当番表の作り方でつまずく場所は、表の枠を作る作業ではありません。誰から始めるか、代われないときはどうするか、できない人をどう扱うか、この3点です。表計算で枠を引くのは30分で終わりますが、この3点を決めずに配ると、最初の交代の時期に必ず問い合わせが来ます。この記事では、表を作る前に決める項目、回す単位と順番の付け方、表に入れる欄、交代と免除の扱い、負担が偏らない見せ方までを順に整理します。
当番表でもめる原因は、表の形ではなく決めごとの抜けにある
当番表そのものに複雑な要素はありません。日付と担当を並べるだけです。それでも会の運営でもめる話題の上位に当番が来るのは、表に書かれていない部分で判断が必要になるからです。
もめる場面は決まっています。当番の日に都合が悪くなったとき、担当した人の作業の質に差があったとき、辞退を申し出る世帯が出たとき、新しく入った人をどこに入れるかを決めるとき。この4つです。どれも表には書かれておらず、その都度とりまとめる人が判断することになります。
判断がその都度になると、前の人と違う扱いが生まれます。去年は認められた辞退が今年は認められない、という状態が起きると、決めた人への不満に変わります。当番の不満は作業の重さより、扱いの不公平から生まれます。
したがって、当番表を作る作業の本体は、表の外側にある決めごとを文字にすることです。決めごとが書かれていれば、とりまとめる人は判断を下す人ではなく、書かれたものを読み上げる人になります。この差が、続く会と続かない会を分けます。
以下では、表を作る前に決めることから順に並べます。
当番の回し方には4つの型がある
回し方を先に選びます。型を混ぜると、あとから説明できなくなります。
第1に、輪番です。名簿や地図の順に全員が順番に担う形です。公平さが分かりやすく、説明の手間が最も少ないため、町内会の清掃や回覧、集合住宅の共用部の管理で広く使われています。欠点は、できない事情のある人にも順番が回ることです。
第2に、固定です。特定の人が継続して担う形です。会計や鍵の管理のように、慣れた人が担うほうが安全な仕事に向きます。欠点は、その人が辞めたときに引き継ぎが難しくなることと、長く続くほど交代を言い出しにくくなることです。
第3に、立候補です。やりたい人が手を挙げる形です。負担が軽く、やりがいのある仕事では機能します。欠点は、手が挙がらない仕事が誰にも担われないまま残ることです。
第4に、免除つきの輪番です。基本は輪番で、あらかじめ決めた基準に当てはまる人は外れる形です。実務ではこの型が最も多く使われます。基準を先に文字にする手間はかかりますが、辞退の申し出があるたびに判断する必要がなくなります。
どの型にするかは、仕事の中身で決まります。誰でもできて短時間で終わる仕事は輪番、判断や継続性が必要な仕事は固定、追加の活動は立候補。1つの会の中で仕事ごとに型を変えて構いません。ただし、同じ仕事の中で型を混ぜないでください。
表を作る前に決める7つのこと
表の枠を作る前に、次の7つを決めます。ここが決まっていれば、表はその通りに埋めるだけになります。
・対象の仕事: 何を当番にするのか。作業を1つずつ書き出す ・1回の負担: 1回あたりの所要時間と、必要な人数 ・回す単位: 世帯で回すのか、個人で回すのか、班で回すのか ・1巡の期間: 全員に1回回るまでの長さ ・通知の時期: 当番の何日前に知らせるか ・交代のしかた: 都合が悪いときに誰とどう替わるか ・担えない場合の扱い: 免除の基準と、代わりに担うこと
7つのうち、抜けやすいのは1回の負担と交代のしかたです。1回の負担が曖昧な当番は、担う人が「どこまでやればよいのか」で悩みます。清掃の当番なら、範囲、頻度、道具の置き場所、ごみの出し方まで書いてください。書いてあれば、担う人によって作業の質が変わりません。
