地域の子育てサークルで緊急連絡の決まりを作ろうとすると、学童や少年団の連絡網の作り方を参考にしたくなります。けれども子育てサークルは、子どもを預かる団体ではありません。活動のあいだ、子どものそばには必ず親がいます。この違いのせいで、子育てサークルで夜や休日に届かせるべき知らせは、預かり型の団体とはまったく別のものになります。この記事では、0歳から3歳ごろの親子が集まる子育てサークルに絞って、緊急連絡をどう組むかを書きます。結論を先に書くと、夜間と休日に届かせる必要があるのは「翌朝の活動の中止」「活動のあとに分かった感染症の知らせ」「代表が急に動けなくなったときの引き継ぎ」の3つです。この3つだけを、ふだんの連絡とは別の経路で確実に届く形にし、活動中の急病やけがは、その場の大人が判断の目安を使って動けるように備えておきます。
子どもは親と一緒にいる、という前提から組み立てる
学童や少年団の緊急連絡網は、預かっている子どもに何かあったときに、保護者へ知らせることを中心に作られています。保護者はその場にいないので、電話がつながる順番や、つながらなかったときの次の連絡先が大事になります。
子育てサークルでは、この前提がそもそも成り立ちません。活動中に子どもが熱を出したり、転んで頭をぶつけたりしたとき、そばにはその子の親がいます。会がやるべきことは、親に知らせることではなく、親が落ち着いて判断できるように手を貸すことです。救急車を呼ぶかどうかを決めるのも、病院に連れて行くのも、基本的には親自身です。
そう考えると、子育てサークルの会員名簿に、緊急時の連絡先として配偶者や祖父母の電話番号まで集めておく必要があるかは、改めて考える価値があります。活動中の緊急時に会が電話をかける相手は、多くの場合いません。むしろ、そうした電話番号を代表が持ち続けることの負担のほうが大きくなります。父親が子どもを連れて来る日や、祖父母が孫を連れて来る日もありますが、その場合も連れて来た大人がその場にいるので、事情は同じです。
一方で、子育てサークルならではの緊急もあります。活動が終わって家に帰ったあとで、一緒に遊んだ子の中に感染症にかかった子がいたと分かる。翌朝の活動を、台風の接近で中止にしなければならない。代表自身の子が夜中に熱を出し、朝の会場の鍵を開けに行けない。こうした知らせは、活動の時間の外、それも夜や休日に発生し、会員の翌日の過ごし方を変えます。子育てサークルの緊急連絡は、この「活動の外で起きて、翌日を変える知らせ」を中心に組み立てます。
夜と休日に届かせたい知らせは、3つの型に分かれる
子育てサークルで夜や休日に出す知らせを、型ごとに分けてみます。
1つめは、翌朝や翌日の活動の中止や変更です。気象警報、会場の臨時休館、講師の急病、会場の設備の故障などが理由になります。この知らせは、会員が朝の支度を始める前に届いている必要があります。0歳の子を連れて出かける支度には時間がかかり、上の子を幼稚園に送ったその足で会場に向かう家庭もあるからです。
2つめは、活動のあとに分かった感染症の知らせです。前日の活動に参加した子が、夜になって発熱し、翌日に感染症と診断された、というような場合です。この知らせは、一緒にいた家庭が翌日以降の過ごし方を考えるための材料になります。
3つめは、代表や当番が急に動けなくなったときの引き継ぎです。会場の鍵を借りに行く、講師を出迎える、おやつを持って行く、といった役目の人が、自分の子の急な発熱や家族の事情で来られなくなったときに、代わりを決めて会員に知らせる必要があります。
この3つ以外の知らせ、たとえば来月の予定の変更や、行事の持ち物の追加は、夜に急いで届かせる必要はありません。ふだんの連絡と同じ場所に置き、会員が都合のよいときに読めば足ります。緊急の知らせとふだんの知らせを混ぜないことが、夜間の連絡を確実に届かせるためのいちばんの前提になります。
翌朝の中止は、決める時刻と決める人を前もって告げておく
