運営のコツ

名簿を配布するときの個人情報の扱い|配らずに済ませる手もある

2026年10月5日 ・ Tsudoo編集部

「名簿 配布 個人 情報」で調べる人がいちばん知りたいのは、配ってよいのかどうかという一点です。町内会の名簿を毎年配っている会、PTAで学級ごとの連絡網を配っている会、部活で保護者の一覧を配っている会。どこでも一度は「これは大丈夫なのか」という声が出ます。この記事では、配るかどうかを決める順番、集める前に決めておく利用目的、本人に伝えるときの書き方、保管と訂正の窓口、配った後の名簿の扱い、そもそも配らずに連絡を回す形、紛失が起きたときに最初にすることを順に並べます。町内会の役員、PTAの担当、部活の顧問、教室の運営のように、名簿を作る側に立つ人を想定しています。

配ってよいかより、配らずに済むかを先に考える

最初に立てる問いの順番が、後の作業量を決めます。配ってよいかどうかを調べる前に、配らないと目的が果たせないのか、を確かめてください。

名簿を配りたくなる理由は、たいてい4つに分かれます。

1つ目は、連絡を回すためです。組長から各世帯へ、班長から班の中へ、というつなぎ方をしている会では、連絡先の一覧がないと回せません。

2つ目は、会員どうしが連絡を取れるようにするためです。当日の待ち合わせ、役割の相談、欠席の連絡。会員の間で直接やりとりが発生する会では、この理由が出ます。

3つ目は、会費の管理のためです。誰が納めたかを確かめる作業に、一覧が要ります。

4つ目は、慣例です。毎年配っているから今年も配る。理由を聞くと「昔からそうしている」という答えが返ってくる会が、実は最も多いところです。

このうち、全員に配る必要があるのは2つ目だけです。1つ目は、連絡を回す仕組みがあれば一覧を配らずに済みます。3つ目は、会計の側だけが持っていれば足ります。4つ目は理由ではありません。

つまり、配る範囲を決めるのが最初の作業です。全員に配る、役員だけが持つ、班の中だけで共有する。この3つのどれにするかを決めてから、作り方を決めます。順番を逆にすると、作ってから配る範囲で揉めます。

小さな会も法律の対象になっている

名簿の扱いが以前より慎重になったことには、はっきりした理由があります。個人情報の保護に関する法律が改正され、扱う人数にかかわらず対象になったためです。

平成27年9月に個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が改正され、平成29年5月30日から施行されました。改正前は5,000人分以下の個人情報を取り扱う事業所は対象外とされていましたが、改正後は全ての事業者に個人情報保護法が適用されます。 出典: city.hamura.tokyo.jp

引っかかりやすいのは「事業者」という語です。営利の会社だけの話だと読まれがちですが、町内会、同窓会、PTA、部活の保護者会、教室、サークルのように営利を目的としない集まりも同じ枠に入ります。法人になっているかどうかも、会費を集めているかどうかも関係ありません。会員が20人の会でも、扱いの筋は大きな組織と同じです。

この改正が施行されたのは2017年で、それ以前の感覚で作られた名簿が、いまも多くの会に残っています。学校が住所と電話番号の一覧を配っていた時期、自治会が世帯全員の氏名と生年月日を載せていた時期を覚えている人にとっては、いまの慎重さが過剰に見えることもあります。そこで役員会が揉めます。

揉めたときに効くのは、法律の話を持ち出すことではありません。「配る相手を減らすと、会として管理を頼む先が減る」という実務の話に置き換えると、話が前に進みます。法律を根拠に押し切ると、押し切られた側が次の年に元へ戻します。

もう1つ押さえておきたいのは、罰の話が先に来ないことです。会が問われるのは、まず手順です。何のために集めたのかを本人に伝えていたか、決めた用途の外に使っていないか、なくさない形で保管していたか。この3つが踏めていれば、名簿を作って会員に配ることそのものが禁じられているわけではありません。逆に、この3つが抜けている状態は、名簿の形をどれだけ整えても直りません。

