総会資料の作り方でいちばん時間を取られるのは、文章を書く作業ではありません。どの書類を事前に送り、どれを当日配るのかという切り分けです。ここが決まっていないと、同じ内容を2回刷ることになり、当日は説明に時間を使い切って質疑の時間が残りません。この記事では、総会に必要な書類を3つに分け、それぞれの中身、並べ方、印刷の仕様、作成の段取り、そして翌年の担当へ引き継ぐ形までを順に並べます。自治会でもPTAでも、書類の役割そのものは変わりません。
総会資料の作り方が毎年ゼロから始まってしまう理由
総会は年に1度です。1年に1度しかない作業は、手順が身につきません。そのうえ、担当する役員は多くの団体で1年か2年で交代します。つまり、手順を覚えた人が次の総会までに抜けていきます。この構造があるため、毎年ゼロから作り直している団体が少なくありません。
もう1つの理由が、前年の資料が手元にないことです。前任者のパソコンの中にだけ元のファイルがあり、渡されたのは印刷された紙だけというのは、よくある引き継ぎの形です。紙から作り直すには、数字も文章も打ち直すことになります。ここで時間が消えます。
総会資料を作成する際、作成方法や印刷の仕様などで迷われる方も多いのではないでしょうか。いくつかのポイントを抑えて作成、印刷することによって、分かりやすく見やすい資料に仕上げることが可能となります。 出典: printmall.jp
3つめの理由が、総会資料という言葉が指すものが人によって違うことです。開催を知らせる通知を指す人、当日の議案書を指す人、終わったあとの議事録を指す人がいます。同じ会議で3人が別のものを思い浮かべていると、作業の分担も決まりません。
今回は、「総会の開催通知」「総会本番の資料」「議事録」の3つの主要な総会資料の作成について、具体的な手順やそれぞれの役割や重要性について探っていきます。 出典: sugusu-ru.com
作業に入る前に、この3つを紙に書いて分けるところから始めます。役割が違えば、作る時期も、配る相手も、残す期間も変わります。開催通知は総会の前に全世帯へ、議案書は当日に出席者へ、議事録は終わったあとに全世帯と保管用に、という流れです。この3本立てを決めてしまえば、あとは中身を埋める作業になります。
事前に送るもの。開催通知と議案の予告
総会の前に送るのは、開催通知です。ここに何を書くかで、当日の出席率と、議事の進み方が決まります。
必ず入れるのは、日時、場所、議案の一覧、そして出席できないときの取り扱いの4つです。日時と場所は当然として、議案の一覧を抜いてしまう団体があります。何が決まる会なのか分からないまま呼ばれると、関心のある人が来ません。逆に、議案を先に示しておけば、当日その議案について話すという前提が共有されます。
出席できないときの取り扱いは、団体の規約によって変わります。委任状を出す形、書面で賛否を示す形、代理の出席を認める形があり、どれを採るかは規約に書かれています。通知には、どの形を採るのか、用紙をいつまでにどこへ出すのかを書きます。ここが曖昧だと、出せなかった人の分が数えられず、成立するかどうかの判断に迷います。
案内を出す期間も、規約で定められている場合があります。マンションの管理組合のように、根拠となる法律で通知の期間が決まっている団体もあります。自分たちの規約と、該当する法律の条文を確かめてから日付を決めてください。ここは団体ごとに違うため、他の団体の例をそのまま当てると外れます。
議案の中身を事前にどこまで示すかは、判断が要ります。全文を送れば読んでもらえますが、印刷と配布の手間が増えます。表題と概要だけを送り、詳しい資料は当日配る形にしている団体が多いです。ただし、予算と決算の数字については、事前に出しておいたほうが当日が静かに進みます。数字を初めて見た人は、その場で読み込む時間が必要になり、質疑がそこで止まります。
配る方法は、紙と電子を併用する形が現実になってきました。全世帯へ紙を配りつつ、同じ内容を団体の連絡の場にも保存しておくと、紙を失くした人が自分で見に来られます。当日の朝に場所を尋ねる連絡が減るのは、この形にしてからです。連絡と資料を同じ場所にまとめている団体の運用は、町内会での使われかたで具体的な形を紹介しています。
当日配る資料の中身と並び順
当日の議案書は、並び順で読みやすさが決まります。中身が同じでも、順番が違うと読めない資料になります。
