アンケートの作り方で結果が決まるのは、質問の文章を整える段階ではありません。何を決めるために聞くのかをはっきりさせる、その前の段階です。この記事では、アンケートを作る前に決める2つのこと、質問の数と並べ方、選択肢の作り方、匿名にするかどうかの判断、無料で作れる道具で確かめておく設定、そして回答が返ってくる配り方までを順に整理します。町内会やPTA、部活のように、毎年同じ調査を回す立場から見た判断の基準もまとめています。
作り始める前に決める2つのこと
アンケートが失敗する形は決まっています。集まった回答を見たあとで「これでは決められない」と分かる形です。原因は質問の書き方ではなく、聞く前に決めることを決めていないことにあります。
決めるのは2つです。1つめは、この調査の結果で何を決めるのか。2つめは、誰に聞くのかです。
1つめを決めると、要らない質問が消えます。夏祭りの開催日を決めるために聞くのなら、必要なのは日程の希望と参加の意思だけです。去年の満足度や、どの出店が良かったかという質問は、開催日を決める材料になりません。聞かれた側は「せっかく答えたのに使われない」と感じ、次の年から答えなくなります。
2つめを決めると、質問の言葉が変わります。全世帯に聞くのか、役員だけに聞くのか、参加した人だけに聞くのかで、前提として説明すべきことが変わります。参加していない人に「当日の運営はいかがでしたか」と聞くと、答えようがありません。
この2つを先に決めることの効果は、実務の解説でも同じように書かれています。
目的とターゲットが明確になれば、聞くべき質問内容もおのずと決まります。また、記述の仕方に迷うなど、作り方に関して行き詰まったときもアンケートの目的やターゲットを思い出してみましょう。 出典: biz.loyalty.co.jp
作る前に紙に1行で書いておくとよいのは、「この調査の結果で、いつまでに何を決めるか」です。これが書けないなら、まだ聞く段階ではありません。
質問の数と並べ方
質問の数は、答える側が使ってよいと思える時間から逆算します。選択式の質問は1問あたり10秒ほど、自由記述は1問で1分以上かかります。スマートフォンで答えてもらうなら、全体で2分に収まる量、つまり選択式で10問前後と自由記述1問が上限の目安です。
並べ方には順番があります。最初に置くのは、誰でもすぐ答えられる質問です。参加するかしないか、どの学年か、といった選ぶだけの質問から始めると、手が動き出します。ここに「今後の運営について自由にお書きください」を置くと、そこで離脱します。
次に、この調査の中心になる質問を置きます。答える気力がいちばん残っている位置に、いちばん知りたいことを置きます。
属性を聞く質問は、最後に回します。班や学年、年代のような区分は、答える側からすると答える理由が分からないため、最初にあると警戒されます。最後にあれば、そこまで答えた流れで埋めてもらえます。
自由記述は、いちばん最後に1問だけ置きます。ここに書かれる内容は、選択式では拾えなかったことが出てくるので価値が高いのですが、数が多いと集計が止まります。1問だけにして、必須にしないことがこつです。
質問の順番でもう1つ気をつけるのは、前の質問が次の答えに影響することです。「今年の行事に満足しましたか」と聞いた直後に「来年も参加しますか」と聞くと、満足と答えた人は参加すると答えやすくなります。参加の意思を正確に知りたいなら、満足度より前に置きます。
選択肢の作り方
選択肢の作り方で結果が変わります。ここは技術的な部分なので、決まった型を覚えるだけで精度が上がります。
まず、選択肢はすべての答えを覆う形にします。「参加する」「参加しない」の2つしかないと、まだ決められない人はどちらかを選ぶしかありません。「未定」を入れておけば、締め切りの前にもう一度聞く相手が分かります。
次に、選択肢どうしが重ならないようにします。「30代」「30代から40代」「40代」のように範囲が重なる作りだと、答える側が迷い、集計もできません。年代を聞くなら、区切りを重ねずに並べます。
数を聞く選択肢は、区切りをそろえます。「1人」「2人から3人」「4人以上」のように幅が不均等だと、あとで比べられません。人数や回数を聞くときは、数字を直接入力してもらう形のほうが、集計の自由度が高くなります。
「その他」の欄には、書き込める空欄を付けます。空欄がない「その他」は、何が選ばれたのか分からない選択肢になります。ただし、その他に答えが集まった場合は、選択肢の設計が実態と合っていないという合図です。次の年は、集まった内容から選択肢を作り直します。
5段階で満足度を聞く形は広く使われていますが、町内会やPTAのような小さな集まりでは、3段階で足りることが多いです。人数が少ないと、5段階に分けた結果が1人か2人の差で動いてしまい、意味のある差として読めません。
