出欠とアンケート

LINEの投票の作り方|匿名にできる範囲とできない範囲

2026年9月1日 ・ Tsudoo編集部

「line 投票 作り方」と検索する人のほとんどは、投票の作り方そのものより先に、その後のことで悩んでいます。誰が答えていないのかを把握したい、けれど回答の中身は見えないようにしたい。この2つを同時に満たしたいという相談は、とりまとめる立場の人から繰り返し寄せられます。

先に結論を書きます。LINEの投票で匿名にできるのは「どの選択肢を選んだか」の部分だけです。誰がそのグループにいるか、誰が投票を作ったか、まだ何人が答えていないか。このあたりは匿名設定では隠れませんし、逆に匿名にすると、とりまとめる側から「誰が未回答か」という情報のほうが消えます。ここを知らないまま匿名にしてしまうと、締め切り前に催促する相手が分からなくなって、結局は全員に向けて何度も呼びかける羽目になります。

この記事では、投票を作る手順を最初に押さえたうえで、設定項目それぞれが実務でどう効いてくるか、匿名にできる範囲とできない範囲はどこで線が引かれるか、そして投票を出したあとに誰の仕事が増えるかまでを順に書いていきます。町内会やPTAの事務局からは、この機能をめぐって実際に困ったという話が繰り返し出てきます。そうした場面も交えながら進めます。

LINEの投票が「出欠の集計」に使われるようになった背景

投票機能はもともと、飲み会の店を決めるような軽い用途を想定して作られた機能です。それが今では、町内会の行事の出欠、PTAの役員決め、部活の遠征参加者の確認といった、はっきりとした事務作業に使われています。まずはなぜそうなったのかを整理しておきます。作り方だけを知って使い始めると、後で「この機能はそこまでの用途を想定していなかった」と気付くことになるからです。

連絡の入口がスマートフォンに寄った

回覧板と電話連絡網でやっていた時代は、情報が届く経路と、返事が返ってくる経路が同じでした。回覧板の末尾に押印欄があり、電話をかければその場で返事がもらえます。今はまず連絡がスマートフォンに届きます。届いた場所で返事を返したいと思うのは自然なことで、そこにたまたま投票機能があった、というのが実情に近いです。

総務省の通信利用動向調査では、この十数年で同じ傾向が繰り返し報告されています。

インターネットを利用する機器としてはスマートフォンが最も多く使われており、ソーシャルネットワーキングサービスは若い世代だけでなく高い年代層にも広がって、日常的な連絡の手段として定着している。 出典: soumu.go.jp

ある自治会では、40世帯のうち紙の回覧を希望する家が数軒まで減ったといいます。この流れ自体は歓迎すべきものです。ただ、連絡が届く場所と、集計が必要な事務が同じ場所に同居してしまったせいで、事務局の作業が「読む」と「数える」の両方に分かれたまま片付かなくなりました。

出欠を取るための道具が身近になかった

会の運営で必要になる集計は、意外と種類が多いです。行事に来るか来ないか、弁当が要るか要らないか、希望する日程はどれか、役員を引き受けられるか。これらを紙で集めていた頃は、集める作業そのものが大変な代わりに、集めた紙が記録として残りました。

スマートフォンに移ってから、集める作業は楽になりましたが、記録が残らなくなりました。トークの中に流れていく形式なので、翌年に「去年は何人来たか」を調べようとしても、遡って探すことになります。投票機能は集める道具としては手軽ですが、残す道具としては設計されていません。この非対称が、とりまとめる側の負担として毎年積み上がっていきます。

「作り方」の前に決めておくと後が楽になること

作り方の記事を読む前に、次の3つを自分の中で決めておくことをおすすめします。第一に、この投票の結果を誰かに引き継ぐ必要があるか。第二に、答えていない人を個別に追いかける予定があるか。第三に、回答の中身を他の参加者に見せてよいか。この3つの答えによって、後で説明する設定の選び方がすべて変わります。逆にこれを決めずに作ると、途中で作り直すことになります。投票は作成後に設定を変えられない項目があるため、作り直しは「同じ質問がトークに2つ並ぶ」という気まずい状態を生みます。

