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領収書の書き方を個人間で手書きするとき|会費を受け取った証を残す

2026年10月5日 ・ Tsudoo編集部

領収書の書き方を個人間の手書きで調べる人が増えるのは、毎年だいたい決まった時期です。町内会費を集め始める春、部費や月謝を受け取る学期はじめ、バザーや夏祭りで現金が動く夏の終わり。振込やキャッシュレスに寄せたつもりでも、集まりの現場には必ず現金が残ります。そして現金を受け取った側には、受け取った証を紙で渡す役目がついてきます。この記事では、手書きの領収書に何をどう書くか、収入印紙が要るのはどんなときか、渡したあとの控えをどう残すかまでを、とりまとめる立場の人が判断できる順番で並べます。

個人の間で領収書を渡す場面は、会計の外側に広がっている

領収書というと、会社の経費精算や個人事業主の確定申告の話に見えます。ところが実際に手書きの領収書を書く回数がもっとも多いのは、事業をしていない人たちです。町内会の会計、PTAの会計監査、部活の保護者会、子ども会、教室の月謝、同窓会の幹事。どれも帳簿をつける義務があるわけではないのに、現金のやりとりだけは続きます。

このとき領収書が果たす役目は、税務ではありません。「払った人と払っていない人を分ける」という、集まりの内側の役目です。会費の集金が終わったあとに必ず出てくる問い合わせは、だいたい次の3つに収まります。うちは払ったはずだが名簿に印がついていない。前の役員に渡したが引き継がれていない。2人で1世帯なのにどちらの名前で記録されているのか分からない。どれも領収書の控えが手元にあれば数分で終わる話で、控えがなければ誰も証明できません。

そして、この問い合わせが来る時期は集金の直後ではありません。半年から1年たった総会の直前、会計報告の数字が合わないと指摘されたときに一斉に来ます。つまり領収書を書くときの本当の相手は、目の前で現金を出している人ではなく、来年その席に座る人です。だから手書きでも構わないかどうかではなく、1年後に読んで意味が通るかどうかで書き方を決める必要があります。

手書きを選ぶ理由もはっきりしています。集金は玄関先や体育館の入口で起きるので、印刷する場所がありません。市販の複写式の領収書をポケットに入れておけば、その場で切って渡せます。パソコンで作った領収書を後日渡す形にすると、渡し忘れが必ず出ます。手書きは古い方法ではなく、現金が動く場所に持ち込める唯一の方法です。

手書きの領収書に書く6つの項目

手書きでも印刷でも、領収書として意味を持つために必要な項目は同じです。市販の用紙にはあらかじめ枠が印刷されていますが、枠の意味を知らないまま埋めると、あとで読めない紙が残ります。

日付は、現金を受け取った日を書きます。集金袋を預かった日と、中身を数えた日が違うことがあります。その場合に書くのは、現金を受け取った日です。後日まとめて書くときに「集計した日」を書いてしまうと、支払った人の記憶とずれて問い合わせの種になります。和暦と西暦はどちらでも構いませんが、会の中で片方に揃えてください。控えを並べたときに混ざっていると、年度の切れ目が読めなくなります。

宛名は、現金を出した人の氏名です。会費の場合は世帯で払うことが多いので、誰の名前で書くかを先に決めておきます。名簿が世帯主の名前で並んでいるなら、領収書も世帯主の名前で揃えたほうが照合が楽になります。出しに来た人が世帯主と違うときは、宛名を世帯主にして、備考欄に持参した人の名前を添えます。「上様」は事業の現場では使われますが、集まりの会費では避けてください。誰が払ったか分からない紙は、控えとしての値打ちがありません。

金額は、この記事の後半で詳しく扱います。先に結論だけ書くと、三桁ごとの区切りと、前後の止めを必ず入れます。

但し書きは、何の代金かを具体的に書きます。「お品代」で済ませてよいのは、品目を書くと差し障りがある商取引の場面です。会費や部費では逆で、何年度のどの期間の分かを書かないと、翌年に同じ人からもう一度請求する事故が起きます。

発行者は、受け取った側の氏名と連絡先です。会の名前だけでは、あとで誰に聞けばよいか分かりません。

領収書を発行した者の情報を書き入れます。最低でも住所と名称、例えば店舗名や会社名、個人事業主であれば氏名や屋号などの記載が必要です。店舗のスタンプや社判があれば使用しても構いません。自分で領収書を印刷して手書きで使用する場合は、あらかじめ発行者の情報を盛り込んでおくと発行時の手間を省けます。 出典: yayoi-kk.co.jp

