Googleドライブで動画を共有する操作そのものは、数回のクリックで終わります。つまずくのはたいてい操作ではなく、その前後にあります。権限をどう設定したか、相手がどのアカウントで開いたか、アップロードした直後かどうか、この3つで「見られる」「見られない」が変わります。この記事では、パソコンとスマートフォンからの共有手順を並べたうえで、相手から「再生できない」と言われたときに確かめる順番、共有フォルダから動画が消えたように見える現象の正体、そして町内会やPTAのように毎年担当が入れ替わる団体で動画を配るときに先に決めておくことを整理します。
動画を共有する前に決める3つのこと
Googleドライブの共有画面には、性質の違う3つの設定が同じ場所に並んでいます。ここを分けて理解しておくと、後からのトラブルが半分は消えます。
1つめは、相手に与える役割です。Googleの説明では、マイドライブ内のファイルに適用される役割は「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」「オーナー」の4つです。動画を見せるだけなら閲覧者で足ります。注意が必要なのは、閲覧者にもダウンロードが既定で許可されている点です。
Google ドライブに保存しているファイルやフォルダは他のユーザーと共有できます。Google ドライブから共有する際は、共有相手のファイルに対する権限(編集、コメント、閲覧のみ)を管理できます。 出典: support.google.com
2つめは、誰に開かせるかという「一般的なアクセス」です。ここは「制限付き」と「リンクを知っている全員」の二択で、意味がまったく違います。制限付きは、名前を指定して招いた人だけが開けます。リンクを知っている全員は、URLを持っている人すべてが開けます。後者は転送された先でも開けるので、転送されても困らない内容かどうかで選ぶことになります。
3つめは、通知を出すかどうかです。メールアドレスを指定して共有すると、既定では相手に通知メールが届きます。チェックを外せば通知は飛びません。連絡アプリで別途URLを回す運用なら、通知を止めて二重の連絡を避けたほうが受け取る側は混乱しません。逆に、URLを回さずメールだけで気づいてほしいなら、通知は残します。
この3つを決める順番は、役割よりも先に「一般的なアクセス」からのほうが早く終わります。まず、転送されても構わない内容かを判断する。構わないならリンク共有にして、URLを配るだけで済みます。構わないとは言えないなら制限付きにして、名簿にあるアドレスを1つずつ入れます。
指定できるアドレスの数にも上限があります。Googleは、1つのファイルを最大600個のメールアドレスと共有できると書いています。600件という数字は、町内会や学校の規模ならまず問題になりません。ただし、1件ずつ入力する手間は人数に比例するので、50人を超えるあたりから、名簿を持っている仕組みの側で配ったほうが速くなります。
パソコンから動画を共有する手順
操作は3通りあり、渡すものの単位で使い分けます。
動画1本だけを渡す
drive.google.comを開き、共有したい動画ファイルをクリックして選び、共有アイコンを押します。開いたダイアログに相手のメールアドレスを入れ、役割を「閲覧者」にして送信します。複数のファイルをまとめて選びたいときは、Shiftキーを押しながら2つ以上のファイルを選択してから共有アイコンを押します。
1本だけ渡す方式は、後から追加する予定がないときに向いています。運動会の記録のように後日ほかの保護者から動画が届く場合、そのたびに共有操作が発生するので、次のフォルダ方式のほうが手間が少なくなります。
フォルダごと渡す
動画を入れるフォルダを作り、フォルダ自体を共有します。Googleは、フォルダに適用したアクセス権はそのフォルダ内のすべてのファイルに継承されると説明しています。つまり、後から動画を追加しても、追加のたびに共有設定をやり直す必要がありません。
ここには1つだけ落とし穴があります。親フォルダに対するアクセス権を持っている人に、その中の個々のファイルだけ低い権限を与えることはできません。「フォルダは全員に見せるが、この1本だけは役員だけ」という運用は成り立たないので、見せる範囲が違うものは別のフォルダに分けます。実務では、公開用フォルダと役員用フォルダの2つを最初から作っておくのがいちばん楽です。
リンクを知っている全員に渡す
共有ダイアログの「一般的なアクセス」を「リンクを知っている全員」に変え、役割を選んでからリンクをコピーします。あとはそのURLを連絡の場に貼るだけです。アドレスを1件も入力しないので、人数が多いときに最も速く終わります。
