く
ふだんの練習会場は、公民館や地域の集会施設のうち、ピアノのある部屋を使う団が多くあります。公民館は、社会教育法の中で、住民の集会などに施設を使ってもらうことが事業のひとつとされています。
公民館は、第二十条の目的達成のために、おおむね、左の事業を行う。 六 その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。 出典: e-Gov法令検索
住民のための施設なので、特定の団体が好きなだけ押さえられるわけではありません。利用の申し込みの時期、抽選の有無、1団体が月に使える回数などは、自治体や施設ごとの規則で決まっています。合唱団の日程調整は、この規則に合わせて動くことになります。
合唱団がつまずきやすいのは、ピアノのある部屋が1つか2つしかない施設で、同じ曜日を毎週押さえようとする場面です。抽選で外れた週は、別の施設を探すか、ピアノのない部屋で練習するか、練習を休みにするかを選ぶことになります。
こうした事情があるので、練習の日程は「毎週水曜」と決めていても、実際には月ごとに確定する形になります。進め方としては次のようになります。
・施設の申し込みの時期に合わせて、翌月か翌々月の練習日を申し込む ・抽選や予約の結果が出たら、その月の練習日と会場を確定して団員に知らせる ・取れなかった週の扱い(別会場、休み、パート練習)を、その時点で決める
申し込みの担当は、団長とは別の役員に割り当てておくと、団長の負担が分散します。担当が抽選の日を忘れると、翌月の練習会場がまるごとなくなることもあるので、申し込みの時期を年間の予定表に書き込んでおきます。
団員に聞くのは、候補を絞ってから
演奏会の日やふだんの練習日は、ここまでの手順で、団員に聞く前にほぼ決まります。団員に都合を聞く必要があるのは、追加の練習、パート練習、合宿、懇親会など、団の側で日付を選べる予定です。
このときの候補の出し方で、答えの集まり方が変わります。
候補の数は3つから5つに絞ります。10も並べると、答えるのに手間がかかり、回答が遅れます。しかも、候補が多いと票が散って、決め手になる差が出ません。
候補は、指揮者と伴奏者が来られることと、会場が取れることを確かめたものだけにします。確かめていない候補を出すと、多数決で選ばれた日が実現できず、やり直しになります。
聞き方は、「参加できる」「参加できない」の2択に、「時間によっては参加できる」を加えた3択にします。合唱団の追加練習は、休日に3時間から5時間と長めに組むことが多く、途中から来る、途中で帰る、という参加の仕方が現実的だからです。3つ目を選んだ人には、何時から何時までなら来られるかを書いてもらいます。
締め切りは、ふだんの練習日に合わせて置きます。「次の練習の日まで」とすると、練習に来た人に紙で答えてもらうこともでき、画面で答えていない人に、その場で声をかけることもできます。
決めるときは、全体の人数ではなくパートで見る
候補日への答えが集まったら、いちばん参加者が多い日に決めたくなります。合唱団では、ここで全体の人数だけを見ると判断を誤ります。
たとえば、追加の合わせ練習の候補日が2つあったとします。候補Aは24人、候補Bは21人が参加できると答えました。人数だけならAです。ところがパート別に見ると、Aはテノールが1人しか来られず、Bはテノールが4人揃う、ということがあります。混声の曲の合わせ練習は、1つのパートが極端に薄いと、ほかのパートが自分の音を確かめられず、練習の効果が大きく落ちます。この場合は、人数の少ないBのほうが、合わせ練習の日として適しています。
判断の基準は、練習の目的によって変えます。
・合わせ練習:全パートが最低人数を満たす日を選ぶ ・パート練習:そのパートの参加者が多い日を選ぶ。ほかのパートの人数は関係ない ・ステージの立ち位置の確認:出演する団員のできるだけ多くが揃う日を選ぶ ・懇親会:全体の人数で選んでよい