ここから先の話は、その3つを順に踏むための手順です。集めるとき、保管するとき、外に渡すとき、直すとき。それぞれで決めておくことが違います。

集める前に、何のために使うかを決める

配る形が決まったら、次は集める前の準備です。ここを飛ばすと、後の全部が直せなくなります。

決めておくのは、集めた情報を何に使うかです。「会からのお知らせの配信に使います」「会員名簿に掲載し、会員に配布します」のように、用途を具体的に書ける形にしてください。

用途を先に決める理由は2つあります。

1つ目は、伝える必要があるからです。本人に用途を伝えないまま集めると、後から名簿に載せることになった段階で、もう一度全員に確認を取ることになります。100世帯の会で全員に取り直すのは、現実にはほぼ不可能です。

2つ目は、使ってよい範囲が決まるからです。用途を書いておけば、それ以外に使わないという線が引けます。会の連絡のために集めた連絡先を、後から別の目的に回したくなる場面は必ず来ます。書いてあれば、そこで止められます。

用途を決めるときに、あわせて決めておくとよいことが3つあります。掲載する項目、配る範囲、そして保管する期間です。この3つを最初に紙に書いておけば、担当者が代わっても判断が変わりません。

用途は、細かく書きすぎないほうが使いやすいのですが、広すぎると意味がなくなります。「会の運営全般に使います」だけでは、何に使われるのか本人に分かりません。「連絡の配信」「名簿への掲載」「会費の管理」のように、行うことを並べる形が実務に合います。

本人から集めるときに、用紙へ書いておくこと

集める段では、用紙に用途を書いた状態で渡します。行政が公開している注意事項にも、この点が明記されています。

本人から書面で個人情報を取得する場合には、本人に対して利用目的を明示してください。(注意)会員名簿を作成して配布する場合は、個人情報を集める際に配布する用紙に利用目的を記載する必要があります。 出典: city.hamura.tokyo.jp

配布することが決まっているなら、それを用紙に書いておく。この一手間で、後の確認作業が消えます。同じ資料には、配布そのものについての扱いも書かれています。

「名簿に掲載される会員に対して配布するため」と伝えた上で任意で個人情報を提出してもらえれば、同意を得たこととなります。 出典: city.hamura.tokyo.jp

読み取れるのは、配ること自体が問題なのではなく、配ることを伝えたうえで任意に出してもらう手順を踏んでいるかどうかが要点になる、ということです。

用紙に入れておく項目は5つです。

1つ目は、何に使うかです。「会員名簿に掲載し、会員に配布します」「会からの連絡に使います」と書きます。

2つ目は、どこまで載せるかです。氏名だけか、住所も載せるか、電話番号も載せるか。載せる項目を書いておきます。

3つ目は、任意であることです。書きたくない項目は空欄でよい、という一文を入れます。全項目を必須にすると、出せない人が入会そのものを諦めます。

4つ目は、問い合わせ先です。誤りがあったときに連絡する先を書きます。

5つ目は、載せたくない場合の申し出方です。名簿には載せず、会からの連絡だけ受け取りたいという人がいます。その選択があることを書いておくと、後から個別に相談が来る手間がなくなります。

用紙は、集めたあとも保存してください。何を伝えて集めたのかを示すものなので、名簿そのものより長く残す価値があります。

保管しているときに気をつけること

集めた後の扱いも、同じ資料に整理されています。

集めた個人情報の漏えい防止のため、盗難・紛失等のないように適切に管理してください。(注意)会員名簿を作成して配布する場合は、名簿の配布先に対しても盗難・紛失等のないように適切に管理するように注意を呼びかけてください。 出典: city.hamura.tokyo.jp

