地域の子育てサークルで安否確認を考え始めるきっかけは、たいてい大きな地震のニュースや、活動日に警報が出た経験です。代表を務める人は、会員の親子が無事かどうかを確かめたいと思う一方で、どこまでがサークルの役目なのか、返事が来ない家庭をどこまで追えばよいのかで迷います。会員は乳幼児を連れた親で、授乳や寝かしつけの最中には連絡を見る余裕がありません。返事が来ないことが、困っている合図なのか、単に手が離せないだけなのかを、連絡の画面からは見分けられないのです。
この記事では、地域の子育てサークルが安否確認をどう組み立てればよいかを、場面ごとに整理します。活動の最中に揺れたときに何を数えるか、活動のない日にどう確かめるか、返事が来ない会員をどう分けて考えるか、困っている親子をどこへつなぐか、そしてサークルとして踏み込まない線をどこに引くかを順に見ていきます。
子育てサークルの会員は、そもそも配慮が要る側にいる
子育てサークルの安否確認がほかの集まりと違うのは、会員の親子そのものが、災害のときに配慮を要する人として扱われる立場にあることです。災害対策基本法は、国や地方公共団体が災害の予防のために実施に努める事項の1つとして、次のように定めています。
十七 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下「要配慮者」という。)に対する防災上必要な措置に関する事項 出典: e-Gov法令検索「災害対策基本法」第8条第2項第17号
乳幼児は、法律の上でも配慮を要する人の例に挙げられています。子育てサークルの活動の場には、その乳幼児と、乳幼児を抱えて動く親が、何組も同じ部屋に集まっています。
このことから、2つのことが言えます。
1つは、活動の最中に災害が起きたとき、その部屋にいる全員が、自分だけで素早く動くのが難しい状態にあるということです。抱っこひもを外していた親、昼寝をしている子、ハイハイで部屋の隅にいる子。避難の最初の数分でやることは、町内会の集まりやスポーツのサークルとはまったく違います。
もう1つは、活動のない日の安否確認で、サークルが本当に知りたいのは「無事かどうか」より「困っている親子がいないか」だということです。家は無事でも、停電でミルクのお湯が作れない、断水で離乳食の準備ができない、上の子の園が休みで身動きがとれない。こうした困りごとは、行政の安否確認では拾われにくく、同じ月齢の子を持つ親どうしだからこそ気づけるものです。
ただし、サークルは行政でも支援の専門機関でもありません。気づいた困りごとを自分たちで解決しようとせず、地域の窓口へつなぐところまでを役目にしておくことが、代表の負担を現実的な大きさに保つ条件になります。
活動の最中は、人数ではなく親子の組を数える
活動の最中に大きな揺れがあったとき、代表や当番の人がまず確かめるのは、全員がそろっているかどうかです。ここで、参加者の人数を数えようとすると、うまくいきません。親が子を抱き上げて移動し、きょうだいを連れた親が上の子を探しに行き、数えるたびに人数が変わるからです。
子育てサークルで数えるのは、人数ではなく親子の組です。その日の参加の記録を、「親の名前と、連れてきた子の数」の組で残しておき、揺れが収まったら組ごとに確かめます。
・Aさん、子2人:そろっている ・Bさん、子1人:そろっている ・Cさん、子1人:Cさんがトイレに行っていて、子は別の会員が抱いている
親が自分の子を確保するのが基本で、代表が全員の子を確保することはできません。代表の役割は、「子と離れている親はいないか」「親と離れている子はいないか」を見つけることに絞ります。上の例のCさんのように、親がその場を離れていたときに子を見ていた人を、組の確認のときに声に出してもらう形です。
