「卒業生 名簿 個人 情報」で調べる人が知りたいのは、法律の条文そのものではありません。名簿を作ってよいのか、作るとして何をどこまで書き、誰に渡し、いつ消すのかという、幹事や役員が自分で決めなければならない線引きです。この記事では、名簿を作る前に決める3つのこと、集める項目の絞り方、配る範囲の選び方、残す期間と削除の手順、名簿の作成や購入を持ちかけられたときの見分け方、そして漏れてしまったときに最初にすることを順に並べます。同窓会の幹事、PTAの担当、部活の保護者会、教室の運営のように、名簿を作る側に立つ人を想定しています。
卒業生名簿は「作ってよいか」より「作らずに済むか」から考える
かつては学校が卒業生名簿を印刷して配っていました。住所と電話番号が学年ごとに並び、実家の書棚に置かれているものです。いまは多くの学校が作っていません。学校が作らなくなった分、同窓会やクラス会をとりまとめる人が自分で集めることになり、そこで最初につまずきます。
つまずく原因は、名簿が個人情報保護法の対象になるかどうかがはっきりしないまま作業を始めることです。この点については、個人情報保護委員会が公開しているFAQに直接の答えがあります。
個人情報保護法における「事業」とは、一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為であって、かつ社会通念上事業と認められるものをいい、営利・非営利の別は問いません。したがって、非営利の活動を行っている団体であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している場合は、個人情報取扱事業者に該当します。NPO法人や自治会・町内会、同窓会、PTAのほか、サークルやマンション管理組合なども個人情報取扱事業者に該当し得ます。 出典: ppc.go.jp
会費を取っていなくても、利益を出していなくても、対象になり得るということです。ここで「では名簿は作れない」と結論を出すのは早すぎます。対象になることと、作ってはいけないことは違います。対象になるのは、集めた情報の扱いに決まった手順を踏む義務が生じるという意味です。
そのうえで、最初に立てるべき問いは順番が別にあります。名簿という形にしないと目的が果たせないのか、という問いです。名簿を作りたくなる目的は、たいてい3つに分かれます。1つ目は当日までの連絡、2つ目は会費の管理、3つ目は次回以降の案内です。
このうち1つ目は、名簿を全員に配らなくても果たせます。連絡を回す仕組みがあれば、誰がどこに住んでいるかを全員が知る必要はありません。2つ目も、入金の確認は幹事の側で済みます。名簿が本当に必要なのは3つ目の、次回の案内を出すために連絡先を保管し続ける場合だけです。
40人のクラス会で、参加者全員に住所入りの一覧を配っている会は少なくありません。配った理由を聞くと「昔からそうしていた」という答えが返ってきます。目的から逆算すると、配る必要がなかったと分かる場合がほとんどです。作るかどうかを決める前に、配るかどうかを決める。この順番で考えると、後の判断が軽くなります。
法の対象になる件数の線引きは、もう存在しない
「少人数だから関係ない」という思い込みが、いまも残っています。以前は件数による除外がありました。いまは撤廃されています。同じFAQに、経緯まで書かれています。
個人情報データベース等を事業の用に供している者であれば、当該個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の多寡にかかわらず、個人情報取扱事業者に該当します。 なお、平成27年改正の施行(平成29年5月30日)前においては、5000人分以下の個人情報しか取り扱っていない者は、個人情報取扱事業者から除外されていましたが、施行後はこれらの者も個人情報取扱事業者に該当することとなりますので、注意が必要です。 出典: ppc.go.jp
