団体ごとの決め方

老人会の集金をどう回すか|誰が払ったかを追える形にする

2026年9月20日 ・ Tsudoo編集部

老人会の集金でつまずくのは、金額の大きさではありません。例会に来た人からは集まるのに、来なかった人の分がいつまでも残ること。そして半年後に「うちはもう払った」と言われたとき、確かめる手立てがないことです。

先に結論を書きます。老人会の集金が追えなくなる最大の理由は、会員名簿と集金の記録が別々の紙になっていることにあります。町内会のように世帯を一軒ずつ回る形ではなく、月例会やグラウンドゴルフの場で集める形が中心になるため、「その日に来ていたかどうか」が支払いの記録を左右してしまいます。回収の方法を工夫する前に、名簿と同じ並びで受け取りを記録する場所を1つ決めるほうが、はるかに効きます。ここでは、老人会が集めているお金の種類を分けるところから、台帳の形、領収書、未納の線引き、会計監査までを順に見ていきます。

老人会が集めているのは、年会費だけではない

まず何を集めているのかを書き出します。老人会の会計が合わなくなる場面の多くは、性質の違うお金を同じ日に同じ袋で集めていることから始まります。

・年会費(クラブの運営費。年1回まとめて集める会が多い) ・上部団体への負担金(市区町村の老人クラブ連合会、都道府県の連合会へ納める分を会費に含めている会がある) ・行事の参加費(新年会、敬老会、芋煮会、忘年会などの実費) ・日帰り旅行やバス旅行の代金と、その積立金 ・グラウンドゴルフやカラオケなど、部会ごとの活動費や球代 ・共同募金や社会福祉協議会の会費を、地区の取りまとめとして預かる分 ・慶弔費(入院や逝去のときに会から出す分の原資)

このうち、会の収入になるのは年会費と活動費です。上部団体への負担金は通り抜けるだけのお金で、共同募金にいたっては会の収入ではなく預かり金です。旅行代金も、行って帰ってくれば残らないお金です。

この3つを収入として同じ欄に書いてしまうと、年度末に「会費収入が予算より多い」という見え方になり、決算書の説明がつかなくなります。集金の様式を作るときは、まず自分の会が集めているものを上の7つに当てはめ、収入・預かり・実費の3つに色分けするところから始めます。ここが決まらないと、台帳の列も、領収書を出すかどうかも決まりません。

会員数で補助金が決まるから、名簿と台帳がずれると困る

老人クラブの多くは、市区町村から活動への助成を受けています。この助成は、多くの自治体で会員数や活動実績を基準に交付額が決まり、年度末に会員名簿と実績報告書の提出を求められます。老人クラブへの援助は、法律に根拠が置かれています。

地方公共団体は、老人の福祉を増進することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他当該事業を行う者に対して、適当な援助をするように努めなければならない。 出典: e-Gov法令検索

老人福祉法が定めているのは、地方公共団体が援助に努めるという枠組みまでです。実際にいくら交付され、何を提出させるかは自治体ごとに違います。ただ、どの自治体でも共通しているのが、名簿の提出が求められる点です。

ここに集金の話がつながります。会費を払っている人と、名簿に載っている人が食い違うと、報告のときに手が止まります。会費は払っていないが名簿には残っている人、逆に会費だけ受け取っていて名簿の更新が漏れている人。この2種類が毎年少しずつ積み上がり、3年も経つと実際の会員数が誰にも分からなくなります。

対処はひとつです。集金の台帳を新しく作らず、会員名簿に列を足す形にします。名簿の右側に「会費」「行事費」「受け取った日」の列があれば、集金を記録する行為がそのまま名簿の点検になります。名簿と台帳を別々に持つ限り、両者は必ずずれます。

例会で集める形は、来なかった人を取りこぼす

老人会の集金が町内会と決定的に違うのは、集める場所です。町内会は組長が世帯を回りますが、老人会は月例会や総会、グラウンドゴルフの朝の集合の場で受け取る形が中心になります。この形には利点と弱点がはっきりあります。