答えにくい質問を直す
回答率が低いアンケートには、共通する作り方の癖があります。直せば返ってくるようになります。
1つめは、1つの質問で2つのことを聞いている形です。「開催日と会場について、ご意見をお書きください」は、どちらか一方にしか答えられません。質問は1つに1つの論点だけにします。
2つめは、答えを誘導している形です。「多くの方から好評をいただいている夏祭りについて、来年も開催すべきだと思いますか」は、反対しづらい書き方になっています。事実の説明を質問文に混ぜず、聞きたいことだけを書きます。
3つめは、内部の言葉で聞いている形です。役員の間では通じる委員会の名前や行事の略称を質問文に使うと、一般の会員は答えられません。正式な名前で書き、必要なら1行の説明を添えます。
4つめは、記憶に頼らせる形です。「過去1年間に何回参加しましたか」は、正確に答えられる人がほとんどいません。回数を聞くより、直前の1回について聞くほうが、答えも精度も上がります。
5つめは、必須にしすぎる形です。すべての質問を必須にすると、答えたくない1問のために全体を諦める人が出ます。必須にするのは、その回答がないと集計できない質問だけに絞ります。
無料で作れる道具で、必ず確かめておく設定
アンケートを無料で作れる道具はいくつもあり、Googleアカウントがあれば使えるフォーム作成の機能が広く使われています。公式のヘルプで手順が公開されており、作ったフォームは回答をスプレッドシートに保存する形にもできます。作り方そのものは難しくありませんが、配る前に確かめておくべき設定が4つあります。
1つめは、公開の状態です。公式のヘルプでは、回答者がフォームにアクセスできるようにするにはフォームを公開する必要があると説明されています。公開を停止すると、リンクを知っている回答者もアクセスできなくなります。リンクを配ったのに開けないという連絡が来る原因は、ここがほとんどです。
2つめは、回答の回数の制限です。回答を1回に制限する設定をオンにすると、フォームにアクセスして入力するためにGoogleアカウントへのログインが必要になります。二重の回答を防げる反面、アカウントを持っていない人は答えられません。年配の会員が多い会では、ここをオンにした瞬間に回答が止まります。
3つめは、氏名や連絡先が記録されるかどうかです。公式の説明では、ユーザー名が記録されるのはメールアドレスを収集する設定をオンにした場合のみとされています。匿名で聞くつもりなら、この設定を触らないことが前提になります。
4つめは、結果の見え方です。結果の概要を表示する設定をオンにすると、フォームに回答できるすべての人が、各質問への回答の全文やグラフを閲覧できます。自由記述を含むアンケートでこれをオンにすると、書いた内容が全員に見えます。会員の意見を集める調査では、オフにしておくのが原則です。
回答を受け付ける期間を区切りたい場合は、アクセスの有効期限を設定する方法も用意されています。締め切りを過ぎたあとに回答が届いて集計をやり直す事故は、これで防げます。
匿名にするか、名前を出してもらうか
この判断は、聞く内容で決まります。両方を同じ調査で満たすことはできません。
名前を出してもらう必要があるのは、あとで個別に連絡する場合です。行事の出欠、係の希望、持ち物の確認。これらは誰が答えたか分からないと使えません。締め切りを過ぎた人に声をかけることもできません。
匿名にすべきなのは、運営への意見や、続けるかどうかの判断を聞く場合です。名前が出る形で「役員の負担が重い」と書ける人はほとんどいません。匿名にすると回答の中身が変わります。
よくある失敗は、匿名だと言いながら班や学年を聞いてしまう形です。班の人数が5世帯の町内会で班を聞けば、書いた人はほぼ特定されます。匿名で聞くなら、区分を聞く粒度を粗くするか、聞かないという判断が必要です。
出欠と意見を同じ1枚で聞きたくなりますが、分けたほうが両方の精度が上がります。出欠は名前付きで、意見は匿名で、別々に配ります。手間は2倍ではなく、出欠の側は選択式だけで済むので、実際の作業は1.5倍ほどで収まります。
回答が返ってくる配り方と、締め切りの伝え方
アンケートの回答率は、質問の出来よりも配り方で決まります。ここには効く手が3つあります。
1つめは、締め切りをアンケートと同じ場所に書くことです。案内の文章に締め切りを書き、フォームの1行目にも書きます。案内が転送された先には、案内文だけが届いて締め切りが落ちることがあります。
