町内会の総会、PTAの役員会、教室の保護者説明会。録音は残したものの、そこから議事録に起こす作業だけが毎回うしろに残る。clova note 文字 起こしという言葉で検索する人の多くは、その作業を機械に任せたいと考えている。ところが検索結果に出てくる解説記事の多くは、いま開いても同じようには使えない。CLOVA Noteのベータ版は既に提供を終えており、後継として案内されているのは別の名前のサービスである。この記事では、いま何が使えて、無料のままどこまで文字起こしできるのか、そして団体の会議で最初に当たる制限がどこなのかを、公式ページに書かれている値だけで整理する。
CLOVA Noteの文字起こしを探したとき、最初に確かめること
検索して出てくる使い方の記事は、ほとんどがベータ版を前提に書かれている。公式サイトを開くと、案内は1つしか載っていない。
2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました。長い間ご利用いただきありがとうございました。今後は正式版としてリリースされたLINE WORKS AiNoteをご利用ください。 出典: clovanote.line.me
つまり、アプリを新しく入れて「CLOVA Noteで文字起こしをする」という道は、もう残っていない。ベータ版に保存していた記録は、終了の前に正式版へ移行する手続きが案内されていた。手元に音声や書き起こしを保存していない人は、その分は取り戻せないと考えたほうがよい。
後継として案内されているのは、LINE WORKS AiNoteである。運営会社は、ベータ版の累計登録者が100万人だったと公表しており、その法人版として正式に出したという位置づけで説明している。
AI技術の活用により会議やインタビューでの音声記録の「文字起こし」ができるサービスで、高精度のAI音声認識で話し手を理解。さまざまなビジネスシーンで活用できます。 出典: line-works.com
ここで注意したいのは、名前が変わっただけではないという点である。ベータ版は個人が誰でも入れて使える形だった。正式版は法人向けの製品として料金表が組まれており、無料の枠は残っているものの、使える量と機能に線が引かれている。町内会やPTAのような団体で使うなら、その線がどこに引かれているかを先に確かめておく必要がある。名前を頼りに古い記事の手順をなぞると、途中で画面が違うことに気づいて作業が止まる。評判や口コミを調べるときも同じで、記事の日付が2025年7月より前なら、それはベータ版の話である。精度の評価はある程度引き継げるが、使える量や料金の話はそのまま当てにならない。
無料のまま使える範囲は、月300分と1回60分
正式版にも無料のフリープランがある。公式の料金ページに並んでいる値をそのまま書き出すと、次のようになる。
| 項目 | フリー | ソロ |
|---|---|---|
| 料金 | 0円 | 年額契約で月額1,440円(税抜) |
| 月間契約の場合 | なし | 月額1,600円(税抜) |
| 共有文字起こし時間 | 月300分 | 月600分 |
| 利用人数 | 最大30人 | 1人(または少人数での利用) |
| 1回当たりの文字起こし時間 | 60分 | 180分 |
| AI要約 | なし | 12回 |
| Web会議の録音 | なし | あり |
| データの学習利用 | 学習利用あり | 学習利用なし |
| データの保管期間 | 1年間 | 3年間 |
無料でも月300分の文字起こしができ、最大30人まで同じ環境に入れる。役員が10人前後の団体なら、人数の枠で困ることはまずない。読み上げれば5時間分になるので、量そのものも決して少なくはない。
一方で、フリープランでは音声データが学習に利用される場合があることに同意する形になっている。AI要約もWeb会議の録音も付いていない。文字起こしそのものだけを試したいなら十分だが、会議の中身を要約させたいなら有料の枠に入ることになる。ソロプランは1人で使う想定なので、複数の役員が同じ記録を扱う運営には合わない。団体で複数人が使うなら、フリープランのまま人数だけを活かすか、企業向けの枠に上がるかの二択になる。
企業向けは、いちばん小さいチームプランでも年額契約で月額19,800円(税抜)、月間契約なら月額22,000円(税抜)である。年会費で運営している町内会やPTAの予算からすると、これは通る金額ではないことが多い。無料の範囲で回すか、会議そのものの記録の取り方を変えるか、どちらかを選ぶ話になる。
1回60分の壁は、総会と役員会で先に当たる
料金より先に効いてくるのは、1回当たり60分という上限である。団体の会議は、この長さに収まりにくい。