翌朝の活動を中止にするかどうかの判断は、代表を最も悩ませる場面の1つです。夜のうちに台風の進路がはっきりしない、朝になってから大雨の警報が出るかもしれない。判断を先延ばしにしているあいだに、会員は「明日はあるのかな」と何度もスマートフォンを確かめることになります。
この迷いを減らすには、判断そのものより先に、判断を出す時刻と、判断する人を決めておくことです。たとえば、天候が崩れそうなときは、前の晩の20時までに一度知らせ、決めきれない場合は当日の朝7時に最終の判断を出す。判断するのは代表で、代表が知らせを出せないときは副代表が出す。こう決めて年度の初めに会員に伝えておけば、会員は20時と7時に一度ずつ確かめればよく、夜中に何度も画面を開く必要はなくなります。
判断の基準も、できる範囲で決めておきます。会場が支援センターや公民館なら、施設の側が気象警報のときの開館の扱いを決めていることが多いので、それに合わせるのが最もぶれません。施設が開いていても、乳幼児を連れて雨の中を歩く危険を考えて、会として中止にする基準を別に置く会もあります。どちらを採るにしても、基準が文章になっていれば、代表が替わっても判断は変わりません。
中止の知らせには、施設そのものが開いているかどうかも書き添えます。子育てサークルの会員の中には、活動がなくても支援センターの自由遊びの時間に行くつもりの家庭があります。「サークルの活動は中止ですが、支援センターは通常どおり開いています」と一言あれば、行き場を失う家庭が出ません。逆に施設が休館なら、その旨を書いておけば、会場まで来てしまう家庭を防げます。
施設からの休館の知らせは、代表1人に届く
会場を借りている施設が、臨時に休館する場合があります。設備の点検、大雨による被害、施設の職員の体制などが理由です。こうした知らせは、施設の側から利用団体の代表者へ、電話やメールで届くのが一般的です。
問題は、この知らせが代表1人に届くことです。代表が子どもの寝かしつけで電話に出られない、メールに気づかないまま朝を迎える、ということは十分に起こります。代表が知らなければ、会員は休館の施設に向かい、入口で引き返すことになります。ベビーカーを押して15分歩いてきた親子にとって、それは小さくない負担です。
対策は、施設に届け出ている連絡先を、代表1人ではなく2人にしておくことです。施設の登録で連絡先を複数書けるなら、代表と副代表の両方を書きます。1人しか書けないなら、代表が施設から知らせを受けたときに、すぐ副代表にも伝える決まりにしておきます。施設の側に「連絡がつかないときは副代表に」と一言伝えておくだけでも、知らせが止まる危険は下がります。
施設の登録内容は、代表が替わったときに書き換えを忘れやすいものです。卒業した前の代表の電話番号が、翌年も施設に登録されたままになっていて、休館の知らせが前の代表に届いた、という話はめずらしくありません。代表の交代の手続きの一覧に、施設への届け出の書き換えを必ず入れておきます。
講師が来られない朝は、中止か自分たちで遊ぶかを先に決めておく
講師を招く回には、講師の側の急な事情で来られなくなる、という緊急もあります。リトミックや読み聞かせ、ベビーマッサージの講師は、自分自身も子育て中であることが少なくありません。講師の子どもの急な発熱で、当日の朝に欠席の連絡が入ることは、どの会でも起こりえます。
このとき代表が迷うのは、活動そのものを中止にするか、会場は押さえてあるので自分たちで遊ぶ回に切り替えるか、です。講師の回を楽しみにしていた家庭もあれば、会場で子どもを遊ばせられれば十分という家庭もあります。朝の限られた時間で判断し、知らせを出すのは代表の負担になります。
そこで、講師の回が急に取りやめになった場合の扱いを、あらかじめ決めておきます。たとえば「講師の都合で取りやめになったときは、会場で自由遊びの回に切り替え、材料費は返す」と決めて案内に書いておけば、代表は朝に「講師の方が来られなくなったため、今日は自由遊びにします」と知らせるだけで済みます。講師の回のために別に集めた材料費をどう扱うかも、この決まりに含めておくと、あとで会計の担当が迷いません。