会の場合は、会の名称と担当者の氏名を並べて書くのが実務的です。「○○町内会 会計 山田太郎」のように書いておけば、役員が代わったあとでも、その年の担当が誰だったかが紙から読み取れます。

押印は、法律で必ず求められるものではありません。ただし会費の集金では、押してある紙のほうが受け取った人が安心します。三文判で構わないので、集金の期間だけ決まった印を使い、控えにも同じ印を押してください。

金額の書き方を、直せない形にする

手書きの領収書でもっとも手を抜いてはいけないのが金額です。数字は書き足せます。3,000と書いた紙に0を足せば30,000になり、書いた本人には否定する材料がありません。だから金額欄には、あとから足せない形に閉じる書き方が決まっています。

まず、先頭に「¥」か「金」を書きます。次に、三桁ごとにカンマを入れます。最後に、末尾を「-」か「円」か「也」で止めます。「¥3,000-」「金3,000円」「金参千円也」のいずれでも構いませんが、前後のどちらも空けないことが要点です。前を空けると桁が足され、後ろを空けると桁が足されます。

もっと堅くしたいときは、漢数字の大字を使います。一は壱、二は弐、三は参、十は拾、千は阡、万は萬。大字は画数が多いので、書き換えが事実上できません。会費のように金額が毎回同じで、枚数が多い集金では、印字された金額の領収書を用意して大字を書く必要をなくす手もあります。

税込か税別かは、会費の場合は書かなくて構いません。会費は対価ではなく会員としての負担なので、消費税の話が入りません。一方で、バザーの売上や物品の販売代金を受け取るときは、総額で書いたうえで内訳を添えると読み手が迷いません。

金額を書き間違えたときは、二重線と訂正印で直さないでください。領収書は訂正しない書類として扱うのが安全です。書き損じた紙は破らず、「書損」と大きく書いて控えと一緒に残します。破って捨てると、通し番号が飛んだ理由が説明できなくなります。1枚の書き損じが、翌年の会計監査で30分の説明を生みます。

但し書きには、期間と名目を必ず入れる

但し書きは、領収書の中で唯一、書き手の判断が出る欄です。ここが空だと、紙は残っても意味は残りません。

会費なら「令和8年度 町内会費として」。月謝なら「6月分 月謝として」。部費なら「1学期分 部費(用具代を含む)として」。旅行の積立なら「10月 研修旅行積立金として」。共通しているのは、いつの分かが入っていることです。集まりのお金は同じ名目で毎年動くので、年度や月が入っていない紙は、翌年になると使えません。

複数の名目をまとめて受け取ったときは、行を分けて書きます。「令和8年度 町内会費 3,000円/10月 防災訓練費 500円」のように内訳を残しておくと、片方だけ返金する話が出たときに揉めません。集金袋に2つの封筒が入っていたら、領収書も2枚に分ける判断もあります。枚数が増えても、あとの照合が早くなるほうを選んでください。

「お品代として」は、集まりの会計では使わないと決めておくのが無難です。使ってよい場面は、業者から備品を買って会計処理を任せるときに限られます。それ以外で使うと、何に使ったか説明できない支出が控えに残ります。

避けたい書き方がもう1つあります。「上記の通り」「一式」のような、対象を指さない語です。紙の上には上記が残っていないので、控えを見た人には何も伝わりません。

収入印紙が必要かどうかの分かれ目

ここが個人間の領収書でもっとも誤解されている点です。「5万円を超えたら収入印紙が要る」と覚えている人は多いのですが、町内会やPTAの会費では、多くの場合で必要ありません。

金額の基準そのものは決まっています。売上代金の受取書の場合、記載金額が5万円未満のものは非課税で、5万円以上100万円以下のものは200円です。売上代金以外の受取書でも、5万円未満は非課税、5万円以上は200円と定められています。

そのうえで、金額とは別の非課税の入口があります。

なお、営業に関しない金銭または有価証券の受取書は、非課税となっています。ここでいう営業とは、一般通念による営業をいい、おおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことをいいます。したがって、株式会社などの営利法人や個人である商人の行為は営業になりますが、公益法人や商人以外の個人の行為は営業には当たりません。 出典: nta.go.jp

営業に関しない受取書の扱いは、さらに細かく整理されています。法人ではない社団、つまり登記していない町内会や保護者会のような集まりについては、公益および会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場合には営業にならない、とされています。個人についても、商人としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するものは営業にならないと書かれています。詳しい区分は営業に関しない受取書の項目に並んでいます。

