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写真の顔のぼかし方|会の記録を載せる前にできる手当て

2026年10月5日 ・ Tsudoo編集部

写真の顔のぼかし方を探す人が増えるのは、行事が終わった直後です。運動会、夏祭り、発表会、卒業の会。撮った写真を会報に載せる、会の掲示板に貼る、参加できなかった人に送る。そのどこかで「この子の顔はそのまま出してよいのか」という問いが立ち上がります。この記事では、顔をぼかす具体的な手順を、パソコンだけの場合とスマートフォンだけの場合に分けて並べ、そのうえで、顔を隠しても残ってしまうものと、会として先に決めておくべき範囲までを扱います。

顔をぼかすかどうかは、載せる場所で決まる

同じ写真でも、載せる場所によって手当ての必要度が変わります。ここを分けずに「全部ぼかす」と決めると、行事の記録として使えない写真ばかりが残ります。逆に「会の中だけだから何もしない」と決めると、あとから外に流れたときに手の打ちようがありません。

判断の軸は1つです。その写真を見る人の範囲が、あらかじめ決まっているかどうか。会員だけが入れる場所に保存する写真は、見る人が名簿で分かります。会報の紙、会のウェブサイト、駅前の掲示板に貼るポスターは、見る人の範囲が決まっていません。範囲が決まっていない場所に出すものだけ、顔を手当てすると決めておけば、作業量が現実的な水準に収まります。

もう1つ、実務として効く軸があります。写真が誰の手で動くかです。会の中で保存した写真でも、参加者が自分の端末に保存して自分の判断で外へ出すことがあります。ここを止める手立てはないので、「会の中に保存する写真」と「外に出す用に作った写真」を最初から別に分けておくほうが現実的です。外に出す用の写真は枚数を絞り、その数枚だけ丁寧に手当てをします。200枚撮った行事で、外に出すのが5枚だと決まっていれば、ぼかす作業は10分で終わります。

写真を撮る前にできることもあります。集合写真は撮る、個人が大きく写る写真は載せない前提で撮る、後ろ姿や手元を多めに撮る。行事の記録として成立する写真は、顔が大きく写っている写真だけではありません。

ぼかす、モザイクをかける、塗りつぶす。3つは別のもの

同じ「隠す」でも、3つの方法は性質が違います。選び間違えると、隠したつもりで隠れていない写真ができます。

ぼかしは、その範囲の色を隣同士で混ぜて輪郭を溶かす加工です。写真としての見た目が自然なので、会報に載せても違和感が出ません。弱点は、度合いを弱くすると誰か分かることです。目鼻の位置と髪型と輪郭が残るので、その集まりの中の人であれば見分けがつきます。会報に使うなら、顔の幅が指の太さくらいまで潰れる強さを目安にしてください。

モザイクは、その範囲を四角い塊に置き換える加工です。ぼかしより「隠した」ことが見た目に出るので、意図が伝わります。こちらも塊のひとつが小さいと輪郭が残ります。四角が3つや4つ並ぶ程度まで粗くして初めて、顔として読み取れなくなります。

塗りつぶしは、その範囲を単色で覆う加工です。見た目は硬くなりますが、隠れ方は確実です。元の色の情報が残らないので、度合いの調整を間違えるという事故が起きません。名札や住所、車のナンバーのような、読み取られると困る情報には塗りつぶしを選んでください。顔についても、絶対に分かってはいけない場面では塗りつぶしが正解です。

迷ったときの順番を決めておくと早くなります。名札と書類と表札は塗りつぶし、顔は会報ならぼかし、掲示やウェブなら粗いモザイク。この3行を会の中で共有しておけば、担当が代わっても仕上がりが揃います。