代表も乳幼児の親だということを、連絡の組み方に入れる
子育てサークルの緊急連絡を考えるうえで、ほかの団体と決定的に違うのは、代表自身が乳幼児の親だということです。町内会の会長や、少年団の団長が、夜中に自分の子の看病で動けなくなることはそう多くありません。子育てサークルの代表には、それが月に何度も起こりえます。
代表の子が夜中に熱を出せば、代表は翌朝の活動に行けません。会場の鍵を借りに行く人がいなくなり、講師を出迎える人もいなくなります。さらに代表は、看病をしながら中止にするか、誰かに代わってもらうかを決め、会員に知らせる必要があります。熱を出した子を抱えながらこれをこなすのは、かなりの負担です。
このため、子育てサークルでは、知らせを出せる人を最初から3人にしておくことをすすめます。代表、副代表、そしてもう1人。3人のうち誰か1人が出せれば、知らせは止まりません。3人を選ぶときは、子どもの月齢がなるべく重ならない家庭から選ぶと、同じ時期に同じ感染症で3人とも動けなくなる事態を避けやすくなります。
代表が出産を控えている場合は、さらに前もって準備しておきます。子育てサークルでは、在籍中に第2子を出産する代表も珍しくありません。出産の予定が近づいたら、その数か月前から副代表が知らせを出す役を担うことに決め、会場や講師への連絡先も副代表に切り替えておきます。急な入院にも慌てずに済むように、代表が持っている会場の予約の情報や講師の連絡先を、1か所にまとめて副代表と共有しておきます。
活動のあとに分かった感染症は、誰のことかを書かずに知らせる
子育てサークルで夜間に出すことになりやすい知らせの2つめが、感染症の知らせです。乳幼児はおもちゃを口に入れ、同じマットの上で転がって遊びます。活動の翌日に、参加した子の1人が感染症と診断された、ということは避けがたく起こります。
この知らせを会がどう扱うかは、事前に決めておかないと、代表が板挟みになります。診断を受けた家庭は、ほかの家庭に迷惑をかけたのではないかと気に病み、名前を出されることを恐れます。一方で、一緒に遊んだ家庭は、翌日に上の子を幼稚園に送る前や、一時預かりを使う前に、知っておきたいと考えます。妊娠中の会員や、下の子が生まれて間もない家庭は、とくに早く知りたいと望むことがあります。
折り合いをつけるための決まりは、誰のことかを書かずに知らせることです。「昨日の活動に参加したお子さんの中に、○○と診断されたお子さんがいたと連絡がありました。体調の変化に気をつけてください」。この文面なら、どの家庭かは分かりませんが、一緒にいた家庭は自分の子の様子に注意を向けられます。参加した家庭が少ない回は、書かなくても誰のことか見当がつくことがあるので、知らせる前に、診断を受けた家庭に一言了解を取っておきます。
病名をどこまで書くか、症状や受診の目安をどう添えるかについて、会が医学的な判断をする必要はありません。知らせの役目は、一緒にいた家庭に「気をつけて見てほしい」と伝えることまでです。受診するかどうか、上の子を園に送るかどうかは、それぞれの家庭が、かかりつけの医師や園の決まりに沿って決めることです。会の知らせには、受診をすすめる言葉や、登園の可否を判断する言葉を書かないようにします。
会員から代表への知らせは、受け口を決めておかないと届かない
感染症の知らせを会が出すためには、まず診断を受けた家庭から代表へ、その事実が伝わる必要があります。ところが、この会員から代表への経路は、会から会員への経路よりも詰まりやすいものです。
診断を受けた家庭の親は、子どもの看病をしながら、「サークルに知らせるべきだろうか」「代表の個人の連絡先に夜に送っていいのだろうか」と迷います。代表と個人的にやり取りしたことがなければ、なおさら送りにくくなります。会話の流れの中に「うちの子が昨日から熱で」と書き込むと、会員全員に誰のことか知られてしまうので、それも避けたい。迷っているうちに数日が過ぎ、知らせる意味が薄れてしまいます。
