団体ごとの決め方

老人会の入会の受け付け方|最初に渡すものと、聞いておくこと

2026年9月20日 ・ Tsudoo編集部

老人会の入会をどう受け付けるかは、申込書を1枚用意すれば片づく話に見えて、実際にはそこで止まっている会が多く残っています。年齢が来た人が自分から窓口に来ることはほとんどなく、誰かが声をかけて、その場で「今年は様子を見る」と返されるところから始まるからです。この記事では、入会の受け付けを、声のかけ方、最初に渡す書類、申込書で聞いておくこと、会費の扱い、そして入った後の3か月までを一続きの手順として整理します。

入会の起点が、町内会とはそもそも違う

町内会や自治会の加入は、転入した世帯に声をかけるところから始まります。役所の窓口や不動産会社、あるいは引っ越しのトラックが起点になるので、誰が新しく来たのかは自然に分かります。老人クラブの入会には、この起点がありません。同じ地域に何十年も住んでいる人が、ある年から会員になるかどうかという話だからです。誰かが年齢に達したことは、外からは見えません。

対象になる年齢は、全国老人クラブ連合会の説明では概ね60歳以上とされています。

入会を希望する高齢者で、概ね60歳以上の方を対象としています。 出典: zenrouren.com

ところが、この年齢と実際の入会年齢は大きく離れています。全国老人クラブ連合会が令和5年度に行った実態調査では、単位クラブの困りごとの上位に「就労年齢が高くなっている」が挙がっています。60代はまだ働いているので、声をかけても入りません。同じ調査では、会員の年齢構成は80歳以上が54.0%、75歳から79歳が22.5%、70歳から74歳が15.8%、70歳未満は7.7%です。実質的に、入会の話が現実味を帯びるのは仕事を離れた後になります。

このずれを踏まえずに「対象は60歳以上です」とだけ書いたチラシを回すと、受け取った側は自分の話だと思いません。案内の文面は、年齢の下限を書く代わりに「仕事を離れて、平日の昼に時間ができた方へ」といった状態で書いたほうが届きます。入会の受け付けは、書類を整える前に、誰に向けて出す言葉なのかを決めるところから始まります。

年に入る人は3人弱。仕組みより1人ずつの段取りで足りる

受け付けの形を決めるとき、まず規模を把握しておくと過剰な仕組みを作らずに済みます。同じ実態調査では、1クラブあたりの会員数は平均49人、男性19人、女性30人です。そして1年間の動きは、入会者2.8人、逝去者1.9人、退会者1.8人で、差し引き0.9人の減という数字になっています。

つまり、平均的な会で1年に受け付ける入会は3人に届きません。オンラインの申込フォームを作り込んだり、受付担当を新設したりする規模ではありません。必要なのは、3人を取りこぼさないための手順です。声をかけた人の名前を書き留める紙が1枚あり、返事を聞く日が決まっていて、入ると決まったときに渡すものが箱に入っている。この3つで足ります。

逆に言えば、1人取りこぼすと年間の増減がそのまま変わります。入会と退会が同じ桁で動いているので、受け付けの雑さが会員数に直接効きます。「そのうち返事をもらおう」と考えて2か月置くと、その人は入りません。声をかけた日から返事を聞く日までを2週間以内に置くことを、最初の決めごとにしてください。

もう1つ押さえておきたいのは、逝去者が退会者とほぼ同数いることです。名簿から名前を消す作業が、入会の受け付けと同じ頻度で発生します。入会の手順だけを整えて退会と逝去の手順を決めずにおくと、名簿と実態がずれていきます。この点は後の節で扱います。

声をかけているのは、ほとんどが会長と役員

入会を増やしたいという話になると、勧誘の方法から議論が始まりがちです。しかし実態調査を見ると、先に手を入れるべきなのは方法ではなく分担のほうだと分かります。加入促進に取り組んでいるクラブは85.9%ありますが、主に誰が取り組んでいるかを聞くと、役員等リーダーが59.0%、会員全員が35.5%、担当者を置いているのは3.1%にとどまります。

