教室やスクールの運営をしていると、電話が鳴る回数の多さに悩まされます。今日休みます、振替をお願いします、バスに乗りません。どれも短い連絡ですが、レッスンの直前に集中して鳴るため、指導の手が止まります。「buscatch アプリ」で検索する人の多くは、この電話の山をどうにかしたいと考えている運営側の人か、施設から案内されてアプリを入れることになった保護者です。
先に整理しておきます。BusCatch(バスキャッチ)の「れんらくアプリ」は、単独で申し込んで使えるアプリではありません。施設の側がバスキャッチの業務システムを契約していて、そのシステムと連動する保護者・会員向けの窓口として動くアプリです。だから「アプリを入れれば連絡がまとまる」という話ではなく、「どの業務システムを契約するかで、アプリで何ができるかが決まる」という構造になっています。この記事では、公式の案内で確認できる機能の範囲と、対象になる施設の種類を整理したうえで、教室やスクールが連絡手段を決めるときに何を見ればよいかを書きます。
れんらくアプリが担っているのは、施設と利用者の連絡の窓口
公式の案内では、れんらくアプリは「バスキャッチ各サービスと連動し、施設と利用者様の連絡をスムーズにするアプリ」と説明されています。ここで重要なのは「各サービスと連動」という部分です。アプリ単体が機能を持っているのではなく、施設が契約しているシステム側の機能が、アプリの画面に現れる形になっています。
このつくりから来る利点が、ひとつだけ明確にあります。ひとりの保護者が複数の施設と関わっている場合、施設ごとに別のアプリを入れる必要がなく、ひとつのアプリの中で施設を切り替えて使えることです。幼稚園と小学校と習い事が、それぞれバスキャッチのシステムを使っているなら、保護者の端末に入るアプリは1つで済みます。累計400万ダウンロードという規模になっているのは、この「園から学校、習い事まで」という広がり方の結果です。
一方で、同じつくりから来る制約もあります。関わっている施設がバスキャッチを使っていなければ、その施設の連絡はこのアプリには入りません。保護者からすると、アプリが1つにまとまるかどうかは施設側の選択で決まり、自分では選べません。運営の立場でこれを読み替えると、「利用者の手元を1つにまとめたいなら、自分の施設だけの判断では完結しない」ということになります。
公式が挙げている強みは3つです。チャットアプリにはない配信機能、欠席連絡による電話応対の削減、そしてISMSを取得した運用体制です。順に、運営の視点で意味を確かめていきます。
配信の宛先を分けられることが、チャットとの一番の違い
公式が最初に挙げている強みは、お知らせの配信です。一斉配信のほかに、細やかなグループ配信と個別配信ができると説明されています。
この差は、実務ではかなり大きく出ます。チャットのグループで運営していると、宛先は基本的に「全員」しかありません。月曜クラスにだけ伝えたい連絡、特定の学年にだけ伝えたい連絡、ひとりの会員にだけ伝えたい連絡を、全員が読む場所に流すことになります。読む側は自分に関係のない連絡を毎回読み飛ばすことになり、そのうち通知を切ります。通知を切られると、本当に伝えたい連絡が届かなくなります。宛先を分けられるかどうかは、通知を切らせないための機能だと考えるのが正確です。
もうひとつ、公式が明記しているのが受信できる端末の幅です。スマートフォンだけでなく、ガラケーやパソコン、タブレットでも受信できると書かれています。これは、高齢の祖父母が送迎を担当している家庭や、スマートフォンを持たない世帯がいる教室では判断材料になります。特定の機種を持っていることを前提にした連絡手段にすると、必ず取り残される人が出ます。
配信の機能を評価するときは、次の3つを確かめると外しません。宛先をクラスや学年で分けられるか、個別に送れるか、そして受け取る側が特別な端末を用意せずに読めるか。この3つが揃っていれば、連絡が届かないという相談はかなり減ります。