パソコンの標準機能でできることと、できないこと

Macには「プレビュー」という標準のアプリがあり、画像を開いてマークアップツールバーから加工できます。ところがこのツールバーの中に、ぼかしやモザイクの項目はありません。用意されているのは、長方形で選択、楕円で選択、投げなわで選択、インスタントアルファ、スケッチ、シェイプ、テキスト、署名、カラーを調整、サイズを調整、シェイプのスタイル、枠のカラー、塗りつぶしのカラー、テキストスタイルといった道具です。詳しい一覧はMacの「プレビュー」で画像に注釈を付けるに並んでいます。

つまり標準機能だけでやるなら、選べる方法は塗りつぶしになります。手順はこうです。画像を開き、マークアップツールバーを表示し、シェイプから長方形か楕円を選んで顔の上に重ねます。次に塗りつぶしのカラーで中身を黒か白にし、枠のカラーも同じ色に揃えます。これで顔が単色の図形で覆われます。

ここで気をつける点が1つあります。画像ファイルに注釈を付けた場合、保存したあとは注釈の編集や移動や削除ができなくなる、とAppleの案内に書かれています。あとで調整するかもしれないなら、画像をPDFに変換してからPDFに注釈を追加する形が案内されています。会報の入稿前に何度も直す可能性があるなら、この順番を選んでください。

一方で、この「保存すると戻せない」という性質は、隠すという目的には都合がよく働きます。図形を重ねただけのファイルを渡すと、受け取った側が図形を動かせてしまいます。書き出したあとに動かせないことは、欠点ではなく安全側の性質です。書き出したファイルを渡し、元の写真は会の保存先に残す。この2つを分けておいてください。

シェイプの中には拡大と縮小のレンズもありますが、これは隠す道具ではありません。拡大すると顔がむしろ大きく見えます。隠す目的で選ばないでください。

スマートフォンだけで終わらせる手順

行事の当日にその場で共有したいときは、パソコンを開く時間がありません。スマートフォンだけで終わらせる手順を決めておくと、帰り道に片付きます。

標準の写真アプリにも、ぼかし専用の道具はありません。使えるのはマークアップの機能で、ペンやマーカーや図形で塗ることになります。手順は、写真を開いて編集に入り、マークアップを選び、ペンの太さを最大にして色を黒にし、顔の上を数回なぞります。指でなぞると輪郭が残りやすいので、顔の幅より広く塗るのが要点です。

ここで起きやすい事故が2つあります。1つ目は、半透明のマーカーを選んでしまうことです。蛍光ペンのような道具は下の色を透かすので、塗っても顔が見えます。必ず不透明のペンを選んでください。2つ目は、元の写真を上書きしてしまうことです。加工した写真をそのまま保存すると、会の記録としての元の写真が消えます。編集の前に複製を作り、複製の側を加工してください。

塗りつぶし以外の見た目にしたいときは、加工用のアプリを1つだけ選んで会の中で揃えるのが早くなります。担当ごとに違うアプリを使うと、仕上がりの粗さが揃わず、会報の中で浮きます。

もう1つ現実的な方法があります。それは、切り抜きで済ませることです。顔が端に写っているだけの人なら、その部分を切り落とすほうが早く、確実です。加工の道具を探す前に、切り抜きで解決するかどうかを見てください。

ブラウザで完結する道具を使う

会の担当は年ごとに代わります。新しい担当にアプリを入れてもらう手順から始めると、そこで止まります。ブラウザで開くだけの道具を1つ決めておくと、引き継ぐものが短いURLだけになります。

ブラウザで動く加工の道具は、範囲の指定の仕方と加工の種類を選べるものが便利です。

SNSやブログに写真を載せるとき、顔にモザイクをかけたり、顔をぼかして隠すのはモザルが得意とする使い方です。長方形・楕円形・ペンで顔の範囲だけを囲み、ピクセル化・ガウシアンぼかし・黒塗りから選んで適用するだけ。複数人の顔も一つずつ範囲を追加して隠せます。 出典: shin-yu.net