総会は、議案の説明と質疑を入れると60分を超えることが多い。役員会も、議題が3つ4つ並ぶと1時間半になる。60分で切れるということは、録音を分けて取り込む作業が必要になるという意味である。録音機を止めて録り直す、あるいは音声ファイルを後から分割する。どちらにしても、文字起こしを頼む前に人の手が1つ増える。
月300分という枠も、長い会議には向かない。90分の会議なら、分割しても3回分で270分を使う。月に総会と役員会と部会がある月は、それだけで足りなくなる。
足りない分は、オプションで追加できる。追加文字起こし時間100分とAI要約2回を1組にしたオプションが用意されており、毎月自動で追加する年額契約なら月額360円(税抜)、毎月自動で追加する月額契約なら月額400円(税抜)、使う月だけ都度追加するなら440円(税抜)である。団体の会議は、総会がある月だけ長くなるという形が多い。毎月は要らないので、単月だけ追加する形が合う。年に2回だけ追加するなら、年間の負担は千円に届かない。
ここまで読むと、道具を選ぶときに見るところがはっきりしてくる。月にどれだけ話すかではなく、いちばん長い1回が何分かを先に数える。そこが上限を超えるなら、どの道具を選んでも分割の手間は残る。
精度は道具の性能より、録音の取り方で決まる
文字起こしの精度を上げたいとき、道具を変える前に手元でできることがいくつかある。
話者を分ける仕組みは、運営会社が国際コンペティションのDIHARD3(2021年)で世界3位だったと公表している。ただし、話した人を名前まで自動で当てる自動話者認識は、企業向けプランでしか使えない。フリープランでは、声が切り替わったところで区切られるところまでである。誰の発言かは、後から人が当てていく。
よく使う単語を登録する機能もある。1人につき1種類の言語ごとに最大1,000個まで登録できる。団体の会議では、地区の名前、施設の名前、役職名、行事の名前が繰り返し出てくる。これを先に登録しておくかどうかで、後の修正量が大きく変わる。「第三分団」「子ども会」「防災訓練」といった語は、登録しないと毎回別の漢字に化ける。
対応している言語は日本語、英語、中国語、韓国語である。ただし、複数の言語が混ざった会議には対応していないと明記されている。外国籍の保護者が多い教室で、日本語と英語が行き交う説明会を丸ごと任せることはできない。
そのうえで、録音そのものを整えるほうが効く。録音機やスマートフォンを、いちばん声の小さい人の近くに置く。発言が重なると、どの道具でも聞き分けは落ちる。司会が「順番に」と一声かけるだけで、後の修正は目に見えて減る。会議室の空調の音は、思っているより広く拾う。座る場所を吹き出し口から離すだけで、録音の質は変わる。
文字起こしした記録を、誰がどこまで保存するか
団体の議事録は、その年で終わるものではない。会計の裏付けとして残す、規約の改正の経緯として残す、次の担当への引き継ぎとして残す。保管する期間が長いことが、企業の会議録とのいちばんの違いである。
サービス側の保管期間は、フリープランが1年間、ソロプランが3年間、企業向けが5年間である。フリープランで運営していると、1年前の総会の記録はサービスの中から消える。書き起こした文章を手元に保存しない運用にしていると、次の代が見たいときに残っていない。
もう1つ確かめておきたいのが、音声データの扱いである。フリープランでは、音声認識と自然言語処理の性能向上のために、提供した録音データを利用する場合があることに同意する形になっている。有料プランでは学習利用なしと明記されている。町内会の総会では、個人の事情や金額の話が出ることがある。そうした録音を無料の枠で扱ってよいかは、役員会で一度決めておくほうがよい。決め方は難しくない。個人が特定できる話が出る会議は録音そのものを残さない、という線でも運営は回る。
実務としては、文字起こしができた時点でテキストを手元に書き出し、団体の保存先へ保存する運用にしておくのが確実である。サービスの保管期間に頼らないと決めておけば、料金プランを下げても上げても、記録は残る。
文字起こしができても、議事録は届かない
ここが、とりまとめる立場の人がいちばん引っかかるところである。文字起こしは、議事録づくりの入口でしかない。
書き上がった議事録を配る。読んだ人が分かる。後から探せる。この3つが揃わないと、議事録は「作ったのに誰も見ていない書類」になる。実際に困りごととして挙がるのは、文字起こしの手間ではなく、配ったあとの話が多い。総会の議事録をLINEグループに流したものの、翌週には他の投稿に埋もれて、誰も遡らない。欠席した人から同じ質問が来て、同じ説明を繰り返す。