最低人数を何人とするかは、曲の編成と、パートの在籍人数によって違います。指揮者と、パートごとに何人いれば合わせ練習として成り立つかを、演奏会の曲が決まった時点で話しておきます。
どの候補でも最低人数を満たせない場合は、合わせ練習をやめて、そのパートだけ別の日にパート練習を入れる、という組み替えを考えます。
本番前の強化練習は、逆算して置く
演奏会やコンクールの前には、ふだんの練習に加えて、強化練習を入れる団が多くあります。この強化練習の日程は、本番の日から逆算して置きます。
置き方の例を挙げます。
・本番の3か月前:休日の長時間練習を月に1回 ・本番の1か月前:休日の長時間練習を2回、立ち位置の確認を含める ・本番の2週間前:本番と同じ曲順での通し練習 ・本番の前日または当日:ホールでのリハーサル
強化練習は、指揮者と伴奏者の拘束時間が長くなり、謝礼や会場の使用料も増えます。予算を組む段階で、強化練習を何回入れるかを決めておきます。本番が近づいてから「もう1回増やしたい」となると、会場が取れず、指揮者の予定も合わない、ということが起きます。
合唱団で気をつけたいのは、強化練習の日程を団員に発表する時期です。休日の長時間練習は、団員が仕事や家族の予定を調整しないと参加できません。演奏会の日を発表するときに、強化練習の候補の月もあわせて伝えておくと、団員が予定を空けやすくなります。日付の確定は後でも、「この月の週末のどこかに入る」と分かっているだけで、参加率が変わります。
休日の長時間練習は、時間帯の組み方でも参加のしやすさが変わります。午前から夕方まで通しで組むと、昼食の時間の扱いと、途中で抜ける団員への対応が必要になります。年配の団員が多い団では、午前の早い時間を避け、13時から17時のように午後にまとめるほうが集まりやすいという声がよく聞かれます。子育て中の団員が多い団では、逆に午前のほうが家族の予定と重なりにくいこともあります。
どちらが合うかは団ごとに違うので、1回目の強化練習のあとに、パートごとの出席を見て次回の時間帯を決めます。練習の中身も、前半に合わせ練習、後半にパート練習と分けておくと、途中から来る人や途中で帰る人がいても、合わせ練習だけは全員が揃った時間に行えます。どの時間帯に何をするかを日程と一緒に伝えておくと、団員は自分の都合に合わせて参加の仕方を決められます。
楽器との合わせと、賛助出演者の練習日は、回数から決める
ピアノ伴奏だけの演奏会なら、伴奏者の予定を押さえれば日程は組めます。オーケストラや弦楽器、打楽器などと一緒に演奏する曲がある演奏会では、日程の組み方がもう一段むずかしくなります。
器楽の奏者は、複数の人に個別にお願いしていることが多く、全員が揃う日は限られます。しかも、奏者への謝礼は合わせの回数に応じて増えるので、何度も練習に来てもらうことはできません。多くの団では、器楽との合わせは本番前の1回か2回、それに当日のリハーサルという組み方になります。
このため、器楽との合わせの日は、回数を先に決め、奏者全員の予定が合う日を最優先で押さえます。団員の都合はそのあとです。合わせの日に出られない団員がいても、合わせの日を動かすことはしません。代わりに、合わせの日に来られない団員には、その日の録音を聞いてもらうか、指揮者から変更点を伝えてもらいます。
賛助出演の歌い手に来てもらう場合も、同じ考え方をします。賛助出演者は、ほかの団に所属していることが多く、ふだんの練習に毎回来ることはできません。お願いする段階で、「最低でもこの練習には来てほしい」という日を3回から4回程度に絞って伝えます。立ち位置の確認、通し練習、ホールでのリハーサルなど、出てもらわないと本番が成り立たない日を選びます。
出てほしい日を早く伝えるほど、賛助出演者は予定を空けやすくなります。演奏会の日と一緒に、この数日を確定として伝えられるよう、強化練習の日程は器楽の合わせや賛助出演者の都合を先に聞いてから組み立てます。
出欠は、練習ごとではなく1か月分をまとめて聞く
