老人会の役員から、お知らせを配ったのに当日になって「聞いていない」と言われた、という話はよく聞きます。配った紙は確かに届いています。それでも読まれていないのです。
先に結論を書きます。老人会のお知らせは、読まれる前提で文面を練るより、読まれなくても伝わる出し方に組み替えるほうが効果があります。紙の上の3分の1に要点を寄せ、同じ知らせを口頭、紙、前日の声かけの3回に分けて出し、返事が必要なものは返事の取り方まで決めて配る。この記事では、老人会のお知らせが読まれない理由から始めて、紙面の組み方、日付の書き方、お金の案内の注意、画面で送るときの工夫までを順に整理します。
老人会のお知らせが読まれない理由は、関心の薄さではない
お知らせが読まれないと、会員の関心が薄いせいだと考えがちです。しかし老人会の場合、読まれない理由の多くは、会員の意欲とは別のところにあります。
1つめは、目です。細かい文字がびっしり並んだ紙は、老眼鏡を探すところから始まるので、後で読もうと置かれ、そのまま他の紙に埋もれます。役員がパソコンで作った案内は、普段の文書と同じ文字の大きさになっていることが多く、それだけで読まれにくくなります。
2つめは、紙の量です。高齢の世帯には、市の広報、自治会の回覧、社会福祉協議会の便り、病院やデイサービスの案内、通信販売のちらしと、毎週のように紙が届きます。老人会のお知らせは、その山の中の1枚に過ぎません。
3つめは、家族の手です。同居や近居の家族が郵便物を整理している世帯では、会員本人が目を通す前に、他のちらしと一緒に処分されてしまうことがあります。
4つめは、覚えておけないことです。読んだその場では分かっていても、行事の日まで数週間あると、日付を忘れてしまいます。紙をどこに置いたかも分からなくなります。
どれも、文面を工夫するだけでは解決しません。だからこそ、読まれないことを前提に、出し方そのものを組み立て直す必要があります。
70代の会員の半分近くは、画面でお知らせを受け取れない
お知らせを画面に移せば解決するかというと、老人会ではそう単純ではありません。総務省の情報通信白書は、年代ごとのスマートフォンの利用を次のようにまとめています。
高齢者層でも、60代(2011年:2.5%、2024年:78.8%)、70代(2011年:0.7%、2024年:53.0%)のいずれも大きく増加しており、高齢者層を含めスマートフォンがインターネット接続端末の主流となっている 出典: soumu.go.jp
60代では多数派になったスマートフォンでのインターネット利用も、70代では半分をわずかに上回る程度です。老人会の会員の中心は70代から80代なので、会全体で見ると、画面でお知らせを受け取れる会員と受け取れない会員が、おおよそ半々か、受け取れない会員のほうが多い会が珍しくありません。
しかも、スマートフォンを持っていることと、会の知らせを画面で読むことは別の話です。家族との通話と写真を見るためだけに持っていて、文字の連絡は開かない会員もいます。
そこで、お知らせの出し方を考える前に、会員ごとに受け取り方を把握しておきます。名簿の横に「紙」「画面」「電話」の3つの欄を作り、それぞれ受け取れるものに印を付けるだけで十分です。この名簿が、以降のすべての手順の土台になります。印は年に1回、総会の時期に確かめ直してください。
お知らせを3つの段に分ける
老人会のお知らせは、中身によって3つの段に分けて扱うと、出し方を決めやすくなります。
・会報:年に数回出す、会の活動の報告と予定のまとめ ・行事の案内:旅行、研修、例会の特別な回など、1つの行事について詳しく知らせるもの ・念押し:行事の直前に、日時と場所だけを短く伝えるもの
多くの会で起きている問題は、この3つが1枚の紙に混ざっていることです。会報の中に旅行の申し込みが紛れていると、会報を後で読もうと置いた会員は、申し込みの締め切りを逃します。
