団体ごとの決め方

老人会のアンケートの取り方|答えが集まる聞き方と、締め切りの置き方

2026年9月20日 ・ Tsudoo編集部

老人会のアンケートが集まらない理由は、会員のやる気ではありません。紙の文字が小さい、書く欄が多い、いつまでに誰に渡せばよいかが分からない。この3つのどれかで、答える前に手が止まっています。

老人会のアンケートは、町内会や保護者会のアンケートと、答える人の条件が大きく違います。老眼や白内障で細かい字が読みにくい人がいる。手が震えて字を書くのが負担な人がいる。例会に来る日以外は、会の役員と顔を合わせない人が多い。この記事では、こうした条件を前提に、答えが戻ってくる設問の作り方と、締め切りの置き方、結果の返し方までを順に見ていきます。

老人会でアンケートを取る場面は、年に数回しかない

保護者会や部活のように、行事のたびに出欠を集めるのとは違い、老人会で紙のアンケートをきちんと作る場面は限られています。多くの会で、次のような場面に集中します。

・日帰り旅行や一泊旅行の行き先、時期、費用の希望を聞くとき ・新年会や敬老の集いの形を、会食にするか、弁当の持ち帰りにするかを決めるとき ・グラウンドゴルフや体操の曜日、時間帯を見直すとき ・会費の値上げ、活動の縮小、隣の地区の会との統合など、会の形に関わることを話し合う前 ・健康講座や研修会で、次に聞きたいテーマを募るとき

年に数回しかないということは、担当の役員も毎回やり方を覚えていないということです。前回どんな紙を作り、何枚戻ってきて、何が困ったのかが残っていないまま、毎回ゼロから作り直している会が多くあります。

この記事の中身を実際に使うなら、最初にやるべきことは、今回作った紙と、配った枚数、戻ってきた枚数、締め切りの日付を、1つのファイルか封筒にまとめて残すことです。次の担当は、それを見れば同じ失敗を繰り返さずに済みます。

もう1つ押さえておきたいのは、アンケートの目的です。老人会のアンケートは、多数決で物事を決めるための投票ではありません。役員が案を作る前に、会員がどう感じているかを知るための材料です。この線を最初に引いておくと、設問の作り方も、結果の扱い方も迷わなくなります。

紙1枚の片面に、設問は5つまで

老人会のアンケートで最も効くのは、紙を1枚の片面に収めることです。裏面に続いていると、裏返さずに提出する会員が必ず出ます。2枚目があると、2枚目だけがどこかに行ってしまいます。

片面に収めるには、設問を5つ程度に絞る必要があります。役員会で聞きたいことを出し合うと、10も15も出てきますが、そこから削る作業がアンケートづくりの本体です。削るときの問いは1つだけで、「この答えによって、役員の判断が変わるか」です。答えが何であっても判断が変わらない設問は、聞かなくてよい設問です。

文字の大きさにも気を配ります。普段の案内文より一回り大きな字にし、1行に詰め込みすぎないようにします。行と行の間を広めにとると、読み飛ばしが減ります。印刷は、濃い黒の文字を白い紙に。色の付いた紙や、薄い灰色の文字は、読みにくく感じる会員がいます。

設問の文は短く、1つの設問で1つのことだけを聞きます。「旅行は秋がよいですか、また費用は1万円以内がよいですか」のように2つを1つにまとめると、秋はよいが費用は高くてもよいと考える会員が、どう丸を付けてよいか分からなくなります。

最後に、紙の一番上に次の3つを大きく書きます。

・何のためのアンケートか(例:来年の日帰り旅行の行き先を決めるため) ・いつまでに、誰に渡せばよいか ・名前を書くかどうか

この3つが紙の上にないと、会員は答える前に役員に電話で確かめることになり、担当の役員の手間も増えます。

答え方は、丸を付けるだけにする

字を書くことが負担な会員にとって、記述式の欄は大きな壁です。「ご意見をご自由にお書きください」という大きな空欄があると、そこを埋めなければいけない気がして、紙ごと後回しにされることがあります。

