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自主防災組織の当番表をどう作るか|偏りが出ない割り振りと、交代の頼み方

2026年9月16日 ・ Tsudoo編集部

自主防災組織の当番表は、ほかの集まりの当番表と同じ作り方ではうまくいきません。清掃やお茶出しのように誰がやっても同じ仕事ではなく、可搬ポンプの試運転のように経験の要る仕事、備蓄の期限の確認のように1年を通して目を離せない仕事、避難所の夜間の見回りのように実際に災害が起きてから始まる仕事が、同じ「当番」という言葉で呼ばれているからです。1枚の表に全部を並べて順番に回すと、できる人に仕事が集まり、できない人は名前だけが載った状態になります。

この記事では、自主防災組織の当番表を、偏りが出ないように作る方法と、交代が必要になったときの頼み方を整理します。当番の種類の分け方、平時の当番と発災時の持ち場を分ける理由、技能の要る当番の回し方、役割が性別や年齢で固まることの防ぎ方、年末の夜回りや避難所の運営のような特別な当番の組み方を順に見ていきます。

当番を書き出すと、性質の違う3つが混ざっている

まず、組織が「当番」と呼んでいる仕事を全部書き出します。多くの自主防災組織では、次のようなものが並びます。

・防災倉庫の資機材の点検(発電機、可搬ポンプ、投光器、担架、テントなど) ・消火器や救急用品の期限の確認 ・備蓄の食料や保存水の期限の確認と、入れ替え ・訓練の会場の準備と片付け ・防災だよりや訓練の案内の配布 ・消火栓や防火水槽のまわりに、物が置かれていないかの見回り ・年末の夜回り(火の用心の呼びかけ) ・発災時の本部詰め、情報の集計、避難所の受付、夜間の見回り

並べてみると、性質の違う3つに分けられます。

1つめは、誰でもできて、決まった日にやれば終わる当番です。配布、会場の準備と片付け、見回りがこれに当たります。

2つめは、技能や経験が要る当番です。発電機やポンプの始動、資機材の点検、備蓄の入れ替えの段取りは、初めての人が1人でやると、点検したつもりで異常を見逃すことがあります。

3つめは、実際に災害が起きてから始まる持ち場です。本部詰めや避難所の受付は、平時には一度も発生せず、訓練のときだけ試されます。

この3つを1枚の表で順番に回すと、偏りが生まれます。2つめの当番は結局経験のある人に頼むことになり、3つめの持ち場は表に名前が載っていても、その日にその人が地区にいるとは限りません。当番表を作る最初の作業は、この3つを別の表に分けることです。

平時の当番表と、発災時の持ち場表を分ける

分けた3つのうち、1つめと2つめは「平時の当番表」、3つめは「発災時の持ち場表」として、別々に作ります。

平時の当番表は、ほかの集まりの当番表と同じく、公平に回すことを目指します。日付が決まっていて、担当する人がその日に都合をつければ済む仕事だからです。月ごと、あるいは季節ごとに、班の順番や世帯の順番で回します。

発災時の持ち場表は、公平さより「その時に地区にいる人が動けるか」を優先して作ります。平時の当番表と同じように世帯の順番で名前を割り当てても、地震が平日の昼に起きれば、勤めに出ている人の持ち場には誰もいません。

消防庁の手引も、班編成を考えるときに、日常の活動と災害時の活動の両方で特定の人に偏らないことを求めています。

上記のように、日常の活動や災害時の活動が特定の人員等に偏らないようにするとともに、女性だからというだけで炊き出しや清掃等の特定の役割を割り振るなど、性別や年齢等により役割を固定化することがないよう、活動内容や人員構成等を適宜見直しながら、地域の実情に応じた組織編成が必要である。 出典: 総務省消防庁「自主防災組織の手引(令和5年3月)」

発災時の持ち場表では、1つの持ち場に1人を割り当てるのではなく、順位をつけて複数の人を並べます。

・本部詰め:第1順位は会長、第2順位は副会長、第3順位は昼間に地区にいる役員 ・情報の集計:第1順位は情報班の班長、第2順位は班の中で昼間に在宅の人 ・避難所の受付:第1順位から第3順位まで、平日昼と夜間休日で別の顔ぶれ