LINEの投票の作り方(グループトークでの手順)

ここからは実際の手順です。画面の名称や配置は更新されることがあるので、手元の画面と見比べながら読んでください。大きな流れは長い間変わっていません。

投票を作成する手順

グループのトークルームを開き、メッセージ入力欄の横にある「+」をタップします。表示されたメニューの中に「投票」があります。ここで「投票を作成」を選ぶと、質問と選択肢を入力する画面になります。

質問文には、何を聞いているのかを一文で書きます。「参加できますか」だけだと何の話か分からなくなるので、行事名と日付を入れて「10月12日の秋祭り、参加できますか」のように書くのが実務的です。トークが流れた後に投票だけを見る人がいるので、投票の中だけで意味が通る文にしておくと問い合わせが減ります。

選択肢は複数追加できます。ここで多くの人がやってしまうのが、選択肢を増やしすぎることです。「参加」「不参加」「未定」「途中参加」「子どもだけ参加」「手伝いも可能」と並べると、回答する側は迷いますし、集計する側は組み合わせを数え直すことになります。選択肢は3つから4つに収め、細かい事情はトークで個別に書いてもらう形にしたほうが、結果的に早く終わります。

選択肢には画像を添えることもできます。日程ではなく物を選ぶとき、たとえば景品や会場の候補を選ぶときには有効です。文字だけだと想像がつかない選択肢に使うと、回答率が上がります。

入力が終わったら設定項目を確認し、作成をタップします。作成した投票はトークに流れると同時に、ノートにも保存されます。ノートに残るというのは重要な点で、トークが流れても、ノートを開けば投票にたどり着けます。参加者に「ノートを見てください」と案内できるかどうかで、後の問い合わせの数がかなり変わります。

日程調整の投票を作る場合

「+」から「投票」を選んだとき、「日程調整」を選ぶこともできます。こちらは候補の日付を並べて、それぞれについて参加できるかどうかを答えてもらう形式です。カレンダーから候補日を選ぶ形になっているので、日付の打ち間違いが起きにくいという利点があります。

日程調整は候補を出しすぎると回答が止まります。現場では、候補が5つを超えたあたりから、開いたけれど答えないという人が目に見えて増えると言われています。全員の都合を完璧に合わせようとして候補を並べるより、事務局側で3つに絞り、その中で最も多い日に決めると宣言してしまったほうが、回答が早く集まります。

参加者が投票に答える側の見え方

作った側は気付きにくいのですが、答える側の画面では、投票はトークの中の1つのカードとして表示されます。他のメッセージが続けば上に流れていきます。通知を切っている人や、まとめて読む習慣の人は、投票が流れた後にトークを開くので、投票の存在に気付かないまま既読になります。

この「既読なのに未回答」という状態が、とりまとめる側をいちばん消耗させます。既読が付いているので読んだはずだと思って待ちますが、実際には投票のカードまでスクロールしていない、ということが普通に起きます。催促するときは「投票をお願いします」ではなく「ノートに投票があります」と場所を伝えるほうが実効性があります。

投票の設定項目と、選ぶときの判断基準

投票を作る画面には、いくつかの設定項目があります。何気なく初期状態のまま作ってしまいがちですが、ここが実務の分かれ道です。

複数回答を許可するかどうか

複数回答を許可すると、1人が複数の選択肢を選べます。日程の候補から都合の良い日をすべて選んでもらう場合や、参加できる作業をすべて挙げてもらう場合には必要な設定です。

一方で、出欠を取るときに複数回答を許可すると、集計が壊れます。参加と未定の両方を選ぶ人が出てくるからです。回答総数が参加人数を上回るので、「合計何人か」を数値として使えなくなります。出欠のように1人1つに決めてほしい質問では、複数回答は必ずオフにしてください。