利点は、回る手間がないことです。役員自身が高齢で、一軒ずつ訪ねるのが体力的に難しい会にとって、これは大きい。弱点は、その日に来なかった人の分が丸ごと残ることです。

そして老人会の場合、例会に来ない理由が「忙しい」ではありません。通院日と重なった、足が痛くて歩けない、送迎してくれる家族の都合がつかなかった、暑さで外出を控えた、といった理由です。つまり、来なかった人ほど次も来にくい。放っておくと、未納の人と会に足が向かなくなった人が同じ顔ぶれになっていきます。

ここを見て、集金の設計を決めます。例会で集めるのを主にするのは構いませんが、来なかった人の分をいつ、誰が、どうやって回収するかを先に決めておきます。決めていない会では、地区長が自分の判断で自宅を訪ね、記録が地区長の手元だけに残る形になり、そこから追えなくなります。

集金を回る人自身が高齢であることを、設計に入れる

地区長や組長が集金に回る形を取るなら、回る人の条件を先に見ておく必要があります。老人会の役員は70代から80代が中心という会も珍しくありません。

・免許を返納していて、坂の上の家まで歩いて行けない ・夏の日中に外を歩かせるのは、それ自体が危ない ・現金を持ち歩く時間が長くなると、落とす心配と、事故のときの責任が重い ・夜に訪ねると、相手が出てくれない

この条件を無視して「地区ごとに回ってください」とだけ決めると、実際には回りきれず、回れなかった分が未納として翌年に持ち越されます。

現実的な組み方は、回る範囲を狭くすることです。1人が受け持つのを10人前後までにし、隣近所だけにする。そのうえで、回る日を涼しい時間帯に固め、受け取ったその日のうちに会計へ渡す。回る人を増やすと記録の口が増えて集約が大変になりますが、その集約こそ仕組みで受けられる部分です。回る負担のほうが人にしか担えないので、そちらを軽くする配分にします。

台帳は会員名簿と同じ並びで、列は7つ

追える形の台帳は複雑にする必要がありません。会員名簿に次の列を足せば、実務は回ります。

・会員番号(または氏名の五十音順の並び) ・地区や組 ・年会費の金額 ・受け取った日 ・受け取った方法(現金、振込、家族が持参、口座振替) ・受け取った人(役員の名前) ・備考(入院中、施設入所、休会など)

抜けやすいのは5列目と7列目です。方法を書いていないと、現金と振込が混ざったときに通帳と突き合わせられません。備考を書いていないと、翌年の役員が「この人はなぜ空欄なのか」を判断できず、督促してはいけない相手に督促してしまいます。

そして老人会に特有の列が備考です。入院、施設入所、家族と同居のため転出、といった事情が年の途中で入ってきます。町内会の集金台帳ならほぼ不要ですが、老人会では毎年何件も発生します。この事情を空欄のまま放置すると、未納との区別がつかなくなります。

紙で運用するなら、地区ごとに切り出した紙を役員に渡し、回収後に必ず会計へ提出してもらいます。この提出を「集計だけ」で済ませないことが肝心です。金額の合計だけを受け取ると、誰が払ったかは役員の手元に残ったまま消えます。

領収書を出すか、名簿への受領印にするか

会費を受け取ったときの証拠をどう残すかは、会ごとに分かれます。領収書を1枚ずつ書く会、名簿に本人から印をもらう会、何も出さない会の3通りです。

負担が軽く、しかも記録が1か所に集まるのは2つめです。名簿の受領欄に本人の押印かサインをもらえば、その紙が台帳と証拠を兼ねます。領収書を1枚ずつ書く形は、受け取る側にとっては丁寧ですが、書く手間と控えの保管が増え、控えを失くすと結局追えません。