同じ調査では、会長の平均年齢は78.5歳、平均在職年数は6.4年、在職10年以上が18.7%です。78歳の会長が、会計も行事も勧誘も抱えている構図が浮かびます。困りごとの上位に「会長や役員になり手がいない」が入っているのも、この負荷の裏返しです。

入会の受け付けを整えるというのは、実務としては、この一極集中を少し崩す作業になります。手をつけやすいのは次の3点です。

・声をかける相手を会員全員で出し合う。決めるのは会長でよいが、候補を挙げるのは全員でやる ・訪問して話すのは、その人と昔から付き合いのある会員に頼む。役職ではなく関係で選ぶ ・書類を渡す役と、返事を聞く役を分ける。同じ人が2回訪ねると催促に見える

加入促進に有効だとされた取り組みも、順位を見ると納得がいきます。各クラブにおける勧誘が73.8%、住民へのクラブのPRが63.4%、体験型行事の開催が42.2%です。個別に声をかけることが最も効くと現場が答えているわけで、これは会長ひとりの体力の問題に置き換わります。

案内を置く場所は、声をかける前に決めておく

個別に声をかけることが最も効くという結果は出ていますが、声をかける側の人数には限りがあります。あらかじめ案内を置いておけば、こちらから動く前に問い合わせが来ることがあります。老人クラブの場合、置き場所には地域ならではの候補があります。

実態調査では、老人クラブが協力を得ている関係機関や団体として、町内会や自治会が約80%、市区町村の行政が約57%、社会福祉協議会が約49%と回答されています。すでに関係のある先が3つあるということです。案内の紙を置かせてもらう相談は、この3か所から始めるのが自然です。

具体的な置き場所として現場で使われているのは次のあたりです。

・公民館と集会所の掲示板。総会や例会でも使う場所なので、会員の目にも入る ・老人憩いの家。実態調査では例会や総会の開催場所として13.1%が挙げており、日常的に高齢者が集まる ・地域包括支援センターの窓口。相談に来た家族が持ち帰る ・市区町村の広報紙。年に1回でも載せてもらえると問い合わせが動く ・かかりつけの診療所や薬局の待合。置かせてもらえるかは相談次第

置く紙は、入会申込書ではなく案内の1枚にしてください。いきなり申込書があると、その場で書かなければならない空気になり、手に取ってもらえません。案内には、活動の日と場所、年会費、連絡先の電話番号の4つを大きく書けば足ります。詳しい説明は、電話が来てからで間に合います。

最初に渡す5点を、箱に入れて用意しておく

入ると決まった人に何を渡すかは、その場で考えると必ず抜けます。次の5点を封筒にまとめ、10部ほど作って会長の家に置いておくのが実務的です。

・会則。改正した年月日を入れる。文字は大きめに組み直す ・年間の予定表。行事名と日付と場所だけの1枚。会費で何をするかが伝わる ・会費の案内と領収の控え。金額、納める先、年度途中に入った場合の扱いまで書く ・連絡の受け取り方の案内。どの経路で何が届くかを書く。この項目は後述する ・緊急連絡先の届出用紙。本人以外の連絡先を1つ書いてもらう

会則を渡す会は多いのですが、年間の予定表を一緒に渡している会は多くありません。入るかどうかを迷っている人が本当に知りたいのは、規約の条文ではなく「月に何回、どこへ行くことになるのか」です。実態調査では、単位クラブが実施している活動は平均10項目で、清掃活動が79.2%、地域行事への参加が67.5%、新年会や忘年会などが62.3%、軽スポーツが56.8%、安否確認や声かけ活動が53.2%という順です。予定表を見せると、この幅が一目で伝わります。