持ち場に着く人は「来た順」で決まる、と最初から書いておきます。第1順位の人が来なければ、第2順位の人が待たずに始める。第1順位の人があとから来たら、そこで引き継ぐ。この決まりがあれば、持ち場表の名前が1人欠けても動きが止まりません。

技能の要る当番は、経験者と未経験者を組にする

平時の当番のうち、資機材の点検は、自主防災組織の当番の中でも偏りが最も出やすいものです。発電機やポンプの始動の手順を知っている人は限られていて、点検の日になるとその人に声がかかります。数年たつと、その人が転居したり体を悪くしたりしたときに、倉庫の資機材を動かせる人が地区に誰もいなくなります。

手引でも、消火器や可搬式の小型動力ポンプなど個々の資機材の使い方と点検に習熟するための部分訓練が挙げられています。点検の当番は、この部分訓練を兼ねる場として組むと、偏りと技能の途切れを同時に防げます。

組み方は、次のようにします。

・点検の当番は、必ず2人1組にする ・組の片方は、その資機材を動かしたことのある人 ・もう片方は、まだ動かしたことのない人 ・次の点検では、前回の未経験者が経験者の側に回る

こうすると、1年で点検を担える人が少しずつ増えていきます。点検の回数を年に何回にするかは組織によりますが、組を回すことを考えると、年に1回より、季節ごとに分けて回数を増やしたほうが、経験者の数は早く増えます。

点検の当番には、手順を書いた1枚を倉庫に置いておきます。発電機なら、燃料の残量の確かめ方、始動の手順、動かす時間、止め方、記録の欄。燃料の保管や入れ替えの時期は資機材ごとに違うので、取扱説明書の該当ページの写しを一緒に綴じておきます。手順の紙があれば、経験者が1人も来られなかった日でも、2人の未経験者で点検を進められます。

点検の記録は、日付、担当した2人、動いたかどうか、気づいたことを1行に残します。「動かなかった」「燃料が少なかった」という記録が次の当番に引き継がれないと、同じ異常が何年も放置されます。

力仕事と炊き出しに、同じ顔ぶれが並ぶのを防ぐ

自主防災組織の当番で、手引が名指しで注意しているのが、性別や年齢による役割の固定です。実際の当番表を見ると、次のような並び方になっていることが少なくありません。

・資機材の運搬、テントの設営、担架の訓練:若い男性 ・炊き出し、備蓄の食料の管理、避難所の清掃:女性 ・昼間の見回り、防災だよりの配布:退職した高齢の人 ・倉庫の鍵、点検、本部詰め:長年務めている役員

一つひとつは「できる人に頼んだ」結果です。けれども、この並び方のまま災害が起きると、避難所の炊事や清掃が一部の人に集中し、疲れた人から抜けていきます。力仕事を担う若い世代は、平日の昼には地区にいません。

偏りを防ぐには、当番表を作ったあとに、名前ではなく属性で表を見直します。

・同じ種類の当番に、同じ性別だけが並んでいないか ・昼間の当番が、高齢の人や在宅の人だけになっていないか ・1人の名前が、3つ以上の種類の当番に出てきていないか

見直して偏りが見つかったら、当番の中身を分けて組み直します。炊き出しの当番なら、火と重い鍋を扱う係、材料を刻む係、配る係、片付けの係に分け、それぞれに違う顔ぶれを入れます。力仕事なら、運ぶ係と数を数えて記録する係を分けます。当番を細かく分けるほど、体力や経験に関係なく入れる係が生まれ、特定の人に仕事が集まりにくくなります。

この見直しは、毎年の当番表を作るときに一度だけやれば足ります。見直しの結果を役員会の記録に残しておくと、翌年の担当者が同じ観点で表を作れます。

訓練の当番は、準備と当日と片付けを別の人にする

地区の訓練は、自主防災組織の平時の当番の中で、最も多くの人手を一度に使う行事です。訓練の当番を「訓練の係」として1人か2人に任せると、その人は訓練の数週間前から当日の夕方まで、ほぼすべての段取りを抱えることになります。