領収書を出す場合に気になるのが収入印紙です。国税庁は金銭の受取書について、次のように説明しています。

金銭または有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭または有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。 出典: 国税庁

同じページには続けて、営業に関しない金銭の受取書は非課税であること、ここでいう営業とはおおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことを指す、という説明が置かれています。老人会が会費を受け取って出す書面が営利を目的とした取引の対価かどうかは、この定義に照らして判断することになります。金額が大きい行事費などで迷う場合は、所轄の税務署に確認するのが確実です。

例会に来なかった人の分を、いつ回収するか

集金の期間を決めていない会は、いつまでも集金が終わりません。次の3段階を年度の始めに決めておくと、役員の判断が要らなくなります。

第1段階は、総会か4月の例会で受け取る分です。ここで7割前後が集まる会が多く見られます。

第2段階は、翌月と翌々月の例会での持ち越しです。来た人から順に受け取り、名簿に印をつけます。

第3段階が、それでも空欄が残る人への個別の連絡です。ここで初めて電話をかけるか、近所の役員が訪ねます。この段階に入る日を「6月末」のように具体的に決めておくと、役員が「そろそろ言いにくい」と感じて先送りする余地がなくなります。

期限を切ることの意味は、督促を強めることではありません。逆です。期限があると「決まりだから連絡した」と言えるので、声をかける側の心理的な負担が下がります。老人会の集金で本当に重いのは金額ではなく、長年の顔見知りにお金の話をする気まずさです。仕組みで気まずさを引き受けるのが、続けるための工夫になります。

入院、施設入所、転出があったときの扱いを先に決める

年度の途中で会員の状況が変わるのは、老人会では例外ではなく前提です。ここを決めていない会は、そのつど役員会で相談することになり、判断が年によってぶれます。次の4つは、規約か内規に書いておきます。

・年度の途中で入会した人の会費は、全額か、月割りか、半額か ・入院や施設入所で活動に参加できなくなった人を、休会として会費を免除するか ・市外へ転出した人の会費を返すか、返さないか ・逝去された場合、その年度の会費をどう扱うか

多くの会が取っている形は、年会費は年度単位で返さない、ただし休会の申し出があった年度の翌年からは徴収しない、というものです。返金を認めると、会計処理と記録が一気に複雑になります。

大切なのは、どちらに決めるかより、決まっていることです。決めていないと、返してもらえた人と返してもらえなかった人が出て、それが後々まで語られます。規約に1行あれば、役員は「規約でこうなっています」と言うだけで済みます。

未納をどこで区切り、退会とどうつなげるか

会費が集まらないまま名簿に残っている人が増えると、補助金の報告にも、行事の人数見込みにも影響します。ただし老人会の未納は、払う意思がないというより、会に来られなくなったことの結果であることが大半です。ここを取り違えると、関係が壊れます。

実務としては、次のような線を引いている会が多く見られます。

・2年続けて会費が納められず、行事にも参加がない場合、本人か家族に意向を確かめる ・確かめた結果、続ける意思があれば名簿に残し、当年分から再開する ・意思の確認が取れない場合、翌年度から名簿を外す ・外したことは記録に残し、いつでも戻れることを伝える

この確認を、電話1本で済ませないほうがよい場面があります。耳が遠くて電話でのやりとりが難しい人、日中は家族が不在で本人が電話に出られない家庭があるためです。訪問と、家族あての書面と、電話の3つを、相手に合わせて使い分けます。

旅行の積立と会費を、同じ財布に入れない

日帰り旅行やバス旅行を毎年やっている会では、参加費を数か月かけて積み立てる形を取ることがあります。このお金は会の収入ではなく、参加者から預かっている実費です。

会費と同じ通帳に入れてしまうと、年度末の残高が「繰越金」に見えます。翌年の予算を組むときに使えるお金だと勘違いし、実際には旅行代金として出ていくお金だったという事故が起きます。

