自治会 toubanの表を作る役が回ってくると、まず前任者から昨年度の表を受け取ります。名前と日付が入った紙が1枚。誰がどういう理由でその日に入っているのか、去年は誰が代わってもらったのか、免除になっている世帯がどこなのかは、その紙からは分かりません。分からないまま作り直すので、毎年どこかで偏りが出て、誰かが不満を言い、次の年もまた同じことが起きます。
当番表の不満は、割り振りの方法が悪いから起きるのではありません。誰がいつ何をやったかの履歴が残っていないから起きます。履歴があれば、偏っているかどうかを数字で確かめられます。なければ、印象だけで議論することになります。この記事では、履歴を残す前提で当番表を組み直す手順と、交代を頼むときの実務を整理します。
自治会の当番には何種類あるか、まず数える
当番表を作る前に、そもそも何の当番があるのかを洗い出します。会によっては表が複数あり、全体像を把握している人がいないこともあります。
多くの自治会に共通するのは次のあたりです。
・ごみ集積所の清掃と、カラス除けのネットの出し入れ ・資源回収の立ち会いと、回収日の分別の確認 ・公園や河川敷、通学路などの一斉清掃 ・集会所の鍵の開け閉めと、使用後の掃除 ・防犯パトロールや、夜間の見回り ・防犯灯の球切れの点検と、市区町村への連絡 ・祭礼や盆踊りの準備と後片付け ・広報誌や回覧物の配布 ・班長や組長そのものの輪番 ・行政が委嘱する各種委員の推薦と、その担当
このうち、どれが「当番」でどれが「役」なのかは会によって呼び方が違います。区別の実益は、期間の長さにあります。1日で終わるものと、1年間続くものでは、頼み方も断られ方も違います。表を作るときは、この2つを分けて管理します。
洗い出すときには、その当番が何のためにあるのかも一緒に確認します。総務省が認可地縁団体の規約を目的別に分類した調査によると、平成30年度から令和4年度までに認可された団体のうち、区域の環境美化と清掃活動を目的に掲げている団体が93.3%、集会施設の維持管理が85.8%、防災と防火が48.5%、交通安全と防犯が37.4%となっています。清掃と施設の管理が突出しており、当番表の中身もこの2つが中心になるのが自然です。逆に、この2つ以外の当番が異様に多い会は、どこかで依頼を引き受けすぎている可能性があります。
当番が増えているのは、気のせいではない
役員から「昔より当番が増えた」という声が出ることがあります。これは印象の問題ではなく、実際に増えています。
自治会が行政などから依頼されている業務の変化を、2008年と2020年の調査で比べた分析があります。委員の推薦は67.8%から83.5%へ、緊急時の連絡網や告知は56.1%から67.4%へ、防災対策は62.6%から75.3%へ、高齢者の見守りは46.9%から62.3%へ、子育て支援は42.3%から52.1%へ、それぞれ増えています。一方で、ごみの分別と資源物の回収は69.3%から60.5%へ、防犯活動は60.2%から57.9%へと減っています。
つまり、減った分より増えた分のほうが多く、しかも増えているのは防災や見守りのように人手と継続性を要するものです。同じ人数で引き受ければ、1人あたりの負担は上がります。
この報告書では、負担感について次のように整理されています。
こうした「行政協力業務」の内容は地域によって様々であるが、市区町村のみならず、国、都道府県、警察、消防、学校や(行政ではないが)社会福祉協議会等からも依頼されることが多いとされる。特に負担感があり、批判の的となるものとして、委員の推薦、募金集め、広報物等の配布・回収、各種会議への出席、行催事等への動員、二重・三重の団体の会費や役の負担を挙げる意見がある。 出典: soumu.go.jp
依頼の出どころが1つではない点が重要です。市区町村だけでなく、警察、消防、学校、社会福祉協議会からも来ます。それぞれの窓口が別なので、会の側で全体量を把握しないと、気づいたときには引き受けすぎている状態になります。
