Discordの引き継ぎで本当に困るのは、操作そのものではありません。所有権を譲る操作は数十秒で終わります。問題は、譲る相手が決まっていないこと、譲る前に前の担当がいなくなってしまうこと、そして渡したあとに何が引き継がれて何が消えるのかを誰も把握していないことです。役員が毎年代わる会では、ここが崩れると1年で運用が止まります。この記事では、Discordで引き継げるものを4つに分けて整理し、それぞれの手順と落とし穴をまとめます。
引き継ぎで渡すものは、4つに分けて考える
まとめて「引き継ぎ」と呼ぶと抜けが出るので、最初に分解しておきます。Discordのサーバーを次の担当へ渡すときに動かすものは、次の4つです。
1つ目は、サーバーの所有権です。持ち主が誰かという情報で、これだけは他の権限とまったく別物です。持ち主にしかできない操作があり、他の人がどれだけ強い権限を持っていても奪えません。引き継ぎで最も忘れられやすいのがここです。
2つ目は、権限です。役職の札を誰に付けるか、どの部屋を誰に見せるか。新しい役員に札を付け、前年度の役員から外す作業になります。
3つ目は、運用の決めごとです。どの部屋に何を書くか、全体への呼び出しをいつ使うか、入会した人に誰が札を付けるか。文字になっていないことが多く、前任者が抜けると同時に失われます。
4つ目は、過去のやりとりです。サーバーに残っている投稿そのものは、持ち主が代わっても消えません。ただし、個人のやりとりや、前任者だけが持っていた情報は引き継げません。
この4つのうち、操作で解決するのは1つ目と2つ目だけです。3つ目と4つ目は、書き残すかどうかという運営の問題になります。引き継ぎがうまくいかない会は、たいてい1つ目と2つ目だけやって終わりにしています。
順番も決まっています。3つ目と4つ目を先に用意しておいて、最後に1つ目を動かす。この順にしないと、操作を終えた時点で前任者が引き継ぎは済んだと考え、決めごとが文字にならないまま終わります。実務としては、引き継ぎ書を書くところから始めるのが正解です。
なお、この4つの分け方はDiscordに限った話ではありません。どの道具を使っていても、持ち主にあたるもの、権限にあたるもの、決めごと、過去の記録という4つは必ず出てきます。道具を乗り換えるときにも、この4つで棚卸しすると抜けが出ません。
サーバーの所有権を譲る手順
所有権の移動は、持ち主本人にしかできません。手順は次のとおりです。
サーバーの設定からメンバーの一覧を開き、譲りたい相手を選びます。その人の名前を右クリックすると出てくるメニューに、所有権を移動する項目があります。
選ぶと確認の画面が出ます。ここには、本当に譲るかどうかを確かめるための切り替えが置かれていて、それを入れないと先へ進めません。押し間違いで所有権が動いてしまわないようにする作りです。
自分のアカウントで多要素認証を有効にしている場合は、この操作でコードの入力を求められます。認証アプリを入れた端末が手元にない状態では完了できないので、引き継ぎの作業をする日には端末を持ってきてもらってください。総会の当日に画面の前で譲ろうとして、認証アプリが自宅の端末にあって進まない、という止まり方は実際に起きます。
譲る相手は、事前にサーバーのメンバーになっている必要があります。新しい会長がまだサーバーに入っていない状態では選べません。引き継ぎの段取りとしては、先に新役員をサーバーへ招いて、札を付けて、それから所有権を移す、という順番になります。
ひとつ注意が要るのは、この操作を取り消せないことです。公式のサポート記事にもそう書かれています。
Discordのサポートチームは、いったん移動したサーバーを元に戻すことはできません。 出典: support.discord.com
相手を選ぶ画面では、同姓の会員や似た表示名の人を取り違えないよう、その場で本人に確認してから押してください。Discordは表示名を各自が自由に変えられるので、本名で登録しているとは限りません。引き継ぎの前に、新役員に表示名を分かる形へ直してもらっておくと安全です。
譲ったあとに何が変わるか
所有権を移すと、その瞬間から持ち主にしかできない操作の権限が相手へ移ります。サーバーを削除できるのも、次の持ち主だけになります。