そのためには、参加の記録をその日の始めにつけておく必要があります。紙の出席表でも、連絡の道具での出欠でもかまいません。大事なのは、活動に遅れて来た親子や、途中で帰った親子も記録に反映させることです。途中で帰った組を数えに入れたまま確かめると、いない親子を探し続けることになります。
途中で帰る親子には、「お先に失礼します」と当番の人に一言かけてもらう決まりにしておきます。子どもの機嫌で急に帰ることが多い子育てサークルでは、この一言の決まりが、発災時の数え間違いを防ぐいちばん確かな手段になります。
会場を出るときは、靴と抱っこひもとベビーカーで詰まる
揺れが収まって、会場の建物から外へ出る必要があるとき、子育てサークルに特有の詰まり方があります。
1つめは、靴です。子どもが遊ぶ部屋はマットや畳敷きで、親も子も靴を脱いでいることが多くあります。入口の靴箱に靴がまとめて置かれていると、全員が同じ場所に殺到します。ガラスの破片や落ちた物がある中を、裸足の子を抱いて歩くのは危険です。
2つめは、抱っこひもです。部屋の中では外して荷物の上に置いていることが多く、とっさに子を抱き上げても、抱っこひもを着ける時間がありません。両手で子を抱いたままでは、階段の手すりにつかまれず、荷物も持てません。
3つめは、ベビーカーです。エレベーターのある建物でも、揺れのあとはエレベーターが止まることがあります。2階以上の部屋で活動しているサークルでは、ベビーカーを階段で運ぶことはできず、置いていくことになります。
これらは、当日その場で工夫できることが限られています。平時に決めておけるのは、次のようなことです。
・部屋の中でも、抱っこひもは親の手の届く場所に置く ・靴を脱ぐ部屋なら、子どもの靴は親の荷物の近くにまとめておく ・2階以上の部屋では、揺れたあとはベビーカーを置いて、抱っこで階段を下りると決めておく ・会場の建物の避難の経路と、集まる場所を、年度の最初の活動で一度確かめる
会場が公民館や児童館、地域の子育て支援の施設であれば、建物の避難の手順は施設が持っています。サークルは施設の職員の指示に従って動くのが基本です。施設の手順が、サークルの利用している時間帯や部屋についてどうなっているかを、年度の初めに施設へ確かめておくと、当日に迷いません。
活動のない日は、急がせない形で聞く
活動のない日に大きな地震や水害があったとき、サークルとして会員に安否をたずねるかどうかは、代表が迷うところです。サークルに会員の安否を確かめる義務はありません。会員の側にも、返事をする義務はありません。それでも、同じ地域で子育てをしている親どうしが、困っている家庭に気づけるきっかけとして、ゆるやかに声をかける意味はあります。
声をかけるときは、急がせない形にします。災害の直後、親はまず自分の子の安全と、家族との連絡と、その日の食事や寝る場所の確保で手一杯です。サークルからの連絡が「至急返信してください」の形で届くと、それだけで負担になります。
問いかけの文面は、次のような要素にとどめます。
・大きな揺れがあったので、皆さんの様子をうかがっています ・返事は、落ち着いてからで大丈夫です ・困っていることがあれば、書いてください。力になれることがあるかもしれません ・次回の活動については、あらためてお知らせします
返事の形は、選ぶだけで済むように用意しておきます。
・無事です ・無事ですが、困っていることがあります ・しばらく活動には参加できません
「困っていることがあります」を選んだ人には、個別に連絡をとります。何に困っているかを全員の前で書いてもらう必要はありません。
返事に締め切りは置きません。締め切りを置くと、締め切りを過ぎた会員を追う作業が発生します。災害の直後の数日間に、代表が返事の来ない会員を1人ずつ追いかけることは、代表自身も被災している状況では現実的ではありません。
家族のうち1人が返事をすれば足りる、と書いておく
子育てサークルの連絡には、母親だけでなく、父親や祖父母が参加していることがあります。夫婦で同じグループに入っている家庭もあれば、平日の活動には母親、休日の行事には父親が参加する家庭もあります。
