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マンションの管理組合の日程調整をどう進めるか|候補を出す順番と、決め方

2026年9月13日 ・ Tsudoo編集部

マンションの管理組合で日程調整が苦しいと感じているなら、調整の腕前の問題ではない可能性が高いです。管理組合の予定は、その多くが会計年度と規約の期限から逆算して自動的に決まります。自由に動かせる余地があるのは一部だけで、そこを見誤ると、動かせないものを動かそうとして時間だけが溶けます。この記事では、動かせる予定と動かせない予定を切り分けたうえで、候補の出し方、参加者の前提、決まらないときの締め方を整理します。

動かせない予定と、動かせる予定を分ける

管理組合の年間の予定は、性質が3つに分かれます。

1つ目は、規約と会計年度で位置が決まっている予定です。通常総会がこれにあたります。標準管理規約では、通常総会の招集について、新しい会計年度が始まってから2か月以内という上限が理事長に課されています。会計年度が定まっている以上、開催できる期間はその2か月の幅しかありません。招集通知も、少なくとも会議を開く日の2週間前までに発する必要があります。動かせる余地は、その2か月の中でどの週にするかだけです。年間の予定を組むときは、この予定を最初に置いてから、他をその周りに配置していくことになります。

2つ目は、頻度だけが決まっていて日は自由な予定です。理事会がこれにあたります。月1回と決めていても、第何週の何曜日にするかは組合が決められます。ここが本当の意味での日程調整の対象です。

3つ目は、外部の都合が入る予定です。大規模修繕の工事、点検、防災訓練、説明会。相手方の空きに合わせる必要があり、こちらの都合だけでは決まりません。

日程調整で消耗している組合は、たいてい2つ目と3つ目を混ぜています。理事会の日を決めるつもりで話し始めたのに、工事業者の都合の話になり、結論が出ないまま終わる。議題として分けてください。1つ目は逆算するだけ、2つ目は年度の頭に固定、3つ目だけを都度調整する。この整理で、調整の回数が大幅に減ります。

年度の頭に、1年分の理事会の日を固定してしまう

理事会の日程調整が毎月発生している組合は、それだけで年に12回の調整を抱えています。1回の調整に往復で3日かかるとすれば、年間36日を日程の相談に使っている計算です。

これを消す方法は単純で、年度の最初の理事会で1年分の日を決めてしまうことです。第2土曜日の午前10時、と決めればそれで終わります。決めた日をカレンダーに落として、全員に配ります。

固定に反対が出るときの理由は、だいたい「その日は都合が悪い人が出る」というものです。しかし理事会の成立要件は全員出席ではありません。標準管理規約は、理事会の会議は理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決すると定めています。半数を確保できればよいので、毎回全員の都合を合わせる必要はありません。

もう1つの反対理由は、「議題がない月に集まるのは無駄」というものです。これは正しい指摘なので、固定した日を中止できるルールを同時に作ります。開催の1週間前までに議題が集まらなければ中止する、と決めておけば、無駄な招集は起きません。中止の判断は理事長が行い、決まった時点で全員に知らせます。ゼロから日を決めるより、決まった日を中止するほうがはるかに手間が少ないという性質を使っています。

曜日と時間帯の前提を、思い込みで決めない

理事会の日を固定するとき、何曜日の何時にするかで参加率が変わります。ここは組合の住民構成によって答えが違い、他所の正解が自分の組合の正解になりません。

在宅で働く人が増えた組合では、平日の夜より平日の日中のほうが集まることがあります。共働きが多い組合では、土曜の午前が最も欠席が少ないという結果になりがちです。高齢の区分所有者が多い組合では、夜間の外出を避けたいという理由で日中が選ばれます。

決め方としては、思い込みで決めずに1度だけ全戸に聞くのが確実です。聞く項目は3つで足ります。平日の夜、土曜の午前、日曜の午後のうち出席しやすいのはどれか。出席が難しい曜日はあるか。オンラインで参加できる環境があるか。この3問なら回答率が高く、集計も簡単です。

聞いたあとに大事なのは、多数派に合わせて決めたら、その理由を記録に残すことです。翌年の理事会が「なぜこの曜日なのか」を知らないまま変えてしまうと、また同じ調整が発生します。議事録に1行、決めた根拠を書いておいてください。

なお、時間帯を決めるときに見落とされやすいのが、管理員の勤務時間です。管理員室の鍵や集会室の利用が管理員の勤務時間に紐づいている組合では、その外の時間に開催すると準備の負担が理事に移ります。集会室の利用手続を先に確認してから、時間帯を決めてください。