訓練の仕事を時間の順に並べると、次のようになります。

・数週間前:会場の使用の申し込み、消防署や市町村への協力の依頼、借りる資機材の手配 ・前日まで:倉庫からの資機材の搬出と動作の確認、案内の配布、周辺への告知 ・当日の朝:会場の設営、受付の準備 ・当日:受付、各訓練の持ち場、けが人が出たときの対応、写真と記録 ・当日の午後:片付け、借りた資機材の返却、倉庫への搬入 ・後日:参加人数と課題の取りまとめ、市町村への報告

これを1人が通してやると、準備の段階で疲れ、当日の記録や後日の取りまとめが抜けます。訓練の当番は、準備、当日、片付けと報告の3つに分け、それぞれ違う人を割り当てます。

分けるときに気をつけたいのは、つなぎ目です。準備の当番が借りた資機材を、片付けの当番が返しに行く。このとき、どこから何を借りて、いつまでに返すのかが引き継がれていないと、返却が漏れます。借りた物の一覧を1枚にし、準備の当番が作って、片付けの当番が返却のたびに印をつける形にしておくと、つなぎ目で物が消えません。

当日の持ち場のうち、けが人が出たときの対応は、訓練の中身とは別の当番として置きます。放水や担架の訓練を指導している人が、同時にけが人の対応をすることはできません。救急の講習を受けたことのある人を1人、訓練に参加せずに本部に待機する役として割り当てておきます。

平日の昼の当番に、地区の事業所を組み込む

発災時の持ち場表を順位つきで作っても、平日の昼の顔ぶれがそろわない地区は少なくありません。勤めに出る世帯が多い住宅地では、昼の地区に残っているのは高齢の人と、子育て中の世帯と、在宅で働く人が中心になります。

手引は、班編成を考えるときに、地域内の事業所の自衛消防組織や従業員の配置を踏まえることや、応援協定などで補う体制を検討することを挙げています。平日の昼に地区にいる人手としては、商店、工場、介護施設、学校などの職員が当てはまります。

事業所を当番表に組み込むといっても、事業所の従業員に住民と同じ当番を回すわけではありません。事業所には事業所の防災の責任があり、発災時にはまず自分たちの建物と利用者を守ることになります。組み込むのは、次のような限られた範囲です。

・平日の昼に地区で火災が起きたとき、事業所の消火器や人手を借りられるか ・事業所の敷地を、一時集合場所の補助として使えるか ・平日の昼の訓練に、従業員が参加できるか

こうした協力は、当番表に名前を書くのではなく、「平日昼の協力先」として事業所名と連絡の窓口を別欄に載せます。窓口は、担当者の個人名ではなく、「総務の担当」のように役割で書いておくと、事業所の人事異動で連絡が途切れにくくなります。

事業所との取り決めは、年に1回、訓練の案内を届けるついでに、窓口が変わっていないかを確かめます。平時の当番表と違い、ここは地区の側から声をかけ続けないと、数年で誰も覚えていない約束になります。

当番を担えない世帯を、どう扱うか

自主防災組織の当番表を作ると、当番を担うのが難しい世帯が必ず出てきます。高齢の単身の世帯、介護や障害のある家族を抱える世帯、乳幼児のいる世帯、夜勤のある仕事の世帯。これらの世帯を当番表から一律に外すと、担う世帯の負担が増え、不公平だという声が出ます。一律に当番を割り当てると、当番の日に誰も来ない、あるいは無理をして来た人がけがをする、ということになります。

この問題は、「免除するかどうか」ではなく、「その世帯が担える種類の当番は何か」で考えると、ほとんどの場合に落としどころが見つかります。

・力仕事や夜回りは難しいが、防災だよりの配布なら近所の分をできる ・倉庫での点検は難しいが、自宅で備蓄の期限の一覧を管理することはできる ・昼の当番は難しいが、休日の訓練の受付なら座ってできる ・外に出る当番は難しいが、訓練の案内の文面を作ることはできる