日程を決めることと並んで、合唱団の運営で手間がかかるのが、決めた練習への出欠を知ることです。指揮者は、その日に来るパートの人数によって、練習の内容を変えたいと考えます。テノールが少ない日には男声の練習を後回しにし、女声の音取りを先にする、といった組み替えです。
練習の前日に「明日来られる人は返事をください」と聞く形は、毎週の手間が大きく、返事も揃いません。合唱団のように練習の曜日が決まっている団では、1か月分の出欠をまとめて聞くほうが向いています。
進め方の例を挙げます。
・月の最後の練習で、翌月の練習日の一覧を配る ・団員は、来られない日にだけ印を付けて出す ・連絡担当が、練習日ごとにパート別の欠席の人数をまとめ、指揮者に渡す ・急に来られなくなった場合は、前日までに連絡担当に伝える
「来られない日にだけ印を付ける」形にするのは、多くの団員が大半の練習に来るからです。来る日に印を付ける形にすると、印の数が多くなり、付け忘れが増えます。
まとめた欠席の見込みは、指揮者だけでなく、パートリーダーにも共有します。自分のパートがほとんど来られない日が分かれば、パートリーダーが事前にパート練習の日を別に設けるなど、手を打てます。
この1か月分の出欠は、次の強化練習の候補日を決めるときの材料にもなります。どの曜日や週に欠席が集まりやすいかが、数か月分たまると見えてくるからです。
変えられない外部の日程を、先に暦に置く
合唱団は、自分たちの演奏会だけで年間の予定が決まるわけではありません。合唱コンクール、地域の音楽祭、合同演奏会、依頼演奏など、ほかの団体が決める日程に合わせる予定が入ってきます。
こうした予定は、団の側では日付を動かせません。年間の予定を組むときには、これらを先に暦に置き、その前後に練習の予定を組み立てます。
・コンクールの予選や本選の日 ・地域の音楽祭や合同演奏会の日と、その合同練習の日 ・依頼演奏の日(施設の行事、式典など) ・練習会場の施設が休館する日(年末年始、点検の日など)
合同演奏会では、参加する団体が集まって練習する合同練習の日程が、実行委員会で決まります。団のふだんの練習日と重なることもあり、その日の練習をどうするかを事前に決めておきます。
依頼演奏は、先方の行事の日程に合わせるので、打診が来てから本番まで2か月程度しかないこともあります。受けるかどうかの判断には、その期間に出演できる団員がパートごとに揃うかの確認が要ります。団長が先方に即答する前に、パートリーダーに見込みを聞く手順を決めておくと、引き受けてから人が集まらない、ということを防げます。
依頼演奏は平日の昼に入ることもあります。福祉施設の行事や式典は、先方の都合で平日の日中に組まれることが多く、仕事を持つ団員は出られません。出られる団員だけで歌える曲を選ぶのか、少人数で成り立つ編成に組み替えるのかを、指揮者と相談してから返事をします。平日の依頼を受ける方針かどうかを、年度の初めに役員の間で決めておくと、打診のたびに迷わずに済みます。
合宿の日程は、宿の予約と参加費の締め切りから逆算する
演奏会の前に合宿を組む合唱団もあります。朝から晩まで歌い込める合宿は、ふだんの練習では届かないところまで仕上げる機会になりますが、日程の組み方は通常の練習とまったく違います。
合宿でいちばん早く押さえる必要があるのは、宿泊施設です。合唱団の合宿には、全員が入れる広さの部屋と、ピアノが要ります。この条件を満たす施設は、研修施設や音楽合宿を受け入れている宿などに限られ、週末は早くから予約が埋まります。
宿を押さえるには、おおよその人数を先に伝える必要があります。ここで団員への聞き方が問題になります。参加の確定を待っていると宿が取れず、見込みで予約すると、人数が減ったときに取り消しの費用がかかります。
進め方としては、次の順番が現実的です。
・演奏会の日程を発表するときに、合宿を行う予定の月を伝える ・合宿の半年ほど前に、参加の見込みを「参加する」「たぶん参加する」「参加しない」で聞く ・見込みの人数で宿を仮予約し、宿の取り消しの規定を確かめる ・宿の取り消し料がかかり始める日より前に、参加の確定と参加費の締め切りを置く
