防災イベントの内容を決めるときに難しいのは、企画の数を出すことではありません。去年と同じ内容にすると人が来ないと分かっていて、かつ新しいことをやると準備が回らない、という板挟みになることです。この記事では、防災イベントの内容を決める順番を、日程の決め方、対象の切り分け、体験型の企画の例、当日の役割分担、出欠の集め方に分けて並べます。
先に結論を書きます。内容から決めると失敗します。決める順番は、誰に来てほしいか、何分で終わるか、何を持ち帰らせるか、そのあとに内容です。この順番を逆にした年に、参加者が役員だけになります。
防災イベントの日程は、国が定めた節目に合わせられる
日程が決まらないまま内容の議論を始めると、話がまとまりません。先に日を押さえてください。日本には、防災の行事を集める節目が制度として決められています。
防災の日は毎年9月1日です。昭和57年5月11日の閣議了解で、政府、地方公共団体等防災関係諸機関をはじめ、広く国民が災害についての認識を深め、備えを充実強化するために設けられました。そして、この日を含む1週間を防災週間とすることも同じ了解に書かれています。
防災週間の具体的な期間は、昭和58年5月24日の中央防災会議決定で、毎年8月30日から9月5日までとされています。この週間に、防災知識の普及のための講演会、展示会等の開催、防災訓練の実施、防災功労者の表彰等の行事を、地方公共団体その他関係団体の協力を得て全国的に実施するという枠組みになっています。つまり、この期間に合わせると、市区町村の担当課に相談したときに資材や講師の手配が通りやすくなります。
もう1つの節目が津波防災の日です。毎年11月5日で、津波対策の推進に関する法律によって定められています。この日は、江戸時代の1854年に中部地方から九州地方の太平洋沿岸に大きな津波被害をもたらし、稲むらの火のモデルにもなった安政南海地震が発生した日に因んでいます。沿岸の地域なら、9月より11月のほうが地域の実感に合うことがあります。
1月にも節目があります。防災とボランティアに関する行事が集まる時期で、寒い季節の備えを主題にするなら、この時期に合わせる選び方もあります。屋外の内容は組みにくいので、屋内の講座や点検の内容を当ててください。
節目を外して独自の日に開くのは、屋外の行事と重ならない日を選びたいときだけにしてください。9月の第1週は暑さが厳しく、屋外の内容は組みにくい年もあります。その場合は、防災週間に屋内の講座を置き、屋外の体験を10月や11月に分ける2回構成が現実的です。
人が来ない防災イベントに共通すること
内容の前に、来ない理由を押さえておいてください。相談の場でよく出るのは4つです。
1つめが、時間が長いことです。開会式、来賓の挨拶、説明、訓練、講評と並べると2時間を超えます。子どもを連れた世帯は最後まで残れません。
2つめが、見るだけで終わることです。消防の放水を見学して解散という形だと、参加した人の手は何も動いていません。次の年に来る理由が残りません。
3つめが、対象が広すぎることです。未就学児から高齢の会員までを同じ内容に集めると、どの層にも合わない中間の内容になります。
4つめが、案内が回覧板だけで終わっていることです。回覧板は1軒ずつ順番に回るため、末尾の家に届くのが開催の数日前になります。予定を入れる時間が残りません。
この4つは、どれも内容の良し悪しではありません。届き方と時間の設計です。企画の議論に時間をかけた年より、この4つを直した年のほうが人数が動きます。
逆に、参加者が増えた会が変えたのはこの4つです。時間を60分に切る、手を動かす内容を1つ入れる、対象を分ける、案内を回覧板より先に配る。内容そのものを凝ったものに変えた会より、この4つを変えた会のほうが人が増えています。
内容を決める前に決める4つのこと
決める順番を固定しておくと、役員会が短くなります。
1つめが、誰に来てほしいかです。子ども連れの世帯、高齢の単身世帯、ふだん行事に来ない現役世代のうち、今年どこを増やしたいのかを1つに絞ります。全部を狙うと内容が決まりません。
2つめが、何分で終わるかです。先に終了時刻を決めて、そこから内容を削ります。時間を決めずに内容を足していくと、必ず延びます。
3つめが、何を持ち帰らせるかです。参加した人の家で、その日のうちに何が変わるかを1つ決めます。非常用トイレの作り方を覚えて帰る、家族の集合場所を決めて帰る、ハザードマップに自宅の位置を書き込んで帰る。持ち帰るものが決まると、内容は自然に決まります。