答え方は、選択肢に丸を付けるだけで完結する形にします。

・選択肢は3つから4つにする。多すぎると選ぶのに時間がかかる ・選択肢の頭に、大きな番号か四角の枠を付け、丸を付ける場所をはっきりさせる ・「どちらでもよい」「分からない」の選択肢を必ず入れる。これがないと、迷った会員は何も付けずに飛ばす ・「その他」を入れる場合は、横に短い線を引く程度にとどめ、大きな空欄を作らない

自由に書いてもらう欄をどうしても設けたいときは、紙の最後に小さく1か所だけにします。そして、「書かなくても大丈夫です。例会のときに口で伝えていただいても構いません」と一言添えます。書くことが苦手な会員の意見は、紙より口頭で集まることが多いからです。

夫婦会員を、1人1枚で数えるか、1世帯1枚で数えるか

老人会には、夫婦そろって会員になっている世帯が少なくありません。アンケートを配る前に、夫婦を1人ずつ数えるのか、1世帯として数えるのかを決めておかないと、集計の段階で困ります。

旅行の行き先や、講座のテーマのように、個人の好みを聞くアンケートは、1人1枚が向いています。夫は温泉がよく、妻は花の名所がよい、ということは普通にあります。1世帯1枚にすると、どちらかの意見しか残りません。

一方で、会費の値上げのように、家計に関わるテーマは、世帯で話し合って答える家庭もあります。この場合に1人1枚にすると、夫婦で同じ答えが2枚戻り、その世帯の意見が2倍に数えられることになります。

実務では、次のように分けておく会が多くあります。

・好みや参加の意向を聞くアンケートは、会員1人に1枚 ・会費など家計に関わるテーマは、1人1枚にしたうえで、集計では夫婦の答えが同じだったかどうかも分かるようにしておく

どちらにしても、紙の上に「ご夫婦で会員の方は、お一人ずつお答えください」と書いておくと、配った枚数と戻ってきた枚数を比べやすくなります。

例会の場で配り、その場で答えてもらう

老人会のアンケートの回収で、最も確実なのは、例会の場で配って、その場で答えてもらう形です。持ち帰ってもらうと、紙がどこに行ったか分からなくなり、締め切りが近づいてから「もう1枚ください」と言われることになります。

その場で答えてもらうときの流れの一例です。

・例会の最初ではなく、中ほどの休憩の前に配る。最初に配ると、話を聞かずに紙に目を落とす会員が出る ・配ったあと、担当の役員が設問を1つずつ読み上げる。字が読みにくい会員も、耳で聞けば答えられる ・答える時間を10分ほどとる。その間、役員は会場を回り、鉛筆の貸し出しや、丸を付ける場所の案内をする ・回収は、机の上に箱を置いて入れてもらう。役員が手で受け取ると、答えを見られる気がして抵抗を感じる会員がいる

鉛筆は、先を丸めたものを多めに用意しておきます。細いボールペンより、太めの鉛筆や、太字のペンのほうが、手に力が入りにくい会員には書きやすくなります。

例会で挙手をとるのは、アンケートの代わりにならない

アンケートの紙を作る手間を惜しんで、例会の場で「旅行は秋でよいと思う人は手を挙げてください」と挙手をとる会もあります。人数の把握だけならこれでも足ります。ただ、意見を知るための方法としては、はっきりした弱点があります。

長年同じ顔ぶれで続いてきた老人会では、会長や古参の会員の意向が場の空気を決めやすくなります。会長が秋がよいと言ったあとに、春がよいと手を挙げるのは勇気が要ります。挙手の結果は、会員の本当の考えではなく、場の空気を映したものになりがちです。

また、例会に来ていない会員の意見は、挙手ではまったく拾えません。足腰が弱って例会に来にくくなった会員ほど、旅行の歩く距離や、会食の会場までの移動について、言いたいことを持っているものです。

