団体ごとの決め方

老人会の回覧板をやめる|紙をなくす順番と、残す情報

2026年9月20日 ・ Tsudoo編集部

老人会の回覧板をやめたいという相談は、町内会の回覧板をやめたいという相談と、似ているようで中身が違います。町内会の回覧板は、地区の全世帯を順番に回ります。老人会の回覧板は、会員の家だけを飛び飛びに回ります。この違いが、止まりやすさにも、やめ方にも効いてきます。

もう1つの違いは、会員の中に、スマートフォンを毎日使う60代と、携帯電話も持っていない80代が同じ名簿に並んでいることです。紙を一度に全部なくすことはできません。この記事では、老人会の回覧板を減らしていく順番と、紙で残すべき情報、そして回覧板が知らないうちに担っていた役割の補い方を順に見ていきます。

老人会の回覧板は、会員の家だけを飛び飛びに回る

町内会の回覧板は、隣の家に渡せば次に進みます。老人会の回覧板は、そうはいきません。地区の中で会員の家は点在していて、次の会員の家まで何百メートルも歩くことがあります。坂の上の家、道路を渡った先の家、集合住宅の上の階。回す人が高齢であるほど、この距離が負担になります。

老人会の回覧板で起きやすいことを並べると、次のようになります。

・次の会員の家が遠いので、「今度出かけるついでに」と数日手元に置かれる ・読むのに時間がかかる。老眼鏡を探し、ゆっくり読み、行事の日をカレンダーに書き写す ・次の会員が入院や外出で留守にしていて、郵便受けに入れてよいか迷い、持ち帰る ・誰が会員で、次に誰に回すのかを覚えていない。回覧板に付いている名簿の順番が古い ・最後の会員まで回ったあと、会長の家に戻らず、どこかで止まったままになる

とくに最後の点は、老人会で頻繁に聞かれます。回覧板そのものが見つからなくなり、挟んであった旅行の申込書ごと行方が分からなくなる。申込の締め切りを過ぎてから、ある会員の家の棚から出てくる。こうしたことが1年に1度でも起きると、役員は回覧をやめたいと考えるようになります。

1つの地区で会員が10軒ほどだとして、1軒あたり2日手元に置かれれば、最後の家に届くのは3週間後です。月1回の例会の案内を回覧で回す会では、案内が届く前に例会の日が来てしまう会員が出ます。老人会の回覧板の限界は、紙であることより、この経路の長さにあります。

自治会の回覧板に相乗りしている会は、先に確かめることがある

老人会の案内を、老人会独自の回覧板ではなく、自治会や町内会の回覧板に挟んで回している会も多くあります。会員の家だけを回る手間がかからず、地区の全世帯に老人会の活動を知らせる機会にもなるからです。

この形をとっている会は、自治会の側が回覧板をやめる、あるいは減らすと決めたときに、老人会の案内だけが取り残されます。自治会が連絡をデジタルに移しても、そこに老人会の案内を載せ続けてもらえるとは限りません。自治会の連絡の場は、自治会の会員全員が見るものなので、老人会の旅行の申込のような、特定の会員だけに関わる中身は載せにくくなります。

自治会の回覧板に相乗りしている会は、次の点を早めに確かめておきます。

・自治会が回覧板を減らす予定があるか、あるならいつからか ・自治会の新しい連絡の場に、老人会の案内を載せてもらえるか。載せられるのは行事の告知だけか、申込書まで含むか ・載せてもらえない中身は、老人会として別に届ける必要があるか

自治会の決定を待ってから動くと、次の年度の最初の行事の案内が、どこにも載らないまま日が迫ることになります。自治会の役員会の議題に回覧板の見直しが上がった段階で、老人会の会長が一言相談しておくと、移行の時期を合わせやすくなります。

60代と80代で、画面の前提がまったく違う

回覧板をやめて、スマートフォンで案内を届ける形に変えられるかどうかは、会員の年代の構成で決まります。総務省の情報通信白書は、60代のLINEの利用について次のように書いています。