会報は、読まれなくても困らない内容に限ります。活動の報告、会員の作品や写真、連合会からの話題、季節の健康の話などです。読んで楽しいものにしてかまいませんが、日付と返事の期限は入れません。
行事の案内は、1つの行事につき1枚にします。申し込みや返事が必要なものは、必ずこの段で出します。
念押しは、紙を使わずに、口頭や電話、画面で伝えることを基本にします。中身は日付、時刻、場所の3つだけです。この3つの段を分けておけば、会員は「この紙は返事が要るものかどうか」を、見た瞬間に判断できます。
紙の上の3分の1に、要点をすべて置く
行事の案内の紙は、上の3分の1だけ読めば行動できるように組みます。老人会の会員が紙を手に取ったとき、確実に目に入るのはここまでだからです。
上の3分の1に置くのは、次の5つです。
・何の行事か(大きな文字で1行) ・日付と曜日 ・集合の時刻と場所 ・費用 ・返事が必要かどうかと、その締め切り
行事の趣旨、当日の流れ、持ち物の詳細、雨天時の扱いといった説明は、下の3分の2に回します。読まれなくても行事に参加できる内容を下に置く、という考え方です。
文字の大きさは、普段の文書より一回りも二回りも大きくします。上の3分の1の要点は、紙を少し離して持っても読める大きさにしておくと、老眼鏡がなくても内容がつかめます。書体は、線の細い明朝体より、線の太さが一定のゴシック体のほうが読みやすいと感じる会員が多くいます。
紙の色にも意味を持たせられます。返事が必要な案内だけを色の付いた紙に刷ると、他の白い紙の山に埋もれにくくなり、会員の家族にも「これは何か返す紙だ」と伝わります。色を使う会は、毎回同じ色にそろえてください。色を行事ごとに変えると、かえって区別が付かなくなります。
日付と時刻の書き方で、行き違いの半分は防げる
老人会の行き違いの多くは、日付と時刻の書き方から起きています。役員にとっては当たり前の書き方が、会員には誤解の種になります。
まず、日付には必ず曜日を添えます。日付だけでは、会員は自分の予定と照らし合わせにくく、曜日だけでは何週目か分かりません。「10月14日(火)」のように、両方を並べて書きます。
次に、相対的な言い方を使いません。「来週の火曜日」「明後日」「今月末」は、紙を受け取った日と読んだ日がずれると、別の日を指してしまいます。老人会の会員は紙を数日置いてから読むことが多いので、この書き方は特に危険です。
時刻は、午前と午後を必ず書きます。「13時30分」のような24時間の表記は、とっさに午後何時か換算できない会員がいます。「午後1時30分」と書くほうが確実です。「集合」と「開始」も区別します。集合の時刻だけを書き、開始の時刻を書かないと、開始に合わせて来た会員が出発に間に合わないことが起きます。
場所は、会場の名前だけでなく、目印を添えます。「〇〇公民館」と書いても、どの入口から入るのか、何階の何号室なのかが分からないと、会員は受付で迷います。旅行の集合場所なら、「〇〇商店の前のバス停」のように、会員が普段の暮らしで知っている場所で書きます。
年号は、会員の多くが和暦で暮らしているなら、和暦を添えると読み違いが減ります。会の中で西暦と和暦のどちらを使うかを決めて、毎回そろえておくと混乱しません。
同じ知らせを、3回、違う形で出す
読まれない前提で届けるための中心になるのが、同じ知らせを3回に分けて出す段取りです。1回の紙で伝えきろうとせず、形を変えて重ねます。
1回目は、例会の場での口頭です。次の行事の日付、時刻、場所を、例会の最後に読み上げます。聞いた会員には、その場で手元の紙に書き写してもらうか、日付を書いた小さな紙を手渡します。
2回目は、行事の案内の紙です。例会に出た会員には例会の場で手渡し、欠席した会員には班長が届けます。口頭で一度聞いている会員は、紙を受け取ったときに「ああ、あの話だ」と気づくので、読まれる確率が上がります。