参加費の締め切りを、宿の取り消し料がかかり始める日より前に置くのが肝心です。締め切りを過ぎてからの不参加は、本人に取り消しの費用を負担してもらう、という扱いを事前に伝えておくと、団の会計に穴が開きません。
合宿は1泊2日でも、指揮者と伴奏者を2日間拘束することになります。謝礼と交通費、宿泊費の扱いを、日程を打診する段階で指揮者と話しておきます。
演奏会が終わったら、翌年の日程をすぐに仮押さえする
合唱団の日程調整で、いちばん忙しくなるのは演奏会の前ですが、いちばん大事な判断が必要になるのは演奏会の直後です。翌年の演奏会の日程を決める動きを、このときに始める必要があるからです。
演奏会が終わった直後は、団員も役員も一息つきたい時期です。ここで何もせずに数か月が過ぎると、翌年のホールの予約の受付時期を逃すことがあります。受付の時期が演奏会の数か月後にやってくる施設もあるため、終わってから考え始めると間に合いません。
演奏会の翌月には、次のことを進めます。
・翌年の演奏会のホールの予約の受付時期を確かめる ・指揮者と伴奏者に、翌年も続けて指導をお願いできるかを確かめる ・翌年の演奏会の候補の季節を、指揮者と伴奏者に伝える ・今年の演奏会の日程の組み方で、困ったことを役員の間で書き出す
4つ目は、次の年の日程を組むための材料になります。強化練習が足りなかった、合わせの回数が少なかった、ホールのリハーサルの時間が短かった、といった振り返りは、演奏会の直後にしか正確に出てきません。書き出したものを翌年の予定表を作る担当に渡しておくと、同じ詰まり方を繰り返さずに済みます。
指揮者との翌年の約束は、合唱団の日程のすべての出発点になります。演奏会の打ち上げの席で口約束をするのではなく、翌月に改めて、翌年の指導の日数や謝礼の扱いと合わせて確かめます。
決めた日程を変えるときは、変更の連鎖を先に数える
一度決めた日程を変えることは、合唱団では思った以上に大きな影響を持ちます。1つの日付を動かすと、次のものが連鎖して動くからです。
・練習会場の予約の取り消しと取り直し(取り消し料がかかる施設もある) ・指揮者と伴奏者の予定の再確認と、謝礼の扱い ・団員の仕事の休みや家族の予定 ・賛助出演者や合同で演奏する団体への連絡 ・すでに配った予定表やチラシの修正
変更を検討するときは、変えることで得られるものと、この連鎖の負担を並べて比べます。団員の数人が来られなくなったという理由だけで、会場と指揮者の予定を組み直すのは、多くの場合、割に合いません。
変更すると決めた場合、いちばん大切なのは、古い日程が団員の手元に残らないようにすることです。合唱団では、年間の予定表を紙で配っている団が多く、変更の連絡を別に出しても、団員が冷蔵庫に貼った古い予定表を見て行動することがあります。連絡の場に書いた古い日付も、あとから見返した団員を迷わせます。
変更を伝えるときは、次の3点をそろえます。
・変更前の日付と、変更後の日付を並べて書く ・変更の理由を短く書く ・紙の予定表を配っている場合は、差し替え版を次の練習で配る
連絡の場に書いた古い予定には、変更したことが分かる印を付けるか、元の書き込み自体を直します。変更の連絡と元の予定が別々に存在すると、どちらが正しいのか分からなくなります。
年間の予定表は、確定と仮を分けて書く
合唱団の年間の予定表は、年度の初めに配る団が多くあります。この予定表を作るときに、すべてを確定した予定として書くと、あとで変更が相次ぎます。練習会場は月ごとに決まり、強化練習の日付は本番が近づいてから決まるからです。
予定表には、予定の確かさを3段階で書き分けます。
・確定:演奏会の日、ホールのリハーサル、コンクールの日、合同演奏会の日 ・仮:練習会場が取れる見込みの練習日、強化練習の候補の月 ・未定:懇親会、合宿、依頼演奏