元の持ち主は、サーバーから追い出されるわけではありません。メンバーとしてそのまま残り、自分が持っている札に紐づいた権限だけを保持する形になります。つまり、運営の札を持ったままなら運営として動けますし、札を外されれば一般の会員と同じになります。
ここで決めておきたいのが、前任者を残すかどうかです。顧問や相談役として残ってもらう会は多く、それ自体は自然なことです。ただし、運営の札を付けたまま何年も置くと、役員ではない人が会計の相談を見続ける状態になります。残ってもらう場合も、札は一般の会員に戻し、必要なときだけ声をかける形にしておくほうが、あとで説明に困りません。
もうひとつ、譲ったあとに新しい持ち主が最初にやることを決めておいてください。前年度の役員から札を外す作業です。これを引き継ぎの当日に一緒にやってしまうのが確実で、後日にすると必ず忘れます。
引き継ぎの完了を、何をもって完了とするか。所有権が移り、新役員に札が付き、前役員の札が外れ、運営の決めごとが書いてある部屋の場所を新役員が知っている。この4つが揃った時点、と決めておくと、毎年同じ形で回せます。
持ち主と連絡が取れなくなったとき
引き継ぎの話で最も相談が多いのが、前の持ち主と連絡が取れないという事態です。卒業した、転居した、会を辞めた、単にアカウントを開かなくなった。理由はさまざまですが、結果は同じで、誰も持ち主の操作ができません。
公式には、持ち主が長く使っていないサーバーについて、所有権の移行を申請する窓口があります。ただし条件が揃っています。メンバーが100人以上いること、いまの持ち主が1か月以上アカウントにアクセスしていないこと、申請する人が直近30日のあいだ活動していて管理者かモデレーターの権限を持っていること、そのサーバーが収益化されていないこと。これらを全部満たしていないと受け付けられません。
申請が受け付けられても、すぐに移るわけではありません。いまの持ち主へ移転の同意を確かめる連絡が行き、返答の猶予が7日置かれます。承認されるか、返答がないまま期間が過ぎれば、条件を満たしている場合に移されます。拒否されれば移りません。
現実的に言えば、町内会や部活のように会員が数十人の集まりは、最初の条件で外れます。この窓口は使えないものとして設計しておくのが安全です。
では何をするか。答えは、持ち主を1人にしないことではなく、譲る日を先に決めておくことです。役員の任期が3月で終わる会なら、2月中に譲る、と会の決めごとに書いてしまう。総会の議題に「サーバーの所有権の移動」を1行入れておく。このどちらかをやっておけば、連絡が取れなくなる前に手が打てます。
アカウントを消すと、サーバーはどうなるか
前任者が「もう使わないから」とアカウントごと削除してしまう、という事態も起こります。ここは仕組みを知っておくと予防できます。
まず、アカウントの削除は即座には終わりません。公式の説明では、削除には15日かかり、その間は削除保留の状態になります。確認したあとはすぐログアウトされますが、期間が終わるまではシステムから消えません。
そして、サーバーを所有したままではアカウントを削除できません。所有しているサーバーは、削除の前に誰かへ譲るか、サーバー自体を消す必要があります。譲っておけば、そのサーバーは新しい持ち主のもとで存続します。
送ったメッセージについては、アカウントを削除するとすべてのサーバーとメッセージで匿名化される、と説明されています。投稿そのものが消えるわけではなく、誰が書いたかが分からなくなる形です。過去の決定の経緯を追うときに、発言者が分からないと意味が取れなくなることがあります。重要な決定は、発言のままにせず議事録として残しておく理由がここにあります。
会としてやっておくべきことは単純です。役員が退任するときに、アカウントを消す予定があるかを聞くこと。消す予定があるなら、その前に所有権を移してもらうこと。この2つを退任の手続きに入れておけば、サーバーが宙に浮くことはありません。
権限の配り直しをどうやるか
所有権の次に動かすのが札です。ここは作業そのものは単純ですが、抜けやすい箇所が決まっています。
まず、運営や管理者の札が付いている人を全員書き出します。メンバーの一覧を札で絞り込めば、すぐに出ます。そのうえで、今年度もその立場にある人だけを残し、それ以外は一般の会員の札に戻します。
