行事をどうするか、会費をいくらにするか、来年も続けるか。集まりの中で意見を聞かなければ決められない場面は毎年あり、そのたびに紙を配って回収する手間がのしかかります。Forms でアンケートを作る手順自体は10分ほどで終わりますが、実際に困るのはその前後です。
作る前に決めていないと後から直せないことが4つあり、締め切りのあとに集計と突き合わせの作業が残ります。この記事では、Google Forms と Microsoft Forms のどちらでも共通して必要になる判断を先に並べ、そのうえで実際の作成手順、配り方、集計、名簿との突き合わせまでを順に確かめます。設定の名称と挙動は2026年9月時点で Google が自社のヘルプページに書いている内容にそろえています。
紙のアンケートが画面に移ったあとに残った作業
町内会の意見調査、PTAの役員アンケート、部活の保護者向け希望調査。これらが紙から画面に移ったこと自体は、とりまとめる側にとって明確な前進でした。印刷代がかからず、回収のために家を回る必要がなく、集計表を手で作らなくても円グラフまで出てきます。
一方で、紙をやめたことで新しく生まれた作業もあります。まず、回答した人が誰なのかを知るには設定が必要です。Google フォームの初期状態では、回答者のメールアドレスを集める設定を入れていない限り、誰が答えたかは記録に残りません。名前を書く欄を自分で作るか、メールアドレスを集める設定を入れるかを、公開する前に決めておく必要があります。
次に、回答が集まったあとの突き合わせです。会員名簿が別にある集まりでは、回答した人の一覧と名簿を並べて、まだ答えていない人を探す作業が必ず入ります。紙のときは配った枚数と戻ってきた枚数を数えるだけでしたが、画面になると回答用の表と名簿が別の場所にあるため、この照合が手作業で残ります。
さらに、回答できない人への対応です。スマートフォンを持っていない会員、リンクを開けない会員、期限を過ぎてから電話をかけてくる会員は必ずいます。紙をやめても、この層のために紙の受け付け口を残すのか、役員が代わりに入力するのかを決めなければなりません。決めずに始めると、その場にいた役員が毎回その場の判断で処理し、翌年の担当に引き継げない状態になります。
アンケートの作り方を調べている時点では、こうした作業は視界に入りません。ただ、続けるかどうかを決める立場から見ると、10分で作れるかどうかよりも、締め切りのあとに自分がどれだけ動くかのほうが重要です。
作る前に決める4つのこと
設問を書き始める前に、次の4つを先に決めます。どれも後から変えると回答が混ざるか、集計をやり直すことになります。
1つ目は、誰が答えたかを記録するかどうかです。無記名にすると本音が出やすくなり、記名にすると未回答者を追えます。会費の値上げや役員の引き受けのような、答えにくいことを聞くときは無記名が向いています。逆に、出欠や参加希望のように名前と結び付かないと意味がない項目では記名が前提です。1つのアンケートに両方を混ぜると、無記名で聞いたつもりの意見が名前付きで残ってしまう事故が起きます。聞きたいことが2種類あるなら、フォームを2つに分けるほうが安全です。
2つ目は、締め切りとその後の段取りです。締め切り日だけを決めて、締め切ったあとに誰が何をするかを決めていないケースが多く見られます。回答をいつ締めるか、締めたあと誰が集計するか、集計結果を誰にいつ見せるか、未回答者に督促するかどうか。この4点を最初に紙に書いておくと、締め切り当日にとりまとめ役が抱え込む量が変わります。
3つ目は、1人1回に限るかどうかです。Google フォームには回答を1回に制限する設定があり、これをオンにすると回答するときに Google アカウントへのログインが必要になります。
ヒント: フォームにアクセスして入力するには、Google アカウントにログインする必要があります。ユーザー名が記録されるのは、設定で [回答] をオンにしてメールアドレスを収集する場合のみです。 出典: support.google.com
年配の会員が多い集まりでは、この設定は重い判断になります。二重回答を防ぐ代わりに、ログインできない人を全員はじくことになるためです。回答者が固定の名簿の中にいるなら、制限をかけずに名前の記入欄を必須にして、重複は集計時に目で見るほうが現実的です。
4つ目は、結果を誰に見せるかです。Google フォームには回答の概要を回答者に見せる設定があり、これをオンにするとフォームに回答できる人は全員、各設問への回答の全文とグラフを閲覧できます。自由記述で辛い意見が出る前提のアンケートでこれをオンにすると、書いた本人が特定されかねません。意見を集めるアンケートでは初期状態のままにして、結果は要点だけを別途まとめて配るほうが後で揉めません。