挙手が向いているのは、すでに決まったことの確認や、その日の出欠のような、答えに迷いのない質問だけです。好みや賛否を聞くときは、紙で、名前を書かずに答えられる形を選ぶと、会員の実際の考えに近い答えが集まります。

締め切りは、日付ではなく次の例会の日に置く

アンケートの締め切りを「10月15日まで」のように日付で書くと、老人会では思ったほど機能しません。カレンダーに書き込む習慣のない会員にとって、日付の締め切りは覚えにくく、気づいたときには過ぎています。

老人会で締め切りが機能しやすいのは、次の例会の日です。「次の例会(10月の第2火曜日)にお持ちください」と書けば、会員は例会に行く準備と一緒に紙を持ってきます。例会に来る日が、暮らしの中の目印になっているからです。

例会の場で配ってその場で回収する形をとる場合でも、欠席した会員の分は、この締め切りの置き方が効きます。

・例会を欠席した会員には、その地区の班長が紙を届ける ・届けるときに「次の例会の日に、また伺います」と伝え、班長が受け取りに行く ・次の例会にも来られない会員の分は、班長が訪ねて受け取る

締め切りのあとに戻ってきた紙をどう扱うかも、先に決めておきます。集計が終わっていなければ加える、終わっていれば結果を報告する場で「遅れて届いた意見」として口頭で紹介する、のように決めておくと、遅れた会員に「間に合わなかったから無駄だった」と思わせずに済みます。

画面で答えられる人と、紙で答える人を分けて考える

最近は、アンケートをスマートフォンで答えられるようにしたいという相談も増えています。老人会の会員でも、スマートフォンを使う人は確実に増えています。総務省の情報通信白書は、インターネットにつなぐ端末としてのスマートフォンの利用について、次のように書いています。

高齢者層でも、60代(2011年:2.5%、2024年:78.8%)、70代(2011年:0.7%、2024年:53.0%)のいずれも大きく増加しており、高齢者層を含めスマートフォンがインターネット接続端末の主流となっている 出典: 総務省「令和7年版 情報通信白書」

60代では78.8%、70代では53.0%です。老人会の会員の中心は70代から80代なので、この数字をそのまま当てはめると、画面で答えられるのは会員の半分に届かないと見ておくのが現実的です。

ここから導かれるのは、画面での回答は紙の代わりではなく、紙に加える入口として扱うということです。

・紙のアンケートを基本にし、画面で答えたい人は画面でも答えられるようにする ・画面で答えた人には紙を出さないでもらう。両方出すと、同じ人の答えが2つ数えられる ・紙の人と画面の人で、設問と選択肢を完全に同じにする。表現が少しでも違うと、集計で合わせられない ・画面で答えた人の名前か人数を、担当の役員が把握できるようにしておく

60代の新しい会員が多い会では、画面での回答を入口にすると、例会に来られない平日勤務の会員の答えも集まりやすくなります。

60代の会員と80代の会員では、アンケートで聞きたい中身そのものが違うこともあります。60代で仕事を続けている会員は、活動の曜日や時間帯が合うかどうかに関心があり、80代の会員は、会場までの移動や、行事の時間の長さに関心があります。同じ紙で聞く場合でも、「平日の昼の活動に参加できますか」「会場まで自分で来られますか」の両方を入れておくと、年代による答えの違いが集計の段階で見えるようになります。年齢そのものを聞く必要はなく、この2つの設問の組み合わせで十分に読み取れます。

旅行の行き先を聞くときの設問の組み方

老人会のアンケートで最も多いのが、旅行の希望を聞くものです。ここで「行きたいところをお書きください」と自由に書いてもらうと、答えが散らばって集計できません。行き先の候補は、役員会で2つか3つに絞ってから聞きます。

旅行のアンケートで聞いておくと、あとで判断が楽になる項目は次の通りです。

・行き先の候補(2つか3つから選ぶ) ・時期(春、秋、どちらでもよい) ・日帰りか、一泊か ・参加するかどうかの見込み(参加したい、たぶん参加する、今回は見送る) ・歩く距離や、階段の多い場所について、不安があるかどうか