見落としやすいのが、部屋ごとに個人を名指しして権限を与えている場合です。札ではなく個人に対して直接許可を付けていると、札を外しただけでは権限が残ります。会計の部屋のように、特に見せる範囲を絞っている部屋は、権限の一覧を開いて個人名が入っていないかを直接見てください。
もうひとつが、外部の仕組みとの連携です。自動で挨拶を返す仕組みや、予定を知らせる仕組みを入れている会では、それを入れた人が退任すると、止め方も設定の変え方も分からなくなります。引き継ぎのときに、入っているものを一覧にして、要るものと要らないものを仕分けてください。使っていないものは外すのが最も安全です。
管理者の札は、この機会に減らせないかを考えてください。管理者はすべての部屋の制限を越えて見えるので、人数が増えるほど部屋を分ける意味が薄れます。引き継ぎのたびに1人ずつ増えていき、気づくと5人になっている、という増え方をしがちです。
渡す前に、サーバーの中を整理しておく
引き継ぎを受ける側の負担は、渡す側の整理でほとんど決まります。散らかったまま渡されると、新しい担当は最初の1か月を把握だけに使います。
整理の中身は3つです。1つ目は、使われていない部屋を畳むことです。半年間まったく書き込みのない部屋が並んでいると、新しく入った人はどこに書けばよいか分かりません。残す理由を説明できない部屋は、権限で隠すか消してしまうほうが全体が見やすくなります。仕組みの上では1つのサーバーにチャンネルを500個まで置けますが、人が把握できる数はそれよりはるかに少ないものです。
2つ目は、札を減らすことです。歴代の担当が思いつきで足した札が並んでいると、どれが現役か分かりません。できることが同じ札は1つにまとめてください。まとめるときは、消す前にその札が誰に付いているかを控えておきます。
3つ目は、部屋の名前を意味の分かるものに直すことです。内輪の言い回しで名付けられた部屋は、次の担当には意味が取れません。連絡、予定、写真、運営、といった素直な名前に直しておくと、説明しなくても伝わります。
この整理を引き継ぎの直前にまとめてやろうとすると、必ず時間が足りません。年に1回の棚卸しのときに少しずつ進めておくと、引き継ぎの日は所有権を移すだけで済みます。
引き継ぎの当日にやることを、順番で決めておく
引き継ぎの日に何をどの順でやるかを、あらかじめ紙に書いておくと、その場で迷いません。順番は次のとおりです。
はじめに、新役員が全員サーバーに入っていることを確かめます。入っていない人がいれば、その場で招待リンクを作って入ってもらいます。招待リンクは既定では7日間で切れるので、事前に配っていた場合は期限を過ぎていないかを確かめてください。
次に、新役員へ運営の札を付けます。付けたあと、その人の画面で運営用の部屋が見えているかを本人に確認してもらいます。渡す側の画面では全部見えているので、自分の目では検証になりません。
続いて、引き継ぎ書が置いてある部屋を開いてもらい、内容を一緒に読み合わせます。読み合わせの場で出た質問は、その場で引き継ぎ書に書き足してください。次の年の担当が同じ質問をします。
そのうえで所有権を移します。ここで多要素認証のコードを求められることがあるので、渡す側は端末を手元に置いておきます。
最後に、前役員の札を一般の会員の札に戻します。ここまでを1回の集まりで終えるのが理想です。後日に回した作業は、ほぼ確実に忘れられます。
引き継いだ側が、最初の1か月でやること
渡された側にも、やっておくと後が楽になることがあります。
まず、自分が本当に持ち主になっているかを確かめてください。サーバーの設定を開いて、持ち主だけが触れる項目が表示されているかを見れば分かります。譲る操作の途中で止まっていた、という事態は起こります。
次に、管理者の札が誰に付いているかを一覧で確認します。前年度までに増えた分がそのまま残っていることが多く、ここを見直すのは新しい持ち主の役目です。減らすときは、外す相手に一声かけてから外してください。黙って外すと、会の人間関係の話になります。
そのうえで、緊急時の連絡手段を1つ用意しておきます。Discordが開けない、あるいはアカウントに入れない事態は起こります。そのときに役員同士で連絡を取れる経路を別に持っておかないと、対処のしようがありません。電話番号の一覧でも構いません。