4つめが、誰と組むかです。市区町村の防災担当課、消防署、消防団、社会福祉協議会、小中学校、近隣の事業者のうち、どこに声をかけるかを決めます。資材の貸し出しや講師の派遣を受けられるかどうかで、できる内容が変わります。
この4つを紙1枚に書いてから内容の議論に入ってください。順番を守るだけで、企画会議は1回で終わります。
手を動かす内容の例
参加した人の手が動く内容を挙げます。どれも特別な資材を買わずに組めるものです。
段ボールを使う内容は、費用がほとんどかからないうえに実際の避難所で役に立ちます。行われた例が公開されています。
東京都東久留米市で開催された防災イベントの中の企画の一つ、防災ピクニック。参加者は市役所から提供された廃棄予定の段ボールを使って、実際の避難時にも役に立つ段ボールハウスや自分用のプライベートスペース作り、非常用トイレ作りを体験できました。さらに作成で出た段ボールの端切れを利用して「自由にお絵描き&工作」時間も設け、被災後の子どもたちの遊び道具作りも意識した内容となりました。 出典: ikusa.jp
以下は、会の規模や場所に合わせて選べる内容です。
| 内容 | 所要の目安 | 向いている対象 | 要る手配 |
|---|---|---|---|
| 段ボールで間仕切りと簡易トイレを作る | 40分 | 子ども連れ、現役世代 | 廃棄予定の段ボール、ガムテープ |
| 非常食の試食と保存の入れ替え | 30分 | 全世代 | アルファ米や乾パン、湯 |
| 消火器の使い方と初期消火 | 30分 | 全世代 | 消防署か消防団の立ち会い |
| ハザードマップで自宅の位置を確認 | 30分 | 高齢の会員、転入世帯 | 市区町村配布のハザードマップ |
| 避難所まで実際に歩く | 45分 | 高齢の会員、子ども連れ | 順路の下見、見守りの人員 |
| 家具の固定と室内の点検の実演 | 30分 | 全世代 | 固定具の見本 |
| 防災クイズと非常持ち出し袋の中身あて | 25分 | 子ども | 問題の作成、景品 |
| 避難所の開設手順を役員で通す | 60分 | 役員、自主防災組織 | 鍵の所在、備蓄倉庫の確認 |
面白さを狙う内容についても、公開されている取り組みがあります。
イベント内容は、主に防災訓練や防災に関する体験などが多く、基本的には「災害の怖さを改めて認識すること」「防災のためにできることを理解する」などが目的とされています。また、学校や企業のほか、地域イベントとして防災の日に催し物が開催されることも多くあります。 出典: asobi-bosai.com
選ぶときのコツは、1つの行事に手を動かす内容を1つだけ入れることです。2つ以上入れると時間が延び、道具の準備も倍になります。残りの時間は、確認と話し合いに使ってください。
会場と天候で、できる内容は変わる
内容の候補を出す前に、使える場所を確かめてください。場所が決まらないまま企画を決めると、当日に組み直すことになります。
集会所や公民館の屋内は、雨と暑さの心配がなく、椅子が並べられる利点があります。向いているのは、ハザードマップの確認、講座、非常食の試食、持ち出し袋の点検です。一方で、水を使う内容と火を使う内容は制限されます。使用の申請時に、湯を沸かしてよいか、段ボールを持ち込んでよいかを先に確かめてください。
公園や広場は、消火器の体験、バケツリレー、担架の搬送、炊き出しに向いています。ただし、火気の使用と水道の有無を管理者に確認する必要があります。地面が土の公園では、雨の翌日に使えないことがあります。予備の日を先に決めて、案内の紙に書いておいてください。
学校の体育館と校庭は、広さと設備の両方がそろう会場です。避難所に指定されている学校なら、当日そこを使うこと自体が訓練になります。ただし、学校行事との調整に時間がかかります。年度のはじめに学校へ相談し、使える日の候補を先にもらっておく形が確実です。
天候への備えは3つです。1つめが、雨のときに順延するのか屋内に移すのかを先に決めることです。2つめが、暑さです。9月の第1週は屋外の内容が組みにくい年があります。日陰と水分を用意できないなら、屋外の内容は避けてください。3つめが、当日の連絡の手段です。朝の時点で中止を伝える方法を決めていないと、会場に人が集まってから判断することになります。
子ども向けの内容と、高齢の会員向けの内容は分ける
同じ日に同じ場所でやるとしても、内容と時間帯は分けてください。ここを分けた会で、参加者の層が広がっています。
子ども向けの内容は、作る、動く、競うのどれかが入っていると集まります。段ボールの工作、防災クイズ、担架での搬送体験、バケツリレーが定番です。注意したいのは、災害の怖さを強く伝える内容を子どもに当てないことです。写真や映像で被害を見せる形は、年齢によっては後まで残ります。伝える相手の年齢に合わせて、見せる資料を選び分けてください。