安否をたずねる連絡を出したとき、この家庭の構成が集計を混乱させます。夫婦の両方から返事が来て1家庭が2件に数えられたり、夫婦のどちらも「相手が返事をしただろう」と思って返事が来なかったりします。
これを避けるために、問いかけの文面に「ご家族のうちどなたか1人がお返事くだされば十分です」と書いておきます。集計する側は、返事の件数ではなく、家庭の一覧に印をつける形で数えます。
家庭の一覧は、会員の名簿から作ります。子育てサークルの名簿は、入会したときの情報のまま更新されていないことが多いものです。上の子の入園を機に来なくなった家庭、引っ越した家庭、下の子が生まれて休んでいる家庭が、名簿には会員として残っています。
名簿が古いまま安否確認をすると、返事が来ない家庭の多くが「もう活動に来ていない家庭」になり、本当に気にかけるべき家庭が埋もれます。安否確認を考えるなら、年度の終わりか、入園の時期の前に、名簿の会員に「来年度も会員として連絡を受け取りますか」と一度たずね、返事のあった家庭だけで名簿を作り直しておきます。これは安否確認のためだけでなく、日頃の連絡が届く相手を正しく保つためにも役立ちます。
返事が来ない会員は、理由で4つに分けて考える
問いかけを出して数日たっても、返事が来ない家庭は残ります。子育てサークルで返事が来ない理由は、おおむね次の4つに分けられます。
1つめは、手が離せない、あるいは連絡を見る余裕がない家庭です。授乳、寝かしつけ、夜泣き、上の子の世話が重なっていて、画面を開いても返事をするところまでたどり着けません。災害の直後はこれがさらに重くなります。子育てサークルで返事が来ない理由として、最も多いのはこれです。
2つめは、連絡の通知を切っている家庭です。子どもが寝ている時間に通知の音や振動で起きないように、グループの通知を切っている親は珍しくありません。連絡そのものに気づいていません。
3つめは、地域にいない家庭です。里帰り出産で実家に帰っている、夫の実家に避難している、休日で遠方に出かけていた。本人は無事でも、地区の状況が分からず、返事の内容に迷っていることもあります。
4つめは、本当に困っていて返事ができない家庭です。停電で端末の電池が切れた、家が被害を受けて片付けに追われている、子どもが体調を崩して病院にいる。
返事が来ないという点では同じでも、サークルが気にかけるべきなのは4つめです。そして、4つめを1つめから3つめと見分ける手段は、連絡の画面にはありません。見分けようとして全員を追いかけると、1つめの家庭に負担をかけることになります。
このうち2つめの、通知を切っている家庭は、平時のうちに数を減らせます。雑談の書き込みが多いグループほど、親は通知を切ります。代表からの大事な知らせと、会員どうしの雑談が同じ流れに混ざっていることが、通知を切られる原因です。知らせと雑談の置き場所を分け、知らせの側は月に数本しか流れない状態にしておけば、「知らせの通知だけは入れておいてください」と頼みやすくなります。年度の最初の活動で、この頼みごとを一言伝えておくだけで、災害の直後に問いかけに気づく家庭は増えます。夜中に通知が鳴ることを嫌う親には、端末の設定で夜の時間帯だけ通知を止める方法もあると添えておくと、通知を丸ごと切られずに済みます。
返事が来ない家庭は、「普段のつながり」で見分ける
連絡の画面で見分けられない以上、返事が来ない家庭が困っているかどうかを知る手がかりは、普段の人間関係の中にあります。
子育てサークルでは、会員の中に、特に仲の良い親どうしや、同じマンションに住む親どうし、同じ園を目指している親どうしの小さなつながりができています。返事が来ない家庭について、代表が直接連絡をとる前に、そのつながりの中で「最近連絡をとった人はいるか」を聞くほうが、ずっと早く様子が分かります。
