運営のコツ

利用規約の作り方|団体の決まりを文章にする

2026年10月7日 ・ Tsudoo編集部

利用規約の作り方を調べ始めると、条項の見本はいくらでも見つかるのに、自分たちの場合にどこまで書けばよいのかが分からない、という状態になりがちです。利用規約は長く書けば強くなる書類ではなく、何かが起きたときに、そこを開けば判断できる状態を作るための書類です。ここでは、法律上の位置づけ、入れるべき条項、同意の取り方、変更の手順を順に整理し、団体が自分たちの決まりを文章にする場合の考え方までまとめます。

利用規約が必要になる場面と、法律上の位置づけ

利用規約は、サービスを提供する側があらかじめ用意し、使う人に示すルールの集まりです。契約書と違って一人ずつ内容を交渉しないところに特徴があります。会員制のサイト、予約の受付、教室の受講申込、名簿を預かる仕組み、写真を共有する仕組みなど、相手が不特定多数になる場面では、個別の契約書を交わす代わりに利用規約を用意します。

この一方的に用意する決まりが、なぜ相手を縛れるのかという根拠は、民法にあります。民法第548条の2は定型約款について定めており、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき、または定型約款を準備した者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたときは、個別の条項についても合意をしたものとみなす、としています。つまり、示し方が整っていれば、相手が1条ずつ読んでいなくても契約として効きます。

ただし同じ条文の第2項には、相手方の権利を制限したり義務を重くしたりする条項で、信義誠実の原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなすと書かれています。厳しく書けば書くほど守られるわけではなく、行き過ぎた条項はその部分だけが無効になります。免責の範囲を際限なく広げる条項、一切の返金を認めない条項、損害賠償を全面的に免れる条項は、この線に触れやすい箇所です。

もうひとつ押さえておきたいのは、利用規約が効くかどうかは、書いた中身と同じくらい、示し方で決まるという点です。申込の画面から規約に進めない、紙の申込書に規約の存在が書かれていない、規約の保存先を後から変えた、といった状態では、書いてあっても主張しにくくなります。作り方を考えるときは、条項の文言と、同意を取る画面や用紙の作りを、必ずセットで設計します。

利用規約と規約・会則・契約書の違いを先に分ける

言葉が近いので混ざりやすいところを整理します。利用規約は、提供する側と使う側の関係を定めるものです。会則や規約は、団体の中の決まりを定めるものです。契約書は、当事者が個別に交渉して取り決めるものです。プライバシーポリシーは、個人情報の取り扱いだけを切り出して説明するものです。

規約の位置づけについては、次のように説明されています。

具体的には、規約の作成が当事者間の合意をもって作成されたものである場合、または加入会員がその規約内容に同意した場合、その規約は契約の1つとして法的に有効とされることがあります。 出典: biz.moneyforward.com

町内会やPTA、サークルのような任意団体では、この2つが1つの文書に混ざっていることがよくあります。会の目的と役員の決め方という中の決まりと、会員が守ることや連絡先の扱いという外向きの決まりが、同じ会則に並んでいる形です。実務としてはそれで回りますが、見直すときは分けたほうが手間が減ります。中の決まりを変えるには総会の決議が要る一方、連絡手段の運用ルールのような細かい部分は役員会で決められるようにしておくと、毎年の小さな修正に総会を待たなくてよくなります。

分けるときの目安は、誰の同意が要るかです。会員全員の意思で決めるべきことは会則に定めます。提供する側が示して使う側が受け入れる性質のことは、利用規約や運用のルールに定めます。この線を先に引いておくと、どちらに書くかで迷う時間がなくなります。

利用規約に入れる条項|基本の構成

条項の並べ方には定番の順序があります。上から順に読んだときに、申込から終わりまでの流れをたどれる形にします。

条項 書く内容
総則・目的 この規約が何に適用されるか
定義 サービス、利用者、会員などの言葉の意味
申込と承認 申込の方法、断る場合の基準
利用料金と支払い 金額、支払い方法、期限、返金の扱い
禁止事項 してはいけないこと
権利の帰属 投稿された文章や写真の著作権の扱い
個人情報の取り扱い 取得する情報と使う目的、別文書への参照
免責 責任を負わない範囲
利用停止と退会 停止の条件、退会の手続き
規約の変更 変更の方法と周知の仕方
準拠法と管轄 もめたときにどこで解決するか

