子ども会のアンケートは、意見を聞くための調査であることより、数を確定させるための作業であることのほうが多くなります。参加する子どもが何人で、付き添いの大人が何人か。この数が決まらないと、弁当も景品もバスの座席も発注できません。この記事では、種類ごとに設計を分ける考え方、発注日から逆算した締め切りの置き方、未回答の家庭の扱い、そして毎年同じ調査を軽く回すための手順を順に示します。
子ども会のアンケートは、数を確定させるための道具
自治会やPTAで行う調査の多くは、意見や希望を集めるものです。集計して傾向が分かれば目的を果たします。子ども会は違います。回答が1件足りないだけで、当日に配るものが1つ足りません。
夏祭りのかき氷を40人分用意する予定が、当日に45人来れば5人が受け取れません。逆に多く作れば、材料費が余分にかかります。バスを借りる行事では、座席の数が回答の数で決まります。記念品は、発注してから届くまでに時間がかかります。
つまり、子ども会のアンケートは調査というより発注のための手続きです。回収率が70%でも傾向は読めますが、発注はできません。ここが、意見を集める調査との決定的な違いです。
この性質を理解しておくと、設問の作り方も締め切りの置き方も変わります。全員から返事をもらうことが目的なので、答えやすさが最優先になります。設問を増やして詳しく聞くより、1問でも減らして全世帯から返ってくるほうが価値があります。
もう1つ、この性質から導かれることがあります。回答は記名でなければ意味がない、ということです。誰が何人で参加するかを知りたいのですから、匿名にはできません。匿名の調査に慣れている人ほど、ここで設計を間違えます。
4つの種類を、混ぜずに分ける
子ども会で行う調査は、実際には4つの種類に分かれます。目的が違うので、様式も締め切りも別にします。
・行事の出欠と人数を確定させるもの。発注に直結する ・役員や当番の希望を集めるもの。人選に使う ・活動の内容を見直すもの。意見を集める ・子ども本人に聞くもの。次の行事の企画に使う
この4つを1枚の紙にまとめている会があります。年度の初めに「今年の行事の参加予定」「役員の希望」「活動へのご意見」をまとめて聞く形です。手間は減りますが、うまく機能しません。行事の参加予定を半年先まで書けと言われても書けませんし、意見の欄は空欄のまま戻ってきます。
分ける基準は、答えるときに必要な情報が手元にあるかどうかです。来週の行事の出欠は答えられます。半年先の予定は答えられません。役員の希望は、役職の中身が分かっていれば答えられます。活動への意見は、その活動を経験した直後なら書けますが、年度の初めには何も浮かびません。
聞くタイミングを、答えられる時期に合わせます。行事の出欠は行事ごとに、役員の希望は年度の後半に、活動の意見は行事の直後に。この配置にすると、1回の設問数が減り、回収率が上がります。
出欠は、子どもと大人を分けて数える
行事の出欠を聞くときに、最も間違えやすいのがここです。「参加しますか」という設問だけでは、必要な数が出ません。
子ども会の行事では、少なくとも次の数を分けて把握する必要があります。
・参加する子どもの人数と、その学年 ・付き添う保護者の人数 ・きょうだいで会員でない子ども(未就学児など)の同伴の有無 ・当日の手伝いに入れる大人の人数
学年を聞くのは、景品や配布物を学年で分ける行事があるためです。付き添いの大人を数えるのは、弁当や飲み物の数に直結し、バスなら座席の数にもなります。会員でないきょうだいの同伴は、当日に「下の子も来てしまった」という形で現れ、用意していない分が必要になります。手伝いに入れる大人は、当日の配置を組む材料になります。
これを1つの設問で聞こうとすると、「参加人数」という欄に世帯ごとの合計が書かれて戻ってきます。合計だけでは、子どもが何人で大人が何人か分かりません。欄を分けて、それぞれに数字を書いてもらう形にします。