ここから引ける判断は3つです。1つ目。会員から会費を受け取って渡す領収書は、金額が5万円を超えても収入印紙を貼る話にならないことが多い。2つ目。個人どうしで、事業と関係のないお金をやりとりしたときの領収書も同じ扱いになりやすい。3つ目。ただし同じ会が収益事業として物品を売り続けている場合は、その部分の受取書は営業に当たる余地があります。バザーが年1回の親睦行事なのか、常設の売店なのかで見え方が変わります。

判断に迷う金額、たとえば工事代金を会が立て替えて受け取るような場面では、税務署の電話相談で確かめてから決めてください。貼らなくてよいものに貼っても罰はありませんが、貼るべきものを貼らないと過怠税の対象になります。貼った場合は、印紙と紙の両方にかかるように消印を押します。消印のない印紙は、貼っていないものと同じに扱われます。

手書きの用紙は、複写式を選ぶ

文房具店には、単票の領収書と複写式の領収書が並んでいます。集金で使うなら複写式を選んでください。理由は1つで、控えが自動で残ることです。

単票を選んだ場合、控えを残すには別に台帳を書く必要があります。玄関先で現金を受け取りながら台帳も書くのは無理があり、実際には後回しになって書かれません。複写式なら、渡す紙を切り離した時点で控えが手元に残ります。

複写式を使うときの決めごとは2つあります。1つは通し番号です。市販品にはあらかじめ番号が印刷されているものがあるので、それを採用します。印刷がないものを買った場合は、自分で「2026-001」のように書き入れます。番号があると、控えの束を見るだけで枚数が数えられ、書き損じや抜けが見つかります。もう1つは、複写の紙が1年を通して足りるかどうかです。会員が100人いる会で50枚の冊子を買うと、途中で冊子が変わり、番号が振り直しになります。冊子は年度のはじめに人数分を確かめてから用意してください。

領収書は、原則として1回の受け取りにつき1枚です。同じ人から2回に分けて受け取ったら2枚渡します。まとめて1枚にすると、途中で辞退や返金が出たときに計算が合わなくなります。

紙をなくした人から再発行を頼まれることもあります。このとき同じ内容の紙をもう1枚出すと、控えは1枚で領収書が2枚ある状態になります。避けるなら「再発行」と朱書きし、控えにも再発行した日と相手を書き足してください。

控えと名簿を、同じ順番で並べる

領収書を書き終えたあとに残る仕事が、控えと名簿の照合です。ここを毎回やる会と、総会の前にまとめてやる会で、かかる手間が大きく変わります。

やり方は単純です。名簿の順番と、控えの綴じる順番を同じにします。名簿が班ごとなら、控えも班ごとに分けて綴じます。名簿が五十音順なら、控えも五十音順に並べ替えます。並びが揃っていれば、払っていない人は名簿の側に空白として現れるので、探す作業が消えます。

保存する期間は、会の規約で決めておくのが確実です。参考になるのは事業者の基準です。法人の場合、帳簿とそれに関して作成または受領した書類は、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならないと定められており、この書類には領収書も含まれます。根拠は帳簿書類等の保存期間にあります。会に申告の義務がなくても、この7年間という長さをそのまま借りておけば、過去に遡って聞かれたときに困りません。保管する場所は、役員の自宅ではなく、集会所の書庫のように役職に付いてくる場所にしてください。自宅に保存すると、役員が代わったときに紙ごといなくなります。

控えを写真に撮ってデータでも残す会が増えています。紙が湿気で読めなくなる事故を防げるので、やる価値はあります。ただし撮った写真を個人のスマートフォンの中に残したままにすると、控えが2か所に分かれて、どちらが正なのか分からなくなります。撮るなら、会として決めた保存先に入れるところまでを1つの手順にしてください。

レシートで代わりになる場面と、ならない場面

会費の集金では出てきませんが、会のお金を使う側に回ると、レシートと領収書のどちらを残すかという判断が出ます。備品を買った、飲み物を買った、駐車料金を払った。このときレジで出てくるレシートで足りるのか、店の人に領収書を書いてもらうべきなのかで迷います。

判断の基準は、紙に何が書かれているかです。店名、日付、買ったものの品目、金額。この4つが印字されているレシートは、手書きの領収書より情報が多く、会計報告の材料としては優れています。品目が印字されているので、何に使ったかを説明する手間も要りません。逆に、手書きの領収書は但し書きに「お品代」と書かれることが多く、あとから読んで用途が追えません。