5,000人分という線が消えたのは2017年です。つまり、1学年35人のクラス会でも、300人の学年同窓会でも、扱いは同じ土俵に乗ります。この事実を知らずに、20年前の感覚のまま名簿を作っている会がまだあります。
ただし、身構えすぎる必要もありません。とりまとめる立場の人が実務として押さえるのは、大きく4つです。
1つ目は、何のために集めるのかを本人に伝えることです。「今年の同窓会の案内を送るために使います」と書いてから集めます。集めたあとに用途を思いつくのではなく、用途を書いてから集めます。
2つ目は、伝えた目的の外で使わないことです。同窓会の案内のために集めた住所を、後から保険の勧誘に使う、母校への寄付の依頼に使う、といった転用をしないという意味です。会の中でも、担当が代わると目的が広がりがちなので、集めた紙やファイルに用途を書き添えておくと迷いません。
3つ目は、安全に保管することです。紙なら鍵のかかる場所、電子ファイルなら開ける人を限る。担当者の個人の端末だけに入っている状態は、紛失したときに範囲が分からなくなるので避けます。
4つ目は、本人の同意なく第三者に渡さないことです。ここでいう第三者には、業者だけでなく、他のクラスの幹事や、会員ではない卒業生も含まれます。「同じ学校の出身だから身内」という感覚は通りません。
この4つを守っていれば、作ったことそのものが問題になることは実際にはほとんどありません。困りごとが起きるのは、たいてい4つのどれかを飛ばしたときです。
飛ばしやすいのは1つ目と3つ目です。1つ目は、急いで集め始めると省かれます。返信の葉書に「同窓会の件」とだけ書いて連絡先の記入欄を並べる形が、その典型です。3つ目は、担当が1人で進めているときに省かれます。自分の端末にファイルがあり、自分しか開かないから安全だと考えてしまう。実際には、その端末を紛失した時点で、何件の情報が入っていたかを誰も説明できなくなります。集めた情報の件数と項目を別の紙に書いておくだけで、この状態は避けられます。
集める項目を、目的から逆算して絞る
名簿の様式を先に作ってから埋めていくと、項目が増えます。逆にしてください。目的から必要な項目だけを残します。よく載っている項目を1つずつ見ていきます。
氏名は必要です。ただし現姓と旧姓の扱いを決めておく必要があります。結婚で姓が変わった人は、旧姓が分からないと同級生の側で誰か分かりません。かといって旧姓を並べて印刷すると、姓が変わった事実が全員に伝わります。伝わってよいかは本人が決めることなので、旧姓を載せるかどうかを選べる形にします。
連絡先は1つに絞ります。電話番号、携帯の番号、メールアドレス、トークのIDを全部集めると、管理する範囲が4倍になります。案内を送る手段を1つ決めて、その手段の連絡先だけを集める。どうしても予備が欲しい場合も、2つまでにしてください。
住所は、郵送するときだけ集めます。案内を電子的に送ることに決めたなら、住所は要りません。ここが最も多い無駄です。住所は漏れたときの影響が大きく、しかも使われる場面が年に1回あるかどうかです。郵送とそれ以外が混ざる会では、郵送を希望する人だけ住所を書く形にします。
勤務先と役職は、集めない方向で考えてください。名簿に勤務先が並ぶと、営業の目的で持ち出される価値が生まれます。恩師の消息を辿るために職歴が要る、といった具体的な目的がある場合に限って、本人に用途を伝えてから聞きます。
生年月日は、まず不要です。同学年なら年齢はほぼ同じで、名簿としての用はありません。集めたくなるのは、記念品の手配や祝いの席で使えるかもしれないと考えるときですが、その用途が決まっていないうちは集めないでください。使い道の決まっていない項目は、保管の負担だけが残ります。
在籍時のクラスや部活は、照合のために役立ちます。同姓同名を区別する必要があるとき、番号で管理するよりも実際的です。