当番表を作り直すときは、この全体量を役員会に示すところから始めるのが有効です。当番の種類と、年間の延べ人数を数字にすると、割り振りの前に「そもそも減らせないか」という議論ができます。減らす候補は、依頼元に相談すれば直接の実施に切り替えられるものです。
偏りが出る原因は4つある
割り振りが偏る原因は、だいたい次の4つに集約されます。
1つ目は、班ごとの世帯数の違いです。区割りが数十年前のまま更新されておらず、宅地の開発や集合住宅の建設が反映されていない会は珍しくありません。8軒の班と30軒の班が同じ回数の当番を持てば、8軒の班には4倍近い頻度で回ってきます。この差は、当番表を丁寧に作っても解消しません。区割りの問題だからです。
2つ目は、免除の増加です。高齢の世帯、単身の世帯、乳児のいる世帯などを免除していくと、免除された分が残りの世帯に上乗せされます。免除の基準が明文化されていないと、どこまで免除してよいかの歯止めがなく、年々免除が増えていきます。免除は必要な配慮ですが、増えた分が誰に乗るのかを可視化しないと、担っている側の不満が溜まります。
3つ目は、辞退の記録が残らないことです。「今年は都合が悪いので飛ばしてほしい」という申し出を口頭で受けて、そのまま次の世帯に回す。この処理自体は問題ありませんが、記録が残らないと、翌年また同じ世帯が飛ばされます。数年繰り返すと、事実上の免除になります。
4つ目は、去年やった人が誰か分からないことです。前年の表が手元にない、あるいはあっても代わってもらった分が反映されていない。この状態で新しい表を作ると、去年やった人にまた当たることがあります。1度なら偶然で済みますが、2年続くと不満になります。
この4つのうち、1つ目は区割りの見直しという別の作業が必要です。残りの3つは、記録を残すだけで大きく改善します。
免除の基準を先に決める
割り振りの方式を決める前に、免除の基準を決めます。順番を逆にすると、表を作ってから例外を差し込むことになり、割り振りが崩れます。
決めておく項目は次のとおりです。
・免除する事由。年齢、世帯の構成、健康の状態、長期の不在など ・免除の期間。単年度なのか、継続するのか ・申し出の窓口。誰に言えばよいのか ・判断する場。班長が決めるのか、役員会が決めるのか ・免除の代わりに何かを求めるかどうか
最後の項目は扱いが難しいところです。当番に出られない代わりに金銭の負担を求める会があります。年間で数千円という水準が多いようですが、この仕組みには賛否があります。金銭で免れられるとなると、払える世帯だけが免除される形になり、かえって不公平だという意見が出ます。一方で、出られない事情がある世帯にとっては、負い目を感じずに済む仕組みでもあります。
判断する場は、班長ではなく役員会にしておくのが無難です。班長は1年で交代するため、判断を積み重ねられません。同じ事由に対して班によって扱いが違うと、後で必ず問題になります。役員会が決めて記録に残す形なら、翌年も同じ判断ができます。
年齢による免除を設ける場合は、線を1本だけ引くのではなく、段階を設ける方法もあります。特定の年齢を超えたら重い当番を外す、さらに上の年齢で全部を外す、という形です。一律に外すと、まだ動ける人まで外れてしまい、担い手がさらに減ります。
割り振りの方式を選ぶ
免除が決まったら、割り振りの方式を選びます。実務でよく使われるのは3つです。
1つ目は、世帯番号順の輪番です。班の中で世帯に番号を振り、番号の順に回します。分かりやすく、次が誰かも明白です。難点は、途中で免除や辞退が入ると順番がずれることと、転入した世帯をどこに入れるかで迷うことです。
2つ目は、くじです。年度の初めに全員で引きます。公平だという納得は得られやすいのですが、連続して当たる世帯が出ます。1度当たった世帯を翌年の抽選から外す、といった調整を入れないと、偏りは解消しません。