高齢者層でも、60代の利用率が2014年の11.3%から2024年の91.1%へと増加している 出典: 総務省「令和7年版 情報通信白書」

60代では91.1%がLINEを使っているということです。この数字だけを見ると、回覧板をやめてLINEで流せばよいと思えます。

ところが、同じ白書のデータ集で、インターネットにつなぐ端末としてスマートフォンを使っている人の割合を年代別に見ると、2024年は60代が78.8%、70代が53.0%、80歳以上は18.7%です。老人会の会員の中心である70代後半から80代では、画面で案内を受け取れる人のほうが少数になります。

つまり、老人会の回覧板は、会の年代の構成によって、減らせる割合が大きく違います。60代の新しい会員が多い会なら、半分以上を画面に移せることもあります。80代の会員が中心の会では、画面に移せるのは一部にとどまり、紙を残す前提で組むことになります。

まず手元の会員名簿で、次の3つに分けて人数を数えてみてください。

・自分で画面の案内を読み、返事もできる会員 ・家族が同居していて、家族の端末で案内を見せてもらえる会員 ・紙でしか受け取れない会員

この3つの人数が分かれば、回覧板をどこまで減らせるかの見当がつきます。

紙をなくす順番は、止まりやすい中身から

回覧板を一度にやめるのではなく、回覧で回している中身を1つずつ別の届け方に移していきます。移す順番は、回覧で回したときに困る度合いの大きいものからです。

老人会の回覧で回されている中身を、困る度合いの大きい順に並べると、おおよそ次のようになります。

・締め切りのある申込書。旅行、健康診断の案内、講座の申込など。回覧が止まると締め切りに間に合わない ・日時の決まった行事の案内。例会、清掃奉仕、グラウンドゴルフの大会。回覧が遅れると、日が過ぎてから届く ・急ぎの変更の知らせ。雨天中止、会場の変更。回覧では到底間に合わない ・会報。読み物として届けばよく、多少遅れても困らない ・上部団体や社会福祉協議会からの配布物。季節の啓発のチラシなど

最初に移すのは、急ぎの変更の知らせです。これはそもそも回覧で回すものではなく、電話の連絡網か、画面の連絡で届けるものです。次が、締め切りのある申込書です。申込書は回覧で回すのをやめ、例会の場で1人1枚ずつ手渡しし、欠席の会員には班長が届ける形に変えます。

こうして急ぎのものと締め切りのあるものを回覧から外すと、回覧に残るのは、会報と配布物だけになります。この2つは多少遅れても困らないので、回覧の経路が長くても問題が小さくなります。回覧板をやめるかどうかの判断は、ここまで進めてから考えても遅くありません。

回覧をやめるなら、1人1部の手渡しという選択肢もある

回覧板をやめる先は、画面だけではありません。老人会ならではの選択肢として、1人1部を手渡しで届ける形があります。

全国老人クラブ連合会の公表している一覧をもとに計算すると、1クラブあたりの会員は40人台です。この規模であれば、回覧板を1枚作って回すより、会員の人数分を印刷して配るほうが、確実に早く届きます。印刷の枚数は増えますが、回覧板が行方不明になって申込書ごと失われる手間を考えると、割に合うと判断する会は少なくありません。

手渡しにするときの組み立ての一例です。

・例会の場で、出席した会員に1部ずつ渡す ・欠席した会員の分は、地区ごとに封筒に分け、班長に預ける ・班長は、次に会員の家の近くを通るときに郵便受けに入れる。対面で渡す必要はない ・画面で案内を受け取れる会員には、紙を渡さず、画面で送る

最後の点で、紙の部数が減っていきます。会員全員に紙を渡しながら、画面でも同じものを送ると、手間だけが増えます。画面で受け取ると決めた会員には、紙を渡さないと決めておくことが、紙を減らす実際の手順になります。