項目を絞ったら、もう1つ工夫があります。名簿の本体と連絡先の対照表を分ける形です。名簿の本体には氏名と在籍時のクラスだけを載せ、連絡先は幹事が別に管理します。全員に配るのは本体だけにすれば、配った先から連絡先が広がることがありません。2枚に分けるだけで、配る範囲の判断がぐっと楽になります。
配る範囲は、3つの形から選ぶ
名簿ができたら、次は配る範囲です。実務としては3つの形しかありません。どれを選ぶかを、作る前に決めておいてください。
1つ目は、全員に配る形です。参加者同士が自由に連絡を取れるようになるので、卒業生同士のつながりを広げたい会には向きます。引き換えに、配った時点で回収できなくなります。紙は複写され、電子ファイルは転送されます。誰が何部持っているかを把握する手段がありません。この形を選ぶなら、住所と勤務先は載せないほうが釣り合いが取れます。
2つ目は、幹事だけが持つ形です。参加者には当日の座席表や参加者の氏名一覧だけを渡し、連絡先は幹事が抱えます。漏れる経路が少なく、後の管理も軽い。引き換えに、参加者同士がその場で連絡先を交換したいときに手間が増えます。当日に交換したい人は、その場で本人同士で伝えればよいので、実務上の不便は思うほど大きくありません。
3つ目は、閲覧はできるが持ち出せない形です。当日の会場に1部だけ置き、確認したい人が見る。あるいは会員だけが入れる場所に掲示し、印刷や保存を制限する。紙の場合は回収します。この形は、名簿を見たいという希望と、広がらせたくないという都合を両立させます。手間はかかりますが、卒業生の数が多い会ではこの形が現実的です。
判断の基準は1つです。配った紙やファイルを、1年後に回収できるかどうか。回収できない形で配るものには、回収できなくてよい情報だけを載せます。
紙で配る場合は、部数を数えて記録します。何部刷り、何部配り、何部残ったか。この記録があると、後から「どこまで広がったか」の見当がつきます。電子ファイルで配る場合は、パスワードを付けても転送は止められないことを前提にしてください。パスワードは誤って別の人に届いたときの保険であって、受け取った人が広げるのを防ぐ仕組みではありません。
残す期間を先に決めて、案内に書く
名簿の困りごとで最も多いのは、作ったことではなく、消さずに残り続けることです。10年前の名簿が歴代の幹事の間で受け渡され、本人が知らないまま連絡先が回っている。この状態が、後から苦情になります。
期間の決め方は3つあります。行事が終わって精算まで済んだ時点で削除する形、次回の開催まで保管する形、無期限に保管する形です。
行事ごとに削除する形は、手間が最も軽く、責任も軽い。ただし次回に一から集め直すことになります。数年に1回の会なら、この形が合います。集め直す手間は、名簿を安全に保ち続ける手間より小さいことが多いからです。
次回まで保管する形を選ぶなら、次回がいつかを決めておく必要があります。「次回まで」と書いて次回が開かれないと、無期限と同じになります。3年後と決めて、3年経って開催が決まっていなければ削除する。この形にすれば期限が生きます。
無期限に保管する形を選ぶ会もあります。学年全体の同窓会組織があり、規約で名簿の管理が定められているような場合です。この形を選ぶなら、無期限であることを集めるときに伝えてください。伝えずに保管し続けるのが、いちばん苦情になります。
どの形を選んでも、削除するときの手順を先に書いておきます。手順に含めるのは4つです。本体のファイルを削除すること。控えとして別の場所に保存した分も削除すること。印刷した紙を処分すること。歴代の担当者に渡した分の扱いを決めること。4つ目が抜けやすく、ここが残っていると削除したことになりません。
案内に書く文は短くて足ります。「いただいた連絡先は、今年の同窓会の案内と当日の運営にのみ使用し、精算が終わってから3か月後に削除します」。この1行があるだけで、集まる情報の質が変わります。書かないと、慎重な人は書きません。
名簿の作成や購入を持ちかけられたときの見分け方