最後の項目は、老人会ならではです。行き先がいくら人気でも、駐車場から会場まで長く歩く場所や、トイレの少ない場所は、足腰の弱った会員が参加を諦める原因になります。行き先そのものより、この項目の答えのほうが、参加者の数を左右することがあります。

費用については、「いくらまでなら参加しますか」と金額を書いてもらうより、役員が見積もりをとったうえで「おおよそこの金額の幅になります」と示し、参加の見込みを聞くほうが、答えやすくなります。

新年会や敬老の集いの形を聞くときは、食べられるものまで聞く

旅行の次に多いのが、新年会や敬老の集いを、どういう形で開くかを聞くアンケートです。会場で会食にするか、弁当を配って持ち帰ってもらうか、飲み物だけのお茶会にするか。ここで形だけを聞くと、あとで思わぬところで困ります。

老人会の会食で問題になりやすいのは、食べられるものの違いです。入れ歯の具合で固いものが食べにくい、医師から塩分を控えるように言われている、糖尿病で甘いものを避けている、といった事情を持つ会員は少なくありません。形だけを聞いて会食に決めたあと、「実は食べられるものが少ないので」と欠席の連絡が続くことがあります。

このテーマのアンケートでは、次のような項目を加えておくと、あとの手配が楽になります。

・会食、弁当の持ち帰り、お茶とお菓子だけ、のどれがよいか ・会場まで、自分で来られるか。送り迎えがあれば参加できるか ・食事で気をつけていることがあるか(やわらかいものがよい、量は少なめがよい、など選択肢で) ・会場の椅子は、座敷より椅子席のほうがよいか

最後の項目も、老人会ならではの聞き方です。座敷の会場は、膝や腰の悪い会員にとって、立ち座りだけで大きな負担になります。椅子席を希望する声が多ければ、会場の選び方そのものが変わります。

食事で気をつけていることを聞くときは、病名を書いてもらう形にしないことが大切です。「持病がありますか」と聞くと、答えたくない会員は紙ごと出さなくなります。「やわらかいものがよい」「塩分は控えめがよい」のように、料理の注文として答えられる選択肢にしておけば、答えやすく、手配にもそのまま使えます。

会費や統合のような重いテーマは、アンケートで決めない

会費の値上げ、活動の縮小、隣の地区の会との統合など、会の形そのものに関わるテーマでアンケートをとるときは、とくに扱いに注意します。

こうしたテーマのアンケートを、多数決の代わりに使うと、あとで揉めます。回収率が6割だったとき、残りの4割の意見は分かりません。反対が3割あったとき、その3割の会員が退会を考えているのか、しぶしぶ受け入れるつもりなのかも、丸の数からは読み取れません。

重いテーマのアンケートは、次のような位置づけにしておきます。

・目的は、役員会が案を作る前に、会員が何を心配しているかを知ること ・決めるのは総会や臨時の話し合いの場であり、アンケートの結果で決めたことにはしない ・選択肢の中に、役員の意向に誘導するような言葉を入れない。「会を存続させるために値上げに賛成ですか」ではなく、「会費の見直しについてどう考えますか」と中立に聞く ・賛成と反対だけでなく、「理由によっては受け入れる」「説明を聞いてから決めたい」のような中間の選択肢を用意する

名前を書くかどうかも、テーマによって変えます。旅行の参加の見込みは、名前がないと人数の把握に使えません。一方、会費や統合のような賛否を聞くテーマは、名前を書かない形にしたほうが、実際の考えに近い答えが戻ってきます。ただし、会員が40人から50人ほどの会では、字の癖や答えの組み合わせから、誰が書いたか分かってしまうことがあります。無記名にしたことで安心しすぎず、集計した紙は担当の役員以外が見ない、集計が終わったら処分する、と決めて伝えておきます。