連絡の流れと記録の保存先が別々になっていると、この繰り返しは終わらない。LINEグループは連絡が届く速さでは強いが、あとから探すことには向いていない。その向き不向きを、機能ごとに並べて確かめられるようにしたのがLINEグループとの比較である。どこまでがLINEで足り、どこから別の場所が要るのかを、団体の運営を前提に整理している。
判断の目安は単純である。1回読めば済む連絡はLINEでよい。1年後に誰かが探すものは、探せる場所へ保存する。議事録は後者である。
教室や道場では、録音そのものに合意が要る
習い事の教室や道場では、文字起こしの前に別の関門がある。録音してよいかという合意である。
保護者説明会や懇談会の録音は、参加者の発言が入る。子どもの名前や家庭の事情が出ることもある。録音する旨を先に伝えず、後から文字起こしを配ると、話が別のところで止まる。運営としては、開始時に「記録のために録音します。議事録にする範囲は決まった事項だけです」と一言添えるところから始めるのが安全である。発言者の名前を議事録に載せるかどうかも、先に決めておく。
教室の運営では、欠席した生徒や保護者への共有が繰り返し課題になる。同じ説明を何度もするのを避けるために、決まったことを1か所に保存しておく形が使われている。教室でどういう流れになるかは教室での使われかたにまとめてある。連絡、予定、資料をどう1つの流れに収めるかという視点で組まれている。
学校の部活や学年の連絡では、教員と保護者と生徒という3つの立場が混ざる。誰にどこまで見せるかを分ける必要が出てくるため、運用の形が教室とは変わる。その違いは学校での使われかたで確かめられる。
他の文字起こしの道具と比べるとき、見るところは4つ
文字起こしのサービスは数が多く、無料と書かれた比較記事も大量にある。団体の運営で選ぶなら、見るところは4つに絞れる。
1つめは、1回に処理できる長さである。月の合計が多くても、1回の上限が短ければ総会には使えない。後継サービスのフリープランは1回60分、ソロプランは180分、企業向けは360分という段になっている。自分の団体でいちばん長い会議の時間を先に測って、そこに届くかを見る。
2つめは、書き出した文章を手元に保存できるかである。画面で読めるだけの仕組みだと、サービスをやめた瞬間に記録が消える。テキストで書き出せるか、書き出したものに発言者の区切りが残るかを確かめる。議事録として配るなら、区切りが残っているほうが編集が早い。
3つめは、音声データの扱いである。無料の枠は、その対価としてデータを学習に使う条件が付いていることが多い。後継サービスも、フリープランは学習利用あり、有料プランは学習利用なしと明記している。会議の中身が個人の事情に触れるなら、ここは料金より先に見る。
4つめは、団体の会議に出てくる固有名詞を登録できるかである。地区名、施設名、役職名は一般の辞書に載っていない。登録できる仕組みがあれば、2回目以降の修正量が落ちる。後継サービスでは1人につき1言語ごとに最大1,000個まで登録できる。
この4つを満たせば、精度の差は実務ではほとんど問題にならない。逆に、精度が高いと書かれていても1回の上限が短い道具は、総会の記録には使えない。宣伝文の並びではなく、自分の会議の長さと中身に当てて選ぶ。
評判や口コミを読むときは、記事の日付を先に見る
文字起こしサービスの評判は、検索すると大量に出てくる。ただし、いま読める記事の多くは終了前のベータ版について書かれたものである。日付を見ずに読むと、判断を誤る。
精度についての感想は、ある程度は引き継いで読んでよい。音声認識の仕組みは正式版に受け継がれており、話者を分ける部分も同じ研究から来ている。一方で、使える量、料金、対応している機能の話は、そのまま当てにならない。ベータ版は個人が無料で長時間使える形だったため、「無制限に近い」という書き方をしている記事が残っている。いまのフリープランは月300分、1回60分である。
比較記事の性質も頭に入れておきたい。他社のサービスを売る側が書いた比較記事は、弱点を強調する書き方になりやすい。逆に公式の案内は、できることを中心に書く。両方を読んで、数字が一致するところだけを事実として扱うのが現実的である。料金や上限は公式の料金ページに必ず載っているので、最後はそこで確かめる。
団体の運営で参考になるのは、同じ規模の団体の話である。企業の会議で何時間短縮できたという事例は、参加者が同じ組織に属していて、全員が同じアカウントを持っている前提で成り立っている。町内会のように、参加者の年齢の幅が広く、スマートフォンを持っていない人が混ざる場では、前提が違う。短縮できた時間の数字ではなく、どの作業が減ったのかを読む。
議事録づくりは、録音の前から組み立てる
文字起こしの道具を入れても議事録づくりが楽にならない団体には、共通した形がある。録音してから考え始めている。