推奨される並びは、表紙、次第、前年度の事業報告、前年度の決算報告、監査報告、今年度の事業計画案、今年度の予算案、役員の選任案、その他の議案、参考資料の順です。報告と計画を交互に挟むと、読む人が年度を取り違えます。過去の話を先に全部終わらせ、そのあとで今年の話に移る並びにします。
次第は1ページ目に置き、議案の番号を打ちます。当日の進行で、議案の番号を呼んで進められるようになります。番号がないと、次はどこですかという質問が繰り返し出ます。
決算報告は、収入と支出の合計だけでなく、前年度との比較を1行入れます。前年より増えたのか減ったのかが分かると、質問が具体的になります。数字の桁は揃え、単位を各表の右上に1度だけ書きます。表の中の数字に単位を毎回付けると、桁が読み取れなくなります。
予算案には、前年度の実績、今年度の案、その差の3列を並べます。差が大きい項目には、1行の注記を付けます。注記がないと、その項目についての質問で時間を使います。
役員の選任案は、名前と役職だけを並べます。個人の連絡先や住所は、当日配る資料には載せません。配った紙は持ち帰られるため、配った時点で個人の情報が団体の外へ出ます。名簿が必要な場合は、当日に回収する形か、役員だけが見る別の書類にします。
資料の分量は、読み切れる範囲に抑えます。目安として、A4で12ページを超えると、当日その場で全部を読む人はほとんどいなくなります。詳しい資料は別綴じの参考資料にして、本体は要点だけにすると、議事が進みます。
表紙と本文の作り方のポイント
表紙は、簡素でよい部分です。凝った装飾より、1年後に探せることが大事です。
表紙に入れるのは、団体の名称、書類の名称、対象年度、開催日、開催場所の5つです。年度が書かれていない資料は、翌年に見返したときにどの年のものか分からなくなります。年度と開催日の両方を入れておけば、保管したあとの並べ替えができます。
本文の作りで効くのは、3つです。1つめが、1つの議案を1ページで完結させること。ページをまたぐと、説明の途中でめくる動作が入り、話が切れます。2つめが、見出しの大きさを2段階に絞ること。3段階以上に分けると、どれが上位なのか読み取れなくなります。3つめが、文字の大きさを12ポイント以上にすること。参加者に高齢の方が多い団体では、これが出席後の満足度に直結します。小さい字で詰め込んだ資料は、読まれずに置かれます。
図や表を入れる位置も決めておきます。本文の途中に図を挟むと、読む順番が乱れます。1つの議案の説明を文章で終わらせ、そのあとに表を置く形にすると、読む順番が1本になります。
総会資料の作り方のポイントやおすすめの印刷仕様についてご紹介してきました。表紙や本文作成のポイントを抑えるだけで、情報の整理された分かりやすい資料に仕上げることが可能です。 出典: printmall.jp
作るソフトは、団体で共有できるものを選びます。特定の人のパソコンにしか入っていないソフトで作ると、その人が抜けた年に開けなくなります。表計算ソフトと文書作成ソフトのどちらでも作れますが、数字を扱う部分は表計算ソフトのほうが直しやすくなります。文書に数字を直接打ち込むと、修正のたびに計算し直すことになります。
元のファイルの保存場所も、作り始める前に決めます。作業が終わってから移そうとすると、そのまま個人の端末に残ります。最初から共有の場所に置いて、そこで直しながら作る形にすると、引き継ぎが自然に済みます。
印刷の仕様。用紙、サイズ、綴じ方
印刷の仕様は、読みやすさと費用の両方に効きます。決めるのは3つです。
サイズはA4が基本です。参加者が持ち帰り、家で保管する書類なので、他の書類と同じ大きさに揃えるのが扱いやすくなります。A3の二つ折りにする形もありますが、書き込みをする人には扱いづらくなります。
用紙は、本文は普通の紙で足ります。表紙だけを厚めの紙にすると、綴じたときに形が保たれ、保管しても傷みません。
表紙に色の付いた厚めの紙を使う団体もあります。年度ごとに色を変えておくと、数年分を並べたときに目で探せるという利点があります。色を変える場合は、文字が読みにくくならない薄い色を選びます。濃い色の紙に黒い文字を刷ると、コピー機を通したときに読めなくなります。
綴じ方は、枚数で選びます。8枚程度までなら左上を1か所留めるだけで十分です。それを超えると、留めた部分が厚くなってめくりにくくなるため、左側を2か所留めるか、中綴じの冊子にします。中綴じにすると見た目が整いますが、ページ数を4の倍数に合わせる必要があり、白いページが出ます。