1巡の期間は、単位の数から決まります。40世帯の町内会で週ごとに回すなら、1巡は約10か月です。月ごとに回すなら3年以上かかり、次に回るころには担った記憶が失われています。1巡が1年から2年に収まる形に、頻度か単位の分け方を調整してください。
対象の仕事を書き出して、1回の分量をそろえる
当番表を作る前に、仕事の棚卸しをします。この作業を省くと、負担の重い当番と軽い当番が同じ表に並び、不公平が生まれます。
書き出す項目は4つです。作業の名前、必要な時間、必要な人数、必要な道具。清掃の当番なら「集会所前の掃き掃除、20分、1人、ほうきとちり取り」という形です。
書き出すと、分量の差が見えます。夏の草刈りは60分かかるのに、冬の掃き掃除は15分で終わる。同じ「清掃当番」という名前で回すと、夏に当たった人だけが重い負担を担うことになります。
そろえ方は2つあります。第1に、重い回は人数を増やします。夏の期間だけ2世帯で担う形にすれば、1人あたりの負担がそろいます。第2に、重い作業を当番から外します。草刈りは年に2回の全体作業として全員で行い、当番からは外す。この整理をしておくと、当番表がそのまま公平になります。
書き出した一覧は、当番表と一緒に配ってください。何をすればよいかが書かれていれば、初めて担う人が誰かに聞かずに済みます。聞かずに済む状態が、とりまとめる人への問い合わせを減らします。
回す単位は、世帯か個人かを先に決める
単位の決め方は、見落とされやすいのに影響が大きい項目です。
世帯で回す形は、町内会や集合住宅で一般的です。1つの住まいに1回の当番が割り当てられます。人数の多い世帯が有利になりますが、名簿の管理が簡単で、転居の反映も分かりやすくなります。
個人で回す形は、部活の保護者の役割や、教室の手伝い、サークルの運営で使われます。誰が担うかが明確になる一方、家族の中で誰が出るかを毎回決め直すことになります。
班や組で回す形は、単位の数が多い会に向きます。10世帯ずつの班に分け、班の中の順番は班内で決めてもらう形です。とりまとめる人が管理するのは班の順番だけになり、名簿の更新の手間が大きく減ります。
どの単位でも、決めた時点で名簿と突き合わせてください。名簿が古いまま表を作ると、転居した世帯に当番が回り、その回が空きます。空いた回の穴埋めは、とりまとめる人が担うことになります。表を作る作業の前に名簿を更新する、という順番を守ってください。
順番の付け方は、説明できる基準を選ぶ
順番の決め方で重要なのは、公平であること以上に、説明できることです。
使われている基準は3つあります。第1に、地図の順です。区域の端から順に回す形で、次が誰かを全員が予測できます。第2に、名簿の順です。会員の一覧の並びで回します。第3に、くじです。最初の順番だけをくじで決め、以後はその順で固定します。
避けたほうがよいのは、とりまとめる人がその場で決める形です。基準が説明できないため、順番に不満が出たときに答えられません。
順番を決めたら、最初に担う人への配慮を入れてください。先頭になった人は、前例のない状態で担うことになります。とりまとめる人が初回だけ一緒に担う、初回は負担の軽い時期に当てる、といった形にすると、以後の回が楽になります。
1巡が終わったあとの扱いも決めます。同じ順で2巡目に入るのか、順番を入れ替えるのか。2巡目で順番が同じだと、いつも同じ時期に当たる世帯が生まれます。夏の重い時期が毎年同じ世帯に当たる形は不満につながるため、巡ごとに開始位置をずらす形が使われます。
表そのものの作り方。表計算でもテンプレートでも足りる
決めごとが固まれば、表を作る作業は短時間で終わります。作る道具は3つあります。
第1に、表計算のソフトです。列に日付、担当、作業、備考を並べ、行を期間の数だけ作ります。並べ替えと絞り込みができるため、あとから順番を入れ替える作業が簡単です。同じ形を翌年も使えます。
第2に、文書作成のソフトで作る表です。印刷して掲示する前提なら、こちらのほうが見た目を整えやすくなります。