さらに、同伴の可否は事前に方針を決めておきます。会員でないきょうだいを受け入れるのか、受け入れるなら費用をどうするのか。決めていないと、設問に書けません。書いていない項目は、当日に現場で判断することになります。
締め切りは、業者への発注日から逆算する
締め切りを「行事の1週間前」と決めている会が多いのですが、この決め方には根拠がありません。締め切りを決めるのは、発注の期限です。
弁当なら、業者の受付は前日から3日前まで。貸切バスは、車種の確保があるため2週間以上前に台数を決める必要があります。記念品や名入れのある品物は、注文から到着まで2週間かかることがあります。かき氷のシロップや駄菓子は当日でも買えますが、まとめ買いする店の在庫の都合があります。
行事ごとに、いちばん早い発注期限を調べます。その日から、集計に要する時間と、未回答の家庭へ確認する時間を引いた日が締め切りです。集計に2日、確認に3日かかるなら、発注期限の5日前が締め切りになります。
この計算をしておくと、締め切りに根拠が生まれます。案内に「バスの手配のため、この日までにお願いします」と書けるようになり、遅れる家庭が減ります。理由の書かれていない締め切りは、守る必要がないものとして扱われます。
複数の発注がある行事では、締め切りを2つに分けることもできます。バスの台数だけを先に確定させ、弁当の数は後から確定させる形です。全部を1つの締め切りに寄せると、いちばん早い期限に全員が引きずられます。
未回答を、不参加とみなすかどうか
回答が全世帯から返ってくることは、まずありません。ここで決めておく必要があるのが、返事のない家庭をどう数えるかです。
方針は2つに分かれます。「回答がない場合は不参加として扱う」と先に宣言する方法と、締め切り後に個別に確認する方法です。
前者は、集計する側の負担が小さく、締め切りを守る動機にもなります。ただし、案内そのものが届いていなかった家庭も不参加になります。回覧が滞留した、紙が子どものランドセルから出てこなかった、といった理由で参加できなかった家庭が出ると、翌年の入会に影響します。
後者は確実ですが、確認の作業が発生します。30世帯のうち8世帯から返事がない場合、8軒に連絡することになります。班長に振り分けると、班長の負担が締め切り前に集中します。
現実的なのは、両方を組み合わせる形です。案内に「回答がない場合は不参加として集計します」と書いたうえで、締め切りの2日前に未回答の家庭へまとめて一言だけ知らせます。全世帯への一斉の呼びかけではなく、返事がまだの家庭にだけ届く形にすると、すでに答えた家庭を煩わせません。
未回答の家庭がどこか分かる状態になっているかが、この運用の前提です。紙で集めていると、誰から返ってきたかを一覧にする作業が別に発生します。返事が集まる場所と名簿が同じところにあれば、この一覧を作る手間がなくなります。
匿名にできない調査が多い
意見を集める調査では、匿名にすると本音が出るとされています。子ども会の調査は、その原則をそのまま当てはめられません。
出欠と人数の調査は、誰が何人かを知る必要があるため記名です。役員や当番の希望も、人選に使う以上は記名です。アレルギーの確認は、当日にその子どもを特定できなければ意味がありません。匿名にできるのは、活動の内容を見直す調査だけです。
問題は、記名の調査に意見の欄を混ぜたときに起きます。名前を書いた紙に「今の行事についてご意見があればお書きください」という欄があると、ほとんど書かれません。書けば誰が書いたか分かるからです。特に、負担が重い、行事を減らしてほしいといった内容は、記名では出てきません。
したがって、意見を聞く調査は独立させ、そこだけ匿名にします。しかも、回答を集める窓口を役員以外に置くか、集計を1人がまとめて役員会に出す形にします。班長を経由して集めると、班長には誰が何を書いたか分かってしまいます。
匿名の調査を行うときは、そのことを明記します。「この調査は集計のみを行い、個別の回答は役員会にも出しません」と書かれていれば、書かれる内容が変わります。書いていないと、匿名の様式でも記名と同じ扱いを受けます。