高齢の会員向けの内容は、歩く距離と椅子の数で参加が決まります。避難所まで歩く内容は、途中に休む場所があるかを先に確かめてください。屋内なら、ハザードマップで自宅の位置を確認する内容、非常持ち出し袋の中身を入れ替える内容、常備薬の控えを作る内容が向いています。どれも座ったままできます。
現役世代を呼びたいなら、開催を土曜の午前にして、内容を1つに絞るのが最も効きます。参加してもらう理由として強いのは、子どもの学校の引き渡し訓練と同じ日にそろえること、そして自宅でその日のうちに終わることを持ち帰らせることです。
対象を分けると準備は増えます。だからこそ、1年で全部やる必要はありません。今年は子ども連れ、来年は高齢の会員と決めて、内容を使い回してください。
参加した人が持ち帰るものを1つ決める
行事の成否は、参加した人の家で何が変わったかで決まります。持ち帰らせるものを1つに絞ってください。候補を挙げます。
家族の集合場所を決めて帰る。災害のときに自宅にいられない場合、どこで会うかを決めていない家庭が多くあります。会場で紙に書いて持ち帰る形にすると、その日のうちに家族の話し合いが起きます。
安否の確認方法を決めて帰る。電話が通じないときにどうするかを決めます。会として、どの手段で連絡を回すのかも同時に伝えてください。手段を1つに決めていない会では、災害時に役員の携帯電話に問い合わせが集中します。
ハザードマップに自宅の位置を書き込んで帰る。配られていても開いていない世帯が多いので、会場で開いて印を付ける時間を取ります。避難する先と、そこまでの道順も同じ紙に書きます。
非常持ち出し袋の中身を1つ入れ替えて帰る。全部そろえる話にすると重くなります。期限が切れた水を1本入れ替える、常備薬の控えを1枚足す、といった1つだけの行動にしてください。
家具の固定を1か所決めて帰る。寝室の背の高い家具を1つだけ選び、何で固定するかを決めます。固定具の見本を会場に用意しておくと、そのまま買いに行く人が出ます。
この中から1つを選び、行事の案内にも書いてください。参加する前から何を持ち帰れるかが分かっていると、参加の判断がしやすくなります。
訓練で終わらせず、地区防災計画につなげる
毎年同じ訓練を繰り返しているだけだと、続ける理由が薄れます。行事を制度につなげると、会の中で位置づけが変わります。
住民が自分たちで作る計画の仕組みが法律に置かれています。平成25年の災害対策基本法で自助と共助に関する規定が追加され、その際に、市町村内の一定の地区の居住者及び事業者が行う自発的な防災活動に関する地区防災計画の制度が新たに創設されました。施行は平成26年4月1日です。内閣府は地区防災計画ガイドラインを公開しており、2025年4月には、これから取り組む住民や事業者、支援する自治体職員に向けた地区防災計画ガイドブックも公表されています。
行事と計画をつなげる具体的なやり方は3つです。1つめが、当日出た困りごとを紙に残すことです。避難所の鍵を誰が持っているか分からなかった、備蓄倉庫が開かなかった、という気づきは、その場で書かないと消えます。2つめが、その紙を次の役員会の議題にすることです。3つめが、決まったことを計画の形に書き足していくことです。
この形にすると、行事の目的が参加率ではなくなります。毎年の行事は、計画を直すための材料を集める場になります。内容を毎年変える必要も薄れ、去年の続きとして組めるようになります。詳しい進め方は内閣府のみんなでつくる地区防災計画に資料がまとまっています。
消防や自主防災組織と組むときの段取り
会だけでできる内容には限りがあります。外部と組むと、資材と人が増えます。
消防署と消防団に依頼できるのは、消火器の使い方の指導、初期消火の実演、救命講習、通報の訓練です。依頼の窓口は市区町村の消防本部か地元の消防団で、防災週間は依頼が集中するため、早い順に埋まります。依頼するときに伝えるのは、日時、場所、参加人数の見込み、屋内か屋外か、そして会として何を持ち帰らせたいかの4つです。この4つを電話で伝えられる状態にしてから連絡してください。
市区町村の防災担当課には、ハザードマップの配布、起震車や煙の体験装置の貸し出し、講師の紹介、廃棄予定の段ボールの提供などを相談できます。装置の貸し出しは台数が限られるため、こちらも早い順です。
自主防災組織がある地域なら、その組織と会の役員の役割を先に分けてください。両方が同じ準備をして、同じ連絡を2回出す形になりがちです。分け方の目安は、外部との調整を自主防災組織が持ち、会員への連絡と当日の受付を会の役員が持つ形です。