この方式の弱点は、配った後に誰が見たか分からないことと、URLが外へ出たときに止める手段が「共有を切る」しかないことです。子どもが写っている動画を扱う団体では、この2点を理由に制限付きを選ぶところが多く見られます。どちらが正しいというより、URLが第三者に渡ったときに困るかどうかで決める話になります。
スマートフォンから共有するときに変わること
とりまとめる人の多くは、パソコンの前ではなく現場で撮って、その場で配ります。スマートフォンからの操作は、パソコンとほぼ同じことができますが、いくつか違いがあります。
Google ドライブは、写真や動画などのファイルをインターネット上に保存できるクラウド ストレージ サービスです。Google ドライブに保存した書類や画像、動画などのファイルは、スマホやパソコンなどのデバイスからアクセスすることができ、第三者に共有することも可能です。 出典: android.com
違いの1つめは、アップロードに時間がかかることです。撮ったばかりの動画は端末の中にあり、まずそれをドライブへ上げる必要があります。数GBの動画を携帯回線で上げると、待ち時間が長くなるうえ通信量も消費します。会場の無線が使えるなら、そちらに切り替えてから上げるだけで体感が変わります。急ぎでないなら、帰宅後に自宅の回線で上げるほうが確実です。
違いの2つめは、画面が狭いため権限の確認がしづらいことです。スマートフォンのアプリでも役割と一般的なアクセスは設定できますが、設定の一覧を一度に見渡せません。配る対象が決まっている動画は、現場でURLを先に作らず、あとでパソコンから設定を確認してから回すほうが、事故が少なくなります。
違いの3つめは、端末の写真アプリとの関係です。Googleフォトの同期を使って上げた場合、写真アプリ側での削除が同期されて、ドライブ側からも見えなくなることがあります。ドライブへ直接アップロードしたのか、Googleフォトの同期で入ったのかを、配る前に見分けておく必要があります。見分け方は単純で、ドライブのアプリの中に自分で作ったフォルダがあり、そこにファイルが入っていればドライブへ直接上げたものです。
違いの4つめは、iPhoneで撮った動画の形式です。標準の設定ではHEVCという形式で記録されることがあり、古いパソコンや一部の環境では再生できません。配る相手の環境が幅広い団体では、撮影設定を互換性優先にしておくと、後から変換する手間がなくなります。
容量の上限を先に見積もる
動画はほかのファイルより一桁大きいので、容量の話を後回しにすると途中で止まります。先に数字を押さえます。
Googleアカウントには標準で15GBの保存容量が付いています。これはドライブ単独の枠ではなく、GoogleフォトとGmailとドライブで共有する合計です。写真もメールも同じアカウントで使っているなら、動画に回せるのは15GBよりかなり少ない、と考えたほうが実態に合います。
1ファイルの上限は別で、Googleドライブのヘルプでは、Googleの形式に変換しないその他すべてのファイルは5TBまでとされています。数時間の動画1本が上限に当たることは、まずありません。つまり、詰まるのは1本の大きさではなく、アカウント全体の合計のほうです。
足りなくなったときの選択肢は3つです。古い動画を消す、別のアカウントに置く、容量を買う。容量を買う場合、Google Oneの料金は本日時点で月額100GBが290円、2TBが1,450円、5TBが2,900円です。年払いにすると最大16%引きになると案内されています。
団体で払う前提なら、100GBの290円は判断しやすい金額です。ただし、支払いに使うアカウントを個人のものにすると、担当が代わったときに引き継げません。年会費から出すなら、団体の代表アカウントを作ってそこで契約する形にしておかないと、翌年に「誰のクレジットカードで払っているのか分からない」という状態になります。役員が代わるときに引き継ぐものが1つで済むかどうかで、続くかが決まります。
撮った動画をそのまま上げるかどうかも、容量に直結します。スマートフォンで4Kのまま長時間撮ると、1本が数GBになります。配るのが記録用であれば、撮影時の設定を1080pに落としておくだけで、月々の容量の悩みはほぼ消えます。撮る側が複数いる団体では、撮影設定を事前に統一しておくほうが、後から圧縮するより手間が少なくなります。
相手が再生できないときに確かめる順番
「見られない」という連絡が来たとき、原因を当てにいくと遠回りになります。確かめる順番を固定しておくほうが速く終わります。