匿名投票にするかどうか

この記事の中心になる設定です。匿名投票をオンにすると、それぞれの選択肢を誰が選んだかが表示されなくなります。表示されるのは選択肢ごとの人数だけです。

役員を引き受けられるかどうか、会費の値上げに賛成か反対かといった、答えにくい質問では匿名が向いています。実名が出ると回答が偏るからです。逆に、出欠のように後で名簿と突き合わせる必要がある質問では、匿名にすると仕事が増えます。詳しくは次の章で書きます。

なお、匿名にするかどうかは投票を作るときに決める設定であり、作った後に切り替えるという運用は想定されていません。決めてから作る、という順番を守ってください。

締め切り日時を設定するかどうか

締め切りを設定すると、その日時を過ぎたところで投票が締め切られます。設定しなければ、いつまでも回答を受け付けます。

締め切りは付けたほうがよいのですが、実際の締め切りより3日ほど手前に置くのがコツです。締め切り当日に集計を始めると、未回答者への連絡が間に合いません。うまく回っている会では、業者に人数を伝える期日の3日前を投票の締め切りにして、その差分の期間を「電話で追いかける時間」として確保しています。この運用に変えると、当日の朝に人数を数え直す作業がなくなります。

参加者による選択肢の追加を許可するかどうか

参加者が自分で選択肢を追加できる設定です。歓迎会の店を決めるような場面では便利ですが、会の事務で使うときはオフにしておくのが無難です。選択肢が増えると票が割れ、決まらなくなります。

例外は、意見を広く集めたい段階の投票です。行事の内容をどうするか、来年度の活動方針をどう考えるかといった、答えが決まっていない話題では、追加を許可して出てきた案を眺めるほうが議論になります。ただしその場合は「これは決を採る投票ではなく、意見を集める投票です」と質問文に書いておかないと、追加した本人が「自分の案が採用されなかった」と受け取ることがあります。

匿名にできる範囲とできない範囲

ここが本題です。匿名投票という名前から想像される範囲と、実際に隠れる範囲にはずれがあります。

匿名にできるのは「どの選択肢を選んだか」だけ

匿名投票で隠れるのは、選択肢と個人の結び付きです。「賛成が18票、反対が4票」という結果は見えますが、その4票が誰なのかは、作成者を含めて表示されません。ここは期待どおりに機能します。

会費の値上げ、役員の選出、行事の存続といった、実名だと本音が出にくい議題では、この機能に助けられます。夏祭りを続けるかどうかを問うような議題で、匿名を選ぶ会は少なくありません。総会の場で手を挙げてもらう形式だと、周囲を見てから手を挙げる人が出てしまい、本当の意見が分からないからです。

匿名にしても隠れないもの

一方で、次のものは匿名設定では隠れません。

まず、グループに誰がいるかです。メンバー一覧は参加者全員が見られるので、「この投票の対象は誰か」は全員に分かります。少人数のグループで匿名にしても、母集団が小さければ推測されます。5人のグループで反対が1票入れば、状況によっては誰なのか見当が付いてしまいます。匿名は人数が少ないほど効きません。

次に、投票を作った人が誰かです。これはトークに残ります。答えにくい質問を投げた人が誰か分かるので、質問の立て方によっては作成者に個別の連絡が来ます。

そして、プロフィール名とアイコンです。グループに入っている以上、表示名とアイコンは他の参加者に見えます。本名で登録している人と、ニックネームの人が混在すると、事務局側で名簿と突き合わせられない人が出ます。これは匿名設定とは別の問題ですが、出欠を取るときに実際に困る点なので挙げておきます。

さらに、トークの発言です。投票を匿名にしても、誰かが「参加します」とトークに書けば実名で残ります。匿名で聞いておきながらトークでは実名という状況は、参加者を混乱させます。匿名にすると決めたなら、その議題についてはトークでの表明を求めないほうが筋が通ります。