部数は、世帯数に予備を加えて決めます。予備は全体の1割を見ておけば足ります。当日欠席した世帯へ後日配る分、掲示用、保管用が必要になります。
印刷する枚数が多い団体では、外部の印刷所に出すかどうかの判断が入ります。集会所のコピー機で刷ると、紙代とトナー代のほかに、刷って揃える人の時間がかかります。300部を超えるあたりから、印刷所に出したほうが総額で安くなる例が出てきます。見積もりは、サイズ、ページ数、部数、綴じ方を同じ条件で複数の印刷所に出して比べます。
電子で配る分については、印刷しません。紙が要る人にだけ紙を渡し、残りはデータで見てもらう形にすると、部数が減って費用も下がります。ただし、紙でしか受け取れない世帯が一定数あるため、全部を電子に切り替える前に希望を取ります。
監査報告の欄を先に用意しておく
決算報告の次に置く監査報告は、分量が1ページに満たないため後回しにされがちです。ところが、この1枚がないまま総会に出すと、決算を承認する根拠がなくなります。監査を担う人に渡す書式を先に作って渡しておくと、当日までに必ず戻ってきます。
書式に入れるのは、監査した期間、監査した日、確かめた書類の名称、結果、監査を担った人の氏名です。確かめた書類の名称は、現金出納帳、預金通帳、領収書の綴り、といったように具体的に並べます。適正であると認めるという1行だけの報告では、何を見たのかが残りません。
監査の日程は、決算が確定してから総会までの間に置きます。ここが総会の直前に寄ると、指摘が出たときに資料を直す時間がありません。決算の締めから2週間ほどの余裕を見て日程を組むと、指摘に対応できます。
作成の段取りと担当の割り振り
総会の日から逆算して、作業の順番を決めます。
まず、決算の締めと監査の日程を先に押さえます。決算の数字が確定しないと、予算案も作れません。監査を受ける日程は、監査を担う人の都合に左右されるため、いちばん先に決める必要があります。ここが遅れると、後ろの作業が全部押します。
次に、事業報告と事業計画の原稿を集めます。部会や委員会がある団体では、それぞれの担当に書いてもらう形になります。依頼の際は、書式と分量と締め切りを1行で伝えます。自由に書いてくださいと頼むと、分量が揃わず、あとで整える作業が増えます。
原稿が集まったら、1人がまとめて体裁を整えます。複数の人が同じファイルを直すと、どれが最新か分からなくなります。集める人と整える人を分け、整えるのは1人にします。
印刷の手配は、原稿が固まってから行います。校了していない原稿を印刷に出すと、刷り直しになります。印刷所に出す場合は、繁忙の時期を避けて余裕を取ります。年度末は、どの印刷所も混み合います。
配布は、開催通知と当日資料の2回あります。事前に送る分は、班や地区の担当に配ってもらう形が一般的です。誰がどの範囲を配るのかを表にして、配り終わったら印を付けてもらうと、抜けが見つかります。配布の依頼と完了の確認を口頭で回している団体では、毎年数世帯に届かない事態が起きます。この確認をPTAでの使われかたのように連絡の場で済ませる形にすると、抜けがその日に分かります。
出席できない人の扱いと、成立するかどうかの数え方
総会の資料を作るときに、いちばん確かめておくべきなのが成立の条件です。規約には、出席者が何人以上で総会が成立するかが書かれています。この条件を満たさないまま議決すると、あとで決め直しになります。
数え方は団体によって違います。実際に会場に来た人だけを数える団体、委任状を出した人も出席として数える団体、書面で賛否を示した人も数える団体があります。どれを採るかは規約に書かれているため、資料を作る前に読み直します。前年の担当が採った数え方が規約と違っていることもあるため、前例ではなく規約を根拠にします。
委任状の用紙は、開催通知と一緒に配ります。用紙に書いてもらうのは、委任する人の氏名、世帯の名称、誰に委任するか、日付の4つです。誰に委任するかの欄を空けたまま出す人が必ず出るため、空欄の場合は議長に委任したものとして扱うかどうかを、用紙の中に1行書いておきます。この1行がないと、当日にその場で扱いを決めることになります。
提出の方法も複数用意します。班の担当に渡す、集会所の箱に入れる、期限までに連絡の場から出す。方法が1つだけだと、その方法が使えない世帯の分が集まりません。提出の期限は、総会の3日前あたりに置きます。当日の朝までとすると、集計が間に合いません。