紙の作り方にも条件があります。会員の半数以上が80歳以上である以上、細かい字は読まれません。本文は14ポイント以上、行間は広め、色は黒1色で十分です。薄い灰色の文字や、写真の上に文字を重ねたレイアウトは避けてください。

申込書で聞くこと、聞かないこと

申込書の項目は、多くすると書いてもらえません。手が震える人が多いので、記入欄は大きく取り、書く量を減らします。必要なのは次の範囲です。

・氏名、ふりがな、生年月日 ・住所と電話番号 ・緊急時に連絡してよい人の名前、続柄、電話番号 ・参加しにくい曜日や時間帯があるか ・集合場所まで自力で行けるか、送迎の相談が必要か ・写真を会報や掲示に使ってよいか

逆に、入会の時点で聞かないほうがよい項目があります。持病の名前、服薬している薬、要介護の認定区分、収入や年金の額です。安否確認の活動をしている会だと「聞いておいたほうが安全では」という声が出ますが、入会の申込書は本人が自分で書く書類であり、健康の状態を書かせる場ではありません。必要が生じたときに、本人と家族に個別に確かめるほうが確実です。

書いてもらった情報を何に使うかは、申込書の下部に明記します。「会費の徴収、行事の案内、緊急時の連絡のために使用し、会長および班長が取り扱います」といった書き方で、渡る相手まで書いてください。ここを書かずに名簿を作ると、後で名簿を配る段になって根拠がなくなります。

写真の可否を最初に聞いておくのは、老人クラブでは特に効きます。行事の写真を会報や掲示板に載せる機会が多く、後から「載せないでほしい」と言われると刷り直しになるためです。可否は年に1回、総会のときに聞き直す形にしておくと、気が変わった人を拾えます。

連絡をどの経路で受け取るかを、入会の日に決める

老人会の入会で最も抜けやすいのが、この項目です。連絡は回覧と電話で回ればよいという前提が長く続いてきましたが、会員の年齢構成を考えると、その前提はもう1本だけでは成り立ちません。

総務省の令和7年版情報通信白書によれば、インターネット接続端末としてのスマートフォンの利用率は、2024年時点で60代が78.8%、70代が53.0%です。

高齢者層でも、60代(2011年:2.5%、2024年:78.8%)、70代(2011年:0.7%、2024年:53.0%)のいずれも大きく増加しており、高齢者層を含めスマートフォンがインターネット接続端末の主流となっている 出典: soumu.go.jp

70代で半々ということは、会員の半数以上を占める80歳以上ではさらに下がります。全員に同じ経路で届けることはできません。だからこそ、入会の日に1人ずつ決めておきます。申込書に次の3択を置いてください。

・本人の携帯やスマートフォンに直接届ける ・家族の携帯に届ける。届け先の名前と続柄を書く ・紙で届ける。誰が届けるかを決める

家族に届ける経路を用意しておくのは、老人クラブでは現実的な選択です。同じ白書によれば、LINEの利用率は60代で2024年に91.1%に達しています。会員本人は端末を持っていなくても、同居または近隣の子世代はほぼ持っている計算になります。中止の連絡が当日の朝に必要になる会ほど、この2段構えが効きます。

3択のどれを選んだかは、名簿に1列足して記録します。この列があるかないかで、次の会長に引き継いだときの苦労が変わります。

会費の額と、年度途中に入った人の扱い

会費は入会の相談で必ず聞かれます。相場を把握しておくと答えやすくなります。実態調査では、会員1人あたりの年間会費は1,000円から1,499円が43.0%で最多、1,000円未満が14.9%、1,500円から1,999円が10.8%、2,000円から2,999円が16.5%、3,000円以上が3.5%です。6割近くが1,500円未満に収まっています。

金額が小さいので、年度途中の入会をどう扱うかは、公平さの問題というより手間の問題として決めてください。月割りにすると、集める側も納める側も端数の計算が要ります。実務的には次のどちらかです。