このうち、後で困りやすいのは禁止事項、権利の帰属、利用停止の3つです。禁止事項は抽象的に書くと運用できません。「他の利用者に迷惑をかける行為」だけでは、実際に何かが起きたときに判断できません。具体例を3つから5つ挙げ、最後に「その他、運営が不適切と判断する行為」で受ける形にします。

権利の帰属は、写真や文章を投稿してもらう仕組みでは必ず必要です。投稿した人が著作権を持ったままにするのか、運営側に使わせてもらう範囲をどこまで認めてもらうのかを書きます。会報に載せる、サイトに掲載する、次年度の案内に使う、といった使い道を具体的に書いておくと、後から1件ずつ許可を取り直す手間が消えます。

利用停止の条項では、どういう場合に停止するのか、事前に知らせるのか、料金はどうなるのかまで書きます。ここを書かずに運用すると、停止したこと自体をめぐって話が長引きます。

利用規約の作り方の手順|5つの段階

作る順番を決めておくと、条文を書く作業は思ったより早く終わります。

第1段階は、実際の流れを書き出すことです。申込から、支払い、利用、変更、退会までを時間順に並べます。この流れに沿って条項を並べると、抜けが見つかります。よく抜けるのは、途中で辞めたときの料金の扱い、連絡先が変わったときの届出、代理で申し込むときの扱いの3つです。

第2段階は、困った場面を集めることです。過去に起きたこと、他の会で聞いたことを10件ほど書き出します。会費を払わないまま参加を続ける人が出た、写真を勝手に転載された、退会したのに名簿に残っていた、といった具体例です。この10件に答えられる規約なら、実務では十分に働きます。

第3段階は、ひな形を選んで下敷きにすることです。白紙から条文を書く必要はありません。無料で公開されているひな形は多く、会員制サービス向けのものを配布しているところもあります。ただし、ひな形の説明にはこう書き添えられています。

本ページに掲載する会員規約(会員制サービス向け)のひな形および解説は、一般的な参考情報として提供するものであり、特定の取引・案件への法的助言を目的とするものではありません。実際の契約締結に際しては、専門家(弁護士等)への確認を強く推奨いたします。 出典: mysign.jp

第4段階は、自分たちの実情に合わせて削ることです。ひな形には使わない条項が必ず入っています。物販をしないのに返品の条項が入っている、ポイント制度がないのにポイントの条項が入っている、といった状態です。使わない条項を残しておくと、いざ読んだときに現実と合わず、規約全体の信用が落ちます。足すより先に削ります。

第5段階は、施行日を決めて公開することです。日付のない規約は、いつから効いているのかが分かりません。末尾に「2026年10月1日制定」と書き、変更したときは改定日を積み上げていきます。

作成時の注意点|関わる法律を先に確かめる

条文を書く前に、自分たちのサービスに関係する法律を確かめておきます。よく問題になるのは、著作権法、資金決済法、特定商取引法、個人情報保護法、消費者契約法の5つです。

著作権法は、投稿された写真や文章の扱いに関わります。資金決済法は、前払いでポイントや回数券を売る場合に関わります。特定商取引法は、通信販売や継続的な役務の提供に関わり、表示しなければならない事項が決まっています。消費者契約法は、消費者に不利な条項の効力に関わります。

個人情報保護法は、営利か非営利かを問わず関係します。監督官庁の考え方は、次のように示されています。

個人情報保護法における「事業」とは、一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為であって、かつ社会通念上事業と認められるものをいい、営利・非営利の別は問いません。したがって、非営利の活動を行っている団体であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している場合は、個人情報取扱事業者に該当します。 出典: ppc.go.jp

同じ説明の中では、NPO法人や自治会、町内会、同窓会、PTAのほか、サークルやマンション管理組合も個人情報取扱事業者に該当し得ると示されています。取り扱う人数が少なければ対象外になるという扱いも、すでにありません。名簿を作って運営に使っているなら、取得の目的を伝える、目的の範囲で使う、外に渡すときは同意を取る、という基本の3つは押さえておきます。

法律を全部読み切るのは現実的ではありません。上位の解説でも次のように書かれています。

また、今回の記事では利用規約に関わる主な法律として5つの法律をとりあげましたが、実際には法律の数は無数にあり、サービスの内容に応じて気を付けなければならない法律もさまざまです。 出典: kigyobengo.com