紙で残すもの、画面に移すもの

老人会の案内のうち、画面に移しても困らないものと、紙で残したほうがよいものがあります。線を引くときの考え方は、「読み返すか」と「持ち歩くか」の2つです。

紙で残したほうがよいもの。

・会報の本体。家でゆっくり読み、仏壇の横や冷蔵庫に貼って読み返す会員が多い ・旅行の行程表。当日、バスの中や立ち寄り先で見る ・年間の行事予定表。1年分をカレンダーの横に貼っておく ・上部団体や社会福祉協議会から届いた、印刷物として作られた配布物

画面に移しても困らないもの。

・例会の前日の念押しの連絡 ・雨天中止や会場変更などの急ぎの知らせ ・行事のあとの写真や、参加のお礼 ・申込の受付状況や、残りの席数の知らせ

年間の行事予定表は、とくに紙で残す価値があります。年度の初めに1枚渡しておけば、その年の例会や行事の日は会員の手元に残り、毎月の回覧で日時を知らせる必要が小さくなります。回覧板を減らす近道は、毎月の回覧の中身を、年度の初めの1枚にまとめてしまうことです。

年間の予定表を作るときは、日付が決まっていない行事も「10月ごろ 日帰り旅行(詳しくは9月の例会でお知らせします)」のように書いておきます。これだけで、会員は秋に旅行があることを知り、9月の例会に来れば詳しいことが分かると覚えておけます。日付が決まってから回覧で知らせる形だと、会員は毎月の回覧を待つしかなく、回覧が遅れるたびに予定が立てられなくなります。

画面で受け取る会員にも、年間の予定表だけは紙で渡しておくと安心です。画面の中の予定は、スマートフォンの操作に慣れていない会員にとって、探し出すのが意外に難しいものです。紙が冷蔵庫に貼ってあれば、画面を開かなくても次の行事が分かります。

紙に書く情報は、4つに絞る

回覧板を減らしても、紙の案内はなくなりません。残った紙の案内を、読みやすく、行き違いの起きない形にしておきます。老人会の案内で必ず書くべき情報は、次の4つです。

・いつ。日付だけでなく曜日も書く。「10月14日(火)午前10時から」 ・どこで。会場の名前だけでなく、入口が分かりにくい場合は入口の場所も ・何を持っていくか。上履き、筆記用具、会費など ・分からないときに誰に聞けばよいか。名前と電話番号

回覧板に長く書かれがちな、行事の由来や、上部団体からの挨拶文、前回の行事の報告などは、会報に回します。案内の紙には、行動に必要な4つだけを大きな字で書きます。

字の大きさにも注意します。回覧板は、1枚の紙を複数の人が読むため、細かい字でたくさん書き込まれがちです。1人1部の手渡しにした時点で、紙の枚数を気にする必要が減るので、1枚に書く量を減らし、字を大きくできます。

画面で送る案内も、この4つの並びを紙とそろえておきます。紙の案内と画面の案内で書き方が違うと、家族の端末で案内を見た会員と、紙で受け取った会員の間で「集合は9時半と聞いた」「10時と書いてあった」といった行き違いが起きます。担当の役員は、紙の原稿を作ったら、同じ文面をそのまま画面に貼る、という順番を守ると、2種類の文面を作る手間も省けます。

雨天の場合の扱いも、4つの情報の横に1行添えておくと、急ぎの連絡の数が減ります。「雨の場合は中止します。中止のときは前日の夕方までに班長から電話します」と書いておけば、当日の朝に会長の家の電話が鳴り続けることはなくなります。

回覧を続ける間は、経路と名簿を年度ごとに作り直す

回覧板を減らす途中の1年から2年は、回覧と手渡しと画面が混ざった状態が続きます。その間に回覧が行方不明にならないよう、回覧を続ける部分については、経路と名簿を年度ごとに作り直しておきます。

老人会の回覧板で止まる原因の多くは、回覧板に付いている名簿が古いことです。退会した会員、施設に入った会員、亡くなった会員の名前が残ったままだと、受け取った会員は次に誰に回せばよいか分からなくなります。新しく入った会員の名前が載っていなければ、その会員には回覧が届きません。