Google Forms でアンケートを作る手順
作る側の流れそのものは短いです。Google の公式ヘルプでは、フォームの作成から回答の分析までが4つのステップに整理されています。
まず forms.google.com を開き、空白のフォームを選んで名前を付けます。Google ドライブの左上にある新規ボタンから Google フォームを選んでも同じものが作れます。スプレッドシートの側から作る方法もあり、その場合は回答が最初からそのスプレッドシートの新しいシートに保存されます。
次に設問を追加します。設問の形式は、記述式、段落、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウン、均等目盛り、日付、時刻などから選びます。集まりのアンケートでよく使うのは、名前を入れる記述式、選択肢を1つ選ぶラジオボタン、複数選べるチェックボックス、自由に書いてもらう段落の4つです。この4つを覚えれば大半の調査は組めます。
必須にする設問は、答えないと先に進めない項目だけに絞ります。名前と、いちばん聞きたい1問。それ以外を必須にすると、答えたくない項目に当たった時点で離脱します。
設問を並べたら、上部の設定を開いて、先に決めた4つを反映させます。回答の横にある下向きの矢印を開くと、メールアドレスを収集するかどうか、回答を1回に制限するかどうか、回答者に回答の編集を許可するかどうかが並んでいます。プレゼンテーションの側には、結果の概要を表示するかどうかと、送信後に出す確認メッセージの編集があります。
確認メッセージは初期状態のままにせず、必ず書き換えます。「回答を記録しました」だけでは、回答した人がこのあと何を待てばよいのか分かりません。締め切り日、結果をいつどこで知らせるか、内容を間違えたときの連絡先。この3つを入れておくと、締め切り前後の問い合わせが目に見えて減ります。
Microsoft Forms を使う場合も、作る流れは同じです。Microsoft は自社のヘルプでアンケート、クイズ、投票の作成を案内しており、ブランド設定や高度なデータ分析が必要な場合は別の製品を案内しています。
Microsoft Forms の詳細を確認するか、すぐに始めてアンケート、クイズ、投票を作成します。 より高度なブランド設定、質問の種類、およびデータ分析が必要ですか? Dynamics 365 Customer Voice をお試しください。 出典: support.microsoft.com
どちらを選ぶかは、集まりの会員がすでにどちらのアカウントを持っているかで決まります。学校や職場がマイクロソフトのアカウントを配っている集まりなら Microsoft Forms、それ以外なら Google フォームのほうが、回答する側に新しい登録を求めずに済みます。
設問の書き方で回答率が変わる
設問の数と書き方は、回答率に直接効きます。項目が多いと入力が面倒だと感じて離脱されるという指摘は、フォーム作成の実務側からも繰り返し出ています。
項目数が多いと、「入力が面倒」だと感じてフォームから離脱される可能性が高まります。申し込みフォームにおいては「申し込み者の名前」「連絡先」を必要最低限として、目的に応じた項目を設置するようにしましょう。 出典: form.run
集まりのアンケートでも同じです。設問は5問前後に収めるのを目安にします。スマートフォンの画面で1画面から2画面に収まる量です。10問を超えると、最後の自由記述が空欄で戻ってくる割合が上がります。
設問の並び順にも決まった型があります。答えやすいものから始めて、考える必要があるものを中盤に、自由記述を最後に置きます。冒頭に自由記述を出すと、そこで手が止まって離脱します。名前と、選択肢を選ぶだけの設問を最初の2問に並べると、回答した実感が早く生まれて最後まで進みます。
設問の説明文を使うかどうかも分かれます。使わないほうが短く見えて答えやすい一方、選択肢の意味が曖昧なときは説明文がないと回答が濁ります。「参加」が当日の手伝いまで含むのか、顔を出すだけでよいのかは、説明文で1行補うだけで揃います。補う価値があるのは、回答が分かれると困る設問だけです。
聞き方の原則は3つあります。
第1に、1つの設問で2つのことを聞かないことです。「今年の夏祭りに参加できますか、また手伝えますか」は分けます。前半に「いいえ」と答えた人が後半をどう答えるべきか分からず、回答が濁ります。