欠席と振替の連絡がシステムに自動で入ることの意味
教室やスクールの運営でいちばん時間を取られているのが、欠席と振替の電話対応です。公式の案内はここを正面から扱っています。
スポーツクラブ・塾・カルチャースクール 欠席連絡もアプリで解決レッスンの振替予約も簡単に 会員様はアプリから24時間、欠席連絡や振替予約ができ、情報はシステムに自動連携されます。これにより、従来の電話応対や調整作業から解放され、空いた時間を指導業務に充てられます。 出典: buscatch.com
注目すべきは「システムに自動連携されます」という部分です。アプリから欠席の連絡が届くだけなら、フォームやチャットでもできます。差が出るのは、その連絡が出席の記録や振替の枠、請求の計算にそのまま反映されるかどうかです。連携されていなければ、受け取った連絡を職員が転記する作業が残り、電話が減っただけで手間は残ります。
学校向けの Chimelee では、この連携がさらに一歩進んでいます。アプリで欠席連絡を送ると、当日のバス名簿にも自動で「欠席のため乗車なし」と反映されるため、学校とバスの双方へ連絡する必要がなくなると説明されています。加えて、子どもがバスに乗ったときと降りたときに通知が届く仕組みも用意されています。ひとつの連絡が複数の業務に届くという設計は、送迎を伴う施設ではとくに効きます。
運営として確かめておきたいのは、自分の施設で発生する連絡のうち、何が自動で処理され、何が人の手に残るかです。欠席の連絡が出席記録に入っても、振替の枠の調整が手作業なら、そこが新しい詰まりどころになります。導入の相談をする段階で、1日の流れを順番に並べて、どこまでが自動なのかを確かめてください。
契約するシステムによって、使える機能が変わる
れんらくアプリで何ができるかは、施設がどのシステムを契約しているかで決まります。公式の案内では、対象が施設の種類ごとに分かれています。この分かれ方を知らないまま調べると、他の施設の紹介記事を読んで「できるはず」と思い込むことになります。
幼稚園、保育園、認定こども園の場合は「園支援システム+バスキャッチ」が対象で、預かり保育や延長保育の予約、欠席連絡、バス不要連絡、スケジュール確認、メッセージ配信、アンケート配信、用品注文が挙げられています。QRコードやICカードに対応した入退室の機能もあり、入退室の時刻が通知される仕組みが用意されています。
スポーツクラブ、塾、カルチャースクールの場合は Schola+(スコラプラス)が対象です。欠席と振替の連絡、進級情報、お知らせとメッセージの配信、アンケート配信、スケジュール確認、そしてWEB口座振替とクレジットカードの登録が挙げられています。月謝の回収まで同じ流れに入るのが、この分野の特徴です。
学童と放課後児童クラブは Hokally(ホーカリー)、小学校から高等学校は Chimelee(チャイムリー)、児童発達支援と放課後等デイサービスは CONOBELL(コノベル)、自動車学校と教習所は専用の支援システムが対象になっています。CONOBELL については、導入コストを抑えられる無料プランがあると案内されています。Hokally については、料金プランによって一部の機能に制限があると明記されています。
つまり調べる順番は、アプリの機能からではなく、自分の施設がどの区分に当たるかからです。区分が決まれば対象のシステムが1つに決まり、そのシステムの機能一覧を見れば、アプリで何ができるかが分かります。
施設向けの仕組みと、任意団体の連絡は別の問題
ここまでは施設の話でした。ただ「buscatch アプリ」を調べている人の中には、施設ではない集まりのとりまとめ役もいます。地域のスポーツ少年団、保護者の有志で運営している教室、町内会の子ども向けの行事。こうした任意の集まりに、施設向けの業務システムは形が合いません。