ブラウザで動く道具を選ぶときに、必ず確かめてほしい点があります。写真がどこで処理されているかです。画像を相手のサーバーに送って加工して返す作りだと、隠したい写真そのものを一度外に渡すことになります。逆に、ブラウザの中だけで処理する作りなら、写真は端末から出ません。子どもが写った写真を扱う会にとっては、ここが選ぶ理由になります。案内のページに処理の場所が書かれているかどうかを見てください。書かれていない道具は、書かれている道具に替えたほうが説明が楽になります。

加工が終わったら、書き出したファイルの名前を変えてください。元のファイル名のままだと、会の保存先で元の写真と加工後の写真が隣に並び、どちらを会報に回したのか分からなくなります。末尾に「-公開用」と付けるだけで、この事故は消えます。

顔を隠しても残っているもの

顔をぼかして安心する人が多いのですが、写真の中には顔以外にも人を特定できるものが残っています。外に出す写真では、顔と同じ手当てが必要になります。

名札と胸のゼッケン。運動会や発表会の写真にはほぼ必ず写ります。氏名とクラスが読めるので、顔より情報が多い場合があります。塗りつぶしで消してください。

持ち物の記名。水筒、上履き、レジャーシート、傘。子どもの持ち物には名前が書かれています。写真の端に小さく写っていても、拡大すれば読めます。

背景の表札と番地。地域の行事の写真では、後ろの家の表札や電柱の住所表示が写ります。行事の場所が分かるだけでなく、特定の家が分かります。

車のナンバー。駐車場での集合写真や、搬入の様子の写真に写ります。

撮影した場所の記録。写真のファイルには、撮影した日時や位置の情報が一緒に記録されていることがあります。加工して書き出すと落ちる場合もありますが、落ちない場合もあります。外に出す写真は、位置の情報が残っていないかを確かめてから出してください。

そして、もう1つ見落とされるものがあります。写真そのものではなく、添える文章です。「6年2組の○○さんが」と書いてあれば、顔をぼかした意味はなくなります。写真を手当てしたら、必ず本文も一緒に読み直してください。

隠さずに済ませる撮り方を、行事の前に共有する

加工は、撮ってしまったあとの手当てです。撮る時点で工夫すれば、加工そのものが要らなくなります。行事の担当が複数いるなら、始まる前に3つだけ共有してください。

1つ目。全体が入る引きの写真を多めに撮る。1人ずつの顔が小さく写る写真は、会報でそのまま使えます。

2つ目。後ろ姿と手元を撮る。玉入れの籠、練習中の手、並んだ上履き、書いている途中の紙。行事の様子を伝える写真は、顔がなくても成立します。むしろ「その場の空気」は手元のほうが伝わります。

3つ目。顔が大きく写る写真は、その場で本人か保護者に声をかける。あとから聞くより、その場で聞くほうが早く、断られても撮り直せます。会報に載せてよいかを聞いたら、その返事を担当の記憶ではなく記録として残してください。記憶に頼ると、翌年の担当が同じことをもう一度聞くことになります。

撮ってはいけない場面を先に決めておく手もあります。着替えの近く、水遊びの場面、けがの手当ての場面。撮らないと決めておけば、加工の判断そのものが出てきません。

撮る担当を1人に決めておくかどうかも、後の作業量を変えます。参加者が自由に撮って、それぞれが会の連絡に投げる形だと、集まった写真の出どころが分からなくなります。誰が撮った写真かが分からないと、載せてよいかを確かめる相手も分かりません。行事のたびに撮影の担当を決め、会報や掲示に使う写真はその担当が撮ったものから選ぶ。この形にすると、確かめる相手が1人に定まります。参加者が撮った写真は、会の中で楽しむ分として保存し、外に出す候補には入れません。

人数が多い写真で、作業を早く終わらせる順番

集合写真には30人も40人も写っています。1人ずつ囲んでいくと、1枚で20分かかります。枚数が数枚でも、夜の作業としては重すぎます。順番を決めると、この時間は大きく縮みます。