アレルギーと食べられないものを、どこで聞くか
飲食のある行事では、アレルギーの確認が欠かせません。ここは、行事ごとに聞くか、入会のときに聞いた内容を使うかで扱いが分かれます。
前提として、食物アレルギーは体調や年齢で変わります。国の説明では、その仕組みが次のように示されています。
食物アレルギーとは、食物を摂取した際、身体が食物に含まれるたんぱく質等(アレルゲン)を異物として認識し、自分の体を過剰に防御することで不利益な症状を起こすことをいいます。 出典: caa.go.jp
年度の初めに聞いた内容が、年度の途中で変わることがあります。除去が解除される子どももいれば、新しく診断される子どももいます。したがって、飲食を伴う行事では、その都度確認するのが基本になります。
ただし、毎回ゼロから書かせる必要はありません。出欠の設問の中に「前回お知らせいただいた内容から変更はありますか」という1問を置き、変更がある場合だけ詳しく書いてもらう形にします。これなら該当のない家庭は1つ選ぶだけで済みます。
聞いた内容の扱いも決めておきます。全世帯に配る名簿には載せません。当日の飲食を担当する人にだけ、その行事に必要な範囲を伝えます。行事が終わったら、担当者の手元の控えは処分します。この流れを役員の間で決めておくと、毎回の判断が要りません。
なお、市販の菓子を配る行事では、包装に表示されている原材料をそのまま伝えるほうが確実です。会の側が「これは大丈夫」と判断すると、責任の所在が曖昧になります。表示を見て判断するのは保護者、という形にしておきます。
きょうだいがいる世帯の答え方を、様式で吸収する
子ども会は、1世帯に複数の会員がいることが普通にあります。ここを様式が想定していないと、回答が崩れます。
紙の様式でよくあるのが、「お子さまのお名前」と「学年」の欄が1つずつしかない形です。2人いる世帯は、余白に書き足すか、2枚に分けて書きます。集計する側は、この2種類の書かれ方を同じ表に落とすことになります。
避けるには、様式に最初から複数行を用意します。3行あれば大半の世帯は足ります。それ以上の世帯には、行を足せる形にしておきます。行ごとに「氏名」「学年」「参加するかどうか」を書く形にすれば、集計はそのまま人数になります。
もう1つ、きょうだいで参加の可否が分かれる場合の書き方も想定します。上の子は参加、下の子は習い事で不参加、という回答は珍しくありません。世帯単位で「参加する」「参加しない」の2択にすると、この回答が書けません。行ごとに可否を選ぶ形にしておきます。
未就学のきょうだいの同伴も、行を分けて書いてもらいます。会員ではないので人数には入りませんが、当日の会場にいる人数としては数えます。安全の配置を組むときに、この数が要ります。
子どもに紙を持たせると、なぜ戻ってこないか
子ども会の調査は、子どもを経由して家庭に届くことがあります。行事の場で配る、班長が子どもに渡す、といった形です。この経路は、回収率が大きく下がります。
理由は単純で、紙がランドセルの中で滞留するためです。学校の配布物と混ざり、保護者が見る頃には締め切りを過ぎています。低学年ほどこの傾向が強く、渡した紙が数週間後に折れた状態で出てくることがあります。
回収も同じです。保護者が記入した紙を子どもに持たせると、班長のところまで届く確率がさらに下がります。届かなかった家庭は、記入したのに参加できなかったという結果になり、いちばん不満が残る形になります。
対策は2つです。1つは、子どもを経由しない経路を保護者向けに用意することです。保護者が直接返せる形にすれば、ランドセルを経由しません。もう1つは、子どもに持たせる紙を「知らせるだけのもの」に限ることです。返事の要らない紙なら、滞留しても致命的になりません。
行事の当日に紙を配る場合も、返事が要るものは避けます。当日の帰り道に配られた紙は、その日のうちに保護者の目に触れる保証がありません。
設問の作り方で、返ってくる速さが変わる