合わない理由は3つあります。第1に、契約と費用の主体がはっきりしないことです。業務システムは事業者が契約するもので、会費だけで回している任意団体には手続きの相手がいません。第2に、業務の量が違うことです。請求管理や職員の出退勤、入退室の記録といった機能は、月に数回集まる団体には過剰です。第3に、担当が毎年替わることです。業務システムは担当者が継続して触る前提で作られているため、1年で役員が入れ替わる団体では習得が追いつきません。
任意の集まりに必要なのは、もっと手前の3つだけです。全員に確実に届く連絡、次回の予定、そして誰が来るかの把握。この3つがひとつの画面で回れば、ほとんどの相談は解消します。習い事や教室の運営でこの3つをどう回すかは教室での使われかたに例を載せています。学校に関わる集まりの形は学校での使われかた、地域のサークルや少年団に近い形はサークルでの使われかたが参考になります。
判断の目安はひとつです。請求や出退勤、入退室の記録が要るなら業務システムの領域、要らないなら連絡と予定と出欠だけを扱う道具で足ります。どちらでもない中間を選ぶと、使わない機能の説明を毎年新しい担当者にすることになります。
保護者や会員の側から見たときの負担を先に数える
導入を決める立場の人が見落としやすいのが、受け取る側の手間です。運営の電話は減っても、利用者の手間が増えると定着しません。
数えるべき項目は4つあります。まず、アプリを入れてもらう手間です。案内の紙を配り、入れられなかった家庭に個別に声をかける作業が、初回は必ず発生します。次に、登録の情報です。施設のコードや会員番号の入力が必要な場合、入力を間違えて連絡が届かない家庭が出ます。3つめは、複数の子どもがいる家庭の扱いです。兄弟で別のクラスに通っている場合、切り替えが分かりにくいと連絡の取り違えが起きます。4つめは、端末を持たない家庭への代替手段です。
この4つのうち、最初の2つは導入のときだけの負担で、あとの2つは続く負担です。続く負担のほうを先に確かめてください。導入時の手間は一度しのげば終わりますが、毎回迷う仕組みは毎回問い合わせを生みます。
現場でよく聞くのは、導入から3ヶ月ほど経ってから「結局、電話も併用している」という状態に戻ってしまう話です。原因はほぼ決まっていて、アプリを入れていない家庭が数世帯残り、その家庭のために電話の運用を残し、残した電話に他の家庭も流れる、という順番です。3ヶ月で定着させるつもりなら、入れていない家庭をいつまでに全部埋めるかを最初に決めておく必要があります。
送迎がある施設と、ない施設で見るべき点が変わる
バスキャッチという名前のとおり、この仕組みは送迎の管理に強みを持っています。だから検討するときは、自分の施設に送迎があるかどうかで見る場所が変わります。
送迎がある施設では、確かめる点が4つあります。欠席の連絡がバスの名簿に自動で反映されるか。乗降の通知が保護者に届くか。バスの位置を保護者が確認できるか。コースや時刻の変更を当日に流せるか。公式の案内では、教習所向けに送迎バスの予約と変更、キャンセル、運行状況と乗降場所の確認が挙げられており、学校向けにはバス不要連絡と乗降の通知が挙げられています。送迎の連絡は「連絡を出す」だけでは終わらず、名簿の書き換えまで届かないと業務が減りません。
送迎がない施設では、見る場所が欠席と振替、そして月謝の回収に寄ります。ここで判断が分かれるのは、月謝の回収まで同じ仕組みに入れるかどうかです。入れれば手間はまとまりますが、契約と手数料の話が加わり、導入の検討が長くなります。連絡だけを先に整えて、回収は今のままにしておく選択もあります。
どちらの施設でも共通して確かめたいのが、記録をあとから取り出せるかどうかです。出席の記録、欠席の理由、振替の履歴。これらを表の形で書き出せない仕組みだと、年度末の集計や、別の仕組みへ移るときに手が止まります。契約の前に、書き出しの機能があるかを質問しておいてください。
導入を検討する前に、1日の連絡の流れを書き出す