最初にやるのは、その写真を使うかどうかの判断です。全員の顔が並んでいる集合写真は、そもそも外に出す写真として向きません。1人でも載せたくない人がいれば、全員分を加工することになります。集合写真は会の中の保存先に残し、外に出すのは引きの写真にする。この判断だけで作業の大半が消えます。

それでも集合写真を使うと決めたなら、次は加工の単位を変えます。顔を1つずつ囲むのではなく、顔が並んでいる帯をまとめて1つの範囲にします。並んで立っている集合写真なら、顔の高さはほぼ同じ列に揃っているので、横長の帯を2本か3本かければ全員が隠れます。仕上がりは硬くなりますが、誰も分からない状態は作れます。

3つ目の手は、写真そのものを小さくすることです。書き出すときに横幅を800pxまで下げると、顔の面積が小さくなり、加工の粗さが目立たなくなります。会報の紙面に載せる写真や、ウェブのページに並べる写真であれば、この大きさで足ります。元の大きさのまま出す必要があるのは、印刷業者に渡す場合だけです。

作業の順番も決めておいてください。使う写真を選ぶ、小さくする、名札と持ち物を塗りつぶす、顔を隠す、書き出す、ファイル名を変える。この6段を毎回同じ順でやると、抜けが出ません。とくに「小さくする」を先にやるかどうかで、作業の速さが変わります。

動画の顔を隠すのは、写真とは別の仕事

行事の動画を共有したいという話も出ます。ここは正直に書くと、写真と同じ手軽さでは終わりません。

理由は、人が動くことです。写真なら顔の位置は1か所ですが、動画では1秒あたり30枚の絵が流れ、そのすべてで顔の位置が変わります。顔を追いかけて隠す機能を持った編集の道具が必要になり、担当が交代するたびにその道具の使い方を引き継ぐことになります。行事のたびにやる作業としては重すぎます。

現実的な選び方は3つです。1つ目は、動画は外に出さないと決めることです。会員だけが見られる場所に保存し、外へは写真だけを出します。2つ目は、顔が写らない場面だけを切り出すことです。演奏の手元、走っている足元、出来上がった作品。10秒から20秒の短い動画なら、顔が入らない場面を選ぶだけで済みます。3つ目は、引きの映像だけを使うことです。体育館の後ろから撮った全景であれば、個人が判別できる大きさになりません。

音にも注意が必要です。映像で顔を隠しても、声で名前を呼んでいる場面が入っていれば、誰が誰か分かります。動画を外に出す前には、目で見るだけでなく、音を聞いて確かめてください。

加工したファイルを配るときに起きる行き違い

加工が終わったあとに残る仕事が、配り方です。ここで手順を決めていないと、加工した意味が薄れます。

よく起きるのが、元の写真と加工後の写真が混ざって配られる事故です。会報の担当には加工後を渡し、参加者には元の写真を渡す、という形にしたつもりが、フォルダの中で隣に並んでいるために間違えて渡されます。防ぐには、書き出したファイルを別のフォルダに分け、フォルダの名前に「公開用」と入れてください。ファイル名だけで分けると、並べ替えたときに混ざります。

次に起きるのが、受け取った側で元に戻される事故です。図形を重ねただけの編集途中のファイルを渡すと、受け取った側が図形を動かして下の顔を見られます。渡すのは必ず、書き出したあとの1枚の画像です。編集の途中の状態は会の中に残し、外へは書き出したものだけを出してください。

3つ目は、圧縮のかけ方で加工が薄くなる事故です。メッセージアプリで写真を送ると、自動で小さくなって送られる場合があります。小さくなる分には問題がありませんが、逆に加工前の写真を送ってしまうと取り返せません。送る前に、送る画面に出ている写真が加工後のものかどうかを目で確かめてください。1枚ずつ確かめるのが面倒なら、加工後の写真だけを入れたフォルダから選ぶ形にします。