匿名にすると、とりまとめる側が失うもの

ここが見落とされがちな点です。匿名投票にすると、誰が投票したかが分からなくなります。つまり、誰がまだ投票していないかも分からなくなります。

出欠を取る場面でこれをやると、締め切り後の作業が一気に増えます。40世帯に聞いて28件の回答が集まったとき、残りの12世帯が誰なのかを特定する手段がありません。結果として、グループ全体に「まだの方はお願いします」と何度も投げることになります。すでに答えた人にも届くので、催促のたびに「もう答えました」という返信が来て、トークがさらに流れます。

この失敗は実際によく起きます。防災訓練の参加人数を匿名で聞いてしまい、締め切り後に誰に電話すればいいのか分からず、結局40世帯すべてに確認の連絡を入れる羽目になった、という話が典型です。それだけで2時間近くかかります。匿名にした理由が「参加できない家が気を遣わないように」という配慮であっても、その配慮のために全世帯へ電話をかけて確認するという、いちばん気を遣わせる結果になるわけです。

匿名と実名を使い分ける目安

整理すると、次のように分かれます。

質問の性質 匿名 理由
出欠・人数の確認 実名 未回答者を追う必要があるため
弁当や物品の要不要 実名 個別に発注数を確定させるため
会費・規約の賛否 匿名 実名だと回答が偏るため
役員の受諾可否 匿名 断りにくさを減らすため
日程の希望 実名 都合の悪い人に個別調整が必要なため
行事の満足度 匿名 率直な感想を得るため

大まかな基準は「後で個別に連絡する必要があるか」です。個別連絡が発生する質問は実名、集計した数字だけ分かればよい質問は匿名。この線引きで、ほとんどの場面は判断できます。

なお、匿名にしたい質問で、なおかつ未回答者を追いたい場合は、投票を2つに分ける方法があります。1つ目で「回答しました」とだけ実名で押してもらい、2つ目で中身を匿名で聞く形です。手間は増えますが、匿名性と回収率の両方が必要な議題では現実的な回避策です。

投票を出したあとに起きること

作り方の説明はここまでです。ここからは、投票を出した後に実務で起きることを書きます。作り方より、こちらのほうが困る度合いが大きいからです。

トークが流れて投票が埋もれる

グループが活発なほど、投票は早く流れます。行事の前は連絡が集中するので、いちばん回答してほしい時期に、いちばん投票が埋もれます。

対策としては、投票を作ったらすぐにその投票をアナウンス(トークの上部に固定表示する機能)に設定することです。これで上部に残ります。ただしアナウンスに固定できる数には限りがあり、複数の投票を同時に走らせると、どれかが押し出されます。行事のシーズンに投票を3つ同時に出すと、この問題に必ずぶつかります。

未回答の人を追う仕事が誰かに残る

実名投票にしていれば未回答者は分かりますが、分かった後の作業は自動化されません。名簿と投票結果を見比べて、足りない人を書き出して、個別に連絡する。この一連の作業は人の手に残ります。

この作業を役員6人で分担している会では、分担のために「誰がどの世帯に連絡したか」を管理する必要が出てきて、そのための連絡がまた増えるという状態になります。集計の道具が集計しかしてくれないと、その前後の作業がすべて人に残ります。

集計結果を別の場所へ書き写す手間

投票の結果は画面上では見られますが、そのまま会計や名簿に持っていける形にはなっていません。人数を数えて、別の表に書き写す作業が発生します。

書き写す作業には転記ミスが付き物です。特に、締め切り後に電話で追加回答を受けた分を手で足すときに間違えます。投票の画面の数字と、実際に業者へ伝える数字が食い違い、当日に足りないという事故は、会の運営の現場で何度も起きています。