機能の比較を始める前にやっておくと効くのが、いまの1日の連絡の流れを紙に書き出す作業です。5分で終わり、判断の精度が大きく変わります。
書き出す項目は決まっています。朝の何時から何時までに、どんな連絡が、どの手段で、何件来るか。それを誰が受けて、どこに記録して、誰に伝えるか。たとえば午後3時から4時に欠席の電話が5件来て、受けたのは受付の担当で、ノートに書いて、指導者に口で伝えている、という具合です。これを行事のある日と普通の日の2パターン書きます。
書き出すと、たいてい2つのことが見えます。ひとつは、件数そのものは多くなくても、来る時間が集中しているから負担になっているということです。1日5件の連絡でも、レッスンの開始直前に集中すれば手が止まります。もうひとつは、連絡を受けたあとの転記の作業が、受けること自体よりも時間を使っているということです。ノートに書き、出席簿に写し、振替の表に書き、月謝の計算に反映する。この転記の連鎖が本当の負担です。
この2つが見えていると、検討の焦点が定まります。受け付ける入口を変えるだけでは転記は減りません。入口と記録が繋がっている仕組みを選ぶ必要がある、という判断ができます。逆に、転記の連鎖が短い教室なら、入口を変えるだけで十分ということも分かります。
書き出した紙は、業者に相談するときにそのまま使えます。機能の説明を聞くより、この流れのどこが自動になるのかを1行ずつ確かめるほうが、はるかに早く結論が出ます。
費用を見るときは、月額以外の3つも数える
費用の比較で失敗が起きるのは、月額の数字だけを並べたときです。運営として実際に出ていくものは、もう3つあります。
1つめは初期の費用です。システムの設定、会員の情報の登録、既存の記録の取り込み。ここに手数料がかかる場合と、作業を自分たちで行う場合があります。自分たちで行う場合は費用が0円でも、会員数が多い教室では作業に数十時間かかります。時間も費用として数えてください。
2つめは、覚えてもらうための手間です。運営側の担当が操作を覚える時間と、会員や保護者に案内する手間です。案内の紙を作り、配り、入れられなかった家庭に個別に連絡する。この作業は会員数に比例して増えます。会員が100人いる教室なら、入れられない家庭が1割出るだけで10世帯に個別対応が発生します。
3つめは、やめるときの費用です。契約の期間に縛りがあるか、途中でやめたときに記録を持ち出せるか、持ち出しに手数料がかかるか。ここを確かめずに契約すると、合わなかったときに身動きが取れません。
この3つを数えると、月額の差が小さい候補のあいだでは、実は初期と教育の手間で総額が逆転することがよくあります。比較の表を作るなら、月額の行の下に「初期」「覚える手間」「やめるときの手順」の3行を足してください。数字が入らない欄は「未確認」と書いておき、確認できるまで判断を保留します。
個人情報と写真の扱いは、契約の前に確かめる
教室やスクールが扱う情報は、思っているより重いものです。会員の氏名、住所、電話番号、生年月日、通っている学校、送迎の経路、そして子どもの写真。どれも外に出てはいけない情報です。
契約の前に確かめておきたいのは4点です。第1に、情報がどこに保存されるか。第2に、運営側の誰がどこまで見られるか。指導者全員が全会員の連絡先を見られる設定になっているのか、担当のクラスだけなのか。第3に、退会した会員の情報がどうなるか。自動で見られなくなるのか、運営が削除の操作をする必要があるのか。第4に、写真を共有する場合、誰まで見られる状態になるのか。
公式の案内では、れんらくアプリはISMSを取得し、国際規格に準じた開発と運用を実施していると説明されています。第三者の認証があることは、問い合わせの窓口や事故のときの手順が整っているという意味で判断材料になります。ただし認証の有無と、自分の教室での設定が適切かどうかは別の話です。誰がどこまで見られるかは、導入時の設定で決まります。