注目したいのは後半です。配った先にも呼びかける、という点です。つまり、配った時点で会の手を離れるわけではありません。配る数が多いほど、管理を頼む先が増えます。ここが、配る範囲を狭くしたほうがよい実務上の理由になります。

会の側でやっておくことは4つです。

1つ目は、保管する場所を決めることです。紙なら鍵のかかる場所、電子のファイルなら開ける人を限る。担当者の個人の端末だけに入っている状態は、紛失したときに何件の情報が入っていたかを誰も説明できない状態と同じです。

2つ目は、件数と項目を別に記録しておくことです。何人分の、どの項目を持っているのか。これを1枚の紙に書いておけば、万一のときに範囲を説明できます。

3つ目は、持ち出しの決まりです。総会や行事の当日に名簿を持ち出す場面があります。持ち出す人と、戻す期限を決めてください。決めていないと、行事のあと数か月そのままになります。

4つ目は、配った先への呼びかけです。名簿の表紙か1ページ目に、取り扱いの注意を1行入れます。「会の連絡以外の目的には使わないでください」「不要になったら裁断して処分してください」。書いてあるだけで、扱いは変わります。

会の外から名簿を求められたときの扱い

会員に配る話とは別に、会の外へ名簿を渡す場面が出てきます。ここが、実務でいちばん判断に迷うところです。

外から求められる形は、だいたい次のとおりです。連合会や区の担当から世帯数と代表者の一覧を出してほしいと言われる。学校から保護者の連絡先を教えてほしいと言われる。地域の行事の実行委員会から参加者の一覧を求められる。同じ建物を使う別の団体から、会員の名前を確認したいと言われる。物品を売る業者から、会員に案内を送りたいので住所を貸してほしいと言われる。

判断の筋は1つです。集めるときに伝えた用途の中に、その渡し方が入っているかどうかです。入っていなければ、本人の同意を取らないと渡せません。会の役員会で決議しても、本人の同意の代わりにはなりません。ここを取り違えると、後から会員に説明できなくなります。

同意なしで渡してよい場合が限られていることも、行政の資料に書かれています。

ただし「法令に基づく場合」「人の財産を守る場合」「委託先に提供する場合」など同意を得なくても提供できる場合もあります。 出典: city.hamura.tokyo.jp

同じ資料には、渡した記録を残す必要があることも書かれています。提供先を記録して一定の期間保管するという扱いです。会としてやるなら、様式は1枚で足ります。渡した日、渡した相手、渡した項目、何人分、渡した理由、誰の判断か。この6つを1行に書いて、年度ごとにまとめておいてください。

現場で断りやすくするための備えが2つあります。

1つ目は、断る言い方を先に決めておくことです。「会で集めた連絡先は会の連絡にだけ使うと会員に伝えて集めているため、外へお渡しできません。会からの連絡で案内をお伝えする形なら対応できます」。この形にすると、相手の目的は果たせて、連絡先は渡さずに済みます。

2つ目は、答える人を決めておくことです。求められる場面は、たいてい行事の当日や電話の場で突然来ます。その場にいた役員が善意で渡してしまう事故が、いちばん多い型です。「名簿の件は会長と連絡担当が答える」と決め、他の役員はその場で答えないという取り決めにしてください。

会員の名前を出さずに答えられる求めも多いところです。世帯数、参加人数、班の数といった数字だけで足りる依頼が混ざっているので、まず何に使うのかを聞いてください。数字で足りるなら、名簿を出す話は消えます。

印刷や宛名書きを外部に頼むときに確かめること

名簿を冊子にする、宛名のシールを作る、封入を頼む。外部の業者に頼む場面でも、渡した先の扱いが会の責任として残ります。

個人情報を委託先に提供する場合には、適切な監督を行う必要があります。(注意)会員名簿を印刷業者に委託する場合は、個人情報の適切な管理を実施するなど確認する必要があります。 出典: city.hamura.tokyo.jp