3回目は、行事の直前の念押しです。前日か前々日に、日付、時刻、場所の3つだけを伝えます。電話でしか受け取れない会員には班長が電話をし、画面で受け取れる会員には画面で送ります。
念押しの時期は、行事の2日前ごろが扱いやすいとされています。前日だと、その日のうちに都合が付かない会員が出ますし、1週間前だと、当日までにまた忘れてしまいます。
3回出すと役員の手間が増えるように見えますが、実際には逆になることが多いです。当日に「聞いていない」と電話がかかってくる件数、会場で待つ会員への対応、欠席者の分の旅行代金の扱いといった後始末が減るからです。
返事がほしい知らせは、返事の取り方まで決めて配る
参加の申し込みや出欠の返事がほしい知らせは、紙を配っただけでは返事が集まりません。老人会の会員は、返事を書いても、それをどこに持っていけばよいか分からずに手元に置いたままにしてしまうからです。
返事の取り方は、紙を配る前に決めて、紙の上の3分の1に書いておきます。よく使われているのは、次の3つの形です。
・紙の下に切り取り線を入れ、返事の欄を切り取って班長に渡してもらう ・次の例会の場で、受付に返事を集める箱を置く ・班長が締め切りの数日前に、自分の班の会員に電話で返事を聞く
この3つを組み合わせる会が多くあります。切り取り線の返事と例会の箱で集まった分を名簿に印を付け、印が付いていない会員にだけ班長が電話をする。こうすると、班長の電話は返事のない会員に絞られます。
締め切りは、日付で書くより、次の例会の日に置くほうが守られやすくなります。「〇月〇日の例会の日まで」と書けば、会員は例会に出るついでに返事を持ってきます。
返事の欄には、選択肢に丸を付けるだけで答えられるようにしておきます。「参加する」「参加しない」の2つに、必要なら「送迎がほしい」の欄を足す程度にとどめ、自由に書く欄は作りません。書く欄があると、何を書けばよいか考え込んで、返事そのものが遅れます。
お金の知らせは、詐欺と区別できる形で出す
老人会の会員は、日頃から特殊詐欺への注意を呼びかけられています。そのため、お金にかかわる知らせは、書き方によっては会員や家族に警戒され、受け取ってもらえないことがあります。
特に注意したいのは、画面での振込の依頼です。会員の家族のもとに、老人会の名前で「旅行代金を下記の口座に振り込んでください」という連絡が画面で届くと、家族は詐欺を疑います。老人会が本物かどうかを家族が確かめる手段がないからです。
お金の知らせは、次の形で出すと、会員と家族が安心して受け取れます。
・金額と支払い方法は、必ず紙の案内に書き、例会の場で口頭でも伝える ・画面の連絡だけで振込を頼まない。画面では「紙の案内を配りました」とだけ伝える ・役員が集金に訪ねる場合は、訪ねる日と役員の名前を先に紙で知らせておく ・案内の紙には、会長の名前と、会の中で問い合わせを受ける役員の電話番号を書く
集金に訪ねる役員の名前を先に知らせておくと、会員は玄関先で名前を確かめられます。家族にも「この日に老人会の〇〇さんが来る」と伝わるので、見知らぬ人の訪問として追い返されることがなくなります。
会費や旅行代金の受け取り方そのものの見直しは、別の話になります。ここでは、お金の知らせを、受け取る側が本物だと判断できる形で出すことに絞って考えてください。
家族に読んでもらう前提で書く知らせもある
老人会のお知らせの中には、会員本人より、家族に読んでもらう必要があるものがあります。送迎が必要な行事、泊まりの旅行、体を動かす行事などです。
こうした知らせは、紙の上の3分の1の要点に加えて、家族あての1行を添えます。「ご家族の方へ:当日は午前8時30分に〇〇集会所までの送迎をお願いします」のように、家族が何をすればよいかを具体的に書きます。