管理会社の担当者の都合が、実は最大の制約になる

管理を委託している組合では、理事会に管理会社の担当者が同席するのが通例です。この担当者は複数のマンションを掛け持ちしていて、土曜の午前は特に混み合います。

つまり、住民にとって最も都合のよい時間帯と、担当者が空いている時間帯が正面からぶつかることがあります。ここを調整せずに日を決めると、担当者が来られない月が出て、議事が進まなくなります。

現実的な進め方は、年度の頭に管理会社と話して、担当者が確保できる枠を先に押さえることです。担当者の側も、年間の予定が先に決まっているほうが動きやすい。翌年度の担当者が交代する可能性がある場合は、その引き継ぎで年間予定も一緒に渡してもらいます。

担当者が来られない月をどう扱うかも、先に決めておきます。選択肢は3つで、日を動かす、担当者抜きで開催する、その月は中止する。担当者抜きで開催する場合、決議した内容を後日どう伝えるかを決めておかないと、議事録が上がるまでの数週間が空白になります。

委託の内容によっては、理事会の資料作成を管理会社が担っている組合もあります。その場合、資料の準備期間が日程の制約に加わります。開催日の何日前までに議題を確定するのか、その締切が実質的な調整の期限です。

出席の実態を、数字で押さえておく

日程を決める前に知っておくと役に立つ数字があります。全国調査によれば、通常総会への区分所有者の出席割合は、委任状と議決権行使書の提出者を含めると平均88.5%です。ところが、それらを除いた実際の出席割合は平均24.6%まで下がります。総戸数の規模が大きくなるほど低くなり、単棟型が26.0%、団地型が17.5%でした。

つまり、会場に来るのは4戸に1戸です。この数字を知っていると、日程調整の目標が変わります。全員が来られる日を探すのではなく、会場に来る意思がある4分の1の人が来られる日を選べばよい。探索の対象がぐっと狭まります。

理事会のほうは、開催頻度が集計されています。月に1回程度開催しているが35.7%、2か月に1回程度が27.3%です。完成年次が古くなるほど、また総戸数の規模が大きくなるほど、月1回の割合が高くなる傾向があります。単棟型が28.6%、団地型が75.2%と形態による差も大きいです。

この数字から言えるのは、月1回が絶対の標準ではないということです。議題が少ない組合が2か月に1回にすることは、全国的に見ればごく普通の選択です。日程調整の回数そのものを減らしたいなら、頻度を落とすことも選択肢に入ります。ただし頻度を規約で定めている組合では、変更に決議が必要になる場合があるので、規約の書き方を確認してください。

オンラインを混ぜると、調整の余地が広がる

日程が合わない理由の多くは、その時間にその場所へ行けないことです。場所の制約を外せば、合う人が増えます。

標準管理規約は、招集手続の条文でオンライン開催を前提にした書き方をしています。

総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的がマンション再生等に係る決議であるときは2か月前)までに、会議の日時、場所(WEB会議システム等を用いて会議を開催するときは、その開催方法)、目的及び議案の要領を示して、組合員に通知を発しなければならない。 出典: mlit.go.jp

場所を書く欄に、オンラインで開くならその方法を書け、と括弧で指示されている形です。理事会の招集手続もこの条文を準用することになっており、規約の側では既に受け入れる用意ができています。

ところが実態はまだ追いついていません。全国調査では、総会と理事会のどちらにも活用したことがある組合が2.1%、総会のみが1.3%、理事会のみが7.7%、会議では使っていないが打ち合わせ等で活用したことがあるが5.1%でした。総会も理事会も打ち合わせも活用したことがない組合が75.8%を占めます。

実際に活用している組合の開催方法も出ています。理事会でWEB会議システム等を活用している157組合のうち、出席者が対面またはオンラインのどちらかで参加する形が77.1%、出席者全員がオンラインで参加する形が12.1%でした。つまり多数派は、会場に集まる人とオンラインの人が混ざる形です。総会のほうは、活用している54組合のうち、議決権を行使できない傍聴者のみがオンラインで参加する形が42.6%、対面かオンラインのどちらかで参加する形が40.7%となっています。

日程調整の道具として見るなら、まず理事会から混合開催を試すのが実務的です。会場は確保したまま、来られない理事がオンラインで入る。定足数は理事の半数以上なので、オンラインの参加者を出席に数えられるかどうかを規約と細則で確認しておけば、日程が合わないことを理由に流会する月が減ります。