対処は単純で、預かるお金は別の帳簿にすることです。通帳を分けるのが理想ですが、口座を増やすと管理する印鑑と通帳が増えるので、現金出納帳の中で科目を分けるだけでも実務は回ります。そのうえで、月ごとに「預かり残高」を役員会で読み上げる形にすれば、間違えようがありません。

参加費の集金では、キャンセルの扱いも先に決めます。バスの手配や食事の予約は事前に確定するため、直前の欠席では返せない部分が出ます。1週間前以降のキャンセルは実費を差し引く、といった線を申込みの案内に書いておくと、当日の欠席が出ても揉めません。

共同募金の取りまとめを引き受けるかどうか

地域によっては、共同募金や社会福祉協議会の会費の取りまとめを、老人会が引き受けている場合があります。この扱いは、会費とはまったく別です。

・会の収入ではなく、預かって渡すお金である ・任意であり、会費のように一律で徴収するものではない ・渡した先からの受領証を、会の記録として残す必要がある

会費と同じ袋で同じ日に集めていると、この3点が曖昧になります。特に2つめが問題で、会費と一緒に一律で集めていると、後から「あれは払わなくてよかったのか」という話になります。

引き受けるなら、封筒を分け、名簿の列も分け、会計報告でも別の科目に立てます。引き受けないと決めるのも判断のひとつで、その場合は町内会や自治会の側で集めてもらう形になります。どちらにするかを役員会で決め、議事録に残しておけば、翌年の役員が迷いません。

現金を持ち歩く時間を、できるだけ短くする

集金の事故で多いのは、盗難よりも紛失と入れ違いです。上着のポケットに入れたまま忘れた、封筒ごと別の書類にまぎれた、渡したつもりが渡っていなかった、といった形で起きます。

防ぐ手立ては、現金が人の手にある時間を短くすることに尽きます。

・受け取ったその日のうちに会計へ渡す。翌日に持ち越さない ・渡すときは、金額と人数を口頭で読み上げ、名簿に会計の受領印をもらう ・会計は受け取った現金を、原則としてその週のうちに入金する ・役員が自宅で保管する上限額を決める。3万円を超える現金を個人宅に置かない、といった形にする

この4つを内規に書いておけば、万が一なくなったときにも「決められた通りにやっていた」ことが示せます。担い手が高齢である以上、体調を崩して数日連絡が取れなくなることもあり得ます。現金と記録が個人の家に長く留まる運用は、本人にとっても負担です。

現金以外の受け取り方を混ぜるときの注意

会費の一部を振込や口座振替で受けている会もあります。負担を減らす方向として理にかなっていますが、混ぜ方を間違えると、かえって突き合わせが増えます。

まず、振込の名義が本人と違うことがよくあります。息子や娘が代わりに振り込むためです。名義だけでは誰の会費か分からないので、振込の案内に「会員番号を先に付けてください」と書いておくか、事前に「誰が振り込むか」を名簿の備考に控えておきます。

次に、振込手数料の負担です。数百円の手数料をかけて千円台の会費を振り込むのは合理的ではありません。振込を選べるようにするなら、家族が遠方に住んでいる人や、施設に入っていて例会に出られない人に限る、といった使い分けが現実的です。

3つめは、通帳の記帳を誰がいつやるかです。振込を受け付ける以上、入金の確認は会計の仕事として定例化する必要があります。月に1度、例会の前に記帳して名簿に反映する、というところまで決めて初めて、振込は「楽な方法」になります。

会計監査で見られる点を、先に知っておく

多くの老人会には監事が置かれ、年度末に会計監査を受けてから総会に諮ります。監事が見るのは、次のようなところです。

・現金出納帳の残高と、手元の現金が一致しているか ・通帳の残高と、帳簿の残高が一致しているか ・支出に領収書が付いているか。付いていないものに理由の記載があるか ・会費収入の総額が、会員数と会費の額から説明できるか ・預かり金(募金、旅行の積立)が、収入と混ざっていないか ・補助金の使い道が、交付の条件から外れていないか