年度が変わると記録が消える

これがいちばん重い問題です。投票はトークとノートの中にあります。役員が交代してグループの管理を引き継ぐとき、過去の投票結果をどう渡すかという話になります。グループ自体を引き継げば残りますが、新しいグループを作り直す会も多く、その場合は過去の記録が前任者の端末の中だけに残ります。

事務局を引き受けたときに前任者から渡されたのは紙のファイル1冊だけで、直近数年の出欠人数はどこにも残っていなかった、という話は珍しくありません。去年何人来たかが分からないと、弁当の数も椅子の数も見積もれません。結局、業者の請求書から逆算して人数を割り出すことになります。集める道具としては優秀でも、残す道具としては期待できない。この前提を持っておく必要があります。

団体別に見た、投票の使いどころと注意点

同じ投票機能でも、団体の性質によって向き不向きが変わります。相談の場でよく挙がる区分に沿って整理します。

町内会・自治会の場合

対象が世帯単位で、年齢層が広いのが特徴です。スマートフォンを持っていない世帯が残っている以上、投票だけで完結させることはできません。紙と併用する前提で、投票は「早く答えられる人向けの経路」と位置付けるのが現実的です。

また、世帯単位で数えたいのに、投票はアカウント単位で数えます。1つの世帯から夫婦がそれぞれ答えると二重に計上されます。質問文に「1世帯につき1回でお願いします」と書いておくのは必須です。町内会の連絡をどう組み立てているかについては、町内会での使われかたで、回覧板と併用しながら連絡を1か所に集めていく形が紹介されています。世帯単位の管理をどう扱うかで悩んでいる場合は、参考になります。

PTAの場合

PTAは年度で役員が総入れ替えになるという、他の団体にはない事情があります。投票の結果を次年度に引き継ぐ必要が高いのに、引き継ぎ手段がいちばん弱いという組み合わせです。

役員決めの投票を匿名にするかどうかも悩ましいところです。実名だと引き受け手が出にくく、匿名だと「引き受けられる」と答えた人に連絡できません。前述の2段階方式(実名で回答済みだけ確認し、中身は匿名)を使うか、そもそも投票ではなく個別の連絡で進めるかの判断が要ります。年度をまたいだ引き継ぎを含めた運用については、PTAでの使われかたに、役員が代わっても情報が残る形の考え方がまとまっています。

部活・サークルの場合

出欠を取る頻度がいちばん高いのがこの区分です。週に何度も集まるので、そのたびに投票を作っていると、トークが投票だらけになります。

ここでは投票よりも、繰り返しの出欠を扱える仕組みのほうが合っています。同じメンバーに対して同じ質問を繰り返す形式は、投票機能が想定している使い方から外れています。サークル運営で連絡と出欠をどう分けているかは、サークルでの使われかたで、活動ごとの出欠と全体の連絡を切り分ける例が説明されています。学校の部活動という枠で見る場合は、学校での使われかたのほうが近いかもしれません。

教室・スクールの場合

教室は、参加者どうしが知り合いとは限らないという点が他と違います。町内会や部活はメンバーが互いを知っていますが、教室の生徒や保護者は初対面のことも多いです。

その状態でグループを作ると、参加者全員のアカウント名とアイコンが互いに見えます。これを気にする保護者は少なくありません。投票を匿名にしても、この部分は隠れません。教室での連絡は、参加者どうしの情報がどこまで見えるかを先に決めておく必要があります。教室での使われかたでは、先生から生徒への連絡と、生徒からの返答を分けて扱う形が紹介されています。

投票の限界を感じたときに検討される選択肢

投票機能で足りるうちは、そのまま使い続けるのが正解です。人数が少なく、行事が年に数回で、役員の交代が緩やかな会であれば、わざわざ別の仕組みを増やす必要はありません。新しい道具を入れると、それ自体が引き継ぎの対象になるからです。

問題になるのは、集計の頻度が上がったときと、引き継ぎが発生したときです。この2つが重なると、投票機能だけでは支えきれなくなります。ここでは、実際に検討されることの多い選択肢を挙げます。