判断に迷う条項が残ったら、その条項だけを持って専門家に確認するのが早いです。規約全体を見てもらうより、争点を絞ったほうが相談の時間が短くなります。

条文の書き方のコツ|読み手が迷わない文にする

条項の中身が決まっても、文の書き方でつまずくことがあります。読みやすさのためではなく、解釈が割れないようにするためのコツが5つあります。

1つめは、1条に1つのことだけを書くことです。料金の話と退会の話が同じ条に入っていると、引用するときに条番号だけでは足りず、「第5条の後半」という説明が必要になります。長くなったら条を分け、必要なら項に分けます。

2つめは、期間と起算点を必ず書くことです。「速やかに届け出る」は運用できません。「変更が生じた日から14日以内に届け出る」と書きます。起算点を書かずに日数だけ書くと、いつから数えるかで揉めます。

3つめは、主語を省かないことです。誰が何をするのかを書きます。「解約を認める」ではなく「運営は、会員からの申出があった場合、当月末日をもって解約を認める」と書きます。主語を省くと、実行する人が分からないまま残ります。

4つめは、例示と限定を書き分けることです。「次の場合に限る」と「次の場合を含む」は意味が違います。限定するつもりで「など」を付けると限定になりません。逆に、幅を持たせたいのに「次の場合に限る」と書くと、想定外の事態に対応できません。

5つめは、金額と単位をそろえることです。税込か税別か、月額か年額かを統一します。「月額500円(税込)」のように書き、年額と併記する場合は両方に同じ書き方を当てます。数字の書き方が混ざった規約は、読み手に計算をさせることになり、問い合わせが増えます。

6つめとして、番号の振り方も最初に決めておきます。条、項、号の使い分けを途中で変えると、引用したときにどこを指しているのか分からなくなります。条には見出しを付け、目次のように一覧できる形にすると、問い合わせを受けたときに探す時間が短くなります。条を後から足す場合は、末尾に足すか、枝番を使います。途中に割り込ませて番号を振り直すと、過去に案内した文書の条番号がずれてしまいます。

書き終えたら、条文を音読して確かめます。読んでいて息継ぎの場所が分からない一文は、たいてい2つのことを書いています。そこを切るだけで、解釈の割れる余地が減ります。

会員制の仕組みで特に注意する条項

会費や月謝を受け取る仕組みでは、あとから問い合わせが集まる条項がだいたい決まっています。先に書いておけば、個別の説明に時間を使わなくて済みます。

支払いの時期と方法は、いつ、どの方法で、誰が払うのかまで書きます。年会費なら、いつの時点で在籍している人が対象なのかを書きます。年度の途中で入った人を月割にするのか、満額にするのかは、書いていないと毎回判断が必要になります。

返金の扱いは、条項を用意していないと必ずもめます。途中で辞めた場合、参加できなかった回がある場合、行事が中止になった場合の3つは、それぞれ分けて書きます。返金しないと決めるのであれば、その理由が読み手に分かる形で書きます。理由の書かれていない不返金条項は、説明を求められたときに支えがありません。

自動で継続する仕組みを使うなら、更新の時期と、止めたいときの手続きを、同じ条に並べて書きます。更新の話だけを書いて、止め方を別の場所に離すと、探せないという不満につながります。止めたい人が迷わない形にしておくことは、続けたい人を増やすことと矛盾しません。

未成年が参加する仕組みでは、申込を誰がするのかを書きます。保護者の同意を前提にするのか、保護者を契約の相手にするのかで、後の連絡先も変わります。部活や少年団、子ども向け教室では、写真の扱いについての同意もあわせて取る形が多く見られます。写真を会報やサイトに載せる場合は、載せる範囲と、載せたくないという申出への対応を書いておきます。

もう1つ見落とされやすいのが、連絡が届かなかった場合の扱いです。届出のあった連絡先に送った時点で通知が到達したものとみなす、という定めを置いておくと、連絡先を更新していない人への対応で立ち止まらなくなります。ただし、この定めに頼りきると実務は雑になります。年に1回は連絡先の確認を回す運用と組み合わせて使います。

プライバシーポリシーとの書き分け

個人情報の扱いは、利用規約の中に1条だけ置く形でも成り立ちますが、別の文書に分けるほうが実務は楽になります。理由は2つあります。

1つは、変更の頻度が違うことです。個人情報の取り扱いは、使う道具を変えたときに書き換えが必要になります。名簿を表計算ファイルから別の仕組みに移した、写真の保存先を変えた、といった場面です。利用規約の本体を触らずに、こちらだけを改定できる形にしておくと、手続きが軽くなります。