社会福祉協議会や民生委員と組むと、避難の際に手助けが必要な世帯の把握につながります。ただし、この情報は扱いが重いので、名簿を会として持つかどうかは役員会で決めてから動いてください。個人の判断で作らないことが大切です。
当日までの準備と、役割の割り振り
内容が決まったあとに詰まるのは、人の手配です。役割を先に紙に書いてください。
決めておくのは6つです。1つめが、全体の進行です。時刻ごとに誰が何を言うかまで書きます。2つめが、受付です。参加者の数を数える人を必ず置きます。3つめが、資材の搬入と片付けです。ここが最も人手が要るので、終了後に残る人を先に決めます。4つめが、記録です。写真を撮る人を1人決めます。5つめが、安全です。屋外なら熱中症とけがへの備え、水分と救急箱の場所を決めます。6つめが、雨のときの扱いです。順延するのか屋内に移すのかを、案内の紙に先に書きます。
準備の期間としては、外部に声をかける内容なら2か月前、会の中だけで完結する内容なら1か月前に動き始めるのが目安です。消防署や消防団への依頼は、防災週間に集中するため早い順に埋まります。
写真を撮る人を置くときは、写った人の扱いを先に決めてください。子どもが写った写真を会の外に出すかどうかは、その場で決められません。撮る前に、どこまで使うかを案内に書き、同意しない人の申し出を受ける形にしている会が多く見られます。
予算と資材の集め方
費用の話は、内容を決めたあとではなく同時に進めてください。会費から出す場合は、総会か役員会の承認が必要になります。
費用がかかる項目は4つに絞られます。1つめが、非常食や飲料です。人数分を用意するので、参加者の数が読めていないと余ります。2つめが、資材です。段ボールは廃棄予定のものを譲り受けられることがあり、ガムテープと養生テープだけを買う形にできます。3つめが、印刷です。案内とハザードマップの写し、持ち帰る紙の印刷代です。4つめが、景品です。子ども向けのクイズを入れる場合に要ります。
費用を抑える手は3つあります。市区町村の防災の補助や助成があるかを担当課に確認すること、資材を近隣の事業者から譲り受けること、備蓄の入れ替えで出る食品を試食に回すことです。3つめは、備蓄を持っている会であれば費用がほとんどかかりません。期限が近づいたものを試食に使い、新しいものを買い足す形にすると、備蓄の管理と行事が同時に進みます。
支出の記録は、行事のたびに1枚の紙にまとめて会計へ渡してください。領収書を集めるだけでは、翌年の予算を組むときに何にいくらかかったのかが分かりません。項目ごとの金額が残っていると、次の年の見積もりがそのまま作れます。
内容を3年で回す形にすると、毎年考えなくてよくなる
毎年ゼロから内容を決めているから、役員の負担が重くなります。内容を3年で回す形にしてください。1年目に組んだ資材と手順を2年目以降も使えるようになります。
1年目は、家の中の備えを主題にします。ハザードマップで自宅の位置を確認する、家具の固定を1か所決める、非常持ち出し袋の中身を1つ入れ替える。会場は屋内でよく、資材もほとんど要りません。初めての年に外部へ依頼しないという判断は、準備が回る点で有効です。
2年目は、家から外に出る動きを主題にします。避難所まで実際に歩く、道順の危ない場所を確かめる、家族の集合場所を決める。屋外の内容が入るので、雨の日の扱いと見守りの人員を決めておきます。
3年目は、避難所に入ったあとを主題にします。段ボールで間仕切りと簡易トイレを作る、非常食を試食する、避難所の開設手順を役員で通す。ここで初めて消防や市区町村に依頼をかけると、資材の手配が1回で済みます。
4年目は1年目に戻します。3年空くと、転入した世帯にとっては初めての内容になり、以前から住んでいる世帯にとっても備えの見直しの時期になります。同じ内容を繰り返していると言われないためには、3年の並びを会員に先に示しておくことです。今年はどこに当たる年なのかが分かると、参加する理由も伝わります。
この形にすると、申し送りが3種類そろった時点で、企画の会議はほぼ不要になります。役員が代わっても続く行事は、内容が優れている行事ではなく、去年の紙が残っている行事です。
終わったあとに必ずやること
行事が終わって解散した時点で作業を止めると、翌年また一から企画することになります。やることは3つです。
1つめが、参加者の声を集めることです。長い質問紙は要りません。よかった内容、時間が長かったか短かったか、次に知りたいことの3つだけで足ります。会場を出るときに紙で回収するか、後日に出欠を取ったのと同じ場所で聞く形にしてください。