卒業生名簿にまつわる相談で、法律よりも切実なのがこちらです。学校や同窓会の名前で葉書が届き、名簿を作るので情報を送ってほしい、できた名簿を購入しないかと勧める。こうした照会に、本人の確認を取らずに答えてしまう例が繰り返し起きています。
息子の高校の卒業生名簿を作成すると葉書で連絡があって、息子に許可を得ず、住所と氏名を教えてしまいました。 また、購入の希望もしてしまいました。 後日 名簿の購入手続きのため、息子の住所に連絡があり、情報事故だと息子から責められています。どう対処していけば良いでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
家族が代わりに答えてしまう形が、この件の要点です。本人が在籍していた学校の名前で届くため、家族は疑いません。とりまとめる立場の人として押さえておきたいのは、自分の会が出す案内を、こうした照会と区別できる形にしておくことです。見分ける手がかりは5つあります。
1つ目は、発行元がどこかです。学校の同窓会が出すものなら、学校の代表番号に問い合わせて確かめられます。問い合わせ先が携帯の番号や私書箱だけの場合は、まず確かめてください。
2つ目は、購入を勧めているかどうかです。名簿を作ると同時に販売する形は、目的が名簿そのものにあることを示します。会の運営のために集めるなら、販売は必要ありません。
3つ目は、返信先の住所が実在するかどうかです。地図で調べれば分かります。
4つ目は、自分の情報が最終的にどこまで載るかを確認できるかどうかです。載る範囲を示さずに情報だけを求める形は避けてください。
5つ目は、断る手段が示されているかどうかです。「載せない」を選べない案内は、目的が本人のためではありません。
自分の会が出す案内には、この5つを満たすよう逆から書いてください。発行元と問い合わせ先を明記し、販売はせず、返信先を実在の住所にし、載る範囲を示し、載せない選択を用意する。この形にしておけば、受け取った家族が安心して本人に渡せます。
同意の取り方と、断られたときの扱い
同意という言葉は堅く聞こえますが、実務は簡単です。集める前に、用途と範囲と期間を書いて、載せてよいかを尋ねるだけです。
尋ね方の形を1つ挙げます。「10月の同窓会の案内を送るために、お名前とご連絡先を1つお伺いします。当日お配りする名簿には、お名前と在籍時のクラスのみを記載します。ご連絡先は幹事のみが管理し、精算後3か月で削除します」。この3文で、用途と範囲と期間が揃います。
そのうえで、載せない選択を必ず並べてください。「名簿への記載をご希望されない場合は、記載なしでご参加いただけます」。この1文があると、参加はしたいが名前を並べたくない人が残ります。書かないと、その人は参加ごと見送ります。
断られたときの扱いも決めておきます。よくある失敗は、名簿に行だけ作って空欄にすることです。行があると「この人は断った」と全員に伝わります。行そのものを作らないのが正しい扱いです。参加者の人数と名簿の行数が合わないことになりますが、それで困る場面はありません。
もう1つ、連絡は受けたいが名簿には載りたくない人がいます。この希望は両立します。幹事が管理する連絡先の一覧と、当日配る名簿を分けておけば、連絡先だけを預かって名簿には載せない扱いができます。前述した2枚に分ける形が、ここで効いてきます。
すでに集めてしまった情報について、後から用途が増えることもあります。今年の案内のために集めた連絡先を、来年も使いたくなる場合です。このときは、もう一度尋ね直してください。「来年以降の案内にも使わせていただいてよいか」を聞き、返事がなかった人は対象から外す。手間ですが、この一手間を省いたところから苦情が出ます。
漏れてしまったときに、最初にすること
起きてしまった場合の動きも、先に決めておいてください。慌てると順番を間違えます。
最初にするのは、経路の特定ではなく範囲の記録です。何が、何件、どこへ出たか。この3つを紙に書きます。名簿の版がいくつあり、何部配られていたかを把握していないと、この記録が作れません。だから配った部数を数えておく話が先にありました。