第1に、アップロードしてから何分たったかを確かめます。Googleドライブに上げた動画は、上げ終わってすぐに再生できるわけではありません。ドライブ側の処理が終わるまで、再生しようとしても黒い画面や処理中の表示になります。長い動画ほど時間がかかるので、配る側は「上げてすぐURLを回す」のをやめて、自分の別のブラウザで一度再生できることを確かめてから回すほうが、問い合わせが減ります。
第2に、相手が開いたアカウントを確かめます。これがいちばん多い原因です。名前を指定して共有したのに、相手がふだん使っている別のGoogleアカウントで開くと、アクセス権のない画面が出ます。仕事用や学校用のアカウントでログインしたまま個人宛のリンクを開いた場合も同じです。相手に「アクセス権をリクエスト」を押してもらえば、共有した側に通知が届くので、そこで正しいアドレスを追加できます。
第3に、組織の制限を確かめます。Googleは、職場や学校を通じて取得したGoogleアカウントでは、組織外のユーザーとファイルを共有できない場合があると明記しています。学校のアカウントで動画を上げて保護者に配ろうとしたときに、この壁に当たることがあります。この場合は設定を変えても通らないので、個人または団体のアカウントに置き直すのが現実的な解決です。
第4に、役割とダウンロード設定を確かめます。閲覧者と閲覧者(コメント可)のダウンロードは既定で有効ですが、オーナーが共有アイコンから設定を開いてチェックを外すと無効になります。この設定を切っていると、環境によっては再生そのものがうまくいかないことがあります。「見るだけにしてほしい」という意図で切った設定が、「見られない」の原因になっている場合があるので、切ったことを覚えておく必要があります。
第5に、相手の端末側を確かめます。通信が細い場所で数GBの動画を開こうとすれば止まります。端末の空き容量がないときも同じです。ここまで来たら、動画を短く区切って配るか、解像度を落としたものを別に用意するほうが早く解決します。
この5段階のうち、共有した側で直せるのは第1から第4です。第5だけが相手側の事情なので、そこに当たった時点で「こちらでできることはない」と伝えてよい場面になります。順番を決めておくと、この線引きが早くできます。
共有フォルダから動画が消えたように見えるとき
複数人が動画を上げ合うフォルダで、いちばん相談が多いのがこの症状です。実際の声を見ると、症状の出方が具体的に分かります。
Googleドライブで、共有フォルダを作り、その中に動画を各自アップロードする方式で動画を皆から入れてもらっていました。 するとその中の複数人が自分がアップロードした以外の動画を再生すると、そのフォルダ内から動画が消えていきます。なぜでしょうか?またどう対応したらよいでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
このような症状が出るとき、疑うところは決まっています。フォルダを編集者として共有していると、そのフォルダに入っている他人のファイルも、編集者は移動や削除ができます。誤操作でドラッグしてしまった、自分のドライブへ移したつもりで元の場所から動かした、といった操作が「消えた」に見えます。動画は容量が大きいので、整理しようとして触る人が出やすく、写真より起きやすい現象です。
対処は2つあります。1つは、集めるフォルダと見せるフォルダを分けることです。集めるフォルダには編集者として入れてもらい、見せるフォルダには閲覧者しか入れない。とりまとめる側が集めたものを見せるフォルダへコピーすれば、閲覧者は動かせません。もう1つは、ゴミ箱と変更履歴を確認することです。削除されたファイルはゴミ箱に入るので、オーナーであれば元に戻せます。
根本的には、複数人が書き込めるフォルダを配布用にも使っていること自体が原因です。集める場所と配る場所を分けるだけで、この種の相談はほとんど起きなくなります。手間としては、フォルダを1つ増やすだけです。
もう1つ、同じ「消えた」に見える別の原因があります。上げた本人が、自分の端末の写真アプリから元の動画を削除したときです。ドライブに上げたものは端末とは別に残りますが、Googleフォトの同期経由で入れていた場合は、写真アプリ側の削除がドライブ側にも及ぶことがあります。集める側は「上げ終わってもしばらく端末から消さないでほしい」と一言添えておくと、この事故が減ります。
ダウンロードさせるか、見せるだけにするか
団体で動画を配るとき、ここを決めていない状態で配ると後から揉めます。
ダウンロードを許すと、相手の端末に動画が残ります。オフラインで見られる、共有を切った後も見られる、という両方の意味を持ちます。配布が目的なら便利ですが、子どもの顔が写っているものでは「配り終わりがない」ことになります。