大規模修繕や説明会は、逆算の起点が違う

理事会や総会と違って、工事や説明会の日程は相手の側から決まります。ここは調整の考え方を変えます。

大規模修繕の場合、動かせないのは工事の着工日ではなく、その決議を取る総会の日です。総会で予算と契約を承認しなければ着工できないので、総会の日が上限になります。そこから逆算して、説明会をいつやるか、見積を何社からいつまでに取るか、専門委員会をいつ立ち上げるかが決まります。全国調査では、専門委員会を設置していない組合が52.5%ある一方、設置している組合が挙げた種類は大規模修繕や長期修繕計画に関する委員会が86.7%で圧倒的でした。この種の案件は、通常の理事会とは別の時間軸で動きます。

説明会の日程は、総会の何週間前に置くかで参加率が変わります。総会の直前に置くと、質問が出ても議案を直す時間がありません。総会の1か月以上前に置けば、出た意見を議案に反映できます。反映する気がないなら説明会を開く意味が薄いので、逆算の中に反映の期間を含めてください。

防災訓練の日程は、消防設備の点検や地域の防災の日と重ねると効率がよくなります。全国調査では消防設備等の点検を実施している組合が69.5%ある一方、定期的に防災訓練を実施している組合は39.8%です。点検の機会に合わせて訓練を組めば、業者の立ち会いを1回で済ませられます。

候補日を出す順番と、締めるまでの期限

ここまでで動かせる予定が絞られました。実際に候補を出して決めるときの手順は3段階です。

第1段階は、候補を出す前に制約を集めることです。使えない日をまとめて把握します。集会室が使えない日、管理員が不在の日、地域の大きな行事と重なる日、管理会社の担当者が確保できない日。これを先に消してから候補を作ると、出した候補が後から使えなくなる事故が減ります。

第2段階は、候補を3つに絞って出すことです。5つも10つも出すと、回答する側の負担が増えて回収率が落ちます。3つなら、どれも駄目な人が「全部不可」と答えても情報になります。候補には日付だけでなく、曜日、開始時刻、終了予定時刻、場所を必ず書きます。終了予定時刻がないと、その日の後ろに予定がある人が答えられません。

第3段階は、締切を明示して、締切後に決めることです。締切は候補日の少なくとも3週間前に置きます。理由は、決めたあとに招集通知を出す期間が要るからです。標準管理規約は総会の招集通知を会議を開く日の2週間前までに発するとしており、理事会の招集手続もこれを準用する形になっています。締切と開催日のあいだが2週間を切っていると、通知が間に合いません。

締切までに回答しない人をどう扱うかも先に決めます。無回答は「どの候補でも出席可」と扱う、と宣言しておくのが一般的な運用です。無回答を「不可」と扱うと、いつまでも候補が決まりません。この扱いを最初の案内文に1行書いておけば、あとで文句が出ません。

年間予定表は、決算日を起点に逆向きに並べる

1年分の予定を1枚にまとめるとき、頭から順に埋めていくとうまくいきません。起点を決めて逆向きに並べます。起点は会計年度の末日です。

会計年度が3月末で終わる組合を例にすると、並びはこうなります。まず3月末で会計が締まります。次に、決算書を作る期間が要ります。管理会社に委託していれば数週間、自主管理なら会計担当理事の作業になります。できあがった決算書を監事が監査します。監査が終わったら理事会で議案を確定し、そこから招集通知を作って発送します。通知は総会の2週間前までに発しなければならず、総会は新会計年度開始以後2か月以内、つまり5月末までです。

この鎖をつないでいくと、それぞれの締切が自動的に出ます。総会を5月下旬に置くなら、通知の発送は5月上旬、議案を確定する理事会は4月下旬、監査は4月中旬、決算書の完成は4月上旬。逆算した日付を最初から予定表に書いておけば、その月が来てから慌てることがなくなります。

同じ考え方で、動かせない予定を先に全部置きます。消防設備の点検、貯水槽の清掃、建築設備の定期検査、給排水管の高圧洗浄。委託契約や法定の周期で時期が概ね決まっているものです。これらを置いたあとに、理事会の固定日と行事を重ならないように差し込みます。

予定表の粒度は、月と週まででかまいません。日付まで確定していないものは「11月中旬」と書いておき、確定したら書き足します。作った予定表は年度の頭に全戸へ配り、掲示板にも貼ります。組合員から見ると、いつ何があるかが分かるだけで、総会の議案が突然出てきたという感覚がなくなります。

議題を集める締切が、実は日程調整の本当の起点

会議の日を決めることばかりに意識が向きますが、実務で先に来るのは議題の締切です。議題が決まらなければ、案内文の1行目が書けず、資料も作れません。

そこで、日程の固定と同時に議題の締切も固定します。理事会が第2土曜日なら、議題の締切は前の週の月曜日、というように曜日で決めてしまいます。そこまでに理事長へ届いた議題だけを扱い、締切を過ぎたものは翌月に回す。この運用が定着すると、当日に議題が増えて会議が長引くことがなくなります。