設問の数と形式は、回収率に直接効きます。子ども会の調査は返事の速さが命なので、ここに手間をかける価値があります。
まず、選択肢で答えられるものは自由記述にしません。「ご都合をお書きください」ではなく、候補の日を並べて選んでもらいます。書く手間が減るほど、返事は速くなります。
次に、必須の設問と任意の設問を分けます。人数と氏名は必須、意見や要望は任意。全部が必須になっていると、書けない項目が1つあるだけで手が止まります。
設問の順番も効きます。答えやすいものを先に置き、考える必要があるものを後ろに置きます。最初の設問が「今年度の活動についてどう思いますか」だと、そこで止まります。「参加する子どもの人数」から始めれば、手が動きます。
自由記述の欄は、1つの調査に1つまでにします。複数あると、どれも空欄で戻ってきます。置くなら最後に1つ、何を書いてほしいかを具体的に示します。「行事についてご意見があれば」より、「次回の行事で変えたほうがよいと思う点があれば」のほうが書かれます。
設問の総数は、出欠の調査なら5問以内が現実的です。それ以上になるときは、聞きたいことが混ざっている合図です。
締め切りの置き方と、催促の回数
締め切りの日は、曜日で選びます。日曜の夜を締め切りにすると、週末に確認する家庭が間に合います。金曜を締め切りにすると、平日に見られなかった家庭が落ちます。
案内を出すタイミングも決めます。締め切りの2週間前に出し、1週間前と2日前に一言だけ知らせる形が、負担と効果の釣り合いが取れます。案内を出す回数が多いと、内容そのものが読まれなくなります。
催促は、全員に向けて出すか、未回答の家庭にだけ出すかで受け取られ方が変わります。全員に「まだ回答されていない方はお早めに」と出すと、すでに答えた家庭も自分のことかと思って確認します。返事がまだの家庭にだけ届く形にできるなら、そのほうが摩擦がありません。
締め切りを過ぎてから催促するのは、なるべく避けます。締め切りが動くという前提ができると、翌回から誰も期日を守らなくなります。どうしても人数が足りない場合は、締め切りを延ばすのではなく、確定した人数で発注して、後から来た回答は別扱いにします。
締め切り後に来た回答を、どう扱うか
必ず来ます。ここに方針がないと、毎回その場で判断することになり、判断した人が責められます。
決めておく項目は3つです。締め切り後の参加を受け入れるかどうか、受け入れる場合に配布物がない扱いをどうするか、キャンセルの申し出をいつまで受けるかです。
実務では、参加そのものは受け入れつつ、発注済みの配布物は保証しない形が多く取られています。「弁当の手配は締め切り済みのため、お弁当をご持参ください」という扱いです。この一文を案内に先に書いておけば、当日に説明する必要がありません。
キャンセルも同じです。弁当やバスは、キャンセルしても費用が発生します。参加費を集めている行事なら、いつ以降のキャンセルは返金しないかを先に書きます。書いていないと、行事のあとに返金の相談が来て、会計が判断を迫られます。
この方針は、行事ごとに変える必要はありません。会として一度決めて、案内の定型文に組み込みます。毎回同じ文言が入っていれば、家庭の側も見慣れて、締め切りの重さが伝わります。
役員と当番の希望調査は、別の設計にする
出欠の調査と同じ様式で役員の希望を聞くと、ほとんど返ってきません。答えるために必要な情報が違うためです。
役員の希望を書いてもらうには、まず役職の中身が伝わっている必要があります。会長が何をするのか、会計が年に何回動くのか、行事の担当がどれだけ拘束されるのか。これを時間で書いた紙を先に配ってから聞きます。中身が分からないまま「希望する役職に丸を付けてください」と言われても、誰も丸を付けません。
次に、できない事情を書く欄を設けるかどうかです。設けると、断る理由を書く場になり、集計が「できない理由の一覧」になります。設けないと、事情のある家庭が申し出る先を失います。折衷として、「今年度は引き受けが難しい事情がある場合、その旨だけをお知らせください」という選択肢を1つ置き、理由は書かせない形にします。