ダウンロードを止めると、残るのは閲覧だけです。オーナーが共有アイコンから設定を開き、閲覧者と閲覧者(コメント可)のダウンロードとコピーと印刷を許可するチェックを外します。これで相手は再生するだけになります。ただし、画面録画は防げません。技術的に完全に止める手段ではなく、意図せず手元に残ることを減らす設定だと理解しておく必要があります。
もう1つの選択肢が、限定公開の動画配信を使う方法です。YouTubeの限定公開は、リンクを知っている人だけが視聴でき、チャンネルの動画タブにも検索結果にも出ません。Googleの説明では、限定公開動画のURLは共有可能で、共有相手はGoogleアカウントを持っていなくても視聴できるとされています。一方で、リンクを知っているユーザーはその動画をさらに他の人と共有できるとも書かれています。ダウンロードのボタンが出ない代わりに、URLの拡散は止められません。
つまり、どの方法を選んでも「URLが外に出たときに止まるか」だけは残り続けます。止めたい団体は、名前を指定した制限付きの共有に寄せることになります。メンバー以外は見られない形にしておくと、URLが転送されても中身は開けません。手間は増えますが、子どもが写るものを扱う団体では、この手間のほうが安いという判断が一般的です。
メールに添付するのとドライブで共有するのは何が違うか
動画を渡すとき、最初に思いつくのはメールへの添付です。ただし動画の場合、添付で済む場面はほとんどありません。
Gmailのヘルプでは、個人用のアカウントの添付ファイルの上限は25MBと明記されています。複数のファイルを添付する場合も合計で25MBまでです。合計が上限を超えると、添付ファイルは自動的に削除され、Googleドライブのリンクとしてメールに追加される仕組みになっています。
25MBは、スマートフォンで撮った動画なら数十秒分です。つまり、動画を渡そうとした時点で、実質的にドライブのリンクを配ることになります。Gmailが自動でリンクに置き換えてくれるので操作としては楽ですが、この経路には注意点があります。自動でリンクになったとき、そのファイルの共有設定は送り先に合わせて調整されますが、後から転送された相手には権限がありません。メールを転送された人から「見られない」と言われる典型的な原因がこれです。
配る側が最初からドライブで共有設定を決めてURLを回すほうが、後の問い合わせは減ります。手順としては、ドライブに上げる、共有範囲を決める、URLをコピーする、連絡の場に貼る、という4段階です。メール添付に頼ると、この4段階のうち共有範囲を決める部分が自分の手から離れるので、結果を読みづらくなります。
なお、受け取る側の環境によって添付の上限はさらに小さいことがあります。仕事用や学校用のアカウントでは、送信と受信の上限を管理者が設定しています。相手の受信箱の上限は送る側には分からないので、動画に限らず大きいファイルはリンクで渡すのが安全です。
町内会やPTAで動画を配るときに決めておくこと
操作ができることと、団体として運用が続くことは別の話です。続けるかどうかを決める立場からは、次の4つを先に決めておくと後から困りません。
第1に、オーナーを誰にするかです。Googleドライブのファイルにはオーナーがいて、オーナーだけが権限の変更やゴミ箱からの復元をできます。個人アカウントのオーナーのまま担当が代わると、前任者に連絡しないと何もできない状態になります。団体名のアカウントを作り、そこをオーナーにしておくのが基本です。年配の会員が多い会では、新しいIDとパスワードを増やさないことが最初の関門になるので、団体アカウントは1つに絞ります。
第2に、退会したときに何をするかです。名前を指定して共有した相手が退会しても、共有設定は自動では消えません。名簿から外すのと同時にドライブの共有からも外す、という手順を決めておかないと、数年で「誰が見られるのか分からないフォルダ」が残ります。町内会でどんな引き継ぎが起きるかは、町内会での使われかたに運用の流れがまとまっています。
第3に、どこに連絡を流すかです。動画のURLだけドライブから配り、連絡はLINEグループに流すという形は、いちばんよくある組み合わせです。ただしLINEグループは過去のメッセージが流れていくので、「あのURLどこだっけ」が毎回発生します。この使い勝手の違いはLINEグループとの比較に整理してあります。掲示板のように残る形が要るなら、BANDとの比較も見ておくと、どこまでが無料で足りるかが分かります。