これを防ぐには、会員が代表へ知らせるための受け口を、年度の初めに決めて伝えておくことです。代表と副代表だけが読める形で送れる場所を用意し、「参加した日から数日のうちに感染症と分かったら、ここに知らせてください。会からは名前を出さずに知らせます」と書いておく。どこに送れば名前が広まらないかが分かっていれば、看病の最中でも短い一文を送るだけで済みます。
受け口に知らせが届いたら、代表と副代表のどちらが会員への知らせを出すかも決めておきます。2人とも相手が出すと思って待っていると、知らせは出ません。平日は代表、週末は副代表のように、曜日で分けておくのも1つの方法です。
知らせが届いたかは、翌朝に来る予定だった家庭で確かめる
夜に中止の知らせを出したあと、代表が気になるのは、会員が本当に読んだかどうかです。とはいえ、会員全員が読んだかを1人ずつ確かめるのは、代表の手間が大きすぎますし、確かめる必要もありません。
子育てサークルの場合、確かめるべき相手は、翌日の活動に来る予定だった家庭だけです。前の日までに参加の予定を答えてもらう形にしていれば、その一覧が確かめる対象になります。会員が20組いても、翌朝に来る予定の家庭が8組なら、その8組が読んでいるかを見れば足ります。朝の最終の判断を出す時刻を過ぎても読んでいない家庭がいたら、その家庭にだけ個別に一言送ります。
参加の予定を事前に聞いていない会では、誰が来るつもりだったかが分からないので、全員の既読を気にすることになります。中止の知らせを確実に届けるという点でも、前日までに参加の予定を答えてもらう形には意味があります。当番がおやつや材料の数を決められるという、ふだんの利点と合わせて考えると、取り入れる価値は十分にあります。
夜の通知の音が、寝かしつけを起こしてしまう
子育てサークルで夜間に知らせを出すとき、見落とされがちなのが通知の音です。会員の家庭では、夜は子どもの寝かしつけの時間であり、ようやく寝た子のそばでスマートフォンが鳴れば、子どもが起きてしまうことがあります。
このため、ふだんから会の連絡の通知を切っている会員は少なくありません。夜遅くに雑談の書き込みが続いて、そのたびに通知が鳴るのを避けるためです。ところが通知を切ってしまうと、本当に夜のうちに知らせたい中止や感染症の知らせも、朝まで気づかれません。
この矛盾を解くには、ふだんの連絡と緊急の知らせを、置き場所の段階で分けておく必要があります。雑談や写真の共有は、通知を切っていても困らない場所に置き、中止や感染症の知らせだけを出す場所を別に作る。緊急の知らせを出す場所には、代表と副代表など決まった人しか書き込まないことにすれば、そこが鳴ったときは読むべき知らせだと会員に分かります。
緊急の知らせを出す時刻にも気を配ります。翌朝の中止を前の晩に知らせるなら、多くの家庭の寝かしつけが始まる前、たとえば夕食の時間帯に出すほうが、読まれやすく、子どもを起こす心配も少なくなります。深夜にしか判断できない事情でもない限り、決める時刻を早めに置くことが、読まれる知らせにつながります。
活動中の急病やけがは、その場の大人が判断の目安を使う
活動中に子どもの具合が急に悪くなったり、けがをしたりした場合は、会の緊急連絡網の出番ではなく、その場にいる大人の判断になります。救急車を呼ぶべき状態であれば、ためらわずに119番に通報します。
判断に迷う場面に備えて、会として知っておきたいのが、子どもの急病について判断の目安を示している窓口です。日本小児科学会が監修する「こどもの救急」のサイトは、次のように案内しています。
夜間や休日などの診療時間外に病院を受診するかどうか、判断の目安を提供しています。 生後1カ月~6歳までのお子さんです。 出典: 公益社団法人 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」