2つめは、答えるのにかかる時間を先に書くことです。「2分で終わります」「選ぶだけの質問が8問です」と書くだけで、開いてもらえる率が変わります。時間が書かれていないリンクは、後で開くつもりで忘れられます。
3つめは、答えていない人にだけ督促することです。全員に同じ案内をもう一度送ると、答えた人が「また答えるのか」と受け取ります。残りの人数を添える形も有効で、「あと4人の回答をお待ちしています」と書くと反応が変わります。
紙で配る道が残っている会では、紙とリンクの両方を用意する形も現実的です。紙で答えた分を入力する手間はかかりますが、答えられない人を作らないほうが、会の運営としては続きます。ただし、両方を使うときは、同じ人が両方で答えていないかを確かめる仕組みが必要です。名前を書いてもらう形にしておけば、重複はすぐ見つかります。
締め切りの設定は、配ってから1週間が目安です。それより短いと見ていない人が出て、長いと後で答えるつもりで忘れられます。土日をはさむ形にすると、平日に時間が取れない人が答えられます。
アンケートの種類で作り方が変わる
同じアンケートという言葉で呼んでいても、集まりの運営で使う調査は4つの型に分かれます。型を見分けると、作る手順が短くなります。
出欠を確かめる調査は、いちばん単純な型です。聞くのは参加するかどうかと、必要なら人数と持ち物だけです。この型で大事なのは答えやすさではなく、答えていない人が分かることです。誰が答えていないかを数えられない形で出欠を取ると、締め切りのあとに名簿と突き合わせる作業が発生します。
日程を決める調査は、候補日を並べて都合を聞く型です。候補は5つ前後にします。多すぎると入力の手が止まり、2つだけだとどちらも都合が悪い人が答えられなくなります。ここでも、答えていない人を数えられることが条件になります。
意見を集める調査は、匿名にする型です。運営の続け方、会費の使い方、行事の見直し。選択式で論点を示し、自由記述を1問だけ添える形が基本になります。集めた意見をどう扱うかを先に決めておかないと、集めただけで終わります。
需要を測る調査は、新しく何かを始めるかどうかを決める型です。ここでいちばん気をつけるのは、やりたいかどうかを聞かないことです。「あったら参加したいと思いますか」への賛成は、実際の参加とほとんど関係がありません。参加の意思を測るなら、日程と費用を示したうえで聞きます。条件を出さない質問への賛成は、判断の材料になりません。
型を決めてから質問を書き始めると、質問の数が半分になります。逆に、4つの型を1枚に詰め込んだアンケートは、答える側から見て何を聞かれているのか分からないものになり、回答率が落ちます。
依頼文の1行目に何を書くか
アンケートが開かれるかどうかは、質問の中身より先に、案内の文章で決まります。効くのは最初の2行です。
1行目に書くのは、何のために聞くのかです。「来年の夏祭りの開催日を決めるため、ご都合を伺います」のように、決めることを先に出します。これがあると、答えることが自分に関係あると分かります。
2行目に書くのは、かかる時間と締め切りです。「選ぶだけの質問が8問、2分で終わります。9月30日までにお願いします」という形です。時間と期限が並んでいると、その場で答えるか、いつ答えるかを決めてもらえます。
そのあとに、答えた内容の扱いを1行だけ添えます。匿名であること、名前を聞くこと、結果をどう使うことを書きます。ここを書かないと、答える前に警戒する人が出ます。
避けたほうがよいのは、あいさつから始める形です。「日頃より会の運営にご協力いただき誠にありがとうございます」で始まると、用件が3行目以降に来ます。スマートフォンの画面では、その位置は最初に表示されない場所です。あいさつは締めに回すか、1行に短くします。
依頼文は毎年ほぼ同じものが使えます。去年の文章を手元に残しておき、日付と締め切りだけ差し替える形にすると、案内を書く時間が消えます。残しておく場所を決めていない会では、毎年ゼロから書き直しています。
そのまま使える質問の書き方の例
実際に使われている質問の形を並べます。行事のアンケートは毎年同じ構造なので、型を持っておくと作る時間が消えます。
出欠を聞く質問は、選択肢を3つにします。「参加する」「参加しない」「未定」です。未定を選んだ人には、いつまでに分かるかを続けて聞きます。ここを聞いておくと、締め切りの前にもう一度声をかける相手がはっきりします。
人数を聞く質問は、数字を入れてもらう形にします。「参加する人数(大人)」「参加する人数(子ども)」のように分けて聞くと、料理や席の準備に直接使える数になります。「家族で参加」という選択肢だけでは、何人分を用意すればよいか分かりません。