3つ目は、立候補と輪番の併用です。まず希望を募り、埋まらなかった枠を輪番で埋めます。行事の準備のように、得意な人がやったほうがよい当番に向いています。清掃当番のように誰がやっても同じものには向きません。
どれを選ぶかは会の事情によりますが、選び方より大事なのは、選んだ方式を文書にすることです。方式が書かれていないと、毎年の担当者が自分のやり方で作ります。前年と違う方式で作られた表は、それだけで不満の種になります。
複数の当番がある会では、当番ごとに方式を変えてもかまいません。清掃当番は世帯番号順、行事の準備は立候補、というように使い分けます。ただし、1つの世帯に複数の当番が同時に当たらないよう、全体を横断して確認する仕組みが要ります。この確認は、表が別々の紙になっていると事実上できません。
履歴を残さないと、偏りは証明できない
当番表の運用で最も効くのが、実施の履歴を残すことです。表そのものではなく、実際に誰がやったかの記録です。
残す項目は5つです。
・いつ。実施した日付。延期があれば延期後の日付 ・何の当番か ・どの世帯が担当だったか ・実際に出たのは誰か。代わってもらった場合は代わった人 ・出られなかった場合、その理由と扱い
4つ目が抜けやすい項目です。表に書かれた世帯と、実際に出た世帯が違うことは頻繁にあります。この差分が記録されないと、翌年の割り振りで「去年やっていない」と判断されてしまいます。
履歴が2年分たまると、偏りを数字で示せるようになります。ある世帯は2年で5回、別の世帯は1回。この差が見えると、議論が具体的になります。感覚で「あの家はやっていない」と言うのと、記録を示すのとでは、話の進み方がまったく違います。
履歴は、当番に当たっている世帯の負担を減らす方向にも使えます。前年に重い当番を担当した世帯を、翌年は軽い当番に回す。連続して当たらないよう調整する。こうした配慮は、履歴がなければできません。
記録の置き場所は、担当者の個人的なノートではなく、会として持つ場所にします。当番の担当は1年で交代することが多いので、個人の手元にある記録は引き継がれません。メンバー以外は見られない形で会員が確認できる場所に置ければ、担当者に問い合わせる手間も減ります。
回ってくる周期を、数字で出しておく
当番表を作るとき、割り振りの前に計算しておきたい数字があります。何年に1回回ってくるか、という周期です。
計算は単純です。年間の当番の回数を、その当番を担当する世帯の数で割ります。年間52回のごみ集積所の清掃を20世帯で回すなら、1世帯あたり年2.6回です。年4回の一斉清掃を20世帯で回すなら、5年に1回になります。
この数字を出すと、3つのことが分かります。
1つ目は、負担の実感との差です。「毎年のように回ってくる」と感じている当番が、計算すると3年に1回だった、ということがあります。逆に「たまにしか来ない」と思っていた当番が、実は年3回だったこともあります。感覚と実際がずれている場合、そのずれ自体が不満の原因になっていることがあります。
2つ目は、班によっての差です。同じ当番でも、8世帯の班と30世帯の班では周期が4倍近く違います。この差を数字で示せば、区割りを見直す議論の材料になります。区割りの見直しは大きな作業ですが、当番の周期を均すという明確な目的があれば、役員会で扱いやすくなります。
3つ目は、免除を増やせる余地です。周期が長い当番なら、免除を1世帯増やしても残りへの影響は小さくなります。周期が短い当番では、1世帯の免除がすぐに効いてきます。免除の判断をするとき、この違いを踏まえると議論が具体的になります。
計算の結果は、当番表と一緒に配ります。「この当番はおよそ3年に1回回ってきます」と書いてあるだけで、受け取る側の納得感が変わります。何の説明もなく名前と日付だけが書かれた表は、割り当てられた側にとっては通知でしかありません。
集合住宅と、入れ替わりの多い世帯をどう組み込むか