聞き取りと代筆で、答えがゆがまないようにする

目が見えにくい、手が不自由といった理由で、自分では紙に書けない会員もいます。こうした会員の答えは、役員や班長が聞き取って代わりに書くことになります。ここで気をつけたいのが、聞き取る側の考えが答えに混ざることです。

・設問と選択肢は、紙に書いてあるとおりに読み上げる。言い換えや補足の説明を加えると、聞き取る人によって答えが変わる ・「皆さん秋がよいと言っていますよ」のように、他の会員の答えを伝えない ・会員が迷っているときは、「どちらでもよい」の選択肢があることを伝え、答えを急がせない ・代筆した紙には、代筆したことが分かる小さな印を付けておく。あとで集計するときに、代筆の答えだけ偏っていないかを確かめられる

賛否を聞くテーマで、会長や役員が自ら聞き取りに行くと、会員は役員の意向に合わせた答えをしがちです。重いテーマの聞き取りは、役員ではない会員に頼むか、家族に代筆してもらうほうが、答えのゆがみが小さくなります。

答えなかった人を、賛成とも反対とも数えない

アンケートの集計で、戻ってこなかった紙をどう数えるかは、最初に決めておくべきことです。老人会では、答えなかった会員を「特に意見がない」「賛成と同じ」と扱ってしまいがちですが、これは避けたほうが無難です。

戻ってこなかった理由は、会員によってばらばらです。紙をなくした、体調を崩していた、字が読めなかった、そもそもそのテーマに関心がなかった。関心がない場合もあれば、反対だが言い出しにくかった場合もあります。

集計の報告には、次の3つを必ず並べて書きます。

・配った枚数 ・戻ってきた枚数 ・それぞれの選択肢に丸を付けた人数

たとえば、会員48人に配って31枚戻ってきた場合、「秋がよい」が18人でも、それは会員の過半数ではありません。戻ってきた31枚の中の18人です。この書き方をしておくと、報告を聞いた会員が数字を読み違えることがなくなります。

結果を返さないアンケートは、次から集まらない

アンケートで最も軽く見られがちなのが、結果を会員に返す作業です。答えた会員は、自分の答えがどう使われたのかを知りたいと思っています。結果を知らされないまま次のアンケートが来ると、答えても意味がないと感じ、紙が戻ってこなくなります。

結果の返し方は、老人会の場合、次の2つを組み合わせるのが確実です。

・例会の場で、担当の役員が結果を読み上げる。何人に配り、何人が答え、どういう結果だったか、そしてそれを受けて役員会が何を決めたか ・会報や、例会に来なかった会員に届ける配布物に、同じ内容を短く載せる

大切なのは、「結果を受けて何を決めたか」まで伝えることです。旅行の行き先が秋の紅葉の名所に決まったなら、「アンケートで秋がよいという声が多く、歩く距離に不安があるという声も多かったので、駐車場から近い場所を選びました」と、答えがどう判断に使われたかを一言添えます。これがあると、次のアンケートで、会員はもっと具体的に答えてくれるようになります。

戻ってきた枚数が少なかった年に、次にやること

どれだけ工夫しても、戻ってくる枚数が思ったより少ない年はあります。そのとき、設問の数を減らす、紙を大きくするといった紙の側の手直しから始めるのは、順番として後回しで構いません。先に確かめるべきは、戻ってこなかった紙がどこで止まったかです。

止まった場所は、おおよそ3つに分かれます。

・紙が会員の手に届いていなかった。例会を欠席した会員に、班長が届けていなかった ・紙は届いたが、答える前に止まった。何のためのアンケートか分からなかった、字が読みにくかった ・答えたが、渡す先が分からなかった。締め切りの日や、渡す相手が紙に書かれていなかった

これを知るには、回収のときに担当の役員が、地区ごとに何枚配って何枚戻ったかを控えておくことです。特定の地区だけ戻りが少ないなら、その地区の班長への届け方の伝え方に問題があります。どの地区も同じように少ないなら、紙の作り方か、締め切りの置き方に問題があります。