次に、本人への連絡です。出た情報の内容と、出た相手と、いま何をしているかを伝えます。伝えにくい内容ですが、後から知られるほうが関係は悪くなります。連絡の文面では、原因の説明よりも、その人の情報が具体的に何だったかを先に書いてください。読む側が知りたいのはそこです。
そのうえで、公的な窓口への相談を検討します。個人情報保護委員会は相談の窓口を設けていて、どう扱うべきかを確かめられます。会の側で「報告が必要かどうか」を自分たちだけで判断せず、確かめてから動くほうが安全です。判断の目安は状況によって変わるため、一般論で決めつけないでください。制度の入口は個人情報保護委員会にまとまっています。
最後が再発を防ぐ手当てです。多いのは、担当者の個人の端末にファイルが入っていた、共有の設定が誰でも開ける状態だった、印刷した紙が回収されていなかった、の3つです。どれも作業の手順で防げます。手順を1枚にして、次の担当に渡してください。
起きたあとで最もこたえるのは、会が続けられなくなることです。名簿が出た会では、次の年に参加を見送る人が出ます。防ぐ手当ての価値は、情報そのものより会の存続にあります。
恩師と、連絡が取れない人と、亡くなった方の扱い
名簿の様式を作るときに手が止まるのが、この3つです。決め方を先に持っておくと、作業が止まりません。
恩師の情報は、卒業生とは別に扱ってください。学校を離れている先生の住所や連絡先は、学校から教えてもらえないことがほとんどです。先生本人に連絡が付いた場合も、名簿に載せるかどうかは必ず本人に尋ねます。卒業生の側は「恩師の連絡先を知りたい」と考えますが、先生の側には、退職後に多数の卒業生から個別に連絡が来る負担があります。名簿に載せず、幹事を通して連絡する形にしておけば、双方の希望が両立します。当日の座席表に氏名だけを載せるのは、連絡先を載せることとは別の話なので、そこは分けて判断してください。
連絡が取れない人の扱いも決めておきます。前回の名簿に載っていた住所に案内を出して戻ってきた、という状態です。ここで避けたいのは、他の同級生に「あの人の今の連絡先を知らないか」と広く尋ねることです。尋ねた相手に、その人が転居したという情報が伝わります。本人が知られたくない事情で転居している場合もあります。連絡が取れない人は、名簿の上で「連絡先不明」とせず、行を作らない形にしてください。案内が届かなかった記録は、幹事の手元にだけ残します。
亡くなった方の扱いは、いちばん丁寧さが要ります。同窓会の名簿に故人の欄を設ける会はありますが、載せる前にご家族の意向を確かめてください。確かめる手立てがない場合は、名簿には載せず、当日に幹事から口頭で伝える形にします。名簿は複写されて残るため、ご家族が知らないところで情報が広がります。20年ぶりの同窓会では、この確認が最も時間のかかる作業になります。時間がかかることを前提に、開催の3か月前から動いてください。
3つに共通するのは、迷ったら名簿に載せず、幹事が個別に扱うという判断です。名簿は一度配ると戻りません。個別に扱うほうは、後から変えられます。変えられる側に寄せておくのが、とりまとめる立場としては安全です。
名簿を配らずに、連絡が回る形に切り替える
ここまで整理すると、判断は1点に絞られます。名簿を全員に配る目的の大半が連絡であり、連絡の仕組みがあれば名簿を配らなくて済むという点です。とりまとめる立場としては、この切り替えがいちばん効きます。
多くの会は、連絡をトークのグループで回しています。手軽な反面、名簿の扱いとしては難しい面があります。グループに入った時点で、参加者の表示名と写真が全員に見えます。連絡を回すために入ってもらったのに、意図しない範囲まで見える状態になります。加えて、過去の連絡が新しい投稿で上へ流れるため、案内を探し直す作業が毎回発生します。項目ごとの違いはLINEグループとの比較に並んでいて、連絡の残り方、参加の管理、役員が代わったときの引き継ぎを横に置いて確かめられます。