都合を聞く質問は、候補ごとに3段階で答えてもらう形が確実です。候補日それぞれに「参加できる」「調整すれば参加できる」「参加できない」を付けます。丸と三角と罰の記号だけで答える形は、記号の意味の受け取り方が人によって違うため、言葉で書いておくほうが誤解が減ります。
意見を聞く質問は、論点を選択肢で示してから自由記述を添えます。「来年の運営について、見直したほうがよいと思うことがあれば選んでください」として、開催時期、費用、担当の割り振り、片づけの方法などを並べます。選択肢で論点を示すと、自由記述に書かれる内容も具体的になります。
満足度を聞く質問は、3段階にします。「良かった」「どちらでもない」「良くなかった」です。会の人数が少ないうちは、5段階に分けても差が読めません。
最後に置く質問は、次につながるものにします。「来年、手伝っていただける作業があれば選んでください」という形です。役を引き受ける人を探す作業が、ここで半分終わることがあります。
紙のアンケートを作るときの注意
リンクで配れない相手がいる会では、紙のアンケートが残ります。紙には紙の作り方があり、画面用の質問をそのまま印刷すると答えが返ってきません。
まず、1枚に収めます。裏面に続くと、裏を見ない人が必ず出ます。両面にするなら、表の最後に「裏面へ続きます」と書きます。
次に、記入する欄の大きさをそろえます。手書きの文字は入力より大きいので、自由記述の欄は3行分の高さが必要です。狭い欄に書ける量は限られ、短い答えしか集まりません。
選択肢は、丸で囲む形にします。数字を書き込む形やチェックを入れる形だと、記入の仕方を間違える人が出ます。丸で囲む形は、間違いが起きにくく、集計する側も読みやすくなります。
回収の方法は、配る紙に書いておきます。いつまでに、どこへ出すのか。班長へ渡すのか、学校へ持たせるのか、投函するのか。書かれていないと、持ち帰ったまま止まります。
紙で集めたあとに必要になるのが、入力の作業です。50件の紙を入力するには1時間ほどかかります。この時間を誰が持つかを先に決めておかないと、集計が担当1人の負担として残ります。翌年も紙で配るかどうかは、この1時間を続けられるかで判断します。
集計を楽にするために、作る時点でやっておくこと
集計に時間がかかるアンケートは、集計の技術が足りないのではなく、質問の作り方が集計を難しくしています。作る時点で手を打てます。
1つめは、数えられる形で聞くことです。「ご都合のよい日をお書きください」と自由記述で聞くと、書かれた表記がそろわず、数えるために読み直すことになります。候補日を並べて選んでもらえば、そのまま数えられます。
2つめは、1つの質問に1つの答えだけを入れてもらうことです。複数選べる質問を混ぜると、合計が回答数と合わなくなり、割合の出し方で迷います。複数選べる質問を使うなら、その質問だけ別に集計する前提で並べます。
3つめは、選択肢の順番を年をまたいで変えないことです。去年と比べるために、選択肢の並びと文言をそろえます。文言を少し直すだけで、比較ができなくなります。
4つめは、集計する単位を先に決めることです。世帯ごとなのか、人ごとなのか。家族4人で1枚出す会と、1人1枚出す会では、同じ数字の意味が違います。用紙の冒頭に「1世帯1枚でお願いします」と書くだけで、あとの解釈が固まります。
5つめは、自由記述に書かれた内容の扱い方を決めておくことです。全部を記録に残すのか、要旨をまとめるのか、匿名のまま公開するのか。決めずに集めると、書かれた内容を持ったまま扱いに困ります。
集まった回答の読み方
回答が集まったあとに起きる失敗は、自由記述に引っ張られることです。強い言葉で書かれた1件が、選択式の結果より重く感じられます。ここは順番を決めて読むと間違えません。
最初に見るのは、回答した人数と、聞いた相手の人数の比です。50世帯に聞いて12件なら、その12件は会全体の意見ではありません。少ない回答から全体を決めると、答えていない人から後で異論が出ます。回答率が低い場合は、結果を見る前に、なぜ答えられなかったのかを考える段階に戻ります。
次に、選択式の結果を数で見ます。割合ではなく件数で見るのがこつです。60%が賛成という表現は、回答が5件のときにも作れてしまいます。件数で見れば、3件と2件の差だと分かります。
そのあとで自由記述を読みます。自由記述は数えるものではなく、選択式では拾えなかった論点を見つけるためのものです。同じ指摘が3件あれば、それは次の年の選択肢に入れるべき項目です。1件だけの強い意見は、記録として残し、判断の根拠にはしません。
最後に、結果を答えた人に返します。返さないと、次の年の回答率が落ちます。集計の表をそのまま配る必要はなく、「この結果を受けて、開催日は10月18日にしました」と決めたことを1行で伝えるだけで十分です。