子どもの急病について電話で相談できる窓口として、厚生労働省の子ども医療電話相談事業(#8000)があり、都道府県ごとの連絡先と実施時間帯が一覧になっています。救急車を呼ぶかどうか迷ったときに相談できる救急安心センター事業(#7119)については、消防庁が事業の案内の中で、全国41地域で実施していると説明しています。住んでいる地域で使えるかどうかは、それぞれの案内で確かめておきます。
会として準備できるのは、こうした窓口の存在を会員が知っている状態にしておくことと、会場の名前と住所を、通報や相談のときにすぐ伝えられるようにしておくことです。慣れない公民館や、公園の中の施設では、自分がいる場所の住所をとっさに言えないことがあります。会場ごとに名前と住所を書いた紙を、受付の机に置いておくか、会の案内の目立つ場所に載せておくと、いざというときに役立ちます。
外遊びや休日の行事は、当日だけの連絡の手段を決めておく
子育てサークルでも、季節によっては公園での外遊びや、休日に家族で参加する行事を開くことがあります。こうした活動は、屋内の会場とは違う緊急が起こりえます。広い公園で、歩き始めたばかりの子が親の目を離れて見えなくなる。夏の日差しの中で、子どもや親の具合が悪くなる。集合場所にたどり着けない家庭が出る。
屋外の活動では、当日の連絡の手段を、ふだんの連絡とは別に決めておきます。代表と当番の携帯電話の番号を、その日の参加者にだけ知らせる。集合場所と、何かあったときに集まる場所を、公園の地図の上で具体的に決めておく。これだけで、当日に誰かとはぐれても、連絡がつかない状態は避けられます。当日だけのために知らせた電話番号は、行事が終わったら使わない、という決まりも添えておくと、知らせる側の抵抗が減ります。
休日の行事では、ふだん平日に来ている母親ではなく、父親が子どもを連れて来ることがあります。この場合、会の連絡を母親だけが受け取っていると、当日の集合場所の変更が父親に届きません。休日の行事の案内を出すときは、当日に子どもを連れて来る大人が誰かを申込のときに聞き、その人に当日の知らせが届く形にしておきます。
地震や大雨のときは、施設の誘導に従い、会は参加の一覧で確かめる
活動中に大きな地震が起きたときや、急な大雨で帰り道が危なくなったときは、会の独自の判断より、会場の施設の誘導に従うのが原則です。支援センターや公民館には、施設としての避難の手順があり、職員がそれに沿って利用者を誘導します。会の代表が先走って別の場所へ親子を連れ出すと、かえって混乱を招きます。
子育てサークルの場合、避難には乳幼児ならではの難しさがあります。ベビーカーは階段で使えず、抱っこひもで子どもを抱いたまま、ほかの荷物を持って移動することになります。双子の家庭や、上の子と下の子を連れた家庭は、大人1人では手が足りません。活動の始めに、手の足りない家庭の近くに誰がいるかを、当番がなんとなく把握しておくだけでも、いざというときの動きが変わります。
揺れが収まったあとに会がやるべきことは、その日に来ていた親子が全員そろっているかを確かめることです。このとき役に立つのが、その日の参加の一覧です。前の日までに参加の予定を答えてもらう形にしておけば、当日の受付で丸を付けた名簿がなくても、誰が来ていたかがすぐに分かります。活動がない時間帯の災害については、子育てサークルが会員全員の安否を確かめる役目を負う必要はありません。会員それぞれの家庭には、住んでいる地域や園の仕組みがあり、会はそれを補う立場にとどめます。
年度の初めに、緊急の決まりを1枚にまとめる
ここまでの決まりは、年度の初めに1枚の案内にまとめて、会員全員が見られる場所に置いておきます。子育てサークルは会員の入れ替わりが速いので、途中から入った家庭にも同じ1枚を渡せる形が必要です。
1枚に載せる項目は、次のとおりです。