第3に、用意されている雛形を使う方法です。表計算や文書作成のサービスには雛形の一覧が備わっており、そこから選んで日付と名前を差し替える形で作れます。
Google が作成したテンプレート(履歴書、予算書、注文書など)を使用できます。パソコンで Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォームのいずれかにアクセスします。右上の [テンプレート ギャラリー] をクリックします。使用するテンプレートをクリックします。テンプレートのコピーが開きます。 出典: support.google.com
雛形から作る利点は、列の抜けが減ることです。自分で枠を引くと、備考の欄や連絡先の欄を入れ忘れます。
どの道具で作る場合も、元の原稿を残してください。紙だけが残っている会では、翌年の担当が最初から作り直すことになります。原稿の場所を引き継ぐことが、当番表の引き継ぎの中身です。
表に必ず入れる6つの欄
当番表に入れる欄は、次の6つです。日付と担当だけの表では、必ず問い合わせが発生します。
・日付または期間: いつからいつまで担うのか。週単位なら開始日と終了日を書く ・担当: 世帯名または氏名。班で回す場合は班の名前 ・作業の内容: 何をするのか。詳しい手順は別の紙に回し、ここには要点だけ ・引き継ぐもの: 鍵、道具、名簿など、次の担当に渡すもの ・交代した場合の記入欄: 誰と替わったかを書ける空欄 ・連絡先: 分からないときに聞く相手と、その連絡方法
5番目の交代の欄が効きます。都合が悪くなった人が誰かと替わったとき、記録が残らないと「担っていないのに担ったことになっている」世帯が生まれます。表に1列あるだけで、この行き違いが消えます。
6番目の連絡先は、個人の携帯番号を書かない形にしてください。表は掲示されたり回覧されたりするため、個人の番号が広く出回ります。会の代表の連絡先、または会の中だけで見られる連絡の場所を示す形にします。
表の上部には、決めごとを3行だけ書き添えてください。1回の所要時間、交代してよいかどうか、担えない場合の連絡先。この3行があるだけで、問い合わせの大半が消えます。
配り方と見せ方。紙と電子のどちらも用途がある
作った表の配り方は、会の性質で変わります。
掲示する形は、集会所や集合住宅の掲示板に1枚貼る方法です。全員が同じものを見るため、行き違いが起きません。欠点は、見に行かないと分からないことです。当番の直前に気づく仕組みにはなりません。
配布する形は、全世帯に紙で配る方法です。手元に残るため確認しやすくなります。欠点は、交代があったときに配った紙が古くなることです。訂正を配り直す手間が発生します。
電子で共有する形は、表を画面で見られるようにする方法です。交代の反映がその場で済み、古い版が残りません。欠点は、見られない人が出ることです。この場合、紙の掲示と併用する形が現実的です。
どの形でも、直前の通知を別に用意してください。表を配ってあるだけでは、担う日を忘れる人が出ます。当番の3日前に知らせる形にすると、忘れによる空白がほぼ消えます。通知を人が毎回送る形は続かないため、表を見れば次が誰か分かる並びにしておき、前の担当が次の担当に声をかける形を決めておくのが実務的です。
保護者の当番は、負担の中身を先に見せる
部活や少年団、教室の当番は、町内会の当番とは別の難しさがあります。参加する子どもの数だけ保護者が関わり、勤務の形が世帯ごとに違うためです。
保護者の当番として置かれているのは、道具の運搬、飲みものの用意、会場の受付、記録の作成、配車といった役割です。これらは「手伝い」と呼ばれることが多いのですが、実際には平日の時間帯を要求するものが含まれます。表を作る前に、どの役割が平日に発生し、どの役割が休日で足りるのかを分けてください。分けておけば、勤務の都合がある保護者が担える役割を選べます。