当番の種類を細かく分けてあれば、担えない世帯にも入れる当番が見つかります。これは、力仕事や炊き出しの偏りを防ぐために当番を分けたことが、別の場面でも効いてくる形です。

どうしても担える当番がない世帯について、当番の代わりに費用の負担を求める地区もあります。こうした扱いを設けるかどうかは、住民の間で受け止め方が分かれるため、役員会だけで決めずに、総会で理由と金額を示して諮るのが筋です。一方で、支援が必要な世帯に当番の代わりの負担を求めると、防災の組織から距離を置かれる原因にもなります。発災時に支援を受ける側になる世帯ほど、日頃から組織とつながっていてほしい世帯でもあることを、判断のときに思い出してください。

備蓄の期限の当番は、日付ではなく品目で持たせる

備蓄の食料や保存水の期限の管理も、自主防災組織に特有の当番です。多くの組織では、年に1回、決まった月に倉庫の中身を確かめる形をとっています。この形だと、確かめた月の翌月に期限が来る品は、次の確認まで11か月も見過ごされます。

期限の当番は、日付で回すのではなく、品目ごとに担当を持たせると漏れが減ります。

・保存水の担当 ・主食(アルファ化米、乾パンなど)の担当 ・粉ミルク、離乳食、介護食など、特定の人に向けた品の担当 ・電池、簡易トイレ、衛生用品の担当

担当は、自分の品目の期限の一覧を持ち、期限の3か月前になったら役員会に知らせます。知らせを受けて、入れ替えの段取りと、期限が近い品の使い道(訓練での配布、炊き出しの材料など)を決めます。

品目ごとに担当を分けると、当番の重さに差が出ます。保存水は量が多いが中身は単純、粉ミルクや介護食は量は少ないが期限が短く、必要な家庭の事情も知っておきたい品です。重さの差は、担当の人数で調整します。量の多い品目は2人、期限の短い品目は子育て中の世帯や介護の経験のある人を含めて2人、というように組みます。

特定の人に向けた品を、その当事者に近い人が担当することには利点があります。粉ミルクの種類や、介護食の固さのように、使う人でないと分からないことがあるからです。これは、手引が求めている、多様な視点を防災の活動に反映させることにもつながります。

年末の夜回りは、2人1組の組み方に決まりを置く

自主防災組織や自治会が、年末に火の用心の夜回りを行っている地区は多くあります。夜回りの当番は、ほかの当番と比べて、寒さと暗さと時間帯の負担が重い仕事です。

夜回りの当番表で決めておきたいのは、組み方の決まりです。

・必ず2人以上で回る ・高齢の人どうしだけの組にしない ・子どもが参加する回は、大人を子どもの人数より多くする ・車の通りの多い道を回る組には、反射材のついた上着を着ける人を入れる ・回る経路と、戻る時刻を、出発前に本部の役に伝える

夜回りの当番は、年末の数日間に集中するため、同じ日に都合がつかない人が重なります。表を作る段階で、各世帯から「出られない日」だけを先に集めておき、出られる日に割り振ります。出られる日を聞くと、多くの人が一番負担の少ない日を書いて偏ります。出られない日を聞くほうが、割り振る側の自由が残ります。

夜回りは、住民が顔を合わせる数少ない機会でもあります。新しく越してきた世帯を、地区に長く住む人と同じ組にすると、担当区域の路地や消火栓の位置を歩きながら覚えてもらえます。当番を負担として配るだけでなく、地区を知ってもらう機会として組み合わせを考えると、翌年の担い手が育ちます。

避難所の運営の当番は、避難している人も表に入れる

発災時の持ち場のうち、避難所の運営は、数日から数週間続く可能性がある当番です。手引は、避難所の運営について、市町村の職員が主体的に関わり続けることは難しく、避難者による自主的な運営に速やかに移行できるよう、平常時から地域住民を主体とする体制を作ることが必要だとしています。そのうえで、炊事や清掃などの役割分担で一部の住民に負担が偏らないようにすることを重視しています。

避難所の当番表は、自主防災組織の役員だけで回すことを前提にしないことが大切です。役員自身も被災者であり、自宅の片付けや家族の世話を抱えています。当番表には、避難している人も入ります。