戸建てだけの区域なら、当番表は世帯の一覧をそのまま使えます。集合住宅を含む区域では、そう単純にいきません。
まず、加入の単位が違うことがあります。集合住宅は建物ごとにまとめて自治会に加入し、代表者が窓口になっている場合があります。この場合、個々の部屋の住民は当番の対象外で、代表者が建物の中で調整することになります。会としては建物を1つの単位として扱えばよいのですが、その中の調整が回っているかどうかは見えません。
次に、入れ替わりの速さがあります。賃貸の物件では、入居から退去までが2年程度のこともあります。当番が3年に1回回ってくる設計だと、一度も当たらないまま退去する世帯が出ます。不公平だという声が出やすい部分です。
対処としては、次のような形が考えられます。
・建物ごとに人数比で当番の回数を割り当て、中の割り振りは代表者に任せる ・入れ替わりの多い世帯には、周期の短い軽い当番を割り当てる ・加入した年度に1回は必ず何かの当番に入るようにする
3つ目は、入居してすぐに当番が回ってくることになるため、抵抗もあります。ただ、最初に一度参加してもらうと、区域の人と顔を合わせる機会になり、その後の連絡も通りやすくなります。導入するなら、作業の内容が簡単なものを選ぶのが前提です。
いずれの方式を取るにしても、集合住宅の代表者との連絡経路を確保しておくことが先決です。ここが電話番号1つしかない状態だと、代表者が代わったときに連絡が途切れます。
当番の内容を説明する紙を用意する
当番表を作る側が見落としがちなのが、初めてその当番に当たる世帯への説明です。表には日付と場所しか書かれていないことが多く、何を持っていけばよいのか、何時までかかるのか、雨のときはどうなるのかが分かりません。
分からないまま当日を迎えると、道具を持たずに来る人が出ます。その場にいる経験者が教えることになり、教える側の負担になります。何年も続くと、経験者だけが実質的に毎回参加する構図になります。
説明として用意しておきたい項目は6つです。
・集合場所と時刻。目印になるものも書く ・所要時間の目安 ・持ち物。会が用意するものと、各自が持参するものを分ける ・作業の内容。手順を3行程度で ・雨天や荒天のときの扱い ・当日の連絡先。誰に聞けばよいか
これを当番の種類ごとに1枚ずつ作ります。一度作れば毎年使えるので、作る手間は初年度だけです。当番表と一緒に配るか、参照できる場所に置いておきます。
説明があるかないかで、当番の重さの感じ方は変わります。何をするか分からない作業に呼び出されるのと、内容と所要時間が分かったうえで参加するのとでは、心理的な負担がまったく違います。担い手が減っている会ほど、この一手間が効きます。
当番表の配り方と、変更が伝わらない問題
当番表を年度の初めに紙で配って終わり、という会は多くあります。この方式には大きな穴が1つあります。予定が変わったときに伝わらないことです。
清掃当番は雨天で延期になります。資源回収は祝日の関係で日程がずれます。祭礼の準備は前日の天候で内容が変わります。年度の初めに配った紙は、こうした変更を反映できません。結果として、変更を知らない世帯が当日の朝に集合場所へ来る、あるいは知らずに欠席することになります。
紙の回覧で変更を伝えようとすると、間に合いません。回覧板は1軒ずつ順番に回るため、末端に届くまでに数日かかります。前日の夕方に決まった延期を、翌朝までに全戸へ届けることは物理的にできません。総務省が市町村向けにまとめた手引きでも、天候により直前に中止や延期となる連絡は紙の回覧では当日に伝えることが難しいと指摘されています。
現実的な対処は3つです。
1つ目は、判断の基準を先に公表することです。「雨が降っている場合は翌週の同時刻に延期」と表に書いておけば、当日の連絡がなくても各世帯が判断できます。連絡が届かなくても機能する仕組みです。