最後に、自分がいなくなったときにどうするかを決めておきます。任期の終わりに誰へ譲るか、途中で連絡が取れなくなったら誰が対応するか。引き継がれた側が最初に考えるべきなのは、次に引き継ぐときのことです。ここを任期の終わりまで先送りすると、また同じところで詰まります。
引き継ぎ書に何を書くか
操作で渡せないものを渡すのが引き継ぎ書です。ここが実は一番効きます。
書く内容は、多くなくて構いません。次の6項目があれば、新しい担当は動けます。
いまの持ち主は誰か。運営の札を持っているのは誰か。部屋がそれぞれ何のためにあるか。全体への呼び出しを使ってよい場面。入会した人に札を付ける担当は誰か。外部の仕組みを入れているならその名前と、入れた目的。
置き場所は、サーバーの中に運営用の部屋を作って、そこに書くのが続きます。別の場所に文書として置くと、担当が代わるたびに在りかごと失われます。サーバーの中にあれば、札さえ付けば次の担当が自力でたどり着けます。
書き方は箇条書きで十分です。体裁を整えた文書にすると、誰も更新しなくなります。更新されない引き継ぎ書は、間違った情報を渡す分だけ何もないより悪くなります。最後に更新した日付だけは冒頭に書いておいてください。読む側が、どこまで信用してよいかを判断できます。
年に1回、棚卸しのついでに見直す日を決めておくと、内容が古びません。年度の切り替わりに、札の配り直しと引き継ぎ書の更新を同じ日にやる、と決めてしまうのが実務的です。
引き継ぎ書に書いてはいけないもの
書く内容と同じくらい、書かないものを決めておく必要があります。
パスワードを書かないでください。会で共有しているアカウントがある場合でも、引き継ぎ書に直接書くと、札を持つ人全員が見られる状態になります。運営の札を持つ人が5人いれば、5人が見ます。退任後に札を外し忘れれば、その人も見続けます。共有アカウント自体をやめて、個人のアカウントに札を付ける形へ移すのが本筋です。
会員の個人情報も、引き継ぎ書の中に置かないでください。電話番号や住所の一覧を運営用の部屋に貼ると、部屋を見られる人が全員見ます。名簿は名簿として別に管理し、引き継ぎ書には「名簿は誰が持っているか」だけを書きます。
特定の会員についての評価や、過去のもめごとの経緯も書かない判断が普通です。引き継ぎのつもりで書いた一文が、何年も残って読まれ続けます。必要な申し送りがあるなら、文字ではなく口頭で伝えるほうが、結果として安全です。
書いてよいのは、仕組みと手順と担当だけ、と線を引いておくと迷いません。人の話が入り始めたら、それは引き継ぎ書ではなくなっています。
過去のやりとりは、どこまで引き継げるか
サーバーに残っている投稿は、持ち主が代わっても消えません。新しい担当も、権限があれば過去にさかのぼって読めます。ここは安心してよい部分です。
問題になるのは、サーバーの外にあるものです。前任者が個人のやりとりで受けた相談、前任者の端末にしかない写真、前任者のメモ。これらは引き継げません。
対処として現実的なのは、個人のやりとりで会の用件を扱わない、という取り決めです。相談ごとであっても、決定に関わることは運営用の部屋に書き写す。写真は行事ごとの部屋に上げる。この2つを守るだけで、引き継げないものが大きく減ります。
自分が送ったメッセージを手元に落とす方法として、データの一式を請求する仕組みもあります。ただし、これで取れるのは自分が送ったもので、しかも手動で削除した分は含まれません。処理には最大で30日かかり、ダウンロードできる期間も30日です。さらに、請求する前にサーバーを離れると、そのサーバーの分は含まれない可能性があると説明されています。退任してサーバーを抜けたあとに思い立っても遅い、ということです。
会の記録として残すべきものは、個人のデータ請求に頼らず、はじめから部屋に置いておく。これが結局いちばん確実です。
置き方としては、年度ごとに部屋を分けるのではなく、用途ごとに分けて、決定だけを1つの部屋にまとめる形が探しやすくなります。行事の実施を決めた、会費の集め方を変えた、役員が交代した。こうした決定を日付とともに1行ずつ積んでいけば、それが会の履歴になります。雑談と決定が同じ部屋に混ざっていると、3年後に誰も探し出せません。
写真についても同じです。行事のたびに大量に上がる写真は、時間が経つと誰がどの行事のものか分からなくなります。上げるときに行事名と日付を添える、という一手間を決めておくと、引き継いだ側が助かります。