もう1つは、読み手が違うことです。料金や禁止事項を知りたい人と、自分の情報がどう使われるかを知りたい人は、同じ人でも読むタイミングが違います。分けておくと、問い合わせに対して該当する文書だけを示せます。

分けるときは、利用規約の側に「個人情報の取り扱いは別に定めるプライバシーポリシーによる」の1文を入れ、参照を切らさないようにします。参照の1文がないまま別文書を作ると、その文書に同意したことになるのかが曖昧になります。

書く内容は、取得する項目、使う目的、外部に渡す場合の範囲、保存する期間、問い合わせの窓口の5つです。目的は具体的に書きます。「運営のため」では範囲が分かりません。「会費の請求、行事の案内、緊急時の連絡のため」と書きます。目的の外で使う必要が出たら、そのときに改めて同意を取ります。

書いても効かない規約にしないための同意の取り方

条文がよくできていても、同意の取り方が弱いと主張できません。よくある弱い形は3つです。

1つめは、規約への道が分かりにくいことです。申込の画面や用紙に規約への案内がない、サイトの奥にあるだけ、という状態です。申込の直前に示し、その場で読める形にします。

2つめは、同意の記録が残らないことです。画面で申し込む形なら、同意した日時と、その時点の規約の版を記録します。紙なら、申込書に「別添の利用規約に同意します」の一文とチェック欄を入れ、規約の版数を書いておきます。後から争いになったとき、どの版に同意したのかが分からないと、話が進みません。

3つめは、重要な部分を埋もれさせることです。料金が自動で更新される、途中解約でも返金しない、といった相手にとって重みのある条項は、規約の中に書くだけでなく、申込の画面や用紙でも別に示します。裁判では、事業者が約款を定めていても事業者側の主張が通らなかった例が伝えられています。ある事例では、事業者が利用規約を定めていたものの、裁判所はユーザーの請求を認め、約2300万円の損害賠償を命じたと報じられています。条文の存在だけでは守りにならないという点は、作るときに意識しておきたいところです。

無料で始められる仕組みを使う場合も、同意の取り方の考え方は変わりません。申込のしかたが簡単になるほど、読まずに進む人が増えます。読まずに進める設計にしておいて、後から「規約に書いてある」と言うのは無理があります。

利用規約を変更するときの手順

作ったあとに必ず出てくるのが変更です。料金を変える、使える範囲を変える、禁止事項を足す、といった場面です。相手一人ずつの同意を取り直すのは現実的ではないため、民法は変更の手順を定めています。

民法第548条の4は、定型約款の変更について、変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または契約をした目的に反せず、変更の必要性や変更後の内容の相当性などに照らして合理的なものであるときは、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更できるとしています。あわせて、変更の効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期を、インターネットの利用その他の適切な方法で周知しなければならないとしています。効力発生時期が来るまでに周知をしなければ、合理性による変更は効力を生じません。

実務に落とすと、やることは4つです。変更する内容を決める、効力が発生する日を決める、その日より前に周知する、周知した記録を残す。周知の方法は、サイトに掲載する、メールで送る、紙で配る、掲示板に貼る、といった形をとります。年配の会員が多い会では、画面での周知だけにせず、紙も併用しておくと後から揉めません。

変更の条項そのものを、最初の規約に入れておくことも大事です。変更することがあるという定めの有無は、合理性を判断する事情のひとつとして条文に挙げられています。「必要に応じて本規約を変更することがあり、変更後の内容と効力発生日を事前に周知します」という一文を、最初から入れておきます。

変更の履歴は末尾に残します。制定日、第1回改定日、第2回改定日と積み上げ、何を直したかを1行ずつ添えておくと、問い合わせに答えるときに助かります。

作ったあとの運用|問い合わせにどう答えるか

規約は作った時点では働き始めていません。実際に問い合わせが来たときに、その条項を開いて答える運用が回り始めて、はじめて役に立ちます。運用で決めておくとよいことが4つあります。

1つめは、答える人を決めることです。同じ質問に人によって違う答えを返すと、規約があること自体が信用されなくなります。窓口を1つにし、判断に迷う場合は役員会に上げる形にします。