配車の当番は、扱いを慎重に決めてください。人を乗せて運ぶ行為には事故のときの責任が伴います。保険の範囲、乗る人数、同意の取り方を会として決めていないなら、当番として割り当てる形は避け、各家庭の判断に委ねる形にするのが安全です。
もう1つ大切なのは、当番の中身を入会の時点で知らせることです。入ってから「毎月1回の当番があります」と伝えられると、聞いていないという不満になります。年間にどれだけの当番が回るかを、入会の案内に書いてください。書いてあれば、担えない家庭は最初から別の関わり方を選べます。
新しく入った人と、抜けた人を表に反映する手順
当番表が実態と合わなくなる最大の原因は、名簿の更新の遅れです。反映の手順を決めておいてください。
決めるのは3つです。第1に、新しく入った世帯を順番のどこに入れるか。末尾に足す形が最も説明しやすく、争いになりません。年度の途中で入った世帯を次の巡から入れる形にすると、直後に当番が回ることを避けられます。
第2に、抜けた世帯の回をどうするか。空いた回を残したままにすると、その週の作業が誰も担わない状態になります。次の順番の人を繰り上げる形にし、繰り上げたことを表に反映してください。繰り上げを口頭で伝えるだけにすると、掲示された表と実態が食い違います。
第3に、更新の担当と時期です。年度の初めに1回だけ更新する形では、途中の転入と転出が反映されません。連絡を受けた時点で直す形にし、直したら表の日付を書き換えます。表に「○月○日現在」の一行があるだけで、古い表を見て動く人が減ります。
更新した表を配り直すかどうかも決めておきます。毎回配り直すと費用と手間がかかるため、掲示する1枚だけを最新に保ち、配った紙は参考という位置づけにする形が実務的です。この扱いを表に書き添えておいてください。
交代と欠員の扱いを、表を配る前に文字にする
当番は必ず替われない日が出ます。ここを決めておかないと、その都度とりまとめる人が調整に回ります。
決めることは4つです。第1に、交代を認めるかどうか。第2に、交代の相手を誰が探すか。第3に、探せなかったときにどうするか。第4に、交代したことを誰に伝えるか。
実務で機能しているのは、交代の相手は担う人自身が探し、探せなかった場合は次の順番の人と入れ替える形です。とりまとめる人が探す形にすると、その連絡だけで担当の負担が跳ね上がります。
やむを得ず担えない回が出た場合の扱いも決めます。飛ばして次に回すのか、後日に振り替えるのか。飛ばす形は簡単ですが、繰り返す世帯が出ると不公平になります。振り替える形は公平ですが、記録が必要です。
長期で担えない場合は、免除の話になります。入院、介護、単身の高齢の世帯、勤務の都合で在宅できない世帯。免除の基準は会ごとに違いますが、基準を文字にしておくことだけは共通して必要です。基準がないと、申し出た人ごとに扱いが変わります。
金銭で解決する形を取る会もあります。担えない場合に一定額を負担する仕組みですが、これは総会で決めるべき事項です。とりまとめる人が独自に決められる範囲を超えます。
当番から当番へ引き継ぐものを決める
当番の交代のときに渡すものが決まっていないと、毎回の引き継ぎが個別の相談になります。渡すものを表に書いておいてください。
渡すものは4種類あります。第1に、鍵です。集会所、倉庫、掲示板、門扉。鍵は数を数えて渡し、受け取った側が確認する形にします。数が合わないことに気づくのが数か月後になると、どこで失われたのか追えません。
第2に、道具です。ほうき、ちり取り、ごみ袋、名札、記録の用紙。消耗するものは、残りが少なくなったら誰に言うかを決めておきます。決めていないと、当番が自分で買って立て替える形が定着し、負担が見えなくなります。
第3に、記録です。前の当番が気づいたことを1行書いて渡す形にしてください。「倉庫の照明が切れている」「ごみの集積所の扉が閉まりにくい」といった内容です。この1行が続くと、会の設備の状態が自然に記録されます。