レシートでは足りないのは3つの場合です。1つ目は、感熱紙の印字が消える場合です。感熱紙は熱と光で色が飛ぶので、1年以上たつと薄くなり、数字が読めなくなることがあります。会計監査まで残す必要がある支出は、レシートを受け取った時点で写真を撮るか、コピーを取ってください。2つ目は、宛名が必要な場合です。会の名前を入れた紙が要るなら、レシートを渡して領収書に書き換えてもらいます。3つ目は、レジを通さない支払いの場合です。個人から物を買った、講師に謝礼を渡した、会場の鍵を借りて実費を払った。こうした場面ではレシートが出ないので、受け取った側に手書きの領収書を書いてもらうか、こちらで用意した用紙に署名をもらいます。

会の運用として決めておくと楽なのは、「レシートが出る支払いはレシートを残す、出ない支払いだけ領収書を書いてもらう」という一本の線です。両方もらおうとすると、二重計上の疑いが出ます。

現金以外で受け取ったときに領収書を出すか

振込やキャッシュレスで会費を受け取る会が増えています。このとき領収書を出すかどうかで、会の中の運用が分かれます。

原則を先に書くと、振込の場合は出さなくても成立します。払った側には金融機関の記録が残り、受け取った側には入出金の記録が残るので、どちらも証明できる状態になっています。二重に紙を作ると、控えと入金記録の2つを突き合わせる作業が増えるだけです。会の規約に「振込の場合は振込明細をもって領収書に代える」と書いておけば、頼まれたときに説明できます。

ただし、出したほうがよい場面が2つあります。1つ目は、会社や学校に提出する必要がある人がいる場合です。職場の福利厚生で会費の補助が出る、学校に部費の領収書を出す必要がある。こうした人には紙が要るので、頼まれたら出します。2つ目は、振込名義が本人と違う場合です。家族の口座から振り込まれると、名簿と名義が一致しません。この場合は領収書を出すことで、誰の分として処理したかを両方の手元に残せます。

キャッシュレスで受け取る場合は、サービス側の明細に何が出るかを先に確かめてください。受け取った側の画面には金額と日時が出ても、支払った側の画面には店名として登録した名前しか出ないことがあります。会の名前で登録していなければ、払った人は何のお金か分からなくなります。

現金と振込を併用する年は、混ざったことが原因で照合が崩れます。名簿に「受領方法」の列を1つ足して、現金か振込かを記録してください。列が1つあるだけで、控えのない人を探す作業が消えます。

領収書ではなく預り証を使う場面

集まりの現金には、受け取って自分のものになるお金と、預かって後で渡すお金の2種類があります。この2つに同じ紙を使うと、会計が合わなくなります。

会費や部費は、受け取った時点で会のお金になります。ここには領収書を使います。一方で、旅行の代金を一度集めて旅行会社に払う、チケットを代表して買う、名札の実費を集めて発注する。こうしたお金は、会を通り過ぎるだけで会のものにはなりません。ここには預り証を使います。書く項目は領収書とほぼ同じですが、表題が「預り証」になり、但し書きに「10月 研修旅行代金として お預かり」のように預かったことを書きます。

分けておく利点は2つあります。1つは、中止や返金が出たときに、返す対象がすぐ分かることです。預り証の控えだけを抜き出せば、返金の名簿がそのまま出来上がります。もう1つは、会計報告の数字が読みやすくなることです。預かったお金を収入に入れてしまうと、その年だけ収入が膨らんで、翌年と比べられなくなります。

市販の用紙は領収書のものしか置いていないことが多いので、領収書の用紙の表題に二重線を引いて「預り証」と書き添える形で足ります。年度のはじめに、どの集金が預かりに当たるかを書き出しておいてください。当日に判断すると、必ず片方に寄ります。

集金の当日によく起きる3つの事故

最後に、実際に集金の場で起きる事故を3つ挙げます。どれも領収書の書き方を決めておけば防げるものです。

1つ目は、釣り銭がない事故です。会費が3,000円のときに5,000円札で来る人が必ずいます。釣り銭を用意していないと、あとで返すことになり、領収書だけ先に渡す形になります。この状態で担当が代わると、返したのか返していないのかが誰にも分からなくなります。防ぐには、集金を始める前に千円札を用意し、釣り銭が出た分は控えの余白に「釣5,000-3,000」と書き残してください。

2つ目は、代理で持ってきた人の分が消える事故です。隣の家の分もまとめて持ってくる人がいます。このとき領収書を1枚にまとめると、隣の家に渡す紙がありません。2枚に分けて、持参した人にはその場で2枚渡してください。渡した相手と宛名が違うことを控えに書いておけば、後日の照会にも答えられます。

3つ目は、その場で書かずに後で書く事故です。列ができていると、現金だけ受け取って「領収書は後日」と言いたくなります。この判断が、集金のあとに起きる問い合わせのほとんどを作ります。後日に回すなら、せめてその場でメモを渡してください。日付と金額と担当者の名前が書かれた紙が1枚あるだけで、記憶に頼る場面が消えます。