・年度の前半に入った人は全額、後半に入った人は半額。境目の月を会則か内規に書く ・年度内はいつ入っても全額。ただし翌年度の会費は入会月から12か月分として扱う

どちらでもよいので、口頭の慣習ではなく紙に書いておくことが要点です。会長が代わったときに扱いが変わると、必ず苦情になります。

会費の位置づけも説明できるようにしておくと、納得が得られやすくなります。実態調査による1クラブあたりの年間収入は平均で約43万円、その内訳は行政の補助金が86,738円、会費が52,450円、社協や町内会からの補助金や助成金が46,443円などとなっています。会費だけで活動しているわけではなく、公的な支援が入っている構造です。この背景には老人福祉法があります。

地方公共団体は、老人の福祉を増進することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他当該事業を行う者に対して、適当な援助をするように努めなければならない。 出典: laws.e-gov.go.jp

「会費は年1,200円ですが、活動費の多くは市の補助で賄われています」と一言添えるだけで、金額の話が単なる出費の話ではなくなります。

準会員と協力会員という受け皿を使う

年齢が届いていない人や、隣の地区に住んでいる人から「参加したい」と言われることがあります。断ってしまうと、その人は数年後にも入りません。実態調査では、会員に準じる制度を設けているクラブが21.8%あり、その内容は正会員の年齢に達していない者が49.1%、クラブの地域以外の近隣高齢者が18.2%、外部の関係団体等の協力者が7.7%という順です。全国老人クラブ連合会も、準会員や協力会員の制度で60歳未満の参加を受け付けているクラブがあると説明しています。

この制度を先に作っておくと、受け付けの判断が速くなります。決めておくのは次の3点です。

・会費をいくらにするか。正会員の半額か、行事ごとの実費のみか ・総会での議決権を持つか。持たない扱いが一般的 ・名簿に載せるか。載せる場合、正会員と欄を分ける

議決権の扱いを曖昧にしたまま人数だけ増やすと、総会の定足数の数え方でもめます。受け入れる前に会則へ1条足しておくほうが、後から直すより手間がかかりません。

名簿をどこまで配るかを、入会の前に決めておく

老人クラブの名簿は、町内会の名簿と使われ方が違います。安否確認や声かけ活動を行っている会が半数を超えているため、名簿が実際に地域を歩くときの手元資料になります。だからこそ、配る範囲を決めておかないと、必要以上に広がります。

決めておくとよい線引きは次のとおりです。

・全員に配るのは、氏名と地区までの一覧にとどめる ・住所と電話番号が載る名簿は、会長、副会長、班長までとする ・緊急連絡先が載る名簿は、会長と班長のみが持つ。持ち出す先を決める ・年度が変わったら、前年度の名簿は回収して処分する

処分の手順まで書いておくことが要点です。役員が代わるときに古い名簿が家に残り、そのまま何年も置かれている状態は珍しくありません。返してもらう相手と時期を決めておけば、そこで止まります。

迷っている人が本当に気にしている4つのこと

入会を勧められた人が口に出す断り文句と、実際に気にしていることは一致しません。現場でよく聞くのは次の4つで、どれも案内の紙に1行書いておけば先回りできます。

第1に、役が回ってくるのではないかという心配です。会員数が減っている会では、入って2年目に班長を頼まれる例が実際にあります。「入会から2年間は役職を頼まない」と決めて口頭で伝えるだけで、返事が変わることがあります。

第2に、行事に全部出なければいけないのかという心配です。実態調査では単位クラブの活動は平均10項目あり、外から見ると忙しそうに映ります。年間の予定表を渡して「出られるものだけで構いません」と添えると、この誤解は解けます。

第3に、会費のほかにお金がかかるのではないかという心配です。旅行の積立や、慶弔の負担がどうなっているかを、会費とは別に説明してください。実態調査の会費は旅行の積立などを除いた金額です。同じ扱いで説明しないと、後から話が違うと言われます。