・天候などで中止を判断するときの、知らせを出す時刻と、判断する人 ・知らせを出せる3人の名前と、その順番 ・緊急の知らせを出す場所と、ふだんの連絡の場所の違い ・感染症が分かったときに、会員から代表へどう伝えるかと、会がどう知らせるか ・活動中の急病のときに使える相談の窓口と、会場の名前と住所 ・屋外や休日の行事での、当日の連絡の手段の決め方
この1枚は、代表が替わるたびに見直します。とくに、知らせを出せる3人の名前と、施設に届け出ている連絡先は、春の交代の時期に必ず書き換えが要ります。1枚が古いままになっていると、いざというときに、卒業した前の代表の名前が載った案内を会員が見ることになります。
緊急の知らせを、どこに置くと届くか
子育てサークルの緊急連絡が届くかどうかは、決まりの中身と同じくらい、知らせを出す場所の作りに左右されます。雑談と写真と緊急の知らせが同じ流れに混ざっていると、会員は通知を切り、夜の中止の知らせを朝まで見ません。
会話型の道具で団体の連絡を回すときに、知らせが埋もれやすい事情は、LINEグループとの比較で整理されています。連絡先を交換せずに参加できる形を検討している会には、LINEオープンチャットとの比較が、掲示板とお知らせを分けて置ける道具との違いを知りたい会にはBANDとの比較が参考になります。地域のSNSを使っている会はFacebookグループとの比較、話題ごとに部屋を分ける道具を考えている会はDiscordとの比較も並べて見ると判断しやすくなります。
子育てサークルに近い団体が、お知らせと雑談をどう分けているかは、サークルでの使われかたで画面の流れを確かめられます。講師を招いた親子教室の形なら教室での使われかたが、保護者どうしの連絡という点ではPTAでの使われかたや学校での使われかたも参考になります。
判断の軸は3つです。緊急の知らせを、雑談とは別の、決まった人だけが書き込める場所に出せるか。父母の両方や、当日に子どもを連れて来る大人に同じ知らせが届くか。知らせを出せる人を、代表の交代や出産に合わせてすぐに入れ替えられるか。代表自身が乳幼児の親である子育てサークルでは、3つめの条件が、夜の知らせが止まるかどうかを分けます。細かな点はよくある質問で確かめられます。
Q1. 子育てサークルでも、会員全員の緊急連絡先を集めておくべきですか?
活動中は子どものそばに親がいるため、会が家族に電話をかける場面はほとんどありません。配偶者や祖父母の電話番号まで集めて代表が持ち続けるより、中止や感染症の知らせが確実に届く連絡の場所を用意するほうが役に立ちます。屋外の行事など、当日だけ連絡の手段が必要な場合は、その日の参加者に限って決めます。
Q2. 天候による中止の判断は、いつまでに知らせればよいですか?
前の晩の決まった時刻に一度知らせ、決めきれないときは当日の朝の決まった時刻に最終の判断を出す形が扱いやすいです。時刻と判断する人を年度の初めに伝えておけば、会員はその時刻に確かめるだけで済みます。会場の施設が警報時の開館の扱いを決めている場合は、それに合わせると判断がぶれません。
Q3. 参加した子が感染症と分かったとき、名前を伏せて知らせても伝わりますか?
誰のことかを書かなくても、一緒に遊んだ家庭は自分の子の様子に注意を向けられるので、知らせの役目は果たせます。参加者が少ない回は見当がつくことがあるため、知らせる前に診断を受けた家庭の了解を取っておきます。受診や登園の判断を促す言葉は書かず、各家庭の判断に任せます。
Q4. 代表が急に活動に行けなくなったとき、誰が知らせを出せばよいですか?
代表、副代表ともう1人の3人を、知らせを出せる人として年度の初めに決めておくと、代表の子が夜中に熱を出しても知らせは止まりません。子どもの月齢が重ならない家庭から選ぶと、同じ時期に3人とも動けなくなる事態を避けやすくなります。出産を控えた代表は、数か月前から副代表に役を移しておきます。