旅行の案内なら、帰りの到着予定の時刻と、到着が遅れる場合に連絡する役員の電話番号を、家族に見える位置に書いておきます。帰りが遅くなったときに、家族が会長の自宅に次々と電話をかける事態を防げます。
体を動かす行事では、服薬や持病について家族が気にすることがあります。当日の運動の強さと、休憩をどう取るかを1〜2行で書いておくと、家族が本人を送り出す判断をしやすくなります。持病の内容を会に届け出てもらう必要があるかどうかは、別に考えることで、お知らせの紙で聞き出すものではありません。
家族に読んでもらう知らせは、会員本人に手渡すだけでなく、封筒に入れて「ご家族の方もご覧ください」と書いておくと、他の紙と一緒に処分されにくくなります。
画面で送るお知らせは、写真にせず文字で送る
画面でお知らせを受け取れる会員に送るときは、紙の案内を写真に撮って送る方法がよく使われています。手軽ですが、老人会では避けたほうがよい方法です。
写真にした文字は、画面の文字の大きさの設定が効きません。会員が普段、端末の文字を大きく設定していても、写真の中の文字は小さいままです。指で広げれば拡大できますが、広げると紙の一部しか見えなくなり、どこを読んでいるのか分からなくなります。
画面の読み上げの機能を使っている会員にとっても、写真は読めません。文字で送られていれば、端末が内容を声で読み上げてくれます。
画面で送るときは、紙の上の3分の1にある要点を、文字でそのまま打ち込みます。日付と曜日、時刻、場所、費用、返事の締め切りの5行です。詳しい説明が必要なら、写真を添えてもかまいませんが、写真だけで送らないようにします。
1回の連絡に、複数の行事の知らせを並べないことも大切です。旅行の案内と例会の日程変更を1つの連絡にまとめると、後から読んだ会員は1つめだけを読んで閉じてしまいます。1つの連絡に1つの知らせ、を基本にしてください。
上から届く配布物は、そのまま回さない
老人会には、市区町村の連合会、社会福祉協議会、市の高齢者福祉の担当、警察、消防などから、会員に配ってほしいという配布物が届きます。健康づくりの教室の案内、詐欺の注意喚起、熱中症の予防のちらしなどです。
これを届いたまま会員に回すと、老人会の行事の案内と一緒に紙の山になり、どちらも読まれなくなります。会員から見ると、自分の会の知らせなのか、外からの知らせなのかの区別が付かないからです。
上から届く配布物は、次のように扱うと、老人会の知らせと混ざりません。
・行事の案内とは別の日、別の封筒で配る ・表に「連合会からのお知らせ」「市からのお知らせ」と、出どころを大きく書いた紙を1枚付ける ・自分の会の会員に関係がある1行を、役員が手書きで添える
添える1行は、「〇月の健康教室は、うちの会からも希望者を募ります。例会で申し出てください」のように、会員が何をすればよいかを書きます。関係がない配布物は、例会の場に置いて、希望する会員だけが持ち帰れるようにしておく方法もあります。
全ての配布物を全員に配る必要があるかどうかは、届いた時点で役員が判断してかまいません。上から届いたものを全て配ることが、会員にとって親切とは限りません。
入院中や施設に入った会員に、何を届けるか
長く入院している会員や、施設に入った会員にも、会員である限りお知らせは届けることになります。ただ、元気な会員と同じ量の紙を届けると、読めないまま溜まっていきます。
こうした会員には、会報だけを届け、行事の案内は届けない形がよく取られています。会報には活動の様子や仲間の写真が載っているので、行事に出られなくても会とのつながりを感じてもらえます。行事の案内は、参加できない行事の締め切りを知らせることになり、かえって寂しい思いをさせてしまうことがあります。
届け先も確かめます。本人の自宅に届けても、家族が施設に持っていかなければ本人には届きません。家族に「会報はどちらに届ければよいですか」と一度聞いておき、施設に届けてよい場合は施設の住所に、家族が持っていく場合は家族に手渡します。