第2に、選択肢は重ならないように並べることです。「参加する」「都合がつけば参加する」「参加しない」の3択は、2つ目が曖昧なため集計に使えません。参加する、参加しない、まだ決められないの3択にして、まだ決められない人に後から個別に聞くほうが数が固まります。
第3に、自由記述は最後に1つだけにすることです。自由記述が複数あると、書く負担が重くなり全部が空欄になります。1つに絞れば、そこに書かれた内容が読む価値のあるものになります。
選択肢の中に「その他」を入れるかどうかも先に決めます。入れると回答者は楽になりますが、集計時に自由記述として1件ずつ読む作業が増えます。選択肢を出し尽くせている確信があるときは、その他を入れないほうが締め切り後が軽くなります。
自由記述への回答をどう扱うかも、公開する前に決めておきます。全文をそのまま回覧するのか、要点だけをまとめて出すのか。前者にする場合は、書き手が特定される可能性があることを設問の説明文に書いておきます。後者にする場合は、誰が要約するかを決めておきます。
公開と配り方の設定
Google フォームは、作っただけでは回答できません。公開という操作が必要で、公開を停止するとリンクを知っている人も開けなくなります。ここは以前の仕様から変わった部分で、作ったのに回答できないという問い合わせの多くがここに当たります。
公開するときは、右上の公開を押し、管理から回答できる人を選びます。一般的なアクセスの欄で、リンクを知っている全員に開くか、対象のグループだけに開くかを選べます。名簿の中の人にだけ答えてもらいたいときは、後者を選んで回答者を名指しで追加します。
配り方として公式に案内されているのは、メールで送る、リンクを渡す、ウェブサイトやブログに埋め込む、ソーシャルメディアで共有するの4通りです。QRコードを作る機能はフォーム側にないため、掲示板や回覧板に載せたいときは、短縮したリンクを別のQR作成ツールに通す形になります。公開したあとは、URLを短縮するチェックボックスを入れて短いリンクをコピーできます。
メールに本文ごと埋め込む方法もありますが、埋め込めない設問があります。ファイルのアップロードを求める設問、評価の設問、設問や選択肢に画像を入れたフォーム、保護されているテストは埋め込めません。写真を見せて選んでもらう形のアンケートは、リンクで配るしかありません。
回答者に共有するときは、アクセスを消す日付を指定できます。有効期限を追加を押してカレンダーから日付を選ぶと、その日以降はフォームが開かなくなります。締め切りを守らせたいアンケートでは、この設定を入れておくと督促の手間が減ります。締め切り後に「まだ開けたから答えた」という回答が混ざることもなくなります。
配るときの文面には、締め切り日、所要時間の目安、答えられない人の連絡先の3つを入れます。所要時間は「3分ほどで終わります」のように具体的に書きます。時間の見当が付かないリンクは後回しにされ、後回しにされたものは忘れられます。
集計と、結果を配るところまで
回答が集まると、フォームの回答タブに概要が表示されます。概要タブは回答が1件以上あるときにだけ現れるため、公開直後に見て「壊れている」と誤解しないようにします。
回答をスプレッドシートに保存するかどうかは、回答の送信先を選ぶ操作で決めます。新しいスプレッドシートを作るか、既存のスプレッドシートを選ぶかのどちらかです。表にしておくと、並べ替えや絞り込み、名簿との突き合わせができるようになります。Google スプレッドシートの上限は1,000万セルで、集まりのアンケートで足りなくなることはまずありません。
ここで1つ、引き継ぎに効く注意点があります。新しい回答用のスプレッドシートを作ると、フォームの共同編集者は自動でそのスプレッドシートにも入れるようになりますが、そのあとフォーム側の権限を変えても、スプレッドシート側には反映されません。
新しい回答用スプレッドシートを作成すると、フォームの共同編集者は自動的にそのスプレッドシートにアクセスできるようになります。フォームの権限をさらに変更しても、自動的には同期されません。 出典: support.google.com
役員が代わるときは、フォームとスプレッドシートの両方で権限を直す必要があります。片方だけ直して引き継いだ結果、前年の役員が回答の表をいつまでも見られる状態が残ることがあります。個人の意見が入った表であれば、これは軽い話ではありません。
グラフの形も確かめます。フォームの概要に出る円グラフと棒グラフは、そのまま回覧に載せられる見た目になっていますが、回答数が少ないときは割合だけを見せると実態より大きく見えます。回答が10件のときに「70パーセントが賛成」と書くと、7人の賛成が全体の意思のように読まれます。回覧に載せるときは、割合と実数を並べて書いてください。