作り直すときの手順の一例です。

・年度の初めに、会員名簿をもとに、地区ごとに回す順番を決め直す ・順番は、家の並びの近い順にし、坂の上や道路の向こうの家が最後にならないようにする。最後の家から会長の家までの距離も考える ・回覧板の表に、順番の名簿と「最後の方は会長宅へ」と大きく書いた紙を貼る ・回覧板に、出発した日付を書く欄を設ける。何日たって戻ってきたかが分かれば、止まりやすい地区が見えてくる ・入院や長期の不在が分かっている会員は、その間は順番から外し、名簿の横に印を付ける

出発した日付と戻ってきた日付を控えておくと、どの地区で回覧が止まりやすいかが数字で分かります。止まりやすい地区から先に手渡しや画面に切り替えていけば、少ない手間で回覧の遅れを減らせます。

上部団体や社会福祉協議会の配布物は、老人会の手では減らせない

老人会の回覧板に挟まれるものの中には、老人会が自分で作ったものではない配布物が多く含まれます。市区町村の老人クラブ連合会から届く会報、社会福祉協議会の広報、交通安全や詐欺被害の防止を呼びかけるチラシ、健康講座や介護予防の教室の案内などです。

これらは、配布元が部数を決めて印刷し、老人会を通じて会員に届けることを前提に作られています。老人会の側で「回覧をやめたので、画面に写真を載せて済ませます」と決めてよいかどうかは、配布物ごとに違います。配布元によっては、会員の手元に紙で届くことを求めていることもありますし、印刷物の中身を別の場所に載せることを想定していないこともあります。

実務では、次のように扱う会が多くあります。

・配布物が1人1部の部数で届いているなら、例会での手渡しや、班長による郵便受けへの投函で、そのまま会員に届ける ・配布物が回覧用に1部か2部しか届いていないなら、回覧を続けるか、例会で掲示して見てもらう ・画面に載せたいときは、配布元に載せてよいかを一度確かめてからにする ・配布元が作った案内の申込の締め切りは、配布元の決めた日付なので、老人会の回覧の遅れで間に合わなくならないよう、急ぐものは例会の場で読み上げる

配布物の部数は、市区町村の老人クラブ連合会に会員数を届け出た数で決まっていることが多いため、回覧をやめて1人1部の手渡しに切り替えたい場合は、連合会に部数を増やしてもらえるかを相談する必要があります。年度の途中で急に部数を変えることは難しいことが多いので、年度が変わる前の時期に相談しておきます。

画面に移した会員が、実際に読んでいるかを確かめる

画面で案内を受け取ると決めた会員について、最初の数か月は、実際に読めているかを確かめる期間と考えておきます。画面での受け取りを希望した会員の中にも、通知の音に気づかない、案内が届いた場所を開けない、文字が小さくて読みにくい、といった理由で、実際には読めていない人がいるからです。

確かめ方は、難しくありません。

・例会の場で、画面で受け取っている会員に「先月の案内は見られましたか」と聞く ・既読や反応が分かる道具であれば、担当の役員が、しばらく読まれていない会員を確認する ・読めていない会員には、例会の休憩の時間に、同じ地区の若い会員や役員が操作を一緒に確かめる ・どうしても読めない場合は、紙に戻す。無理に画面で受け取らせ続けない

家族の端末で案内を見せてもらう会員については、扱いを分けて考えます。家族が案内に気づいて会員に伝えてくれればよいのですが、家族も仕事や子育てで忙しく、老人会の案内まで気が回らないことがあります。家族の端末で受け取る会員には、例会の場で「次の例会の日は分かっていますか」と一言確かめる習慣をつけておくと、伝わっていないことに早く気づけます。

また、家族の連絡先に老人会の案内を送る場合、その家族は老人会の会員ではありません。家族の側が案内を受け取ることを了解しているかは、会員本人を通じて一度確かめておくのが丁寧です。