最後に、配ったあとの取り消しは効かないという前提を共有しておいてください。1度外に出た写真は、消してほしいと頼んでも、すでに保存された分は戻りません。だから手当ては出す前にやります。出したあとに気づいて慌てるのは、確かめる段が手順に入っていないからです。会報なら入稿の前、掲示なら貼る前、ウェブなら公開の前に、担当以外のもう1人が見る段を入れてください。人を1人増やすだけで、見落としはほぼ止まります。

顔を出してよい人と、出したくない人を先に分けておく

加工の腕を上げるより先に効くのが、誰の顔を隠す必要があるのかを知っていることです。ここが分かっていないと、全員を隠すか、誰も隠さないかの二択になります。

多くの会では、年度のはじめに写真の扱いを一度だけ確かめる形を取っています。入会の手続きや年度の初回の連絡に合わせて、会報やウェブに写真を載せることがあるという説明と、載せたくない場合の申し出の仕方を伝えます。行事のたびに聞くと、聞く側も答える側も回数が増えて、結局誰も答えなくなります。1年に1回なら答えてもらえます。

確かめたあとに大事なのが、その返事の残し方です。担当の記憶や、個別のメッセージのやりとりの中に残すと、翌年の担当には渡りません。名簿に列を1つ足して、写真の扱いを記録してください。列が1つあるだけで、行事の写真を選ぶときに名簿を見れば判断がつきます。

注意したいのは、この記録を写真の加工の理由にしないことです。申し出があった人の顔を隠した写真を会報に載せると、隠されている人が誰かという情報が、かえって伝わります。申し出があった人が写っている写真は、加工するのではなく使わない。この形のほうが穏やかに収まります。

子どもの写真の扱いについては、会によって考え方が分かれます。学校の行事に合わせて学校の方針に揃える会、保護者会として独自に決める会、行事ごとに担当が判断する会。どの形が正しいという話ではなく、書いて共有されているかどうかで揉めるかどうかが決まります。書かれていない会では、判断が担当の性格に寄るため、年ごとに基準が変わります。

もう1つ、会の外の人が写っている場合の扱いも決めておいてください。地域の行事では、通行人や近所の店の人が写ります。この人たちに申し出の機会はないので、外へ出す写真からは外すのが穏当です。写っていることに気づかず出してしまうことが多いので、選ぶ段で写真の端まで見る習慣を付けてください。

加工の道具を1つに絞ると、引き継ぎが短くなる

写真の加工は、道具の数だけ手順書が増えます。会の担当が毎年代わる前提に立つなら、選ぶ基準は機能の多さではなく、覚えることの少なさです。

絞るときに見る点は4つあります。1つ目は、入れるものが要らないかどうかです。ブラウザで開くだけで使えるなら、引き継ぐのは短いURLだけで済みます。アプリを入れる形だと、機種が違うだけで手順が変わります。2つ目は、写真がどこで処理されるかです。端末の中だけで処理されるなら、写真を外に渡さずに済みます。3つ目は、加工の種類が選べるかどうかです。ぼかしと塗りつぶしの両方が選べると、名札と顔で使い分けができます。4つ目は、書き出しの形式と大きさを指定できるかどうかです。会報用と掲示用で大きさが違うので、ここで指定できると別の道具を足す必要がなくなります。

道具を決めたら、手順を紙1枚にしてください。書くのは、開くURL、加工の種類の選び方、書き出しの設定、ファイル名の付け方の4項目です。長い手順書は読まれませんが、4項目なら読まれます。この紙を会の保存先に入れておけば、来年の担当は同じ仕上がりを再現できます。

道具を増やしたくなるのは、うまくいかない場面に出会ったときです。そのときも、まず道具を変えるのではなく、写真の選び方を変えてください。加工が難しい写真は、たいてい外に出さなくてよい写真です。