回答の削除も注意します。フォームから回答を消すと元に戻せません。スプレッドシートを消してもフォームは消えず、フォームを消してもスプレッドシートは残ります。集計が終わったあとに元データをどう保存しておくかは、消す前に決めます。
結果を配るときは、全文をそのまま出すか、要点だけを出すかを最初の判断に戻して選びます。要点だけを出す場合でも、回答数と締め切り日は必ず添えます。何人中何人が答えた結果なのかが分からないと、その結果を根拠に何かを決めるときに必ず蒸し返されます。
名前と連絡先を集めるときに気をつけること
アンケートで名前や連絡先を集めると、その表は個人情報の入ったファイルになります。法律の線引きを断定するのは避けますが、現場の運用として押さえておきたい点はいくつかあります。
まず、何のために集めるかを設問の説明文に書くことです。「今回の行事の連絡のためだけに使い、行事の終了後に削除します」と書いておけば、回答する側の警戒が下がり、あとで使い回しを疑われることもなくなります。
次に、集めた表を誰が見られる状態にしておくかです。役員の全員が見る必要があるとは限りません。名簿と突き合わせる担当だけが開ける状態にしておき、他の役員には集計結果だけを渡す運用にしている会が多いようです。共有の権限には閲覧者、コメントができる閲覧者、編集者の区別があり、見るだけの人を編集者にしないだけでも事故は減ります。
子どもの名前や学年、写真を集める場合は、より慎重な扱いが求められます。この分野の一般的な考え方は個人情報保護委員会が案内しており、判断に迷うときの出発点になります。ただ、個々の運用がどこまで許されるかは集まりの規約や保護者への説明の仕方で変わるため、こう運用している会が多いという形で確かめるのが実際的です。
最後に、保存期間です。行事が終わったあとも回答の表が残り続け、翌年の役員がそれを引き継ぎ、何年分も積み上がっていく状態はよく見られます。集める前に、いつ消すかを決めて設問の説明文に書いておけば、消すタイミングで迷いません。
参考になる情報は個人情報保護委員会の案内にまとまっています。
回答が集まらないときの督促の順番
締め切りの3日前になっても半分しか戻っていない、という状況は毎回起こります。ここで全員に同じ督促を流すと、すでに答えた人が「自分の回答が届いていないのか」と不安になり、確認の連絡が返ってきて手間が増えます。督促は順番を決めて段階的に出すほうが早く終わります。
第1段階は、締め切りの3日前に全員向けの一斉連絡です。この時点では誰が未回答かを特定せず、「まだ答えていない方はこちらから」という言い方にします。すでに答えた人が読んでも無駄にならない文面にしておけば、確認の連絡が返ってきません。あわせて締め切り日をもう一度書きます。日付を書かずに「そろそろ締め切ります」と書くと、読んだ人が自分で日付を探しに戻ることになります。
第2段階は、締め切りの前日に未回答者だけへの個別連絡です。ここで初めて名簿と回答の表を突き合わせます。記名式にしていれば、回答の表を名前で並べ替えて名簿と見比べるだけで抜けが出ます。無記名式にした場合はこの段階が使えないため、無記名を選ぶ時点で「督促は全員向けの一斉連絡だけになる」ことを受け入れておく必要があります。
第3段階は、締め切り後の処理です。答えていない人をどう扱うかを事前に決めておきます。無回答を欠席とみなすのか、参加として数えるのか、もう一度連絡するのか。この扱いを配るときの文面に書いておけば、締め切り後に個別の交渉が始まりません。「期限までに回答がない場合は欠席として進めます」と最初に書いてあれば、その1行が督促の代わりになります。
回答率そのものを上げる工夫は、督促よりも配り方の側にあります。リンクを配る時刻を、読まれやすい時間に合わせるだけで初日の回答数が変わります。日中に働いている会員が多い集まりなら夜、高齢の会員が多い集まりなら午前が読まれます。配る時刻を毎回そろえておくと、翌年の担当が同じ段取りを再現できます。
紙で答える人のための受け付け口をどうするか
画面のアンケートに一本化できる集まりは、実際には少数です。スマートフォンを持っていない会員、持っているがリンクを開けない会員、開けるが入力を嫌う会員がいます。この層をどう扱うかを決めずに始めると、締め切り間際にとりまとめ役が電話で聞き取って代わりに入力する作業を毎回抱えます。
現実的な選択肢は3つです。
1つ目は、紙の受け付け口を併設する形です。フォームと同じ設問を印刷した紙を数枚用意し、集会所や連絡箱に備え置きます。戻ってきた紙は、とりまとめ役が代わりにフォームへ入力します。手間は残りますが、対象が数人に収まるなら、この形がもっとも揉めません。紙とフォームで設問の文言をそろえておくことが条件です。文言が違うと集計のときに1件ずつ読み替える作業が発生します。