グループのまま工夫する

まず検討すべきは、いまの形のまま運用を変えることです。投票を作ったらアナウンスに固定する、ノートに投票の一覧を作る、締め切りを実際の期日より前倒しする。この3つだけでも、かなり楽になります。

限界は、記録が残らない点と、未回答者を追う作業が人に残る点です。ここは工夫では解決しません。いま使っているグループの延長線上で何ができて何ができないかは、LINEグループとの比較に、連絡・出欠・記録のそれぞれについて整理されています。移行を考える前に、まずこの比較で「いまの形で足りているか」を確認するのが順序として自然です。

オープンチャットを使う

参加者の本名やアカウント情報を互いに見せたくない場合に検討される形です。ニックネームで参加できるので、教室や大人数の集まりで使われることがあります。

一方で、匿名性が高いぶん、誰が誰なのか運営側からも分かりにくくなります。出欠を名簿と突き合わせる用途には向きません。匿名性と、名簿管理のしやすさは基本的にトレードオフです。この関係についてはLINEオープンチャットとの比較に、参加者の見え方と管理のしやすさの兼ね合いが書かれています。

団体向けの連絡サービスに移す

出欠・連絡・写真・予定をまとめて扱うことを前提に作られたサービスもあります。長く使われているものでは、掲示板とカレンダーと出欠確認が最初から揃っている形式があり、部活や町内会での採用例が多いです。この系統の使い勝手についてはBANDとの比較にまとまっています。

海外のサービスを使う選択肢もあります。すでにアカウントを持っている人が多いという利点がある一方、参加者の個人ページと会の連絡が地続きになる点を気にする人もいます。Facebookグループとの比較では、その辺りの見え方の違いが整理されています。若い世代が中心の集まりでは、通話とテキストを常時つなげておく形式が選ばれることもあり、Discordとの比較に、そうした使い方が向く場面と向かない場面が書かれています。

選ぶときに見るべき点

どれを選ぶにしても、比べるべき点は共通しています。第一に、参加者に新しいIDとパスワードを作らせるかどうか。第二に、役員が代わるときに引き継ぐものが何個になるか。第三に、過去の記録がどこに残るか。第四に、メンバー以外は見られない状態にできるかどうか。この4点を先に決めておくと、機能表を眺めて迷う時間が減ります。

引き継ぎまで考えたときの判断

最後に、とりまとめる立場から見た判断の軸をまとめます。ここが決まっていないと、どの道具を選んでも同じ問題が繰り返されます。

引き継ぐものが何個あるか

役員が代わるときに次の人へ渡すものを数えてみてください。グループの管理権限、名簿のファイル、過去の写真、会計の記録、業者の連絡先、去年の出欠人数。ある自治会では以前、この数が7個ありました。渡す側も受け取る側も、どれか1つは必ず落とします。

続く会とそうでない会の差は、この個数です。数が少ないほど引き継ぎで事故が起きにくく、事故が起きなければ次の役員が投げ出さずに済みます。新しい道具を入れるかどうかを判断するときは、機能が増えるかではなく、引き継ぐ個数が減るかで見てください。増えるなら入れないほうがましです。

会員に新しい負担を増やさないか

年配の会員が多い会では、新しいIDとパスワードを作ってもらうことが最初の関門になります。ここで3割の人が脱落すると、結局は電話と紙で二重に連絡することになり、事務局の仕事は減るどころか増えます。

道具を選ぶときは、いちばん操作が苦手な会員を基準にしてください。役員がいくら便利だと感じても、会員の半分が使えなければ運用は成立しません。

記録が1か所に残るか

投票の結果、行事の写真、決まったこと。この3つが同じ場所に残るかどうかで、翌年の準備の速さが変わります。散らばっていると、毎年ゼロから調べ直すことになります。

答えを1つに絞る必要はありません。今の形のまま運用の工夫で回るなら、それがいちばん安上がりです。ただ、毎年同じところで困っているなら、それは工夫ではなく形の問題です。