4つめが、集金の記録と直結します。会員45人で年会費が1人1,200円なら、収入は54,000円になるはずです。ここが合わないとき、名簿と台帳が別々だと理由を説明できません。名簿に受け取り列がある形にしておけば、「休会が2人、年度途中の入会が1人」と、その場で答えられます。

監査は疑うための手続きではなく、担当を守るための手続きです。記録が説明できる形になっていれば、監事も担当も短い時間で終わります。

監事を引き受ける人が毎年決まらない、という悩みもよく聞きます。数字を見る作業が難しそうに見えるためですが、実際に見てもらう点を上の6つに絞って先に伝えておくと、引き受け手が見つかりやすくなります。監査の当日に、通帳、現金出納帳、領収書のつづり、名簿の4点を机に並べておき、監事が順に照らすだけで終わる形にしておくと、所要時間は1時間ほどに収まります。何を見ればよいか分からないまま帳簿の束を渡されるから、監事の負担が重く感じられるだけです。

記録の置き場所が、翌年の担当の負担を決める

老人会の役員は、任期が1年か2年で交代することが多く、しかも高齢を理由に途中で交代することもあります。ここで問題になるのが、記録の置き場所です。

紙の台帳を会計の自宅で保管していると、交代のたびに段ボールごと運ぶことになります。運んだ先で「去年の分がどれか分からない」と言われ、結局は新しい様式で作り直す。これが数年繰り返されると、過去の記録は事実上たどれなくなります。

避けるための考え方は2つあります。ひとつは、残す年数を決めることです。会計帳簿と通帳は法令や規約に沿って一定年数残し、集金の作業メモは年度末に処分する、と分けます。何もかも残すと、探せない山ができます。

もうひとつが、置き場所を人の家から動かすことです。名簿と台帳がオンラインの1か所にあれば、引き継ぐのは中身ではなく、見られる権限だけになります。役員が代わっても、前年の記録はそのまま残ります。連絡と記録を同じ場所に置く考え方については、町内会での使われかたに、地区ごとの連絡と名簿をひとつにまとめた形が紹介されています。老人会も地区や組で分ける点は同じなので、そのまま当てはめて考えられます。

集金の案内は、いつ、どんな形で出すか

集まり方は、案内の出し方でかなり変わります。老人会の場合、口頭だけで伝えた案内は、その場にいた人にも半分しか残りません。金額と期限が数字で書かれた紙が手元にあるかどうかで、当日の持参率が違ってきます。

案内に入れる項目は決まっています。

・集める金額と、その内訳(年会費、上部団体への負担金、行事費) ・受け取る日と場所。例会の日付と、開始の時刻 ・当日来られないときの連絡先と、代わりの受け取り方 ・釣り銭の用意が難しいので、できればちょうどの額で持参してほしいという一言

4つめは細かいようで効きます。受け取る側が千円札と小銭を大量に用意しなくて済み、受け渡しの列も短くなります。

出す時期は、受け取る日の2週間前が目安です。早すぎると忘れられ、直前だと年金の入金日と噛み合わない人が出ます。年金は偶数月の15日に振り込まれるため、その直後に受け取る日を置いている会もあります。会員の暮らしの周期に合わせて日を決めるのは、老人会ならではの工夫です。

紙で配る場合は、会報や回覧に混ぜず、単票で渡します。他の記事と一緒になっていると、金額の欄が読み飛ばされます。連絡の手段を紙以外にも広げている会なら、同じ内容を配信の形でも出し、当日の朝にもう一度短く出すと、忘れて来る人が目に見えて減ります。

連絡の道具を選ぶときに、集金の記録を基準に入れる

老人会の連絡手段を見直すとき、多くの場合は「行事の案内をどう届けるか」から検討が始まります。ただ、集金を追える形にしたいなら、選ぶ基準にもう1つ足す必要があります。名簿と記録がその道具の中に置けるかどうかです。