書き分け方は、確定は太字、仮はかっこ書き、未定は月だけ書く、といった目で見て分かる形にします。年配の団員が多い団では、印刷した予定表を大きめの文字で作ると、読み違いが減ります。
予定表を配ったあとは、仮の予定が確定するたびに、連絡の場で知らせます。そのうえで、3か月に1回ほど、確定した予定を反映した予定表を配り直します。配り直すたびに、古い予定表は捨ててもらうよう伝えます。
予定表の作成と更新は、団長とは別の役員が受け持つと続きます。練習会場の申し込みの担当と同じ人にすると、会場の予約の結果をそのまま予定表に反映できて、二重の手間が省けます。
日程を決める仕組みの違いから、合唱団の予定の置き場所を考える
日程の調整と周知のしかたは、団がふだん使っている連絡の道具によって変わります。道具ごとの公開されている仕様を並べると、合唱団の予定の扱いで確かめるべき点が見えてきます。
候補日への回答を道具の上で集めたい場合、BANDには投票や、時間帯を分けた参加者の募集の機能が備わっています。BANDとの比較では、こうした予定と出欠に関わる機能の違いを、記録の残り方や個人情報の置き場所と合わせて並べています。追加練習の候補日を聞く機会が多い団は、この違いを確かめておくと、回答の集め方を決めやすくなります。
決まった予定を団員に伝える段階では、変更したときに古い情報が残らないかが大切になります。LINEグループとの比較では、予定をその都度トークで知らせる形と、カレンダーの予定を書き直すと掲示板のお知らせも一緒に直る形の違いを並べています。練習会場が月ごとに変わる合唱団では、変更前の日付がどこにも残らない形かどうかが、団員の取り違えを減らす鍵になります。
予定を載せる場所に団員全員が入れるかどうかも、見落とせない点です。Facebookグループとの比較では、イベントの機能とカレンダーの違いに加えて、参加に必要なアカウントの違いを扱っていて、年配の団員に新しい登録をお願いする必要があるかを考える材料になります。
日程を決める仕組みは、道具より先に、動かせないものから順に押さえる手順と、パートの釣り合いで決める基準を役員の間で持っておくことが土台になります。導入の前によく出る疑問はよくある質問にまとめてあります。
Q1. 合唱団の練習日を決めるとき、団員の都合から聞くべきですか?
団員の都合は最後に聞きます。先に、演奏会のホール、指揮者と伴奏者の予定、練習会場の予約を押さえ、実現できる候補だけに絞ります。団員が30人いれば全員の都合が合う日はまずないので、絞った候補の中から、パートの釣り合いが崩れない日を選びます。先に団員に聞くと、多数決で選ばれた日が実現できず、やり直しになりがちです。
Q2. 候補日への回答で、参加人数が多い日に決めればよいですか?
合わせ練習の場合は、全体の人数ではなくパートごとの人数で決めます。人数が多くてもテノールが1人しか来ない日は、混声の曲の合わせ練習として効果が落ちます。全パートが最低人数を満たす日を選び、どの日も満たせないなら、そのパートだけ別の日にパート練習を入れます。パート練習や懇親会なら、全体の人数で決めて構いません。
Q3. 演奏会の日程は、どのくらい前に決めて団員に伝えればよいですか?
ホールの予約の受付時期に合わせて決め、予約が取れたらすぐに団員に発表します。団員は仕事の休みや家族の予定を調整するので、1年近く前でも早すぎることはありません。発表するときに、強化練習を入れる月の見込みも一緒に伝えておくと、休日の長時間練習の参加率が上がります。受付の時期は施設ごとに違うので、最初に確かめてください。
Q4. 決めた練習日を変更したら、古い日程で来てしまう団員がいました。防ぐ方法はありますか?
変更を伝えるときに、変更前と変更後の日付を並べて書き、理由を短く添えます。紙の年間予定表を配っている団は、次の練習で差し替え版を配り、古いものは捨ててもらいます。連絡の場に残っている古い予定も、変更したことが分かる形に直してください。変更の連絡と元の予定が別々に残っていると、どちらが正しいか分からなくなります。