2つ目は、当日の連絡経路を作ることです。ただし全戸に流す必要はありません。その日の当番に当たっている世帯だけに届けば足ります。宛先を絞れば、受け取る側にとっても関係のある連絡だけが来るので、通知を切られにくくなります。
3つ目は、表そのものを更新できる形にすることです。紙は配った時点で固定されますが、参照する先が1か所なら、日程が変わったときに更新すれば全員が最新を見られます。この形にすると、年度の途中で当番を交代した場合の反映も同じ仕組みでできます。
交代を頼むときの手順と文面
当番に出られないとき、どうやって交代を頼むかを決めていない会は多くあります。決まっていないと、当事者が個別に電話をかけて回ることになり、その負担で当番そのものが嫌われます。
手順として決めておくとよいのは次の3段階です。
第1段階は、同じ班の中で相手を探すことです。当事者が自分で頼みます。班の中の連絡先が分かっていないとできないので、班ごとの連絡の経路は用意しておきます。
第2段階は、班長に相談することです。相手が見つからない場合、班長が班の中で調整します。班長が探しても見つからない場合は次へ進みます。
第3段階は、役員会または担当役員が扱うことです。他の班から応援を出す、その回だけ当番を欠員のまま実施する、日程を変える、といった判断をします。
この3段階を決めておく目的は、当事者が抱え込まないようにすることです。決まっていないと、見つからないまま当日を迎え、無断欠席の形になります。無断欠席が続くと、その世帯への風当たりが強くなります。段階を決めておけば、早い時点で相談が上がってきます。
頼むときの文面は、短くて具体的なほうが受けてもらいやすくなります。入れる項目は4つです。
・いつの当番か。日付と時刻 ・何をするのか。作業の内容と、おおよその所要時間 ・なぜ代わってほしいのか。詳しく書く必要はない ・代わりに引き受けられる日があるか
4つ目を入れると、頼まれた側は交換として受け取れます。一方的な依頼より格段に受けてもらいやすくなります。逆に、作業の内容と所要時間が書かれていない依頼は、どれくらいの負担か分からないので断られやすくなります。
当番の前日に、一言入れるかどうか
当番の当日に人が集まらない原因の多くは、拒否ではなく失念です。年度の初めに配られた表を、半年後まで覚えている人はほとんどいません。
前日か数日前に一言連絡を入れるだけで、参加率は目に見えて変わります。入れる内容は3行で足ります。当番の日と時刻、集合場所、持ち物。長い文にすると読まれません。
連絡を誰が出すかは、決めておく必要があります。班長が毎回出すと、班長の負担が年間で相当な回数になります。当番の担当役員がまとめて出す、あるいは決まった日時に自動で出る形にできれば、誰かが覚えておく必要がなくなります。
出す先も絞ります。全戸に向けて「今週末は清掃当番です」と流しても、当たっていない世帯にとっては関係のない連絡です。関係のない連絡が続くと通知を切られ、本当に伝えたい連絡も届かなくなります。その回の当番に当たっている世帯だけに届く形にしておくと、受け取る側にとっても意味のある連絡だけが来ることになります。
前日の連絡と、雨天延期の連絡は、同じ経路で出せると管理が楽になります。前日に「明日は予定どおり実施します」と出し、朝に天候が崩れたら同じ相手に「延期します」と出す。相手が同じなので、宛先を作り直す必要がありません。
出られなかったときの扱いを決めておく
交代の相手が見つからず、結果として当番に出られなかった場合の扱いも決めておきます。ここが曖昧だと、真面目に出ている世帯の不満が溜まります。
考えられる扱いは3つです。
1つ目は、次の機会に振り替えることです。今回出られなかった分を、次の回に担当します。公平ですが、管理が煩雑になります。誰が何回分の未実施を抱えているかを記録しないと運用できません。
2つ目は、金銭の負担を求めることです。1回あたりの金額を決めておきます。運用は簡単ですが、免除の項でも触れたとおり、金銭で済ませられる仕組みには賛否があります。導入するなら総会で説明して合意を得ておくべき事項です。