誰でも入れる場を使う形も広まっています。この形は招待の手間が要らない代わりに、会員かどうかを確かめずに人が入ります。卒業生の集まりでは、在籍していない人が混ざったときに気づけないのが難点です。参加の形をどう絞れるかはLINEオープンチャットとの比較で整理されています。
連絡だけを目的にするなら、備えたい条件は3つです。1つ目は、参加できる人を絞れること。申し込みを承認してから入れる形なら、在籍の確認を1回で済ませられます。2つ目は、メンバー以外は見られない状態が保てること。案内や写真が外から見えないなら、名簿を配らずに情報を共有できます。3つ目は、大事な案内を上に固定できること。固定できれば、同じ質問に何度も答える作業が消えます。
引き継ぎの形も判断に入れてください。名簿と連絡先が歴代の幹事の個人の端末に散っている会では、担当が代わるたびに集め直しが起きます。集め直された側は、毎回同じことを聞かれて答える気を失います。記録が会の側に残り、担当が代わっても投稿がそのまま残る形にしておけば、前回までの案内を踏まえて次を組めます。学校での使われかたとPTAでの使われかたには、お知らせが上に固定された状態、予定、写真が同じ場所に並んだ画面が見本として用意されているので、名簿を配らずに回る形が実際にどう見えるかを確かめられます。
もう1つ、年配の会員がいる会では、新しいIDとパスワードを増やさないことが最初の関門になります。連絡の仕組みを変える話をすると、必ずここで止まります。招待のリンクを開けば入れる形なら、この関門を越えられます。設定の考え方や、切り替えるときにつまずきやすい点はよくある質問に整理されています。
最後に、名簿そのものの位置づけを言い直しておきます。名簿は、連絡の手段が無かった時代に、連絡先を配ることで連絡を可能にしていた道具です。連絡の手段が別にあるなら、名簿に求められる役割は「誰が会員か」を示すことだけに縮みます。縮んだ役割に合わせて、載せる項目も配る範囲も縮められます。作るかどうかで悩む前に、役割を縮めてください。悩む範囲がそれだけで小さくなります。
Q1. 同窓会の名簿を作ると個人情報保護法の対象になりますか?
個人情報保護委員会のFAQでは、営利と非営利の別は問わないとされ、同窓会やPTA、サークルなども個人情報取扱事業者に該当し得ると示されています。対象になることと作ってはいけないことは別です。用途を伝えて集める、目的の外で使わない、安全に保管する、本人の同意なく第三者に渡さない、の4つを守れば運営できます。
Q2. 少人数のクラス会なら気にしなくてよいですか?
件数による除外は、平成27年改正の施行にあたる2017年5月30日でなくなりました。それ以前は5,000人分以下を扱う場合は対象外でしたが、現在は人数の多寡を問わず該当します。35人のクラス会でも300人の学年同窓会でも扱いは同じ土俵です。ただし守るべき手順は4つに整理できるので、身構えすぎる必要はありません。
Q3. 名簿に住所を載せるかどうかはどう決めればよいですか?
郵送で案内を出すかどうかで決めてください。電子的に案内を送ることに決めたなら住所は集めません。郵送とそれ以外が混ざる会では、郵送を希望する人だけ住所を書く形にします。また名簿の本体には氏名と在籍時のクラスだけを載せ、連絡先と住所は幹事が別に管理する2枚に分ける形が扱いやすくなります。
Q4. 卒業生名簿を作るという葉書が届いたとき、答えてよいか見分けられますか?
発行元の問い合わせ先が学校など確かめられる先か、名簿の販売を勧めていないか、返信先の住所が実在するか、自分の情報が載る範囲を示しているか、載せない選択が用意されているかの5点で判断してください。家族が本人に確認せず答えてしまう例が繰り返し起きています。本人以外が答えられる形になっていたら、まず本人に渡してください。