頼む前に確かめることは4つです。

1つ目は、渡した原稿をいつ消してもらえるかです。印刷が終わった後も原稿が業者側に残る形が多いので、納品後に削除してもらう約束を先に取ってください。「次回の増刷のために保管します」と言われた場合、保管する期間と、期間が過ぎたらどうするかまで確かめます。

2つ目は、扱う人の範囲です。小さな印刷所なら数人ですが、大きな会社では工程ごとに人が変わります。取り扱いの決まりを持っている業者かどうかを、見積もりの段で聞いておくだけで差が出ます。

3つ目は、渡し方です。メールに添えて送る形が最も手軽ですが、宛先を間違えたときに取り返せません。会員100人分の一覧を誤った宛先に送ると、それだけで流出になります。パスワードを付けた形で渡すか、業者が用意している受け渡しの仕組みを使ってください。

4つ目は、書面にすることです。見積書や発注書に「個人情報の取り扱いについては貴社の定めに従い、納品後に原稿を削除すること」の一文を入れてもらう形で足ります。分厚い契約書を作る必要はありません。

無料で使える印刷の注文サイトに、そのまま名簿の原稿をアップロードしている会があります。費用は下がりますが、原稿の保管期間と削除の手順が示されていない場合は、確かめてから使ってください。示されている業者を選ぶほうが、後の説明が楽になります。

宛名書きを会員のボランティアに頼む場合も、考え方は同じです。会の外の人ではないので委託ではありませんが、渡した一覧が作業のあと手元に残ります。作業が終わったら回収するか、その場で裁断する段取りを作業の予定に入れておいてください。

誤りがあったときに直す窓口を用意する

集めた情報は、時間がたつと実態と合わなくなります。引っ越し、電話番号の変更、世帯の構成の変化。直す手順を用意しておく必要があります。

集めた個人情報の内容に誤りがあった場合に訂正するための手続き方法などを本人に周知し、必要に応じて訂正してください。(注意)会員名簿を作成して配布する場合は、個人情報を集める際に配布する用紙に訂正などに関する問合せ先などを記載し、本人からの連絡に適切に対応してください。 出典: city.hamura.tokyo.jp

窓口として決めておくのは3つです。誰が受けるか、どこに連絡するか、いつ直すか。

誰が受けるかは、役職で決めてください。個人の名前で決めると、交代のたびに周知し直すことになります。「会の連絡担当」「事務局」のような役職名にしておけば、担当者が代わっても窓口は変わりません。

どこに連絡するかは、電話だけにしないでください。電話は相手の時間を選べないので、直してほしい会員が遠慮します。書面でも受け付ける形にしておくと、申し出が出やすくなります。

いつ直すかは、名簿を作り直す時期に合わせます。年に1回作り直す会なら、その前に申し出をまとめて受ける期間を設けます。2週間ほどの期間を決めて周知し、その間に集まった分を反映する形が回しやすいところです。

直したあと、古い版をどうするかも決めておいてください。古い名簿が会員の手元に残っていると、間違った連絡先に連絡が行きます。新しい版を配るときに、古い版の処分を頼む一文を添えてください。

すでに配ってある名簿をどう扱うか

いま手元にあるのが、用途を伝えずに集めた情報で作った名簿である場合もあります。過去の担当者が集めたもので、どう伝えたのか分からない、という会は珍しくありません。

このとき、取れる手は3つあります。

1つ目は、次に作り直すときに手順をそろえることです。いまある名簿を回収するのは現実には難しいので、次の版から用紙に用途を書いて集め直す形にします。作り直すまでの間は、配る範囲を広げないでください。

2つ目は、いまある名簿の扱いを会で確認することです。総会や役員会で、名簿をこれまでどおり配るかどうかを議題にします。議題にすることで、会員から載せたくないという申し出が出る機会が生まれます。申し出が出たら、次の版から外します。