2つめが、当日に出た困りごとを書き残すことです。避難所の鍵の所在が分からなかった、備蓄倉庫の棚が倒れていた、放送が聞こえなかった。こうした気づきは、その日に書かないと消えます。参加者の声より、役員が気づいたことのほうが翌年の材料になります。
3つめが、申し送りを作ることです。書くのは、依頼した先とその連絡先、要った資材と数、時刻ごとの進行、うまくいかなかった点の4つです。この4枚があれば、翌年の担当者は企画からやり直さずに済みます。
保存する場所も決めてください。担当者の個人の端末にだけ残っていると、役員が代わった日に取り出せなくなります。会として1つの保存先を決めて、写真と申し送りと支出の記録をそこにまとめておく形が続きます。
案内と出欠の集め方で、参加者の数は変わる
内容を良くしても、届いていなければ人は来ません。参加者を増やした会が実際に変えているのは、案内の配り方です。
回覧板だけに頼るのをやめてください。回覧板は1軒ずつ順番に渡るため、末尾の家に届くのは配り始めから1週間以上あとになります。開催の1か月前に出したつもりでも、届くのは数日前です。予定を入れる時間が残らないと、来られる人も来られません。
出欠を先に取ると、準備の精度が上がります。非常食の数、段ボールの量、椅子の数は、参加者の数が分かっていないと決められません。当日に来た人数で合わせる形では、毎年余らせるか足りなくさせるかのどちらかになります。
連絡と出欠と写真が同じ場所にまとまっていると、この作業が軽くなります。案内を出した相手に出欠を返してもらい、その場で数が数えられ、当日の写真も同じ場所に残る形です。メンバー以外は見られない作りのものを選べば、子どもが写った写真も会員の中だけに収まります。いま使っているメッセージアプリのグループと何が違うのかは、LINEグループとの比較に、退会したときに何が残るかと誰が見られるかの違いを並べてあります。掲示板や資料の保存まで含む道具と比べるなら、BANDとの比較で保存の条件が分かります。誰でも入れる場と会員だけの場の違いを確かめたいときは、LINEオープンチャットとの比較を見てください。
町内会での行事の連絡や出欠の集め方は町内会での使われかたに、学校と一緒に行う場合の形は学校での使われかたにまとめてあります。年度で担当が入れ替わる前提の引き継ぎについてはPTAでの使われかたを見てください。費用や始め方で先に確かめたいことがあれば、よくある質問にまとめてあります。
紙をやめる必要はありません。高齢の会員が多い地域では、紙のほうが確実に届きます。現実的なのは、案内の紙は今まで通り配り、出欠だけを1か所で受ける形です。集める場所を1つにすると、当日の人数が読めるようになります。人数が読めれば、非常食の数も段ボールの量も決まります。準備の精度は、内容を凝ることでは上がりません。誰が来るかが分かっているかどうかで決まります。
Q1. 防災イベントはいつ開くのがよいですか?
制度として節目が決まっています。防災の日は毎年9月1日で、防災週間は8月30日から9月5日までです。この期間は市区町村や消防が全国的に行事を行うため、資材の貸し出しや講師の手配が通りやすくなります。沿岸の地域なら、津波対策の推進に関する法律で定められた11月5日の津波防災の日に合わせる選び方もあります。
Q2. 予算が少なくてもできる内容はありますか?
あります。廃棄予定の段ボールを使って間仕切りや簡易トイレを作る内容は、ガムテープ以外の費用がほとんどかかりません。ハザードマップで自宅の位置を確認する内容、避難所まで実際に歩く内容も資材が要りません。市区町村の防災担当課に相談すると、段ボールや資料を提供してもらえる場合があります。
Q3. 参加者が役員だけになってしまいます。どうすれば増えますか?
内容より先に4つを見直してください。所要時間を60分程度に切ること、手を動かす内容を1つ入れること、対象を子ども連れか高齢の会員かに絞ること、案内を回覧板より先に配ることです。回覧板は末尾の家に届くまでに1週間以上かかるため、開催日を知るのが数日前になって予定を入れられません。
Q4. 毎年同じ訓練の繰り返しになっています。続ける意味をどう説明しますか?
行事で出た困りごとを紙に残し、地区防災計画に書き足す形にすると位置づけが変わります。地区防災計画は平成25年の災害対策基本法で創設され、平成26年4月1日に施行された制度で、地区の居住者や事業者が自発的に作る計画です。行事は計画を直すための材料を集める場になり、去年の続きとして組めるようになります。