先に決めておくと効くのは3つである。議事録に何を載せるか、誰が確認するか、どこに保存するか。この3つを会議の前に決めておけば、文字起こしの出力から拾う範囲が決まる。全文を整える必要はなくなり、決まった事項と担当と期限だけを抜き出す作業になる。1時間の会議の全文を読みやすく整えると数時間かかるが、決定事項だけを抜き出すなら30分で終わる。
議事録に何を載せるかは、団体によって違う。町内会の総会なら、議案ごとの可否と賛否の数、質疑で出た意見の要旨、次の会合の日程。PTAの役員会なら、決まった担当と期限。教室の保護者会なら、日程の変更と持ち物の変更。載せる項目を型として決めておくと、毎回の判断が消える。
確認する人を決めておくことも効く。文字起こしは聞き間違いを含む。金額や日付は特に間違えやすい。会議に出ていた人が1人、数字だけを見る役として入るだけで、配ったあとの訂正がなくなる。訂正の連絡は、本文よりも人の時間を食う。
保存先を先に決めておけば、書き上がった議事録がどこかのパソコンの中で止まることがなくなる。年度が替わる前に、その年の議事録が全部同じ場所に並んでいる状態を作る。次の担当に渡すものが1か所で済むという状態は、ここから生まれる。
最後にもう1つ、費用の見方について触れておく。無料の枠で足りるかどうかを考えるとき、比べる相手は他のサービスの料金ではなく、いま人が使っている時間である。1時間の会議の議事録に3時間かかっている団体なら、年に10回でも30時間になる。その時間を役員が持ち出しで負担している状態が続くと、翌年の役員が見つからなくなる。数百円の追加で作業が半分になるなら、会計に諮る価値はある。金額の大小ではなく、誰の時間が減るかで判断する。
スマートフォンだけで始めるときの流れ
パソコンを使わない役員が担当することもある。後継サービスにはスマートフォン用のアプリが用意されており、アプリから環境を作って使い始められる。パソコンから始める場合は申し込みのフォームに入力する形になっている。どちらでも、フリープランなら費用は発生しない。
手順としては、まず環境を作る人を1人決める。ここが管理者になり、他の役員を招待していく形になる。フリープランは最大30人まで入れるので、役員の人数なら足りる。ただし、管理者を務めた人が任期の終わりに抜けると、環境の持ち主がいなくなる。年度の替わりに管理者を引き継ぐ作業が要ることを、最初に決めておく。
録音は、スマートフォンの録音アプリでもICレコーダーでも構わない。音声ファイルを取り込んで文字起こしさせる流れになるため、録音した機器は問われない。長い会議を分割するなら、録音の時点で区切っておくほうが後が楽である。議案が切り替わるところで一度止めて録り直せば、ファイルの分割作業そのものが不要になる。
注意したいのは、録音の途中で画面が消えたり別のアプリに切り替わったときの挙動である。機種によって録音が止まることがある。総会のように録り直せない会議では、録音機を2台用意しておくのが実務上いちばん確実である。1台はスマートフォン、もう1台は借りたICレコーダーでよい。
文字起こしを使わないという選び方も、運営では成り立つ
ここまで文字起こしの話を並べてきたが、団体の運営では使わないという判断も十分に成り立つ。判断の分かれ目は、会議の記録に「誰が何を言ったか」が要るかどうかである。
規約の改正や会計の承認のように、後から経緯をたどる必要がある会議では、発言の記録が効く。金額の議案に反対意見が出たとき、その理由が残っていないと、翌年に同じ議論をもう一度やることになる。こうした会議は年に1回か2回しかないので、そこだけ文字起こしを使うという形が費用の面でも合う。
反対に、日程の確認や持ち物の連絡が中心の会合では、発言の記録はほとんど使われない。決まったことを箇条書きで3行書けば足りる。ここに文字起こしを持ち込むと、整える作業が増えるだけになる。会議の種類で使い分けるという形が、いちばん無理がない。
もう1つの選び方は、会議そのものを減らすことである。出欠の確認、日程の希望、簡単な賛否は、集まる前に取れる。集まってから多数決を取っていた項目を事前の確認に移すと、会議の時間は目に見えて短くなる。60分の上限に収まるようになれば、文字起こしの制限で悩む必要そのものがなくなる。とりまとめる立場の人にとって、これがいちばん手数の少ない解き方になることも多い。
年配の会員が多い会で、新しい道具を1つも増やさずに済ませる
文字起こしの道具を入れるとき、いちばん抵抗が出るのは新しいIDとパスワードが増えるところである。年配の会員が多い会では、ここが最初の関門になる。