答えた内容の扱いを先に決めておく
アンケートを配る前に決めておくべきことが、もう1つあります。集まった回答をどこに保存し、いつまで持ち、誰が見るのかです。ここを決めずに集めると、担当者の手元に個人の意見が残り続けます。
保存する場所は、1か所に決めます。回答の一覧と、紙で集めた分と、集計の表が別々の場所にあると、翌年に開くときに全部そろいません。
見る人の範囲も決めます。自由記述に書かれた内容は、匿名であっても、書いた本人は特定されたくないと考えて書いています。役員全員が読む前提なのか、集計した担当だけが読むのかを、案内の中で先に伝えます。伝えた範囲を後で広げないことが条件です。
持つ期間も決めます。行事の出欠は、その行事が終われば役目を終えます。意見の記録は、翌年の判断に使うので1年は持ちます。それ以上残す理由がないものは、期間を決めて削除します。要らなくなったものを残さないことが、名簿や回答を預かる立場での基本です。
決めた3つは、案内の文章に1行で書きます。「いただいた回答は集計のみに使い、行事の終了後に削除します」と書いてあるだけで、答える側の警戒が下がります。
アンケートを回したあとに残るもの、判断の順番
毎年同じ調査を回す会では、道具を選ぶときに見る点が1つ増えます。今年答えやすいかどうかではなく、来年の担当が同じことをできるかどうかです。
最初に見るのは、誰の手元に残るかです。フォーム作成の機能で作ったアンケートは、作った人のアカウントの中に保存されます。担当が代わったときに、そのアカウントごと引き継げなければ、質問も回答も取り出せません。会として持つ場所に置き換えておかないと、毎年ゼロから作ることになります。
次に見るのは、宛先の一覧が残るかどうかです。リンクを配る形のアンケートは、誰に配ったかを道具の側が覚えていません。答えていない人を数えるには、名簿と照らし合わせる作業が別に必要になります。連絡の仕組みの中に一覧があるなら、この作業は消えます。LINEのグループで出欠や意見をどこまで集められるかはLINEグループとの比較に整理してあり、人数の上限や履歴の残り方の違いはLINEオープンチャットとの比較で確かめられます。
3つめは、去年の結果を開けるかどうかです。アンケートの価値は、1回の結果より、去年との比較にあります。去年の回答が別の担当のアカウントの中にあるなら、比較はできません。メンバー以外は見られない場所に、連絡と記録がまとめて残る形にしておけば、来年の担当は去年の質問をそのまま使えます。
4つめは、アカウントを増やさずに済むかどうかです。会として道具を替えるときの障壁は、機能ではなくアカウントであることがほとんどです。答える側に新しいIDとパスワードを作らせる形は、年配の会員がいる会では最初の関門になります。この点をどう解いているかはよくある質問に書いてあります。
出欠の確認と意見の集約が、連絡と同じ画面で完結する形は町内会での使われかたで、学年やクラスごとに聞く相手を分ける形はPTAでの使われかたで、見本の画面として公開しています。アンケートの作り方を整えるほど、集計そのものは短く終わるようになります。残るのは、答えなかった人を追いかける時間と、来年の担当に渡すものの数です。この2つを減らす形を先に決めておくと、毎年の調査が続きます。
Q1. アンケートの質問は何問くらいが適切ですか?
選択式で10問前後と、自由記述1問が目安です。選択式は1問あたり10秒ほど、自由記述は1問で1分以上かかるため、全体で2分に収まる量に抑えると回答率が落ちません。答えやすい選択式から始め、属性を聞く質問と自由記述は最後に回します。
Q2. アンケートは匿名にすべきですか?
聞く内容で決まります。出欠や係の希望のようにあとで個別に連絡する調査は名前付きで、運営への意見や続けるかどうかの判断を聞く調査は匿名にします。匿名と言いながら班や学年を聞くと、人数の少ない会では書いた人が特定されるため注意が必要です。
Q3. 無料のフォームで気をつける設定はありますか?
4つあります。フォームを公開しているか、回答を1回に制限する設定をオンにしていないか(オンにするとログインが必要になります)、メールアドレスを収集する設定になっていないか、結果の概要を表示する設定がオフになっているかです。最後の設定をオンにすると、回答できる全員が自由記述の内容を読めます。
Q4. 回答が集まらないときはどうすればよいですか?
締め切りをアンケートと同じ場所に書き、答えるのにかかる時間を案内に添え、答えていない人にだけ督促します。全員へ同じ案内を再送すると、すでに答えた人の負担になります。締め切りは配ってから1週間を目安にし、土日をはさむ形にすると平日に時間が取れない人も答えられます。