いま多く使われているLINEのグループは、届ける道具としてはよくできています。一方で、誰が払ったかを表として残す用途には向いていません。過去のやりとりが流れていくため、3か月前の「払いました」という発言を探すのに時間がかかります。この違いはLINEグループとの比較に整理されています。会話を残す道具と、名簿を残す道具は別物だという前提で選ぶと、判断を誤りません。

もう少し広い範囲の人が出入りする形を考えているなら、参加者を限定しない形との違いも見ておく価値があります。LINEオープンチャットとの比較では、誰が入っているか分からない状態と、名簿が確定している状態の差が説明されています。集金を扱う以上、名簿が確定していることは譲れない条件になります。

団体の連絡向けに作られたサービスとの比較としては、BANDとの比較も判断材料になります。掲示板や予定の機能を持つ道具どうしで、何が違うのかを見ておくと、乗り換えたあとに「これができない」と気づく事態を減らせます。

集金の追跡は、記録の口をいくつ持つかで決まる

ここまで見てきた詰まりどころを並べ直すと、共通しているのは記録の口の数です。

例会で受け取る人、地区を回る人、振込を受ける通帳、家族が持参する分。受け取る経路が4つあるのに、記録する場所が役員それぞれの手元にあると、追跡はほぼ不可能になります。逆に、受け取る経路が4つあっても、記録する場所が1つなら追えます。

道具を選ぶときの評価軸として、次の4つを置くと判断が早くなります。

・名簿がその中にあるか。連絡先と受け取りの記録が同じ画面で見られるか ・過去の記録が流れずに残るか。半年前の受け取りを、探さずに開けるか ・役員が代わるときに引き継ぐものが、権限だけで済むか ・会員以外の目に触れないか。会費の納入状況は、メンバー以外は見られない状態でなければ扱えない

4つめは老人会では特に重いところです。誰が未納かという情報は、外に漏れれば人間関係を壊します。公開の掲示板や、誰でも入れるチャットで扱ってよい情報ではありません。

導入の前によく出る疑問はよくある質問にまとめられています。移行の手順や、途中で戻せるかどうかといった点は、決める前に見ておくと役員会の議論が短くなります。集金の負担は、集める作業そのものより、集めたあとの記録に多くが載っています。そこを動かせば、回る人の負担も一緒に軽くなります。

Q1. 老人会の年会費は、どのくらいが相場ですか?

地域や活動内容によって幅がありますが、年1,000円から3,000円程度に設定している会が多く見られます。ここに上部団体への負担金が含まれる場合と、別に集める場合があります。まず自分の会の会費が何に使われているかを内訳で示せる状態にすると、金額の議論が具体的になります。

Q2. 例会に来ない会員から、どうやって会費を集めればよいですか?

まず、来ない理由が通院や体調である場合が多い点を前提にします。総会での受け取りを第1段階、翌月と翌々月の持ち越しを第2段階、期限を切った個別連絡を第3段階と決めておくと、役員が言い出しにくさで先送りせずに済みます。期限は年度の始めに決め、規約か内規に書いておきます。

Q3. 会費の領収書は、1人ずつ発行しなければいけませんか?

必ずしも必要ありません。名簿の受領欄に本人の押印やサインをもらう形にすれば、台帳と証拠を1枚で兼ねられます。領収書を出す場合の印紙の扱いは、営業に関しない受取書かどうかで判断が変わるため、金額の大きい行事費などで迷うときは所轄の税務署に確認するのが確実です。

Q4. 会員が入院や施設入所をしたとき、会費はどう扱いますか?

年度単位で返金しない代わりに、申し出があれば翌年度から休会として徴収しない、という形を取る会が多く見られます。大事なのはどちらに決めるかより、規約か内規に書いてあることです。書いていないと、そのつど役員が判断することになり、年によって扱いが変わって不公平感が残ります。

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