回覧板が止まることで、気づけていた異変がある

回覧板をやめるときに、見落とされやすいことがあります。回覧板が止まることで、会員の異変に気づけていたことです。

回覧板が、ある会員の家で1週間止まっている。次の会員が様子を見に行くと、その会員は体調を崩して寝込んでいた。老人会では、こうした話が珍しくありません。回覧板は、会員の家を定期的に誰かが訪ねるきっかけになっていて、止まったこと自体が「何かあったかもしれない」という合図になっていました。

回覧板をやめると、この合図がなくなります。画面で案内を送った場合、読んでいない会員がいても、それが異変なのか、単に見ていないだけなのか、外からは分かりません。紙の手渡しにした場合も、郵便受けに入れるだけなら、会員の様子は分かりません。

回覧板をやめる前に、この役割をどう補うかを決めておきます。

・例会の出欠を記録し、2回続けて欠席した会員には、班長が電話を1本入れる ・画面で案内を受け取る会員のうち、ひとり暮らしの会員については、返事や既読の反応がしばらくないときに、電話で確かめる ・紙を届ける班長には、郵便受けに以前の配布物がたまっていないかを見てもらう

回覧板は、案内を届ける道具であると同時に、会員の家の前を誰かが通る仕組みでもありました。やめるのは案内を届ける役割だけで、家の前を通る役割は別の形で残す、と考えておくと、回覧をやめたことで見守りが手薄になる事態を防げます。

回覧をやめると決めるときの、話し合いの進め方

回覧板をやめることは、会の運営の決まりを変えることなので、役員会だけで決めずに、例会や総会の場で会員に説明してから進めます。老人会で揉めやすいのは、次の2つの声です。

1つは、「回覧板で近所の会員と顔を合わせるのが楽しみだった」という声です。回覧板を届けに行ったついでに、玄関先で少し話をする。この時間を大事にしている会員は多くいます。回覧をやめるなら、顔を合わせる場として例会やサロンに誘う声かけを、あわせて強めることを伝えると、受け止め方が変わります。

もう1つは、「スマートフォンを持っていない人が置いていかれる」という声です。これには、紙でしか受け取れない会員には紙を届け続けること、画面に移すのは画面で受け取れる会員だけであることを、はっきり伝えます。回覧をやめることと、紙をなくすことは同じではない、と説明するのが大切です。

進め方としては、いきなり全部をやめるのではなく、「まず申込書を回覧から外し、例会で手渡しにする」「半年やってみて、困ったことがなければ行事の案内も外す」のように、段階ごとに区切って会員に伝えます。区切りごとに、困ったことがなかったかを例会で聞く時間をとると、反対していた会員も、実際の様子を見て判断できます。

移行の1年を、年度の行事に合わせて区切る

回覧板を減らす作業は、老人会の1年の行事の流れに合わせて区切ると、会員にも役員にも分かりやすくなります。一例として、4月に年度が始まる会の場合の組み立てを示します。

・年度の初めの総会:回覧を減らす方針を説明し、年間の行事予定表を1人1枚配る。あわせて、画面で案内を受け取りたいかどうかを紙で聞く ・春の例会:申込書を回覧から外し、例会での手渡しに切り替える。欠席した会員の分を班長に預ける手順を試す ・夏の間:画面で受け取りを希望した会員に、案内を送り始める。例会の場で、読めているかを確かめる ・秋の旅行の案内:申込書を手渡しで配り、画面で受け取る会員には画面でも送る。締め切りまでに戻ってきた申込書の枚数を控えておく ・冬の例会:ここまでの半年で困ったことを、会員に聞く時間をとる ・年度末の役員会:回覧に残っている中身を見直し、次の年度にさらに減らせるかを決める。やり方を次の役員に引き継ぐ

区切りごとに、戻ってきた申込書の枚数、画面で受け取っている会員の人数、困ったという声の数を控えておくと、次の年度の判断材料になります。老人会は役員の交代が2年から数年ごとにあるので、この控えがないと、新しい役員がまた回覧板に戻してしまうことがあります。

連絡の道具を、回覧板の置き換えとして見比べる

回覧板の中身の一部を画面に移すとき、道具の選び方で迷う会があります。老人会で見るべき点は、画面で受け取る会員と、紙で受け取る会員が混在する前提で回せるかどうかです。