・同じマンションのDさんが、エレベーターで会ったと言っている ・Eさんとは個別に連絡をとっていて、実家に帰っていると聞いた ・Fさんは、ここ2か月ほど誰とも連絡をとっていない
3人目のFさんのように、どのつながりからも様子が分からない家庭が、代表が個別に連絡をとる相手になります。全員を追いかけるのではなく、つながりで様子が分かった家庭を外していき、残った家庭にだけ連絡をとる順番です。
この方法には注意点があります。会員どうしのつながりを使うということは、ある家庭の様子を、別の会員が代表に伝えることになります。「実家に帰っている」くらいの情報ならよくても、「家の中がひどい状態らしい」「夫婦で揉めているらしい」のような話が伝わってくることもあります。代表が聞くのは「最近連絡がとれているかどうか」だけにとどめ、事情の中身を聞き出さないようにします。聞いてしまった事情は、ほかの会員に広げません。
個別に連絡をとるときは、1回だけ、返事を求めない形で
どのつながりからも様子が分からない家庭には、代表が個別に連絡をとります。このときの連絡は、全体への問いかけとは形を変えます。
・全体の連絡ではなく、その人だけに届く形で送る ・「お返事が来ていないので」とは書かない ・「気にかけています。何かあれば声をかけてください」と、返事を求めない形で書く ・送るのは1回だけにする
「お返事が来ていないので」と書くと、返事をしなかったことを責められたように受け取られます。手が離せなかっただけの親にとっては、負担がもう1つ増えるだけです。返事を求めない形で書けば、余裕のある人は返事をくれ、余裕のない人は読むだけで済みます。
送るのを1回だけにするのは、子育てサークルの代表が、会員の安否を最後まで確かめる立場にないからです。個別に連絡をとっても返事が来ない家庭について、それ以上に家を訪ねたり、何度も電話をかけたりすることは、サークルの役目を超えます。そもそも、サークルの代表が会員の住所を知っているとは限りませんし、知っていても、被災した地域を子どもを連れて訪ねて回ることは危険です。
気がかりが残る家庭について、代表にできる最後の手段は、その家庭が別の場所で見守られている可能性を思い出すことです。乳幼児のいる家庭は、市町村の保健師の訪問や、地域の子育て支援の窓口とつながっていることがあります。サークルの外に、その家庭を見ている仕組みがあることを前提にして、代表は1回の連絡で手を離してかまいません。
困っている親子は、サークルで抱えずに窓口へつなぐ
「無事ですが、困っていることがあります」という返事が来たとき、代表は何を困っているかを個別に聞きます。災害の直後に子育て中の家庭から聞かれる困りごとには、次のようなものがあります。
・停電や断水で、ミルクや離乳食の準備ができない ・紙おむつや、おしりふきが手に入らない ・子どもが揺れを怖がって眠れず、親も休めない ・上の子の園や学校が休みで、日中に動けない ・避難所に行ったが、授乳や夜泣きで周りに気を遣い、居づらい
このうち、物の貸し借りや、情報のやりとりで解決できることは、会員どうしで助け合える範囲です。「おむつのサイズが合うものが余っている」「給水所がどこに開いているか」といった話は、サークルのつながりが最も役に立つところです。
一方で、次のような困りごとは、サークルの中で抱えずに、地域の窓口へつなぎます。
・子どもや親の体調に関わること ・住まいを失った、あるいは家に戻れないこと ・親が心身ともに限界だと感じていること ・必要な支援を受けるのに、行政の手続きが関わること
つなぐ先は、市町村の子育ての担当の窓口、地域の子育て支援の施設、保健センターなどです。災害のときにどの窓口が開いていて、どこに連絡すればよいかは、市町村が災害の後に知らせる情報で確かめます。代表がすることは、窓口の情報を本人に伝えることと、必要なら「サークルの代表から、こういう困りごとがあると聞いた」と窓口に伝えてよいかを本人に確かめることまでです。本人の了解なく、困りごとの中身を窓口やほかの会員に伝えることはしません。