施設によっては、郵便物の受け取りや面会の決まりがあります。届け方で迷ったときは、家族を通して施設の決まりを確かめてから届けてください。
読まれたかを確かめる方法を、1つ持っておく
お知らせを出したあと、会員に読まれたかを確かめる手段を持っている会は多くありません。しかし、確かめる方法が1つあるだけで、次のお知らせの出し方を直せるようになります。
もっとも手軽なのは、例会の冒頭で確かめる方法です。前回配った案内の中身について、「旅行の締め切りは何日だったか覚えていますか」と問いかけ、手を挙げてもらいます。答えられた会員の割合で、案内がどれくらい読まれたかの見当が付きます。
返事の数も、読まれたかどうかの目安になります。返事が必要な案内で、締め切りまでに返事が来た会員の数を毎回記録しておくと、紙の色を変えた、上の3分の1に要点を寄せた、といった工夫の効き目が見えます。
画面で送った知らせは、道具によっては誰が開いたかが分かります。開いていない会員にだけ、班長が念押しの電話をする形にすると、電話の件数を減らせます。
確かめた結果、同じ会員が毎回読んでいないと分かったら、その会員の受け取り方を名簿で見直します。紙で届けていたのを班長の手渡しに変える、電話を足す、家族に伝えるなど、その会員に合った届け方に切り替えるきっかけになります。
電話の念押しは、話す順番を紙に書いて渡しておく
念押しを電話で伝える班長は、会員ごとに話し方を変えるより、話す順番を決めた短い紙を手元に置いておくほうが、伝え漏れが起きません。老人会の電話は、世間話から入って本題が後回しになり、肝心の日付を言い忘れて切ってしまうことがよくあるからです。
紙に書いておく順番は、名乗り、用件、日付と曜日、時刻、場所、もう一度日付、の6つです。最初に「老人会の〇〇です。明後日の旅行の確認でお電話しました」と名乗りと用件を伝えると、会員は詐欺の電話ではないと分かり、落ち着いて聞いてくれます。日付を最後にもう一度繰り返すのは、耳が遠くなっている会員が、1回目を聞き逃していることがあるからです。
留守番電話に切り替わった場合も、同じ順番で短く吹き込みます。名前を名乗らずに用件だけを吹き込むと、家族が聞いたときに不審な電話として消されてしまうことがあります。
電話に何度かけても出ない会員には、念押しの内容を書いた紙を郵便受けに入れておきます。紙には電話をかけた班長の名前も書いておくと、会員が後で折り返しの電話をしてくれます。念押しの電話で、会員から体調が悪くて行けないと聞いた場合は、その場で名簿に印を付け、行事の担当役員に伝えます。
書く人、配る人、声をかける人を分ける
お知らせの手間が会長や書記ひとりに集まっている会では、書く、刷る、配る、電話をかけるまでを1人でこなしていることがあります。この形は、担当者の体調不良ひとつで、お知らせが止まる原因になります。
老人会のお知らせは、役割を3つに分けると続けやすくなります。
・書く人:案内の文面を作り、上の3分の1の要点を決める ・配る人:班長ごとに紙を分け、欠席者の分を届ける ・声をかける人:念押しの電話と、返事がない会員への確認をする
書く人は、パソコンで文書を作れる役員に任せることが多くなります。配る人と声をかける人は、地区ごとの班長が兼ねる形が一般的です。声をかける人は、会員の家族の顔も知っている、近所の会員が向いています。
書く人が交代しても案内の形が崩れないように、前年の案内の紙を行事ごとに1部ずつ保管しておきます。翌年は、それを下敷きにして日付と金額を書き換えるだけで済みます。
お知らせの届け方を、道具の観点で見比べる
画面でお知らせを受け取れる会員が増えてくると、どの道具で届けるかが話題になります。老人会の場合、道具を選ぶ前に、紙と電話の会員をどう並べて扱うかを考えておく必要があります。