写真については、運営の側で先に方針を決めておくのが実務的です。行事の写真を共有するのか、共有するなら何年残すのか、退会した会員の写真をどうするのか。入会の案内に1文入れておくだけで、後の相談が減ると言われています。法律の解釈を断定する必要はありませんが、同意の範囲を書いたものを一度作っておく教室が多いようです。
連絡が届かない原因は、道具より先に運用にある
道具を入れ替えても連絡が届かないままだった、という相談は少なくありません。原因を分けて見ると、道具の機能ではなく運用の決め方に原因があることのほうが多いです。
よくある原因は5つあります。第1に、通知が切られていること。関係のない連絡が多いと、受け取る側は通知を切ります。宛先を分ける運用にしていないことが根にあります。第2に、締め切りが書かれていないこと。「近日中にご連絡ください」と書かれた連絡は、読まれても処理されません。日付と時刻を書くだけで返信率が変わります。第3に、返事の要否が分からないこと。読むだけでよい連絡と、返事が必要な連絡が同じ形で届くと、読む側は全部を「読むだけ」として扱います。
第4に、連絡の出し手が複数いて、場所が分かれていること。指導者がそれぞれの判断で連絡を出すと、会員は複数の場所を見る必要が出ます。第5に、緊急のときの手段が決まっていないこと。急な休講や災害のときにどの手段を使うかを決めていないと、その場で電話に戻ります。
この5つは、どの道具を選んでも運営側が決めなければならない項目です。逆に言えば、決めてから道具を選ぶと、機能の比較がとても簡単になります。宛先を分けられるか、締め切りを設定できるか、返事の要否を分けられるか、出し手を1箇所に集められるか、緊急の連絡が確実に目立つか。この5つに答えられる道具かどうかを見るだけで済みます。
導入を段階に分けると、途中でやめられる
最後に、導入の進め方について書きます。全会員に一度に切り替えるやり方は、失敗したときの戻りが大きくなります。段階に分けたほうが安全です。
第1段階は、運営の側だけで使うことです。指導者のあいだの連絡と、レッスンの予定の共有だけを新しい仕組みに移します。会員には何も案内しません。ここで1ヶ月ほど使えば、操作で迷う箇所と、想定と違った動きが分かります。
第2段階は、1つのクラスだけで試すことです。協力してくれる保護者が多いクラスを選び、欠席の連絡だけを新しい入口に切り替えます。電話も残したまま並行で運用し、どちらが使われるかを数えます。1ヶ月で新しい入口の利用が8割を超えたら、次の段階に進む目安になります。
第3段階は、全クラスへの展開です。ここで初めて、案内の紙を作り、入れられない家庭への個別の対応を行います。第2段階で出た質問が分かっているので、案内の紙に先回りして書けます。
第4段階は、電話の運用を縮めることです。入口が定着してから、電話は緊急のときだけという扱いに変えます。ここを急ぐと、入れていない家庭が取り残されます。
段階に分ける利点は、途中でやめられることです。第2段階で「合わない」と分かれば、被害は1クラスの保護者に案内した手間だけで済みます。全員に案内したあとで撤回するのとは、負担の大きさがまったく違います。とりまとめる立場の人が続けられる形かどうかは、この試す段階で分かります。
会員の入れ替わりが早い教室で、毎年つまずくところ
教室やスクールには、他の集まりにない事情があります。会員の入れ替わりが年度ごとに起き、しかも学期の途中にも出入りがあることです。連絡の仕組みは、この出入りに耐えられるかで評価が決まります。
年度替わりに発生する作業を数えると4つあります。卒業や退会した会員を外す作業、新しい会員を登録する作業、クラスの編成を変える作業、そして進級した会員の所属を移す作業です。会員が100人いる教室なら、この4つで数十件の変更が発生します。ひとつずつ手で操作する仕組みだと、年度替わりの1週間が作業に消えます。