2つめは、条項を指して答える習慣です。「第8条のとおり、退会の申出は当月末日をもって受け付けます」と条番号を添えて答えます。条番号を添えると、相手も後から確かめられます。文章だけで説明すると、言い方の違いが積み重なって、前と違う対応をしたように見えます。

3つめは、答えた記録を残すことです。問い合わせの日付、内容、答えた内容を1行ずつ残します。同じ質問が3回来たら、規約か案内の書き方に原因があります。改定の材料はここに集まります。

4つめは、規約で決めていないことが来たときの扱いです。その場で答えを出さず、いつまでに答えるかを伝えてから役員会に上げます。とりまとめる立場の人が単独で例外を作ると、次からその例外が基準になります。例外を作るなら、規約に書いて全員に同じ条件を当てます。

無料で始められる仕組みを使っている場合も、この4つは変わりません。道具が簡単になるほど、判断の基準は文章の側に残しておく必要があります。

決まりを文章にすると、続けやすさが変わる

規約や会則を作る目的は、誰かを縛ることではありません。判断する人が代わっても、同じ場面で同じ結論が出るようにしておくことです。とりまとめる立場の人が疲れる原因の多くは、決まっていないことを毎回その場で判断し、後から説明を求められるところにあります。文章になっていれば、説明はその条項を指すだけで済みます。

規約を作るときに合わせて決めておきたいのが、その規約をどこに保存し、どこから読めるようにするかです。役員が代わるときに引き継ぐものが1つで済むかどうかで、続くかが決まります。会則、利用規約、名簿、議事録、会計の記録が別々の保管場所に散っていると、引き継ぎのたびに探す作業が発生します。

連絡手段についての決まりを規約に書くなら、いま使っている道具の性質を確かめてから書きます。メッセージアプリで連絡している会では、退会した人の扱いや過去の投稿の残り方が道具の仕様に左右されます。その範囲はLINEグループとの比較に、無料で使える範囲と引き継ぎの観点で整理してあります。参加者が入れ替わる前提の会ならLINEオープンチャットとの比較、掲示板のように使う形を検討しているならBANDとの比較が近い比較になります。

団体の種類によって、書くべき条項の重みは変わります。年度で役員が入れ替わる運営については町内会での使われかた、担当が学年ごとに替わる場合はPTAでの使われかた、月謝と受講者の名簿を扱う場合は教室での使われかたに、それぞれの前提を整理してあります。名簿や写真を扱うときに、メンバー以外は見られない状態を保てるかどうかは、個人情報の条項を書く前に確かめておきたい点です。運用の判断で迷いやすいところはよくある質問にまとめています。

規約は一度作れば終わりではなく、実際に起きたことに合わせて直していくものです。困ったことが起きたら、その場の対応で終わらせず、次の改定で条項に反映します。それを何年か繰り返すと、自分たちの会に合った、短くて使える規約になります。

Q1. 利用規約は無料のひな形をそのまま使ってもよいですか?

下敷きにするのは有効ですが、そのままの使用は避けます。ひな形には使わない条項が必ず入っており、物販をしないのに返品の条項が残っていると、読んだときに現実と合わず規約全体の信用が落ちます。足すより先に削る作業から始め、判断に迷う条項だけを絞って専門家に確認するのが早い進め方です。

Q2. 利用規約はどこまで厳しく書いてよいですか?

厳しく書けば守られるわけではありません。民法第548条の2第2項は、相手方の権利を制限したり義務を重くしたりする条項で、信義誠実の原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは合意をしなかったものとみなすとしています。免責を際限なく広げる条項や一切の返金を認めない条項は、この線に触れやすい箇所です。

Q3. 規約を変更するときに会員全員の同意を取り直す必要がありますか?

民法第548条の4の要件を満たす場合は、個別の同意を取らずに変更できます。ただし効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期を事前に周知することが必要で、周知しないと合理性による変更は効力を生じません。あわせて、変更することがあるという条項を最初の規約に入れておきます。

Q4. 町内会やPTAでも個人情報の条項は必要ですか?

必要です。個人情報保護法の「事業」は営利か非営利かを問わず、監督官庁の説明では自治会や町内会、同窓会、PTA、サークルなども個人情報取扱事業者に該当し得るとされています。取り扱う人数が少なければ対象外という扱いもありません。取得の目的を伝える、目的の範囲で使う、外に渡すときは同意を取る、の3点は押さえます。

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