内部データから読み取れる、投票をやめるかどうかの分かれ目

ここまで挙げてきた比較ページと利用例のページを横断して眺めると、とりまとめる側が同じ場所で迷っていることが分かります。最後に、そこから読み取れることを書いておきます。

比較ページで扱われている軸は、機能の数ではありません。LINEグループとの比較にしてもBANDとの比較にしても、中心になっているのは「連絡が流れるかどうか」「記録が残るかどうか」「引き継げるかどうか」の3点です。投票機能そのものの優劣ではなく、投票の前後にある作業をどこが引き受けるかが論点になっています。これは実務の感覚と一致します。投票を作る作業は2分で終わりますが、その前後の名簿の突き合わせと催促に何時間もかかるからです。

利用例のページも、団体の種類で分かれているように見えて、実際には「対象が固定か流動か」で性質が変わります。町内会での使われかたとPTAでの使われかたは対象が年度で入れ替わる側、サークルでの使われかたと教室での使われかたは対象が緩やかに増減する側です。入れ替わる側の団体ほど、投票結果を残す仕組みの重要度が上がります。逆に、メンバーが長く変わらない集まりであれば、投票機能のままで支障が出にくいという読み方もできます。

もう1つ、よくある質問に集まる問い合わせの傾向を見ると、機能の使い方より「参加者にどこまで見えるか」を確認する内容が目立ちます。匿名投票について調べる人が多いのも、同じ関心の表れです。とりまとめる側は、便利さより先に、参加者に見せてよい範囲を確定させたいと考えています。この順序は正しいです。見せる範囲は後から変更しにくく、一度広く見せてしまったものを狭めるのは、機能ではなく人間関係の問題になるからです。

以上を踏まえた実務的な判断としては、次のようになります。投票を作るときは、まず「後で個別に連絡する必要があるか」で匿名か実名かを決める。年に数回の集計で、メンバーが安定しているなら、いまの形のまま締め切りの前倒しとアナウンス固定で運用する。年度で役員が入れ替わり、過去の記録を渡す必要があるなら、集計そのものより記録が残る場所を先に決める。この順番で考えれば、投票の作り方で迷う時間は最小で済みます。

Q1. LINEの投票を匿名にすると、作成者にも誰が投票したか分かりませんか?

匿名投票では、どの選択肢を誰が選んだかは作成者を含めて表示されません。同時に、誰がまだ投票していないかも分からなくなります。出欠のように未回答者へ個別に連絡する必要がある質問では、匿名にすると催促の相手を特定できなくなるため、実名のまま使うことをおすすめします。

Q2. 投票を作った後で、匿名の設定や選択肢を変更できますか?

匿名にするかどうかは作成時に決める設定で、作った後の切り替えは想定されていません。選択肢についても、参加者による追加を許可していない場合は増やせません。作り直すと同じ質問が2つ並んで参加者が混乱するため、質問文と選択肢、匿名の有無を決めてから作成してください。

Q3. 投票がトークに流れて気付かれません。どうすればよいですか?

作成したらすぐにアナウンス機能で上部に固定し、案内する際は「投票をお願いします」ではなく「ノートに投票があります」と場所を伝えてください。投票はノートにも保存されるため、トークが流れても参加者がたどり着けます。同時に複数の投票を走らせると固定枠から押し出されるので、1つずつ進めるのが確実です。

Q4. 出欠を取るとき、複数回答は許可したほうがよいですか?

出欠では複数回答をオフにしてください。参加と未定を両方選ぶ人が出ると、回答総数が実際の人数を上回り、集計した数字がそのまま使えなくなります。複数回答が向くのは、都合のよい日をすべて選んでもらう日程調整や、参加できる作業を挙げてもらう場合に限られます。

「出欠とアンケート」の記事一覧へ読みもの一覧へ