避難所の当番表を平時に作っておくのは難しいので、平時に用意するのは表の型です。

・当番の種類(受付、物資の受け取りと配布、清掃、トイレの管理、夜間の見回り、情報の掲示) ・1回の当番の長さ(例:受付は4時間ごと、夜間の見回りは2時間ごと) ・避難している世帯から当番を出してもらうときの頼み方 ・当番を免除する事情(小さな子どもだけを抱えている、介護が必要な家族がいる、体調が悪いなど)

免除の事情を先に決めておくのは、避難所では「できない理由」を人前で説明させることが負担になるからです。免除の事情を掲示しておけば、当番を割り振る人は、申し出を受けるだけで済みます。

表の型は、避難所の開設の訓練で一度使ってみます。訓練の参加者を避難者に見立て、受付と清掃の当番を実際に割り振ると、当番の長さが適切か、交代の引き継ぎに何が要るかが分かります。

交代を頼むときは、同じ種類の当番の中で探す

どれほど丁寧に当番表を作っても、都合がつかなくなる人は必ず出ます。自主防災組織の当番の交代で気をつけたいのは、交代の相手を、同じ種類の当番を担える人の中から探すことです。

配布や会場の準備のような誰でもできる当番なら、誰と交代してもかまいません。ところが、点検の当番を、発電機を一度も動かしたことのない人と交代すると、組の中に経験者がいなくなります。夜回りの当番を、高齢の人どうしの組になる相手と交代すると、組み方の決まりが崩れます。

そこで、当番表には、当番ごとに「交代できる人」の候補を最初から書いておきます。

・点検の当番:同じ資機材を動かしたことのある人の一覧 ・夜回りの当番:組み方の決まりを崩さない範囲で、出られる日が重なる人 ・期限の当番:同じ品目の担当どうし

交代を頼むときは、候補の中から直接頼み、成立したら当番表を管理する役に知らせます。頼む文面には、日付、当番の種類、組になっている相手、当日やることを1通にまとめます。「11月の点検、代わってもらえませんか」だけでは、頼まれた人は発電機なのかポンプなのか、誰と組むのかが分からず、返事に時間がかかります。

交代が成立しなかったときの扱いも決めておきます。点検のように日を動かせる当番は、無理に交代させず、次の週に日をずらすほうが安全です。夜回りのように日が動かせない当番は、班長が最後の調整役になります。交代が成立しないまま当日を迎え、1人で回ることになる形だけは避けます。

当番表を1年で引き継げる形にする

自主防災組織の役員は、会長や班長が1年で交代することが多く、当番表を作る人も毎年変わります。一方で、資機材の点検の技能や、備蓄の期限の一覧は、年をまたいで続いていくものです。

手引に載っているマンションの防災会の事例では、防災委員の任期を専門性と継続性を考えて2年以上4年以内とし、フロアごとの担当は1年交代で置いています。長く務める役と、毎年回る役を分けて、当番の継続と負担の分散を両立させる形です。

当番表を1年で引き継げるようにするには、表そのものより、表を作るための材料を残します。

・当番の種類の一覧と、それぞれの性質(誰でもできるか、技能が要るか、発災時の持ち場か) ・技能の要る当番について、経験のある人の一覧 ・各世帯から集めた「出られない時期」の傾向 ・前年の当番表と、実際に交代が起きた当番の記録 ・属性で見直したときに見つかった偏りと、その直し方

この材料があれば、新しい担当者は去年の表を名前だけ入れ替えるのではなく、今年の顔ぶれに合わせて組み直せます。とくに、経験のある人の一覧は、転居や体調で毎年変わるので、年度の初めに必ず更新します。

表を作る時期も、引き継ぎの材料に書いておきます。新しい班長が決まり、総会で今年の班の区切りが確定してから作るのが順当です。総会の前に作ると、班の区切りが変わったときに表を作り直すことになります。一方で、梅雨入り前の点検や、出水期に備えた倉庫の確認は、総会の直後に始まります。そこで、平時の当番表のうち、年度の最初の3か月分だけを前年度の役員が仮に作っておき、新しい役員はその続きから作る、という分け方にしておくと、年度の変わり目に点検が止まりません。