家族との連絡でLINEを使っている会員が多いなら、会員のグループを作って知らせを流す形が考えられます。一方で、会話が続くと知らせが流れてしまい、後から日付を探しにくくなる面があります。この違いはLINEグループとの比較で整理しています。会員同士が連絡先を交換せずに参加できる形を考えるなら、LINEオープンチャットとの比較も参考になります。
知らせを掲示板のように残しておきたい場合は、書き込みが流れにくい道具が候補になります。Facebookグループとの比較では、投稿を残しておく形の道具の特徴をまとめています。
地区の自治会から届く知らせと重ならないように届けたい会は、町内会での使われかたで、地域の知らせの流れを確かめておくと役に立ちます。道具の使い方で迷う点はよくある質問にまとめてあります。
道具を見比べるときに、老人会のお知らせの観点で外せない点は次の3つです。
・紙と電話で受け取る会員を、同じ名簿の中で管理できるか ・知らせを誰が開いたかを、声をかける人が確かめられるか ・写真ではなく文字で送った知らせが、端末の文字の大きさの設定で読みやすく表示されるか
老人会のお知らせは、3回に分けた段取りで届く
老人会のお知らせが読まれないのは、会員の関心が薄いからではなく、目、紙の量、家族の手、覚えておけないことという、暮らしの事情があるからです。文面を工夫するだけでは、この事情は変わりません。
会報、行事の案内、念押しの3つの段を分け、行事の案内は紙の上の3分の1に要点を寄せる。日付には曜日を添え、相対的な言い方を避ける。同じ知らせを、例会の口頭、紙、直前の念押しの3回に分けて出す。返事の取り方まで決めて配り、お金の知らせは詐欺と区別できる形にする。どれも、読まれない前提で届けるための工夫です。
次の行事の案内を作るときは、紙を上から3分の1で折ってみてください。折り目より上だけを見て、日付、時刻、場所、費用、返事の締め切りが読めるかどうか。それが確かめられれば、その案内は、読まれなくても伝わる紙になっています。
Q1. 老人会のお知らせは、紙をやめて画面に移したほうがよいですか?
会員の中心が70代から80代の老人会では、全てを画面に移すと知らせが届かない会員が出ます。名簿に紙、画面、電話のどれで受け取れるかの印を付け、画面で受け取れる会員には画面で、それ以外の会員には紙と電話で届ける形を並べて使うのが現実的です。画面で送るときも、紙の案内に書いた要点は文字で打ち込んでください。
Q2. 案内の紙の文字は、どれくらい大きくすればよいですか?
決まった基準はありませんが、普段の文書より一回りから二回り大きくし、紙を少し離して持っても要点が読める大きさにするのが目安です。とくに紙の上の3分の1に置く、行事の名前、日付と曜日、時刻、場所、費用は大きくします。書体は線の細い明朝体より、線の太さが一定のゴシック体のほうが読みやすいと感じる会員が多くいます。
Q3. 何度お知らせを配っても、当日に来ない会員がいます。どうすればよいですか?
紙を配るだけでなく、例会の場での口頭、案内の紙、行事の2日前ごろの念押しの3回に分けて伝えてみてください。それでも同じ会員が来ない場合は、受け取り方が合っていない可能性があります。班長の手渡しに変える、電話を足す、家族に伝えるなど、その会員に合わせた届け方に切り替えると改善することが多いです。
Q4. 連合会や市から届いた配布物は、全て会員に配らなければいけませんか?
全てを配ることが会員にとって親切とは限りません。届いた配布物は行事の案内とは別の日に、出どころを書いた紙を付けて配ると、老人会の知らせと混ざりにくくなります。会員に関係の薄いものは、例会の場に置いて希望者だけが持ち帰れるようにする方法もあります。配布の扱いで迷うものは、配布を依頼してきた窓口に確かめてください。