2つ目は、電話で聞き取る形です。あらかじめ担当と受付時間を決めて配る文面に書いておきます。「入力が難しい方は、火曜と木曜の19時から21時に担当までお電話ください」という一文があるだけで、締め切り間際の突発的な電話が受付時間に寄ります。聞き取ったあと、その場でフォームに入力すれば集計は1か所で済みます。
3つ目は、代理の回答を認める形です。同じ世帯の家族や、班の中の近所の人が代わりに入力します。世帯単位で意見を聞くアンケートなら成り立ちますが、個人の意見を聞くアンケートには向きません。代理を認めるかどうかは設問の内容で分けてください。
どの形を選んでも、翌年の担当のために手順を1枚に書き残します。書き残すべき内容は、紙を何枚用意したか、どこに備え置いたか、電話の受付時間を何と書いたか、代理入力を誰に頼んだかの4点です。この1枚があるかないかで、翌年の担当が同じところで迷うかどうかが決まります。
アンケートだけを画面に移しても散らばりは残る
ここまでを踏まえると、アンケートを Forms で作ること自体は難しくありません。詰まるのは、その前後が別の道具に分かれている点です。
具体的には、フォームのリンクを配るのは連絡の道具で、回答が溜まるのは表計算の道具で、名簿は別のファイルにあり、締め切りの督促はまた連絡の道具に戻ります。1回のアンケートで、とりまとめ役は少なくとも3つの場所を行き来します。行き来そのものは慣れれば苦になりませんが、役員が代わるときに引き継ぐものが3つ以上になる点が問題です。
実際、連絡の道具としていちばん使われているのはトークアプリですが、そこにアンケート機能とファイルの保存場所を求めると限界が見えてきます。何ができて何ができないかはLINEグループとの比較に整理しています。話題が流れていく作りと、名簿を持たない作りが、集まりの運営と噛み合わない点をまとめたものです。
外の人も入れる形で連絡を回している集まりでは、見せる範囲の設計がさらに難しくなります。参加している人だけに閉じる形と、リンクを知っている人が入れる形の差はLINEオープンチャットとの比較で扱っています。メンバー以外は見られない状態を保てるかどうかは、名前や連絡先を集めるアンケートでは前提条件になります。
実際の運営でどう回っているかは、団体の種類によってかなり違います。回覧板と会費の流れが中心になる集まりは町内会での使われかた、学年と役員が毎年入れ替わる集まりはPTAでの使われかたに例があります。同じアンケートでも、名簿の持ち方と引き継ぎの形が違えば、必要な設定も変わります。
道具を変えるかどうかを決める前に確かめたい点はよくある質問にまとめてあります。アンケートを作る手順を調べている段階なら、まず今回の1回を Forms で回しきり、そのときに何回別の場所を開いたかを数えておくと、次に何を畳むべきかが自分の手元の数字で見えます。
Q1. アンケートは無記名と記名のどちらがよいですか?
聞く内容で分けます。会費の値上げや役員の引き受けのように答えにくいことは無記名、出欠や参加希望のように名前と結び付かないと意味がないものは記名です。1つのフォームに両方を混ぜると、無記名で聞いたつもりの意見が名前付きで残ります。両方を聞きたいときはフォームを2つに分けてください。
Q2. 回答を1人1回に制限すると何が起きますか?
Google フォームで回答を1回に制限する設定をオンにすると、回答するときに Google アカウントへのログインが必要になります。二重回答は防げますが、ログインできない会員をすべてはじくことになります。回答者が名簿の中の固定の人たちなら、制限をかけずに名前の記入を必須にして、重複は集計時に目で確かめるほうが現実的です。
Q3. 設問はいくつまでに収めるべきですか?
5問前後が目安です。スマートフォンで1画面から2画面に収まる量で、最後まで答えてもらえる可能性が高くなります。10問を超えると、終盤の自由記述が空欄で戻る割合が上がります。自由記述は最後に1つだけにして、必須にする設問は名前といちばん聞きたい1問に絞ってください。
Q4. 締め切りを過ぎた回答を止める方法はありますか?
回答者と共有するときに有効期限を指定できます。共有の画面で有効期限を追加を押し、カレンダーから日付を選ぶと、その日以降はフォームが開かなくなります。締め切り後の回答が混ざらず、督促の手間も減ります。あわせて、配るときの文面に締め切り日と所要時間の目安を書いておくと回答が早く集まります。