当番表の置き場所を選ぶときに見る点

自主防災組織の当番表は、平時の当番表、発災時の持ち場表、避難所の表の型、交代の候補の一覧と、何枚にも分かれます。これらがそれぞれ別の場所にあると、交代を頼みたい人は候補の一覧を探し、点検の担当は去年の記録を探すことになります。置き場所を選ぶときは、次の点を見ます。

1つめは、最新の当番表を常に1枚だけ置いておけるかどうかです。交代が起きるたびに表を貼り直すと、会話の中に古い表と新しい表が混ざります。新しい発言で上に流れる形と、掲示板に1件ずつ残り、大事な知らせを上に固定できる形の違いは、LINEグループとの比較で並べてあります。

2つめは、交代の頼みごとが、表のそばでやりとりできるかどうかです。PTAでの使われかたには、係の分担を投稿し、都合の悪い人がコメントで知らせて差し替える例と、チャットで当番の交代を頼む例が並んでいます。平時の点検や配布の交代にも近い形です。

3つめは、点検の手順を、写真や動画で残せるかどうかです。発電機の始動の手順は、文字より動画のほうが伝わります。動画を上げたときに話した内容が文字で残るかどうか、1つの投稿に添付できる量は、BANDとの比較Discordとの比較に項目ごとに書かれています。

4つめは、年配の住民や、当番のときだけ開く人が迷わず入れるかどうかです。新しいIDとパスワードを作らずに入れるか、文字を大きくできるかはよくある質問で確かめられます。参加にFacebookのアカウントが要るかどうかはFacebookグループとの比較、匿名で集まる場と会の場の違いはLINEオープンチャットとの比較にまとまっています。地区の連絡での使われ方は、町内会での使われかたに、防災訓練の予定と草刈りの道具の問い合わせが同じ場所に並ぶ例があります。

自主防災組織の当番表で偏りを防ぐのは、順番の工夫より、当番の性質を分けることです。誰でもできる当番は公平に回し、技能の要る当番は組にして経験者を増やし、発災時の持ち場は順位をつけて来た人から動く。この3つを別の表にしておけば、交代を頼むときも、誰に頼めばよいかが表の中で分かります。

Q1. 自主防災組織の当番表は、自治会の当番表と一緒にしてもよいですか?

清掃や配布のように誰でもできる当番は、自治会の当番表と一緒に回してもかまいません。ただし資機材の点検のように経験が要る当番や、発災時の持ち場は性質が違うため、別の表に分けてください。1枚にまとめると、できる人に仕事が集まり、発災時にその人が地区にいないと動けなくなります。

Q2. 発電機やポンプを動かせる人が1人しかいません。どうすればよいですか?

点検の当番を2人1組にし、片方を動かしたことのある人、もう片方を未経験の人にして、次の点検では前回の未経験者が経験者の側に回るようにします。倉庫に始動と点検の手順を書いた1枚と取扱説明書の写しを置いておけば、経験者が来られない日でも点検を進められ、動かせる人が少しずつ増えます。

Q3. 炊き出しや清掃がいつも同じ人に偏ってしまいます。防ぐ方法はありますか?

当番表を作ったあとに、名前ではなく性別や年代、昼間に地区にいるかどうかで表を見直します。偏りがあれば、炊き出しなら火と鍋を扱う係、材料を刻む係、配る係、片付けの係のように当番を細かく分け、それぞれに違う顔ぶれを入れます。消防庁の手引も、性別や年齢で役割を固定しないことを求めています。

Q4. 当番の交代を頼まれたら、誰と代わってもよいのですか?

配布や会場の準備のような誰でもできる当番なら、誰と代わってもかまいません。点検の当番は同じ資機材を動かしたことのある人と、夜回りは高齢の人どうしの組にならない相手と代わるなど、同じ種類の当番を担える人の中で探してください。当番表に当番ごとの交代の候補を書いておくと、頼む相手に迷いません。

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