締切を設けると、必ず「急ぎの案件はどうするのか」という質問が出ます。答えは2つ用意しておきます。1つは、緊急を要するものは理事長の判断で議題に追加できるとすること。もう1つは、標準管理規約が定めている書面または電磁的方法による決議の仕組みを使うことです。理事会について、一定の事項は理事の過半数の承諾があるときに書面または電磁的方法による決議によることができるとされています。集まらずに決められる事項があるなら、そのために会議の日を動かす必要はありません。

議題を集める経路も決めておいてください。理事だけが議題を出せるのか、組合員も出せるのか。組合員も出せるようにするなら、どこへ出すのかを掲示しておく必要があります。出す先が理事長の自宅ポストしかない組合では、実質的に誰も出しません。管理員室に受付の箱を置く、掲示板に受付の宛先を常時掲示する、といった形で、出す側が迷わない場所を作ってください。

議題の締切と合わせて決めておきたいのが、資料の配布時期です。当日に紙を配られても、その場で読んで判断はできません。開催の3日前までに議題と資料を配る、と決めておけば、当日の説明時間が短くなり、会議そのものが早く終わります。会議の時間が短くなれば、次の日程を調整するときの心理的な抵抗も下がります。日程調整が苦しい組合ほど、会議が長い傾向があります。

団地型と単棟型で、調整の難しさが違う

同じ管理組合でも、団地型のマンションは日程の設計がひと回り複雑になります。棟ごとの管理と、団地全体の管理が二重になっているからです。

数字にもはっきり出ていて、理事会を月に1回程度開催している割合は、単棟型が28.6%に対して団地型が75.2%です。専門委員会の設置率も、団地型のほうが各分野で高くなる傾向があります。会議の数そのものが多いということです。

団地型で日程を組むときに効くのは、棟の会議と全体の会議の順番を固定することです。棟の会議を先に置いて、そこで出た事項を全体の理事会に上げる。この順番が固定されていれば、どちらを先に開くかの調整が毎回不要になります。間隔は1週間から2週間空けておくと、資料をまとめる時間が取れます。

もう1つ、団地型では総会が2階層になることがあります。棟総会と団地総会です。それぞれに招集通知の期限があるので、逆算の鎖が2本になります。年間予定表を作るときは、この2本を並べて書いてください。1本にまとめると、どちらの期限か分からなくなります。

単棟型でも規模が大きいと似た問題が出ます。全国調査では、総会の実出席率は総戸数の規模が大きくなるほど低くなる傾向があり、単棟型の平均が26.0%、団地型が17.5%でした。規模が大きい組合ほど、日程を工夫しても会場に来る人の割合は上がりにくい。だからこそ、来られない人が意思を示せる手段を日程とセットで用意する必要があります。

決まらない本当の原因は、日程ではないことが多い

候補を出しても決まらない、返事が集まらないという状態が続くときは、日程の問題ではない可能性を疑ってください。原因は3つに集約されます。

1つ目は、その会議に出る意味が伝わっていない場合です。何を決める会なのかが案内に書かれていないと、優先度が上がりません。案内文の1行目に議題を書いてください。「理事会のお知らせ」ではなく「大規模修繕の業者選定について理事会を開きます」と書くだけで、返事の速度が変わります。

2つ目は、案内が届いていない場合です。マンションでは、掲示板を見ない住戸が一定数あります。ポストへの投函は見られますが、他のチラシに紛れます。届いているかどうかを確認できない手段だけで案内していると、返事が来ないのが日程の都合なのか未達なのか区別できません。

3つ目は、返事をする手段が面倒な場合です。用紙に記入して管理員室のポストに入れる、という形は確実ですが、思い立ったその場でできません。手元で完結する手段があるほうが回収率は上がります。

この3つ目を改善するときに検討するのが、連絡の経路の見直しです。管理組合の連絡には住戸番号や氏名が絡むため、誰が見られるかを管理できる場所であること、つまりメンバー以外は見られない状態を保てることが条件になります。身近な道具との違いはLINEグループとの比較に、予定と連絡を1か所で扱う道具との違いはBANDとの比較に、それぞれ機能ごとに並べてあります。

決めた日を、どこに書いて、どう守るか

日程が決まったあとの管理は、決めるまでと同じくらい重要です。決めた日が忘れられると、調整の労力が無駄になります。

書く場所は3か所です。1か所目は招集通知で、これは規約上の義務です。2か所目は掲示板で、日常的に目に入る場所に置きます。3か所目は年間予定表で、これが最も効きます。年度の頭に1年分の理事会と総会と行事の日を並べた1枚を作り、全戸に配ってください。