集金の担当を2人にすると、この3つはほぼ起きません。1人が現金を受け取って数え、もう1人が領収書を書く。人を増やすのが難しければ、集金の時間を区切って、列ができないように時間帯を分ける手もあります。

渡したあとの問い合わせを、紙の外側で減らす

ここまでは紙の書き方でした。実際に役員の時間を奪っているのは、紙を書く時間ではなく、渡したあとの連絡です。

集金の時期に起きることを並べると、構造が見えます。まず「今年の会費はいくらか」という同じ質問が何十件も来ます。次に「いつまでにどこへ持っていけばよいか」の確認が来ます。集金が終わると「払ったのに名簿に載っていない」という照会が来ます。最後に、総会が近づくと「領収書をなくしたので再発行してほしい」という依頼が来ます。どれも1件あたりは短いのですが、来る経路が電話、口頭、個別のメッセージに分かれているために、答えた記録が残りません。同じ質問に3回答えることになるのは、答えが悪いからではなく、答えた場所が人ごとに散っているからです。

これを縮めるには、会費に関する情報を1か所に集めて、全員が同じ画面を見る形にします。金額、期限、渡し方、担当者、領収書の扱いをまとめておけば、質問が来たときにその場所を案内するだけで済みます。連絡と予定と写真を1か所にまとめる道具の使われかたは、会の種類ごとに形が違います。町内会のように世帯単位で動く会での進め方は町内会での使われかたに、年度で担当が入れ替わる保護者会の形はPTAでの使われかたに、会費と出欠が連動する集まりの形はサークルでの使われかたにまとめてあります。

いま多くの会が連絡に使っているメッセージアプリと比べて、何が変わるのかも先に見ておいたほうが判断が早くなります。過去の連絡を後から探せるか、新しく入った人が前の連絡を読めるか、役員が代わったときに引き継ぐものが1つで済むか。この3点での違いはLINEグループとの比較に並べてあります。会費の案内は年に1回しか出さないので、流れて消える場所に書くと、翌年に同じ文章をもう一度作ることになります。

道具を変えるかどうかとは別に、いま決められることが2つあります。1つ目は、領収書の様式を年度のはじめに固定することです。宛名を世帯主で揃えるか本人で揃えるか、但し書きに年度を入れるか、押印するか。この3つを決めて紙に書いておけば、途中で担当が代わっても控えの形が崩れません。2つ目は、再発行の扱いを先に決めておくことです。再発行しないと決めるか、朱書きして出すと決めるか。頼まれてから考えると、断りにくい相手にだけ出すことになり、記録が歪みます。

導入や運用でよく出てくる質問はよくある質問に集めてあります。紙の書き方を整えることと、渡したあとの記録が追えることは別の課題なので、順番に片付けてください。先に手をつけるべきは紙の側です。控えが残っていなければ、どんな道具を入れても照合する材料がありません。

Q1. 町内会費の領収書に収入印紙は必要ですか?

多くの場合で必要ありません。金額の基準は、売上代金の受取書で5万円未満が非課税、5万円以上100万円以下が200円と定められています。ただし営業に関しない受取書は非課税で、登記していない町内会のような社団が、公益や会員相互の親睦を目的として活動している場合は営業に当たらないとされています。収益事業として物品を売っている部分だけは扱いが変わるので、判断に迷う金額は税務署に確かめてください。

Q2. 手書きの領収書でも有効ですか?印刷したものと差はありますか?

必要な項目が書かれていれば、手書きでも印刷でも扱いは変わりません。書くのは日付、宛名、金額、但し書き、発行者の氏名と連絡先の5つで、押印は任意です。差が出るのは形式ではなく控えの残り方です。単票を手書きすると控えが残らないので、集金で使うなら通し番号の入った複写式を選んでください。

Q3. 宛名は世帯主と本人のどちらで書けばよいですか?

名簿の並びに合わせてください。名簿が世帯主の氏名で並んでいるなら、領収書も世帯主で揃えたほうが照合が早くなります。持ってきた人が世帯主と違うときは、宛名を世帯主にして備考欄に持参者の氏名を添えます。「上様」は誰が払ったか分からなくなるため、会費では使わないでください。

Q4. 領収書の控えは何年保存すればよいですか?

会の規約で決めるのが確実です。目安になるのは事業者の基準で、法人の場合は帳簿と関連書類を確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存することが定められており、領収書もこの書類に含まれます。この長さをそのまま借りておけば、遡って聞かれても答えられます。保管場所は役員の自宅ではなく、集会所の書庫のように役職に付いてくる場所にしてください。

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