確かめておきたいのは、この4つをまとめて処理できるかどうかです。表の形で読み込めるか、クラスごとにまとめて移せるか、退会の処理が1回の操作で済むか。公式の案内では、Schola+に進級情報を扱う機能が挙げられており、この分野の事情が織り込まれていることが分かります。
もうひとつの落とし穴が、退会した会員の扱いです。連絡先が残り続けると、間違って連絡が届く事故が起きます。逆に、退会と同時に過去の記録も消える仕組みだと、あとから出席の履歴を確認できません。連絡は届かなくなるが記録は残る、という分け方になっているかを確かめてください。
年度替わりの作業を1日で終えられるかどうかは、運営を続けるうえで地味に効きます。検討の段階で、年度替わりの手順書があるかを聞いておくとよいでしょう。
連絡の道具を比べるときに、機能表以外で見るところ
最後に、連絡の手段を選び直すときの見方をまとめます。機能の一覧表を並べて比べる方法は、実は判断を誤らせやすいやり方です。
第1に見るのは、担当が代わったときに引き継ぐものの数です。ログインする場所が2つ以上あると、引き継ぎ漏れが起きます。連絡、予定、出欠、名簿が1箇所で回るなら、引き継ぐものは1つです。第2に見るのは、見える範囲を自分で決められるかです。会員の名前や連絡先が、関係のない人に見えない形になっているか。メンバー以外は見られない状態が既定になっているかどうかで、名簿の扱いに気を遣う量が変わります。
第3に見るのは、やめるときの手順です。使い始めるときの案内は各社が丁寧に用意していますが、やめるときに記録をどう持ち出すかは書かれていないことが多いです。ここを先に確かめておくと、あとから選び直す自由が残ります。第4に見るのは、利用者に新しいIDとパスワードを増やさずに済むかです。増やすほど「ログインできない」という問い合わせが増えます。
いま多くの教室やスクールが使っているのはチャットのグループです。宛先を分けられないこと、過去の連絡を探しにくいこと、退会した人が残ることが主な困りどころになります。その具体的な違いはLINEグループとの比較に整理してあります。写真や資料の共有を中心に使っている場合はBANDとの比較のほうが近い形です。運営から寄せられる疑問はよくある質問にまとめてありますので、検討の材料に使ってください。
Q1. れんらくアプリは教室が単独で申し込んで使えますか?
単独では使えません。公式の案内では、れんらくアプリはバスキャッチの各サービスと連動して施設と利用者の連絡をつなぐアプリと説明されています。つまり施設側が対象の業務システムを契約していることが前提です。スポーツクラブや塾、カルチャースクールの場合はSchola+(スコラプラス)が対象のサービスとして案内されています。
Q2. 保護者は施設ごとに別のアプリを入れる必要がありますか?
関わっている施設がすべてバスキャッチのシステムを使っているなら、ひとつのアプリの中で施設を切り替えて使えると案内されています。ただしバスキャッチを使っていない施設の連絡はこのアプリには入りません。手元をひとつにまとめられるかどうかは施設側の選択で決まるため、保護者の側では選べない点に注意してください。
Q3. スマートフォンを持っていない家庭でも連絡を受け取れますか?
公式の案内では、スマートフォンだけでなくガラケーやパソコン、タブレットでも受信できると説明されています。送迎を祖父母が担当している家庭や、スマートフォンを持たない世帯がいる教室では判断材料になります。導入する前に、端末を持たない家庭が何世帯あるかと、その家庭への代替手段を決めておくと定着が早くなります。
Q4. 任意で運営している少年団やサークルにも向いていますか?
形が合わないことが多いです。業務システムは事業者が契約する前提で、請求管理や職員の出退勤、入退室の記録といった機能を備えています。月に数回集まる団体には過剰で、担当が毎年替わると習得も追いつきません。全員に届く連絡、次回の予定、誰が来るかの把握という3つだけで足りるなら、団体向けの連絡ツールで十分です。