返事の中身を、全員に見える場所に置かない
安否の問いかけへの返事は、全員に見える場所に書かれることが多いものです。グループの会話に「無事です」と書き込む形は手軽で、ほかの会員の無事も一目で分かります。
ところが、子育てサークルでは、返事の中身に注意が要ります。災害の後の返事には、次のような情報が含まれがちです。
・「今は〇〇小学校の避難所にいます」(避難先) ・「夫が出張中で、子どもと2人です」(家族の状況) ・「実家の〇〇市に来ています」(家を空けていること)
乳幼児を連れた母親が、夫の不在中に子どもと2人で、どこの避難所にいるか。この情報が、会員の全員に見える場所に残ります。子育てサークルの連絡のグループには、会員の家族や、以前の会員、入会の手続きがあいまいなまま入っている人が含まれていることがあります。
そこで、全体への問いかけの文面に、「避難先やご家族の状況は、ここには書かず、代表に個別にお知らせください」と一言添えます。全体の場所には、選ぶだけの返事(無事、困っている、しばらく参加できない)だけを置き、事情は個別の連絡で受け取ります。
受け取った事情は、代表の手元に残したままにしません。困りごとが解決したら、個別の連絡の中身は消してかまいません。サークルとして残す記録は、「いつ問いかけを出し、何家庭から返事があり、何家庭を窓口につないだか」という件数だけで足ります。
活動を再開する知らせが、2回目の安否確認になる
災害の後、サークルの活動をいつ再開するかを決めることになります。会場の公民館や児童館が避難所として使われている、会場の建物の安全を施設が確かめている、余震が続いている。こうした事情で、再開までに数週間かかることもあります。
再開の判断は、会場の施設が使えるかどうかを施設に確かめてからにします。サークルの側で「そろそろ大丈夫だろう」と決めて集まることは避けます。
再開の知らせを出すとき、それは2回目の安否確認の役割も果たします。最初の問いかけには返事をしなかった家庭も、「活動を再開します。参加できる方はお知らせください」という知らせには反応することがあります。災害の直後の緊張がほどけ、日常の予定に目を向ける余裕が出てきた時期だからです。
再開の知らせには、次のことを書いておきます。
・再開する日と会場、会場の施設が使えることを確かめたこと ・無理に参加しなくてよいこと ・困っていることがあれば、今からでも個別に知らせてほしいこと
再開の最初の数回は、参加する親子が少なくても、予定どおり開きます。久しぶりに顔を合わせた親どうしが、災害のときにどう過ごしたかを話す時間になり、その中で、最初の問いかけでは出てこなかった困りごとが聞けることがあります。
年に1回、活動の中で避難の練習を入れる
ここまで見てきた手順は、実際に一度やってみないと、どこで詰まるかが分かりません。子育てサークルの場合、大がかりな訓練をする必要はありません。普段の活動の中に、10分ほどの練習を1回入れるだけで十分です。
練習の中身は、次のような簡単なものにします。
・揺れたと仮定して、子を抱き上げ、机や棚から離れる ・親子の組がそろっているかを、代表が組ごとに声に出して確かめる ・抱っこひもを着け、子どもの靴を持ち、建物の外の集まる場所まで歩く ・集まる場所で、参加の記録と組を突き合わせる
練習をすると、たいてい何かが見つかります。抱っこひもが荷物の山の下にあった、靴箱の前で人が詰まった、途中で帰った親子を記録から消していなかった。見つかったことを、次の年度の代表に引き継ぐ一覧に書いておきます。
子育てサークルの会員は、上の子の入園などで1年から2年で入れ替わっていきます。練習を毎年同じ時期に入れることにしておけば、入れ替わった会員も、在籍中に一度は練習を経験できます。年度の最初の数回の活動のどこかに入れると、新しく入った親子にも伝わりやすくなります。