第4に、保護者に何を伝えるかです。学校やPTAでは、撮影したものをどこまで配るかについて保護者の了解が必要になる場面があります。運用として多いのは、配布用フォルダには顔が大きく写るものを入れない、保存期間を決めて期限が来たら消す、という2つを最初に伝えておく形です。学校の行事で起きる具体的な場面は学校での使われかたに、PTAの担当が回している運用はPTAでの使われかたにまとめてあります。法律の解釈を断定するのは避けて、こう運用している会が多いという範囲で決めておくのが現実的です。
この4つは、どれも動画の技術とは関係がありません。それでも、この4つを決めていない団体では、2年目か3年目に必ず止まります。止まる理由は容量でも権限でもなく、決めた人がいなくなることです。
動画の置き場所と名簿を、同じところに寄せる
とりまとめる側の手間を分解すると、動画を共有する作業そのものは全体の一部でしかありません。実際に時間を食っているのは、その周りにあるものです。
連絡先の名簿を別に持っている。誰に配ったかを別に控えている。見られないという問い合わせに1件ずつ答えている。退会した人を名簿から消したあと、ドライブの共有から外すのを忘れる。この4つが積み重なって、担当の負担になります。
置き場所を分けたまま運用すると、名簿は必ず二重になります。ドライブの共有リストと、連絡用の名簿と、会費の台帳。3つが別々にあると、1人が抜けたときに3か所を直すことになり、どこかが漏れます。漏れた結果が「退会した人がまだ動画を見られる」という状態です。
この問題は、動画の置き場所を変えても解決しません。解決するのは、名簿を1つにしたときです。メンバーの一覧が1つあって、その一覧に載っている人だけが写真や動画を見られる形にすると、退会の処理は1か所で終わります。共有リストを別に管理する必要がなくなるので、忘れる余地がなくなります。
判断の目安として、次の線引きが実務的です。動画を渡す相手が固定されておらず、一度きりであれば、Googleドライブのリンク共有でじゅうぶんです。相手が名簿として決まっていて、毎月のように何かを配るのであれば、名簿を持っている仕組みの側に寄せたほうが、年単位では手間が少なくなります。前者に後者の道具を持ち込むと大げさになり、後者に前者の方法を続けると、担当が代わるたびに引き継ぎが増えます。
判断を先延ばしにしたときに何が起きるかも、見えています。最初の1年は、担当が慣れているので問題が出ません。2年目に担当が代わり、前任者のアカウントにオーナーが残っていることが分かります。3年目には、誰が見られるのか分からないフォルダが増え、消してよいかの判断ができなくなります。この流れは、団体の大きさや動画の本数とは関係なく起きます。起きる原因は、置き場所の決め方を最初に書き残していないことだけです。
どちらに寄せる場合でも、決めておくとよいことは共通しています。オーナーは団体のアカウントにする。集める場所と配る場所を分ける。退会時に消す手順を書いておく。この3つを紙1枚に書いて引き継げば、担当が代わっても運用は続きます。実際に切り替えを検討している段階でよく出る疑問はよくある質問にまとめてあるので、判断の材料として先に読んでおくと迷いが減ります。
Q1. Googleドライブで動画を共有したのに、相手が再生できないと言っています。何から確かめればよいですか?
まずアップロード直後でないかを確かめます。上げた直後はドライブ側の処理が終わっておらず、再生できません。次に多いのは、相手が別のGoogleアカウントで開いているケースです。学校や職場のアカウントでログインしたままだとアクセス権のない画面が出ます。相手にアクセス権のリクエストを押してもらうと、正しいアドレスが分かります。
Q2. 無料のまま動画を何本くらい置けますか?
Googleアカウントの標準の保存容量は15GBで、これはドライブとGmailとGoogleフォトの合計です。1ファイルの上限は5TBなので、詰まるのは1本の大きさではなく合計のほうです。撮影を1080pに落としておくと、同じ本数でも容量はかなり減ります。足りなければ月額290円の100GBから追加できます。
Q3. 共有フォルダに入れた動画が消えていきます。原因は何ですか?
フォルダを編集者として共有していると、編集者は他人のファイルも移動や削除ができます。整理するつもりの操作で元の場所から動くと、消えたように見えます。集めるフォルダと配るフォルダを分け、配る側は閲覧者だけにしてください。削除されたものはゴミ箱に残るため、オーナーであれば戻せます。
Q4. 子どもが写った動画を配るとき、ダウンロードを止められますか?
オーナーが共有の設定を開き、閲覧者のダウンロードとコピーと印刷の許可を外せば、相手は再生だけになります。ただし画面録画は防げないため、完全に止める手段ではありません。URLの転送を止めたいなら、リンク共有ではなく名前を指定した制限付きの共有にしておくのが確実です。