3つ目は、何も求めないことです。出られないこともあると割り切ります。担い手が減っている会では、この扱いが最も現実的な場合があります。ただし、出た人と出なかった人の差を記録には残しておきます。記録があれば、翌年の割り振りで調整できます。
どれを選ぶにせよ、決めたことを文書にして全戸に知らせます。知らせていない決まりは、適用しようとした時点で「聞いていない」と言われます。
次の年の担当者が、同じ苦労をしないために
当番表を作る役は、多くの会で1年交代です。今年うまく作れても、来年の担当者がゼロから始めるなら、会としての改善にはなりません。
加えて、その年に出た苦情や要望も残しておくと役に立ちます。集合時刻が早すぎるという声、道具が足りなかったという指摘、特定の場所の作業が重すぎるという申し出。こうした声は毎年似た内容が出ますが、記録がないと毎年ゼロから対応することになります。年度末に3行でも書き残しておけば、次の担当者は同じ指摘を受ける前に手を打てます。
引き継ぐべきものは3つあります。割り振りの方式を書いた文書、免除の基準と適用の記録、そして実施の履歴です。この3つが揃っていれば、翌年の担当者は前年の表を写すのではなく、記録を見て組み直せます。
自治会や町内会での情報の置き方と、役員だけが見られる範囲の分け方は町内会での使われかたに画面の流れをまとめてあります。当番表と連絡と履歴を同じ場所に置くと、日程が変わったときの反映が1回で済みます。
いま使っている連絡の手段で当番表を扱おうとすると、どこで詰まるかを知っておくと判断が早くなります。話題ごとに部屋を分けられる仕組みは当番の連絡と日常の連絡を分けやすい一方で、参加のための入り口が分かりにくいという性質があります。この点はDiscordとの比較に整理しました。投稿が時系列で流れていく仕組みでは、当番表のような常に参照するものを置きにくくなります。その違いはFacebookグループとの比較にまとめています。
運用を始めるときによく出る疑問はよくある質問にまとめてあります。当番表の作り替えは、役員会の議題としては地味ですが、担い手が減っている会ほど効きます。割り振りの公平さを主張するのではなく、履歴という共通の材料を用意することから始めるのが、遠回りに見えていちばん早い進め方です。
Q1. 当番の割り振りは、どの方式が公平ですか?
方式そのものより、選んだ方式を文書にして毎年同じやり方で運用することのほうが効きます。世帯番号順の輪番は分かりやすく、くじは納得を得やすく、立候補との併用は行事の準備に向きます。当番の種類ごとに方式を変えてもかまいませんが、1つの世帯に複数の当番が重ならないよう横断して確認する仕組みが必要です。
Q2. 免除する世帯が増えて、残った世帯の負担が重くなっています。
免除の基準が明文化されていないと歯止めがなくなります。事由、期間、申し出の窓口、判断する場の4つを決め、判断は班長ではなく役員会が行う形にしてください。あわせて、免除によって上乗せされた分が誰に乗っているかを記録で見える形にすると、担っている側の納得が得やすくなります。
Q3. 雨天延期の連絡が当番の世帯に届きません。
紙の回覧は末端まで数日かかるため、前日や当日の変更には間に合いません。判断の基準を当番表に先に書いておく方法、その日の当番に当たっている世帯だけに連絡する方法、当番表そのものを更新できる形にする方法の3つを組み合わせるのが現実的です。全戸に流す必要はありません。
Q4. 当番に出られなかった世帯への対応はどうすべきですか?
次の機会に振り替える、金銭の負担を求める、何も求めないの3通りがあります。担い手が減っている会では3つ目が現実的な場合もありますが、その場合も実施の履歴には残しておき、翌年の割り振りで調整します。どの扱いを選ぶにせよ、決めた内容を文書にして全戸に知らせておくことが前提です。