第4に、連絡です。当番の期間中に会員から受けた要望や問い合わせを、次の担当かとりまとめる人に渡します。担当が替わった時点で問い合わせが消える状態は、会員から見ると返事が来ないことと同じです。
引き継ぎの場所と時刻も決めておくと確実です。掲示板の前で日曜の朝に渡す、という程度の決めごとで足ります。決めていないと、双方の都合を毎回調整することになります。
表を作り直す時期と、作る前に見る前年の記録
当番表を作るのは、年度の切り替えの時期が一般的です。作る時期を決めておくと、前の担当が慌てずに引き継げます。
作る順番は次の通りです。第1に、前年の表と記録を見ます。第2に、名簿を更新します。第3に、当番の一覧を見直し、必要のなくなったものを外す検討をします。第4に、順番を決めます。第5に、表を作ります。第6に、決めごとの3行を書き添えます。第7に、配布と掲示を行います。
このうち第1と第3を省く会が多くあります。前年の表をそのまま写すと、前の年に起きた問題が繰り返されます。前の年に交代が集中した時期、空白になった回、免除の申し出が出た理由。これらを見てから作れば、同じ問題を避けられます。
第3の見直しは、年に1回しかできない作業です。当番の一覧を年度の途中で変えると、担った人と担わなかった人の間に不公平が生まれます。外すか残すかの判断は、年度の切り替えのときにまとめて行ってください。
作る作業にかかる時間は、決めごとが整っていれば1時間程度です。時間がかかるのは決めごとを作る最初の年だけで、2年目以降は前年の形を使えます。最初の年に手間をかけて決めごとを文字にしておくことが、翌年以降の担当を助けます。
押しつけ合いを防ぐのは、負担を見えるようにすること
当番の押しつけ合いが起きる会には共通点があります。誰がどれだけ担ったかが見えていないことです。
見えるようにする方法は3つあります。第1に、担った回の記録を残します。表に「実施」の印を付けるだけで足ります。第2に、1回の所要時間を書いておきます。実際は20分で終わる作業が、想像の中では2時間の負担になっていることがあります。第3に、免除されている件数を伏せずに扱います。件数だけを総会で報告すれば、個別の事情を明かさずに全体の状況が共有できます。
もう1つ効くのは、当番の数そのものを減らす検討です。長く続いている会では、必要がなくなった当番が残っていることがあります。回覧板の当番、日誌の当番、電話番の当番。この3つは、連絡の方法が変わった時点で役目を終えていることがあります。
減らす検討をするときは、役目を終えたかどうかを確かめてから外してください。「使っていないようだ」は推測です。過去1年でその当番が実際に何をしたかを確認し、誰も困らないことを確かめたうえで、総会に諮って外します。
当番を1つ外すことは、表を作り直すことより効果が大きくなります。全員の負担が同時に減り、引き継ぐ項目も減ります。
よくある行き違いと、答え方を先に用意する
当番を回していると、毎年同じ問い合わせが来ます。答えを先に用意しておけば、その都度考える必要がなくなります。
第1に、「うちは去年もやったのに、また回ってきた」という申し出です。原因はほぼ名簿の更新か繰り上げの反映の漏れです。担った回の記録が残っていれば、表を見ながら確認できます。記録が無いと、記憶どうしの言い合いになります。
第2に、「隣の世帯がやっていない」という指摘です。交代の記録が残っていないことが原因です。交代の欄が埋まっていれば、担っていないのではなく替わったことが分かります。
第3に、「自分の当番の週に旅行の予定が入った」という相談です。交代の手順が書かれていれば、書かれた通りに案内するだけで済みます。
第4に、「作業の範囲が分からない」という問い合わせです。作業の一覧を表と一緒に配っていれば起きません。起きた場合は、一覧の書き方が足りていない箇所です。その場で答えたあと、一覧に追記してください。