集まった委任状は、当日の受付で名簿と突き合わせます。同じ世帯から出席と委任の両方が出ていることもあるため、二重に数えないよう確かめます。数え終わったら、出席者数、委任状の数、合計を紙に書いて議長に渡します。口頭で伝えると、議事録に書くときに数字が変わります。
議事録の作り方と、仕上げる時期
議事録は、総会が終わったあとの書類ですが、作り方を先に決めておくと当日が楽になります。
書く項目は決まっています。開催日時、場所、出席者数と委任状の数、議長と書記の氏名、議案ごとの説明の要旨、質疑の要旨、議決の結果、閉会の時刻です。このうち議決の結果は、賛成と反対の数まで書きます。全員賛成という書き方でも構いませんが、反対や保留があった場合は数を残します。
議事録に書かないものもあります。発言した人の氏名を全部残すかどうかは、団体の慣行によります。名前を出すと、次から発言しづらくなるという声があるため、質疑の内容だけを要旨として残し、氏名は書かない形を採る団体もあります。どちらにするかを先に決めておけば、書き役が迷いません。
当日の書き役は、議長とは別の人を立てます。議長が書こうとすると、進行が止まります。書き役は1人で足りますが、録音を併用すると確認が楽になります。録音する場合は、開会のときに録音することを述べ、議事録を作るためだけに使い、作り終えたら消すことも合わせて伝えます。
仕上げる時期は、総会から2週間以内を目安にします。それを超えると、発言の要旨が思い出せなくなります。下書きは当日のうちに作り、翌日以降に議長と書記が確認して、規約で定められた形で署名や押印を済ませます。
できあがった議事録は、全世帯に配るか、掲示するか、求めた人に渡すかを規約で確かめます。配る場合は、決まったことだけを抜き出した1枚の紙を別に作ると読まれます。議事録そのものは記録として残す書類で、読み物としては長くなります。
電子で配るときに決めておくこと
紙と電子を併用する団体が増えています。併用するなら、決めておくことが3つあります。
1つめが、どちらが正式な書類かです。紙と電子で内容が違ってしまったとき、どちらを正とするかを決めておきます。実務では、印刷して配ったものを正とし、電子のほうは同じ内容を見られるようにしたものと位置づける形が扱いやすくなります。差し替えが出たときに、紙を刷り直すか、電子だけを直して周知するかも同時に決めます。
2つめが、見られる範囲です。決算の内訳や役員の一覧が入った資料を、誰でも開けるリンクで配ると、団体の外に出ます。リンクを知っていれば誰でも開ける形の共有は、転送された時点で範囲を戻せません。会員だけが入れる場所に保存し、そこから開く形にするのが確実です。
3つめが、いつまで残すかです。総会の資料は、過去の分を遡って見たい書類です。少なくとも数年分は残しておく前提で保存先を選びます。容量の上限が近い無料の保存サービスに置くと、古い分から消す判断を毎年することになります。
よくある失敗と、その前に手を打つ方法
繰り返し起きる失敗は数が限られています。
1つめが、前年の資料の元のファイルがないことです。紙から打ち直す作業に数日かかります。今年作ったものを共有の場所に保存しておけば、来年の担当はこの作業をしません。
2つめが、数字が合わないことです。決算の合計と、内訳の合計が一致しない資料が出回ります。表計算ソフトで合計を計算式にしておき、手で打った数字を残さないことで防げます。
3つめが、議案の番号と次第の番号がずれることです。差し替えや追加のときにずれます。印刷の直前に、次第と本文の番号を突き合わせる確認を1回入れます。
4つめが、委任状の提出先と期限が書かれていないことです。集まらず、成立の判断に迷います。通知の目立つ位置に、提出先と期限を1行で書きます。
5つめが、個人の情報を載せてしまうことです。役員候補の住所や電話番号、寄付をした人の名前と金額といった情報を資料に載せると、配った時点で外に出ます。載せる範囲は、規約と過去の扱いを確かめてから決めます。
6つめが、当日の説明に時間を使い切ることです。資料を全部読み上げる進行にすると、質疑の時間が残りません。事前に配っている部分は要点だけを述べ、質疑に時間を残す進行にします。
7つめが、議事録を後回しにすることです。終わってから日が経つと、発言の内容が思い出せません。当日に書き役を1人立て、その日のうちに下書きまで作る形にすると、確認と押印までが早く終わります。
書式を型として残しておく
毎年の作業を軽くする最短の方法は、書式を型にして残すことです。文章を書く力よりも、型があるかどうかで作業時間が変わります。