60代の会員の多くが家族との連絡でLINEを使っているなら、その延長で案内を送る形が自然です。ただし、案内が会話の流れに埋もれ、あとから年間の予定を探しにくいという性質があります。詳しくはLINEグループとの比較にまとめてあります。参加の手続きが簡単で、名前を知られずに入れる形を考えるなら、LINEオープンチャットとの比較も判断の材料になります。地域の団体で使われることの多いBANDは、掲示板と予定表を分けて持てる点が異なります。その違いはBANDとの比較で確かめられます。

老人会の回覧板の置き換えとして、外せない点は次の3つです。

・年間の行事予定のように、あとから見返す情報を、会話と分けて置けるか ・画面で受け取った会員と、紙で受け取った会員を、担当の役員が名簿の上で区別できるか ・案内を見ていない会員に、担当の役員が気づけるか

老人会の回覧板は、経路の長さから減らしていく

ここまで見てきたように、老人会の回覧板の難しさは、紙であることそのものより、会員の家だけを飛び飛びに回る経路の長さにあります。急ぎの知らせと締め切りのある申込書を回覧から外し、年間の行事予定を年度の初めの1枚にまとめる。それだけで、回覧板に残る中身はかなり小さくなります。

地域で相談を受ける場では、「回覧板をやめたら、スマートフォンを持っていない会員に何も届かなくなった」という話を聞くことがあります。回覧をやめることと紙をなくすことを分けて考え、紙でしか受け取れない会員への届け方を先に決めておけば、こうした事態は避けられます。

地区全体の回覧板の見直しの進め方は、町内会での使われかたと重なる部分が大きく、自治会の動きに合わせて老人会の案内の置き場を考えるときの参考になります。教室のように、決まった日に集まる会員へ連絡を届ける組み立ては、教室での使われかたに近くなります。道具の使い方で迷う点は、よくある質問にまとめてあります。

次の役員会では、今年回覧で回した中身を1枚の紙に書き出し、急ぎのもの、締め切りのあるもの、読み物の3つに印を付けてみてください。回覧板をどこまで減らせるかは、その1枚で見えてきます。

Q1. 老人会の回覧板をやめると、スマートフォンを持っていない会員はどうなりますか?

回覧をやめることと、紙をなくすことは別に考えます。紙でしか受け取れない会員には、例会での手渡しや、班長が郵便受けに入れる形で1人1部を届け続けます。画面に移すのは、画面で受け取れる会員の分だけです。会員名簿で受け取り方を3つに分けて数えてから進めると、置いていかれる会員が出ません。

Q2. 回覧板の代わりに、会員全員に紙を配ると印刷の手間が増えませんか?

会員が40人台の老人会なら、人数分を印刷して手渡しするほうが、回覧板が止まって申込書ごと行方不明になる手間より小さいと判断する会が多くあります。年間の行事予定を年度の初めの1枚にまとめ、画面で受け取る会員には紙を渡さないと決めておくと、毎月の印刷の枚数は減っていきます。

Q3. 自治会の回覧板に老人会の案内を挟んでいます。自治会が回覧板をやめたらどうすればよいですか?

自治会の新しい連絡の場に、老人会の行事の告知を載せてもらえるかをまず相談します。旅行の申込書のように、特定の会員だけに関わる中身は載せにくいことが多いので、それは老人会として別に届ける必要があります。自治会の役員会で見直しが議題に上がった段階で相談すると、移行の時期を合わせやすくなります。

Q4. 回覧板をやめると、会員の異変に気づけなくなりませんか?

回覧板が止まることで気づけていた異変は、別の形で補います。例会の出欠を記録して2回続けて欠席した会員に電話を入れる、ひとり暮らしの会員は画面の反応がしばらくないときに電話で確かめる、紙を届ける班長に郵便受けの様子を見てもらう、といった形です。回覧をやめる前に、この役を誰が担うかを決めておきます。

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