3つ目は、配る範囲を狭めることです。全員に配っていた形を、役員だけが持つ形か、班の中だけで共有する形に変えます。会員から反対が出るかと思われがちですが、実際には「そのほうが安心」という反応が返ってくることが多いところです。

どの手を取る場合も、過去の担当者を責めないでください。以前は学校や自治体が名簿を作って配るのが当たり前だった時期があり、その時期の感覚で作られた名簿が残っているだけです。責める話にすると、次の担当者が名簿に触りたがらなくなります。

配らずに連絡を回す3つの形

配る範囲を狭めたいとき、代わりになる形は3つあります。

1つ目は、連絡を一方向に流す形です。会からのお知らせを配る仕組みだけを用意し、会員どうしの連絡先は共有しません。会員は受け取るだけなので、一覧が要りません。回覧板の代わりとして使っている会では、これで足ります。

2つ目は、連絡先を見せずに連絡できる形です。会員の名前は分かるが、電話番号や住所は見えない。それでも連絡を送れる。この形にすると、会員どうしのやりとりが必要な会でも一覧を配らずに済みます。班の中のやりとりが多い町内会や、役割の相談が発生するPTAでは、この形が実務に合います。

3つ目は、必要な人にだけ渡す形です。班長と組長だけが担当範囲の連絡先を持ち、それ以外の会員は持たない。渡す先が少ないので、管理を頼む先も少なくなります。紙で回している会では、これが現実的な落としどころです。

3つの形のどれを選んでも、決めておくことは同じです。誰が何を見られるのか、それを1枚の紙に書いておくことです。書いてあれば、会員から問われたときに答えられます。書いていない状態で運用していると、担当者ごとに答えが変わります。

配らない形に移すときは、移す前に一度、会員へ知らせてください。「今年から名簿の配布をやめ、連絡は別の形で回します」と伝えるだけで足ります。黙ってやめると、配られないことを不満に感じる会員が出ます。

名簿を作る場合に、載せる項目を絞る

配ると決めた場合でも、載せる項目を減らすだけで扱いは軽くなります。よく載っている項目を1つずつ見ていきます。

氏名は、名簿の目的からすると外せません。ただし世帯単位の会では、世帯主の氏名だけにするか、家族の氏名まで載せるかで扱いが変わります。子どもの氏名と学年まで載せると、配る範囲を狭める必要が出てきます。

住所は、連絡を回す目的だけなら不要です。班の順路を作る目的では必要になりますが、その場合は班長だけが持つ形にできます。番地まで載せるか、丁目までにするかでも変わります。

電話番号は、緊急の連絡がある会では必要です。ただし携帯電話の番号と固定電話の番号を両方載せる必要はほとんどありません。どちらか1つに絞ると、載せる情報が半分になります。

メールアドレスは、配る名簿に載せる必要が最も薄い項目です。会からの連絡に使うだけなら、会の側が持っていれば足ります。

勤務先、生年月日、家族の構成は、会の運営に必要になる場面がほとんどありません。ひな型に欄があると埋めてしまいがちなので、様式を作る段で欄そのものを外してください。

絞り方のこつは、項目ごとに「これがないと何ができなくなるか」を1つずつ確かめることです。答えられない項目は、載せなくても運営は回ります。項目が少ない名簿は、紛失したときの影響も小さくなります。

紛失や流出が起きたときに最初にすること

起きてほしくないことですが、起きる前提で手順を決めておいてください。決めていない会では、担当者が1人で抱えて数日たち、そのあいだに事態が広がります。

最初にすることは、範囲の確認です。何人分の、どの項目が、どの形で失われたのか。ここで役に立つのが、先に作っておいた件数と項目の記録です。記録がないと、この確認だけで何日もかかります。

次にすることは、会の中への報告です。会長と役員に、分かっている範囲をその日のうちに伝えます。原因の調査より先に報告してください。原因が分かるまで待つと、報告が遅れます。