ただし、文字起こしは全員が使う機能ではない。議事録を書く人だけが使えば足りる。会員に案内する必要はなく、招待もしなくてよい。この点を最初に整理しておくと、導入の話が軽くなる。役員会に持っていくときも、「役員全員のアカウントが要る」と「書記の1人だけが使う」では、決まり方がまったく違う。
一方で、配るほうは全員に関わる。書き上がった議事録をどう届けるかは、会員の使っている手段に合わせるしかない。紙で配っている会なら、紙のまま配って構わない。文字起こしで浮いた時間を、印刷と配布に回すという考え方でも運営は回る。
避けたいのは、文字起こしのために新しい道具を入れ、配るためにもう1つ別の道具を入れることである。道具が2つになると、引き継ぎも2つになる。記録を保存する場所と、連絡を届ける場所が同じなら、増えるのは1つで済む。どちらを先に決めるかと言えば、配るほうである。会員が受け取れる形が決まってから、書く側の道具を選ぶ。順番を逆にすると、書く人だけが便利になって、会員には何も届かない形になる。
記録の保管場所を1つに寄せるかどうかで、次の担当が決まる
文字起こしの道具を選ぶ話は、実は記録全体をどこに保存するかという話につながっている。ここを分けて考えると、道具が増えるだけで楽にならない。
いま多い形は、こうである。連絡はLINEグループ。予定は紙の年間計画とLINEの投稿。写真は別のアルバムアプリ。議事録は誰かのパソコンの中か、文字起こしサービスの中。この4つが別々にあると、役員が代わるときに引き継ぐものが4つになる。引き継ぎの資料を作る人は、どこに何があるかを思い出しながら書くことになる。実際に続かなくなる団体は、道具が悪かったのではなく、引き継ぐものが多すぎた団体である。
逆に言えば、続けるかどうかを決める指標は1つに絞れる。役員が代わるときに引き継ぐものが1つで済むかどうか。ここだけで、その形が2年後も残っているかはほぼ決まる。
団体向けの連絡ツールを検討する人が、比較の画面で最後に見ているのもここである。連絡と予定と写真と記録が同じ場所に入り、なおかつメンバー以外は見られない形になっているか。招待された人だけが入れる形なら、公開範囲の説明を毎年やり直さなくて済む。
団体の種類によって、いちばん困っている場所は違う。町内会では回覧板と出欠の集計が重く、名簿の扱いに気を使う。その事情に沿った形は町内会での使われかたで確かめられる。PTAは役員の任期が1年で回るため、引き継ぎそのものが本題になる。こちらはPTAでの使われかたにまとめてある。
すでにBANDのようなグループ向けのアプリを使っている団体なら、いま持っている機能と何が違うのかを先に見たほうが早い。掲示板と予定と写真がどう分かれているかを並べたのがBANDとの比較である。乗り換えるかどうかではなく、足りていない1つを見つけるための表として使える。
料金や人数の上限、写真の保存の条件といった細かい点はよくある質問に集めてある。役員会で聞かれることが決まっているなら、そこを先に読んでおくと説明が早く済む。
文字起こしの道具は、会議の1時間を1分にする。それは確かに効く。ただし、その1分の成果が翌年も誰かの役に立つかどうかは、書き起こした文章をどこに保存したかで決まる。道具を選ぶ順番は、文字起こしより先に保存先である。
Q1. CLOVA Noteはもう使えないのですか?
ベータ版は2025年7月31日で提供を終えており、新しく使い始めることはできません。公式サイトでは後継として、正式版のLINE WORKS AiNoteが案内されています。ベータ版に保存していた記録は終了前に正式版へ移行する手続きがあったため、手元に書き出していない分は取り戻せないと考えたほうが確実です。
Q2. 無料のままだと、どこまで文字起こしできますか?
後継サービスのフリープランは料金0円で、共有の文字起こし時間が月300分、同じ環境に入れる人数が最大30人です。ただし1回当たりの上限が60分、記録の保管期間が1年間で、AI要約とWeb会議の録音は付いていません。60分を超える会議は録音を分けて取り込む必要があります。
Q3. 総会のように長い会議はどうすればよいですか?
録音を60分ごとに分けて取り込むのがいちばん確実です。月の合計が足りないときは、追加文字起こし時間100分とAI要約2回を1組にしたオプションを都度追加でき、使う月だけの追加なら440円(税抜)です。総会のある月だけ追加する形なら、年間の負担は千円に届きません。
Q4. 議事録を配ったのに読まれないのはなぜですか?
連絡の流れと記録の保存先が同じ場所になっていないためです。LINEグループに流した議事録は他の投稿に埋もれ、後から遡る人はほとんどいません。1回読めば済む連絡と、1年後に誰かが探す記録を分け、後者は探せる場所へ保存する形にすると、同じ説明を繰り返す回数が減ります。