年度替わりの段取りを決めておく
ここまでの作業を、いつ誰がやるかを決めておくと、毎年もめません。
段取りとして機能しているのは、次の順番です。新役員が決まったら、まずサーバーへ招く。次に運営の札を付け、引き継ぎ書の場所を教える。そのうえで、前役員と新役員が揃っている場で所有権を移す。最後に、前役員の札を一般の会員に戻す。
この順番には理由があります。所有権を先に移すと、前の持ち主が持ち主専用の操作をできなくなり、残った作業を新しい担当が1人でやることになります。新しい担当は操作に慣れていないので、ここで止まります。前任者が動けるうちに準備を終え、最後に所有権だけを移すのが安全です。
もうひとつ、引き継ぎの場には次の次の担当になりそうな人も呼んでおくと効きます。1年後に同じことをする人が、一度でも手順を見ていれば、翌年の負担が半分になります。会計や書記の引き継ぎで同じことをしている会は多く、連絡の道具についても同じ扱いにすればよいだけです。
日取りは、任期の終わりより前に置いてください。3月末で交代する会なら、3月の上旬です。年度末は行事も総会も重なるので、最終日に回すと必ず後ろ倒しになります。
そして、この段取り自体を引き継ぎ書に書いておきます。次の年の担当は、去年と同じ手順をなぞるだけで済みます。毎年やり方を考え直している会と、手順が書いてある会とでは、続き方がまったく違います。
引き継ぎのたびに繰り返す作業を減らすには
ここまでの手順を踏めば、Discordでも引き継ぎは回せます。それでも、毎年これをやり続けるという前提は変わりません。
残る負担は3つです。1つ目は、所有権という1人に集中する権限を、人が代わるたびに手作業で移すこと。2つ目は、札の配り直しと、個人名で与えた権限の洗い出し。3つ目は、会員名簿とサーバーの在籍者が一致しているかの突き合わせです。
この3つは、どれも手順を決めれば回せるものです。ただし、回すのは毎年新しく役員になった人で、その人はたいてい操作に慣れていません。手順があっても、慣れない人が年に1度だけやる作業は止まりやすいものです。
この3つが毎年重いと感じるなら、連絡の置き場所そのものを見直す選択肢もあります。集まり向けの連絡ツールには、名簿と役職が最初から結び付いていて、担当が代わっても管理を複数人で持てる作りのものがあります。Discordと何がどう違うのかはDiscordとの比較に、権限の持ち方と引き継ぎの観点で並べてあります。
役員が毎年代わる団体での実際の流れはPTAでの使われかたに画面の順で載せています。費用や退会時の扱いといった、総会で必ず聞かれる項目はよくある質問にまとまっています。移す移さないを決める前に、想定される質問の答えを先に用意しておくと話が早く進みます。
Q1. サーバーの所有権はどうやって譲りますか?
持ち主本人が、サーバー設定のメンバー一覧から相手を右クリックし、所有権を移動する項目を選びます。確認画面の切り替えを入れると確定します。多要素認証を有効にしているとコードの入力を求められるので、作業日には認証アプリの入った端末を手元に用意してください。相手は先にメンバーになっている必要があります。
Q2. 譲ったあと、前の持ち主はサーバーから消えますか?
消えません。メンバーとして残り、自分が持っている札に紐づいた権限だけを保持します。顧問として残ってもらう場合も、運営の札は一般の会員に戻しておくほうが安全です。役員でない人が会計の相談を見続ける状態になるためです。なお、移動した所有権をサポートが元に戻すことはできません。
Q3. 前の持ち主と連絡が取れなくなったらどうなりますか?
公式には移行を申請する窓口がありますが、メンバー100人以上、持ち主が1か月以上未アクセス、申請者が直近30日に活動していて管理者かモデレーターであること、収益化されていないこと、を全部満たす必要があります。会員が数十人の会は最初の条件で外れるため、任期中に譲る日を決めておくのが唯一の備えになります。
Q4. 前任者がアカウントを消すと、サーバーは消えますか?
所有しているサーバーがある状態ではアカウントを削除できないため、削除の前に誰かへ譲るかサーバーを消す必要があります。譲ってあれば新しい持ち主のもとで存続します。なお、アカウントの削除には15日かかり、削除後は送ったメッセージが匿名化されて、誰の発言か分からなくなります。