そして、回答は役員会だけが見る形にします。誰が何を希望したか、誰ができないと答えたかが班の中に伝わると、翌年から誰も正直に書かなくなります。
当番の希望も同じです。可能な曜日や時間帯を選んでもらう形にして、できない理由は聞きません。選択肢で答えられるようにすると、回収率がはっきり変わります。
子ども本人に聞くアンケートを、どう扱うか
子ども会は子どもが主体の団体とされていますが、調査はほぼ保護者に対して行われています。子ども本人に聞く調査を年に1回置くと、行事の見直しの材料になります。
聞き方は簡単なほうが集まります。行事の直後に、その場で3問だけ答えてもらう形です。楽しかったか、また参加したいか、次にやってみたいことは何か。低学年でも答えられる形式にします。
集めた回答の扱いには注意が要ります。子どもが書いた「やってみたい」をそのまま行事にすると、費用も手間も合わないことがあります。かといって、聞いておいて何も反映しないと、次の年から答えてくれません。
現実的なのは、いくつかの候補に絞ったうえで選んでもらう形です。会として実施できる範囲の案を3つほど示し、その中から選んでもらいます。選んだ結果は、次の行事の案内で「昨年のアンケートで多かった内容です」と伝えます。反映されたことが分かれば、次も答えます。
保護者向けの調査と混ぜないことも大切です。子どもが書いた紙を保護者が見て書き直す、という事態が起きます。行事の場で回収するか、封をして提出する形にします。
集計を返さないと、翌年は返ってこない
調査を出しっぱなしにしている会は、年を追うごとに回収率が下がります。答えた側に、答えた結果がどうなったかが伝わらないためです。
返す内容は、細かくなくて構いません。回答があった世帯数、集計の結果、それを受けて何を決めたか。この3点を数行で伝えるだけで足ります。行事の出欠なら「参加は子ども32名、保護者18名で確定しました」という一文が入るだけで、自分の回答が数に入ったことが分かります。
意見を集めた調査は、返し方に工夫が要ります。出た意見をすべて載せると、書いた人が特定されることがあります。傾向としてまとめ、そのうち何を実施するか、何を見送るかを示します。見送るものについては、理由を1行添えます。理由のない見送りは、意見を出す気を削ぎます。
返すタイミングは、締め切りから2週間以内が目安です。次の行事の案内と一緒に出せば、追加の手間はほとんどかかりません。年度末にまとめて返すと、答えたときの記憶が消えています。
毎年繰り返す調査は、様式ごと残す
子ども会の行事は、年ごとの入れ替わりが小さい団体です。夏祭り、資源回収、クリスマス会、卒業を祝う会。毎年ほぼ同じ行事を、担当だけ替えて実施します。にもかかわらず、調査の様式は毎年作り直されています。
作り直される理由は、前年の様式がどこにあるか分からないからです。担当が変わると、前年の担当の端末にあった様式は引き継がれません。結果として、毎年ゼロから設問を考え、毎年どこかの項目を落とします。
残しておく価値があるのは、様式そのものだけではありません。前年の回答の分布、集計にかかった時間、締め切りに間に合わなかった世帯数、そして当日に数が合わなかったかどうか。この4つが残っていれば、翌年の担当は同じ失敗を避けられます。
たとえば、前年に付き添いの大人の人数を聞き忘れて弁当が5食足りなかったという記録があれば、翌年は必ず欄を設けます。記録がなければ、同じことが起きます。実際、同じ行事で同じ失敗が数年ごとに繰り返されている会は珍しくありません。
残す場所は、担当者の端末ではないところにします。行事ごとに、案内、調査の様式、集計の結果、当日のふり返りを1組にして置いておく形です。翌年の担当は、そこを開いて日付だけを直せば済みます。設問を考える時間がなくなるだけで、調査の負担は大きく変わります。
調査の結果を、翌年の予算に結びつける
出欠の調査は当日の発注に使って終わり、という会が多いのですが、集めた数字は翌年の予算を組む材料にもなります。