もう1つ、例会で数人に「アンケート、答えにくいところはありましたか」と直接聞いてみるのも有効です。紙のアンケートの答えにくさは、紙のアンケートでは聞き出せません。例会の休憩の時間に、役員が数人に声をかけるだけで、次の年の紙をどう直せばよいかが見えてきます。

連絡の道具を、アンケートの観点で見比べる

紙のアンケートを基本にしながら、画面で答えられる入口を加えるとき、道具の選び方で迷う会があります。老人会で見るべき点は、機能の多さではありません。

家族との連絡でLINEを使っている会員が多いなら、その延長で投票の機能を使う形が考えられます。ただし、グループに入っていない会員は答えられず、紙の答えとの合算は役員が手で行うことになります。性質の違いはLINEグループとの比較にまとめてあります。地域の団体で使われることの多いBANDは、アンケートの結果を掲示板の形で残せる点が異なります。その違いはBANDとの比較で確かめられます。

老人会のアンケートで、道具を見比べるときに外せない点は次の3つです。

・紙で答えた会員の分を、あとから同じ集計に加えられるか ・同じ人が紙と画面の両方で答えたときに、担当の役員が気づけるか ・結果を、例会に来なかった会員にも同じ形で届けられるか

老人会のアンケートは、紙の作り方より回収の段取りで決まる

ここまで見てきたように、老人会のアンケートで答えが集まるかどうかは、設問の工夫だけでは決まりません。例会の場で配ってその場で答えてもらう、欠席した会員には班長が届けて受け取りに行く、締め切りを次の例会の日に置く。この回収の段取りが、戻ってくる枚数を大きく左右します。

地域で相談を受ける場では、「アンケートを配ったが半分も戻ってこなかった」という声をよく聞きます。紙の作り方を直すより先に、欠席者への届け方と受け取り方を決めておくと、状況が変わりやすくなります。

保護者の意見を集める場面での回収の組み立ては、PTAでの使われかたと重なる部分があります。趣味の活動の日程を見直すアンケートなら、参加者の都合を合わせる流れがサークルでの使われかたに近くなります。道具の細かな使い方で迷う点は、よくある質問にまとめてあります。

次にアンケートを作るときは、紙を印刷する前に、配った枚数と戻ってきた枚数を書き込む欄を、担当の手元の控えに1行だけ用意しておいてください。その1行が、次の担当にとって最も役に立つ記録になります。

Q1. 老人会のアンケートは、何問くらいまでなら答えてもらえますか?

紙1枚の片面に収まる5問程度が目安です。裏面に続くと裏返さずに提出する会員が出て、2枚目は紛失しやすくなります。役員会で聞きたいことを出し合ったら、「この答えで役員の判断が変わるか」を基準に削っていくと、必要な設問だけが残ります。

Q2. アンケートは名前を書いてもらうべきですか?

テーマで分けます。旅行の参加の見込みのように人数を把握する必要があるものは記名、会費の見直しや統合のような賛否を聞くものは無記名が向いています。ただし会員が50人ほどの会では字の癖などで書いた人が分かることもあるため、集計した紙は担当以外が見ないと決めて伝えておきます。

Q3. 例会に来ない会員のアンケートは、どうやって集めればよいですか?

地区の班長が紙を届け、「次の例会の日にまた伺います」と伝えて受け取りに行く形が確実です。郵送や持参を頼むと戻ってこないことが多くあります。字を書くのが難しい会員には、設問を紙のとおりに読み上げて代筆し、代筆した紙には小さな印を付けておきます。

Q4. スマートフォンで答えられるアンケートに切り替えてもよいですか?

70代のスマートフォン利用は半数ほどなので、紙をやめて画面だけにするのは早いと考える会が多くあります。紙を基本にして、画面でも答えられる入口を加える形なら無理がありません。その場合は設問と選択肢を紙と完全にそろえ、両方で答えないよう紙の上に書いておきます。

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