第5に、「高齢で担うのが難しい」という申し出です。免除の基準が文字になっていれば、基準に当てはまるかどうかを見るだけで答えられます。基準が無い状態でその場の判断を重ねると、去年と違う扱いが生まれます。
5つとも、答えは表と記録の中にあります。とりまとめる人が新しく判断する必要がある問い合わせは、実際にはほとんどありません。
当番表の前後にある連絡を、1か所にまとめる
当番表を作って回す作業のうち、表を作る時間は全体のごく一部です。実際に手間がかかるのは、その前後にある連絡です。
名簿の更新、順番の案内、直前の通知、交代の申し出の受付、免除の相談、担った記録の回収、翌年への引き継ぎ。この7つが別々の場所で起きると、とりまとめる人の手元に何も残りません。交代の申し出をメッセージアプリで受け、免除の相談を電話で受け、記録を紙で集める形にすると、翌年の担当に渡せるものが紙の表1枚だけになります。
役員が毎年替わる会では、この分散がそのまま引き継ぎの困難になります。引き継ぎのときに渡すものが、表、名簿、交代の記録、免除の基準、連絡の履歴と5つに分かれていると、そのうち何かが必ず欠けます。欠けたところは、次の担当がもう一度決め直すことになり、前と違う扱いが生まれます。
名簿と表と連絡が同じ場所にまとまっていれば、引き継ぐものが1つで済みます。世帯名や連絡先を扱うため、メンバー以外は見られない場所に集めておく必要もあります。
いま使っている連絡の道具を見直す材料としては、メッセージアプリのグループで連絡を回している場合の機能の差を整理したLINEグループとの比較、連絡先を交換せずに参加してもらう形を扱ったLINEオープンチャットとの比較、団体向けに作られた道具の設計を比べたBANDとの比較があります。清掃や回覧の当番を回す町内会の形は町内会での使われかたに、役員と係の割り振りが毎年替わる形はPTAでの使われかたに、活動の当番を分担する部の形は学校での使われかたに整理されています。始める前によく聞かれることはよくある質問にまとまっています。
ただし、道具を替えるのは最後の手順です。先に、仕事を書き出して1回の分量をそろえ、回す単位と順番の基準を決め、交代と免除の扱いを文字にする。ここまでやってなお、連絡と記録が散らばることが負担の中心だと分かったときに、まとめる話に進むほうが移行の手間に見合います。決めごとを書かないまま道具だけ替えても、押しつけ合いは同じように起きます。
Q1. 当番の順番はどう決めるのが公平ですか?
公平さより、説明できる基準を選ぶことが重要です。地図の順、名簿の順、最初だけくじで決めて以後は固定、のいずれかが使われています。とりまとめる人がその場で決める形は、不満が出たときに答えられないため避けてください。2巡目に入るときは開始位置をずらし、同じ世帯が毎年同じ時期に当たらないようにします。
Q2. 当番表にはどんな欄を入れればよいですか?
日付または期間、担当、作業の内容、引き継ぐもの、交代した場合の記入欄、連絡先の6つです。交代の欄がないと、替わったことが記録に残らず、担っていない世帯が担ったことになります。連絡先には個人の携帯番号を書かず、会の代表の連絡先か会の中だけで見られる場所を示してください。
Q3. 当番を担えない人が出たときはどうしますか?
基本は、担う人自身が交代の相手を探し、探せなければ次の順番の人と入れ替える形です。とりまとめる人が毎回探す形にすると負担が跳ね上がります。入院や介護など長期で担えない場合は免除の話になるため、基準を先に文字にしておいてください。金銭で負担を代替する仕組みは総会で決める事項です。
Q4. 1巡はどれくらいの期間にするのが適切ですか?
1年から2年で全員に1回回る形が扱いやすくなります。40世帯を週ごとに回すと約10か月、月ごとに回すと3年以上かかり、次に回るころには担った記憶が失われています。1巡が長くなりすぎる場合は、班に分けて班の中で回す形にし、とりまとめる人が管理するのは班の順番だけにしてください。