写真の保存先を分けると、ぼかす枚数が減る

ここまで加工の手順を並べてきましたが、作業量を決めているのは加工の速さではありません。「どの写真を外に出すか」が決まっていないことです。決まっていないと、全部の写真を外に出す前提で身構えることになり、結果として全部に手当てをしようとして途中で止まります。

順番を逆にしてください。まず、撮った写真をすべて会員だけが見られる場所に保存します。この段階では加工しません。次に、外に出す数枚を選びます。選んだ数枚だけを加工して、会報や掲示に回します。この2段構えにすると、加工する枚数が行事あたり数枚に収まります。

前半の「会員だけが見られる場所」が用意できるかどうかで、この運用が成り立つかが決まります。メッセージアプリのグループに写真を流す形だと、参加者の端末に順次保存されていくので、あとから範囲を絞り直せません。会の記録として保存する場所と、連絡を流す場所を分けるのが要点です。メンバー以外は見られない形で写真を保存できる場所があれば、行事の写真をそのまま残しておいて、外に出すものだけ選ぶという順番が組めます。

いま使っている連絡の道具とどこが変わるのかは、先に並べて見たほうが判断が早くなります。過去の写真を後から探せるか、あとから入った人が前の行事の写真を見られるか、端末を替えたときに消えないか。この3点での違いはLINEグループとの比較に、参加者が自由に書き込める場との違いはLINEオープンチャットとの比較にまとめてあります。

会の種類によって、写真の扱いで難しくなる点が変わります。地域の行事で撮った写真をどこまで回覧するかという判断は町内会での使われかたに、学校の行事で撮った写真を保護者の間で共有する形はPTAでの使われかたに、教室の発表の写真を生徒と家族に配る形は教室での使われかたにまとめてあります。

最後に、会として文章で決めておくことを3つ挙げます。1つ目は、外に出す先の一覧です。会報、掲示板、ウェブサイト、報告書。この一覧に載っていない場所には出さないと決めます。2つ目は、加工の強さの基準です。名札は塗りつぶし、顔は会報ならぼかし、ウェブなら粗いモザイク。3つ目は、載せたくない人の申し出の受け方です。行事のたびに聞くのではなく、年度のはじめに一度聞いて記録に残します。毎回聞くと、聞かれた側も答えるのが面倒になり、結局誰も答えなくなります。運用でよく出てくる質問はよくある質問に集めてあります。

Q1. パソコンの標準機能だけで顔をぼかせますか?

Macの「プレビュー」のマークアップには、ぼかしやモザイクの項目がありません。用意されているのはシェイプや塗りつぶしのカラーなので、標準機能でやるなら、顔の上に単色で塗りつぶした図形を重ねる形になります。ぼかしの見た目にしたい場合は、ブラウザで動く加工の道具を使ってください。

Q2. ぼかしとモザイクと塗りつぶしは、どれを選べばよいですか?

読み取られると困る情報には塗りつぶしを選んでください。名札、書類、表札、車のナンバーが対象です。顔については、会報のように紙で配るものならぼかし、公開範囲が決まらない場所に出すものなら粗いモザイクが目安になります。ぼかしとモザイクは度合いが弱いと輪郭が残るので、顔の幅が潰れる強さまでかけてください。

Q3. 加工した写真を外に出す前に、ほかに確かめることはありますか?

顔以外に人を特定できるものが残っていないかを見てください。名札やゼッケン、持ち物の記名、背景の表札や番地、車のナンバーが写り込みます。写真のファイルには撮影した日時や位置の情報が記録されていることもあります。あわせて、添える文章に氏名やクラスを書いていないかも読み直してください。

Q4. 行事の写真は全部ぼかす必要がありますか?

その必要はありません。会員だけが見られる場所に保存する写真と、外に出す写真を分けてください。まず撮った写真をすべて会の保存先に入れ、次に外に出す数枚だけを選んで加工します。この順番にすると、加工する枚数が行事あたり数枚に収まり、作業が終わるようになります。

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