型にしておくのは4つです。開催通知の文面、議案書の目次、決算と予算の表、議事録の枠です。開催通知の文面は、日付と議案の一覧を入れ替えれば毎年使えます。議案書の目次は、番号と表題の並びをそのまま残します。決算と予算の表は、項目の行と計算式を残し、数字だけを空にしたものを保存します。議事録の枠は、項目の見出しだけを並べた白紙の状態にしておきます。
型を作るときの注意は、前年の数字を消し忘れないことです。数字が残った型を使い回すと、直し漏れた数字がそのまま印刷されます。型として保存する段階で、数字の入る欄をすべて空にしておきます。
型と一緒に、作業の日程表も残します。決算の締め、監査、原稿の締め切り、校了、印刷、配布、総会当日の7つを、総会の日から逆算した日付で並べたものです。前年の日程表があれば、翌年は日付をずらすだけで段取りが決まります。この表があるかないかで、担当が代わった年の負担が大きく変わります。
型の保存先は、資料の保存先と同じ場所にします。別の場所に分けると、片方だけが引き継がれます。型と、過去の資料と、日程表と、つまずいた記録の4つが同じ場所にあれば、引き継ぎの説明は保存先を伝えるだけで済みます。
資料の保存と、翌年の担当への引き継ぎ
総会資料の作り方で本当に差が出るのは、作る技術ではありません。翌年の担当が、今年の資料と数字にたどり着けるかどうかです。
たどり着ける団体では、作業は前年の資料を開いて年度と数字を入れ替えるところから始まります。半日で骨組みができます。たどり着けない団体では、紙を見ながら打ち直す作業から始まり、数日かかります。作る内容は同じなのに、かかる時間が何倍も違います。
保存しておくものは4つです。開催通知、当日の議案書、議事録、そしてそれぞれの元のファイルです。紙だけを保管している団体は、紙の綴りは残っていても元のファイルがありません。両方を残します。
保存先を選ぶ条件は2つです。1つは、メンバー以外は見られないことです。決算の内訳や役員の一覧は、誰でも読める場所には保存できません。もう1つは、担当が代わったときに引き継ぐものが1つで済むことです。個人の端末や個人の無料の保存サービスに置くと、その人が抜けた時点で開けなくなります。日常の連絡手段としての向き不向きを整理したLINEグループとの比較では、過去の資料を探せるかどうかという観点も扱っています。
保存のついでに、今年つまずいた場所を3行だけ書き残します。監査の日程が遅れて印刷が押した、委任状が集まらなかった、この2つのような内容です。次の担当は、同じ場所でつまずきません。この3行が、手順書の代わりになります。
年に1度しかない作業を回すコツは、記憶に頼らないことです。書類の型、元のファイル、配布の担当表、つまずいた記録の4つを同じ場所に残しておけば、担当が誰に代わっても同じ品質で回ります。サークルや教室のように規模の小さい団体でも同じで、サークルでの使われかたで紹介している形は、総会を開く団体にもそのまま当てられます。切り替えるときに何をどこへ移すかという具体的な相談は、よくある質問にも同じ質問への答えが並んでいます。
Q1. 総会資料は何を事前に送り、何を当日配ればよいですか?
事前に送るのは開催通知です。日時、場所、議案の一覧、出席できないときの取り扱いの4つを必ず入れます。予算と決算の数字も事前に出しておくと、当日の質疑が止まりません。議案の詳しい資料は当日配る形にしている団体が多く、この切り分けで印刷と配布の手間が下がります。
Q2. 当日配る議案書はどの順番に並べますか?
表紙、次第、前年度の事業報告、決算報告、監査報告、今年度の事業計画案、予算案、役員の選任案、その他の議案、参考資料の順が読みやすい並びです。報告と計画を交互に挟むと年度を取り違えるため、過去の話をすべて終えてから今年の話に移してください。
Q3. 用紙と綴じ方はどう選べばよいですか?
サイズはA4、本文は普通の紙、表紙だけ厚めの紙にすると保管しても傷みません。綴じ方は枚数で決まり、8枚程度までなら左上を1か所留めれば足ります。それを超えるなら左側2か所留めか中綴じにします。中綴じはページ数を4の倍数に合わせる必要があります。
Q4. 翌年の担当に何を引き継げばよいですか?
開催通知、当日の議案書、議事録と、それぞれの元のファイルの4つです。紙だけを渡すと、翌年は数字を打ち直す作業から始まります。あわせて、今年つまずいた場所を3行書き残してください。監査の日程や委任状の集まりといった記録が、そのまま手順書の代わりになります。