安否の連絡の置き場所を選ぶときに見る点
子育てサークルの安否確認は、災害の直後の問いかけ、個別の連絡、再開の知らせ、日頃の参加の記録と、いくつかの連絡が組み合わさって成り立ちます。連絡の置き場所を選ぶときは、次の点を見ます。
1つめは、入れる人を会員に限れるかどうかです。避難先や家族の状況のように、会員以外に見られたくない情報が行き交う可能性があります。匿名で人が集まる場と、顔と名前の分かる会の場の違いは、LINEオープンチャットとの比較に、参加の承認や参加者の見え方の項目ごとに整理されています。LINEグループとの比較には、申し込みに質問を付けて答えを見てから承認できる形と、招待か招待のURLで入る形の違いが並んでいます。
2つめは、問いかけや再開の知らせが、ほかの会話に押し流されないかどうかです。災害の後は、励ましの言葉や情報の共有が一斉に書き込まれ、代表の問いかけがすぐに見えなくなります。大事な知らせを上に固定できるかどうかは、同じ比較の表で確かめられます。
3つめは、授乳の合間に片手で開いて、迷わず返事ができるかどうかです。新しいIDとパスワードを作らずに入れるかどうかはよくある質問に、話題ごとに部屋が分かれた画面の作りが初めての人には迷いやすい点はDiscordとの比較に書かれています。参加にFacebookのアカウントが要るかどうかはFacebookグループとの比較、出欠や予定の機能の違いはBANDとの比較で確かめられます。
少人数で定期的に集まる会の連絡の形は、サークルでの使われかたで、参加の申し込みに質問を付けて答えを見てから承認する例が見られます。保護者どうしの連絡の例はPTAでの使われかたにあり、連絡先を交換せずにやりとりできる形と、雨で延期になった行事の知らせと延期後の予定が同じ画面に並ぶ形があります。
子育てサークルの安否確認で大切なのは、全員から返事を集めることではありません。活動の最中は親子の組を数え、活動のない日は急がせずに聞き、返事が来ない家庭は普段のつながりで見分け、困っている親子は地域の窓口へつなぐ。サークルが担えるのはここまでだと最初に決めておくことが、代表が一人で抱え込まずに続けられる形になります。
Q1. 子育てサークルに、会員の安否を確かめる義務はありますか?
サークルに会員の安否を確かめる義務はなく、会員の側にも返事をする義務はありません。それでも、同じ地域で子育てをする親どうしが困っている家庭に気づくきっかけとして、急がせない形で声をかける意味はあります。確かめるのは「困っている親子がいないか」に絞り、解決は地域の窓口に任せる前提にしておくと、代表の負担が大きくなりすぎません。
Q2. 活動中に地震が起きたら、代表は何から確かめればよいですか?
参加者の人数ではなく、親子の組を数えます。親が自分の子を確保するのが基本で、代表は子と離れている親や、親と離れている子がいないかを見つける役に徹します。そのために、その日の参加を親の名前と子の数の組で記録し、途中で帰る親子には当番に一言かけてもらう決まりにしておくと、数え間違いを防げます。
Q3. 安否の問いかけに返事が来ない会員には、何回連絡すればよいですか?
まず会員どうしの普段のつながりで、最近連絡がとれているかを確かめ、様子が分からない家庭にだけ代表から個別に連絡します。連絡は1回だけ、返事を求めない形で「気にかけています。何かあれば声をかけてください」と送れば十分です。家を訪ねたり何度も電話をかけたりすることは、サークルの役目を超えます。
Q4. 安否の返事に避難先を書いてもらってもよいですか?
全員に見える場所には書いてもらわないほうが安心です。乳幼児を連れた親が子どもと2人でどこにいるかといった情報が、会員以外も含まれうる場所に残るからです。全体には「無事」「困っている」「しばらく参加できない」の選ぶだけの返事を置き、避難先や家族の状況は代表への個別の連絡で受け取るようにしてください。