行事ごとの参加率を数年分並べると、規模を見直す根拠になります。参加が3年続けて半数を切っている行事は、内容か日程のどちらかが合っていません。参加率が高いのに満足度が低い行事もあります。両方を並べると、続ける行事と見直す行事の判断がつきます。
付き添いの大人の人数も、記録として価値があります。子どもの参加は多いのに大人が来ない行事は、当日の人手が足りず役員の負担が大きくなっています。人手が足りない行事に予算をかけると、翌年の役員が引き受けなくなります。
こうした数字は、総会で議案を出すときの裏づけになります。行事を減らす提案は、感覚で言うと反対されますが、参加率の推移を並べて示すと通ります。調査を発注のためだけに使うのは、集めた数字の半分を捨てているのと同じです。
集める場所と名簿を、同じところに置く
調査の運用でいちばん時間を食っているのは、設問を作る時間でも集計する時間でもありません。誰から返ってきていないかを突き合わせる時間です。
紙で集めると、返ってきた紙の束と会員の名簿を照合する作業が発生します。30世帯でも30分はかかり、班をまたぐと集める側が二重に確認します。しかも、この作業は締め切りの直前という最も忙しい時期に発生します。
返事が集まる場所と名簿が同じところにあれば、この照合は要りません。未回答の家庭が一覧になり、その家庭にだけ知らせる操作もそのままできます。集計も、人数の合計が自動で出ます。
選ぶときの検討材料として、メッセージアプリのグループで出欠を取ると何が起きるかはLINEグループとの比較に整理されています。やり取りの中に返事が埋もれて数え漏れが出る点は、多くの会が最初にぶつかるところです。参加者の入れ替わりが多い集まりでの扱いはBANDとの比較に、公開の場に置いた場合の違いはLINEオープンチャットとの比較にあります。人数とアレルギーを扱う以上、メンバー以外は見られない状態を保てることが前提になります。
出欠を毎回取る構造を持つ団体の運び方はサークルでの使われかたが近く、学年ごとに配る内容が変わる場面は学校での使われかたに載っています。保護者を単位にした会での回し方はPTAでの使われかたを参照できます。細かい仕様はよくある質問にありますが、選ぶときに見るべき点は1つに絞れます。締め切りの前日に、誰から返事が来ていないかを一覧で出せるかどうかです。子ども会の調査は、そこができれば大半の手間が消えます。
Q1. 子ども会のアンケートの締め切りは、どのくらい前に置くのがよいですか?
行事の何日前かではなく、発注の期限から逆算します。貸切バスは2週間以上前に台数を決める必要があり、名入れの記念品も2週間ほどかかります。いちばん早い発注期限から、集計に要する日数と未回答の家庭へ確認する日数を引いた日が締め切りです。理由を案内に書くと、遅れる家庭が減ります。
Q2. 出欠の設問は「参加人数」を1つ聞けば足りますか?
足りません。参加する子どもの人数と学年、付き添う保護者の人数、会員でないきょうだいの同伴の有無を分けて聞きます。合計だけでは弁当の数もバスの座席も決まらず、学年別に配る景品の数も出せません。欄を分けて、それぞれに数字を書いてもらう形にします。
Q3. アレルギーは行事のたびに聞き直すべきですか?
飲食を伴う行事では、その都度確認するのが基本です。除去が解除される子どもも、新しく診断される子どももいるためです。ただし毎回ゼロから書かせる必要はなく、「前回お知らせいただいた内容から変更はありますか」という1問を置き、変更がある場合だけ詳しく書いてもらう形にすると負担が軽くなります。
Q4. 締め切りを過ぎてから参加の申し出があった場合、どうすればよいですか?
参加そのものは受け入れつつ、発注済みの配布物は保証しない形が扱いやすくなります。「お弁当の手配は締め切り済みのためご持参ください」という一文を案内に先に書いておけば、当日に説明する必要がありません。締め切りを延ばすと、次回から期日が守られなくなります。