年間予定表を作ると、副次的な効果があります。他の予定を入れるときの基準になるのです。工事の日程を業者と相談するとき、防災訓練の日を決めるとき、この1枚を見れば重複を避けられます。作っていない組合では、この確認が毎回発生します。

守るための工夫としては、直前の再通知が効きます。開催の3日前に1度、開催時刻と場所と議題だけを短く流す。これだけで欠席が減ります。長い文章は読まれないので、3行以内にしてください。再通知は招集通知の代わりにはならないので、規約上の通知は必ず別に出したうえで、思い出してもらうための補助として使います。

再通知の宛先で見落とされがちなのが、賃貸に出している区分所有者です。総会の議決権は所有している人にあり、そこに住んでいる賃借人にはありません。掲示板とポスティングだけで案内していると、住んでいない区分所有者には何も届いていないことになります。全国調査では、賃貸戸数割合が20%を超えるマンションが15.5%あり、賃貸の多い組合ほどこの穴が大きくなります。届出のあった宛先へ送る経路を、掲示とは別に必ず持ってください。

延期や中止の判断基準も、年度の頭に決めておきます。荒天のとき、定足数に届かないことが事前に分かったとき、議題が集まらないとき。それぞれ誰がいつまでに判断して、どう伝えるか。この手順が決まっていれば、その年の理事長が個別に悩まずに済みます。

引き継ぎで日程の記録が失われる場所

管理組合の日程調整が毎年ゼロからやり直しになる原因は、記録が引き継がれないことです。役員の任期は1年が57.1%、2年が38.1%で、大半の組合が毎年顔ぶれを入れ替えています。

失われやすいのは4つです。年間予定表の原本、曜日と時間帯を決めた根拠、管理会社の担当者と押さえた枠の情報、そして案内の宛先の一覧です。どれも前年の理事長の手元にしかない状態になりがちです。

対策は、原本の置き場所を組合として1つ決めて、年度末に権限ごと移すことです。誰かのパソコンの中ではなく、次の理事が必ずたどり着ける場所に置きます。紙で残すなら管理員室の書庫、電子で残すなら組合として管理している場所です。個人の持ち物と組合の持ち物が混ざっていると、退任した人に連絡を取らないと出せない資料が生まれます。年度末の引き継ぎでは、書類の中身より先に、置き場所と権限が移っているかを確認してください。

とりまとめる立場から見た日程調整の本質は、毎回の調整をうまくやることではなく、調整の回数そのものを減らすことです。逆算で決まるものは逆算し、頻度が決まっているものは年度の頭に固定し、残った少数だけを都度調整する。この形にできれば、日程の話で理事会の時間が消えることはなくなります。他の団体が予定と連絡をどう畳んでいるかは町内会での使われかたPTAでの使われかたに例があり、始める前の疑問はよくある質問にまとめてあります。

Q1. 管理組合の通常総会は、いつ開けばよいですか?

標準管理規約は、理事長が通常総会を毎年1回、新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならないと定めています。会計年度が3月末で終わる組合なら5月末までです。招集通知は会議を開く日の2週間前までに発する必要があるため、議案の内容は遅くともその前に固めておく必要があります。

Q2. 理事会の日程調整を毎月やらずに済ませる方法はありますか?

年度の最初の理事会で1年分の日を固定してしまうのが確実です。理事会は理事の半数以上が出席すれば開けるので、毎回全員の都合を合わせる必要はありません。あわせて、開催の1週間前までに議題が集まらなければ中止する、というルールを同時に決めておけば、議題のない月に無駄な招集をせずに済みます。

Q3. 候補日はいくつ出すのがよいですか?

3つに絞ってください。数が多いほど回答する側の負担が増えて回収率が落ちます。候補には日付だけでなく曜日、開始時刻、終了予定時刻、場所まで書きます。締切は候補日の少なくとも3週間前に置き、締切までに回答がない場合はどの候補でも出席可として扱うと案内文に明記しておくと、決まらないまま止まる事態を避けられます。

Q4. 管理組合の総会や理事会をオンラインで開いてもよいのですか?

標準管理規約は、総会も理事会もWEB会議システム等を用いて開催する会議を含むと明記しており、招集通知にその開催方法を示すことも定められています。ただし全国調査では、総会も理事会も活用したことがない組合が75.8%を占めます。実際に使っている組合では、会場とオンラインが混ざる形が多数派です。

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