3つ目は、本人への連絡です。載っていた会員に、何が起きたのかを伝えます。伝える内容は3つで足ります。何が失われたか、いまどう対応しているか、何か起きたらどこへ連絡すればよいか。詳しい経緯や反省を並べる必要はありません。

4つ目は、相談先への連絡です。どこに相談すればよいか分からない場合は、個人情報保護委員会が窓口を公開しています。制度についての情報は個人情報保護委員会で確かめられます。自治体の市民活動の担当窓口も、地域の団体からの相談を受けています。

5つ目は、同じことが起きない形にすることです。持ち出しの決まりを作る、保管の場所を変える、載せる項目を減らす。原因に応じて1つだけ決めて、次の役員会で共有してください。5つも変えると守られません。

会の情報を1か所にまとめるときの判断材料

名簿の扱いを軽くする最も確実な手は、配る紙の数を減らすことです。連絡先、会費の記録、お知らせの履歴が別々の場所に散っていると、そのたびに紙が増え、管理を頼む先も増えます。

とりまとめる側が見る軸は3つです。

1つ目は、会員側で増える手間です。新しいIDとパスワードを覚えてもらう形は、年配の会員がいる会では最初の関門になります。名簿を配らない形にするなら、受け取るだけで済む道を選んでください。

2つ目は、引き継ぎで渡すものの数です。名簿、連絡先の一覧、会費の記録、過去のお知らせ。これが1か所にまとまっていれば、次の担当者に渡すものは1つです。紙の名簿を何部も渡す形より、紛失の機会も減ります。

3つ目は、見られる範囲です。会員の連絡先を扱うので、メンバー以外は見られない状態をどこで担保するかを先に決めておく必要があります。

いま連絡が流れている道具から移す場合の差は、比較のページに整理してあります。LINEグループから移すときに何が変わるかはLINEグループとの比較にまとめてあり、学校や部活で使われているBANDと比べる場合はBANDとの比較で確かめられます。

会の種類ごとの回し方も見ておくと判断が早くなります。組と班で連絡が回る町内会の形は町内会での使われかたに、学年と委員会で宛先が分かれるPTAの形はPTAでの使われかたに並べてあります。学校から保護者へ届ける形は学校での使われかたが近いはずです。

細かい点はよくある質問に集めてあります。名簿の形を変える時期は、年度の初めが最も軽くなります。会員が入れ替わる時期に合わせれば、集める用紙に用途を書き加えた新しい様式から始められるので、古い名簿を回収する必要がありません。

Q1. 会員名簿を会員に配ること自体は問題になりますか?

行政が公開している注意事項では、名簿に掲載される会員に配布するためだと伝えたうえで、任意で情報を出してもらえば同意を得たことになると説明されています。配ることそのものより、配ることを先に伝えて集めているかどうかが要点になります。手順が分からない場合は、自治体の市民活動の担当窓口に確かめてください。

Q2. 名簿に載せたくないと言う会員がいる場合はどうしますか?

載せずに、会からの連絡だけ受け取る形にしてください。集める用紙に、その選択があることを最初から書いておくと、個別の相談が減ります。載せない会員がいても名簿は成り立ちます。全員が載っていないと使えない名簿なら、その名簿は項目が多すぎる可能性があります。

Q3. 昔から配っている名簿の扱いをどう直せばよいですか?

配った分を回収するのは現実には難しいため、次に作り直すときから手順をそろえてください。用紙に用途を書いて集め直し、配る範囲は広げない。あわせて役員会や総会で配布を続けるかを議題にすると、載せたくないという申し出が出る機会が生まれます。

Q4. 名簿を配らずに会員どうしが連絡を取れるようにできますか?

できます。会員の名前は分かるが、電話番号や住所は見えない状態で連絡を送れる形にすると、一覧を配らずに済みます。班の中のやりとりが多い町内会や、役割の相談が発生するPTAでは、この形が実務に合います。紙で回している会では、班長と組長だけが担当範囲の連絡先を持つ形が現実的です。

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