第4に、辞めたいときに辞められるのかという心配です。退会と休会の手順が決まっていることを先に伝えると、かえって入りやすくなります。出口が見えている集まりのほうが、入口をくぐりやすいのは老人クラブでも同じです。

断られたとき、保留になったときの残し方

声をかけて断られると、その場で話は終わったように見えます。しかし老人クラブでは、断りの理由がその年の事情であることが多く、翌年には状況が変わっています。よく聞くのは「まだ働いている」「親の介護がある」「膝が悪いので歩けない」の3つです。前の2つは時間が解決し、3つ目は行事の選び方で変わります。

そこで、断られたときに次の3点だけ書き留めておきます。

・声をかけた日と、かけた人の名前 ・断りの理由を1行で。働いている、介護中、体調、興味なし の4分類でよい ・次に声をかけてよい時期。1年後、2年後、声をかけない

この紙が翌年の勧誘の材料になります。前回と同じ人が同じ話をしに行くより、理由を踏まえて別の話をしに行くほうが通ります。膝が悪いと言われた人には、清掃活動ではなく座ってできる集まりの日を伝える、という具合です。

退会と逝去の受け付けを、同じ紙の裏に書いておく

入会の手順だけを整えると、名簿は必ずずれます。実態調査の数字では、年間の逝去者が1.9人、退会者が1.8人で、入会者2.8人とほぼ同じ規模です。受け付けの手順を書いた紙の裏に、次の流れを書いておいてください。

・退会の申し出を受けたら、理由を聞きすぎない。1行だけ記録する ・会費を返すかどうかを決めておく。返さない扱いが多いが、会則に書く ・名簿から消す日と、連絡の経路から外す日を同じ日にする ・逝去の場合、慶弔をどうするかを会則に沿って確認する

慶弔は会の支出として実際に組まれています。実態調査による1クラブあたりの年間支出は平均で約24万円、そのうち運営費の慶弔費が12,099円を占めます。金額の多寡ではなく、誰がどのタイミングで動くかを決めておくことが大切です。訃報が届いてから会則を探すことになると、対応が間に合いません。

休会の扱いも決めておくと、退会を減らせます。入院や施設への入所で1年ほど参加できなくなる人がいます。そのときに退会しか選べないと、名簿から消えて戻ってきません。会費を免除して籍を残す休会の枠があれば、退院後に戻る道が残ります。

入った後の3か月で、続くかどうかが決まる

入会の受け付けを整える目的は、書類を揃えることではなく、入った人が残ることです。老人クラブでは、最初の3か月で顔なじみができるかどうかがそのまま定着に効きます。次の3つを段取りとして決めておいてください。

・最初の行事に、誘って一緒に行く人を1人決める。会長ではなく、同年代の会員がよい ・最初の集まりで、全員の前で名前を紹介する時間を30秒だけ取る ・1か月後に、誘った人が電話で1回だけ様子を聞く

3つ目を入れておくと、来なくなった理由が拾えます。行事が合わなかったのか、送迎が難しかったのか、体調なのかで、次の手が変わります。何も聞かないまま半年が過ぎると、退会の連絡だけが来ます。

新しく入った人に役職を頼むのは、少なくとも1年は待ってください。会員数が減っている会ほど、入ったばかりの人に班長を頼みたくなります。しかしそれをやると、次に声をかけた人にも「入ったら役が回ってくる」という話が伝わり、勧誘そのものが難しくなります。

入会まわりを1か所に寄せるとき、何を見て選ぶか

申込書、名簿、連絡経路の記録、断られた記録、退会の記録。ここまでに挙げた紙は、全部そろえても5種類です。この5種類が会長の家の別々の場所にあると、次の会長に渡すときに必ず欠けます。1か所に寄せる方法を検討するなら、次の3点で判断してください。

第1に、会員側に新しいIDとパスワードを増やさないこと。第2に、名簿と連絡の経路が同じ場所にあること。第3に、役員が代わったときに引き継ぐものが1つで済むこと。

比較の材料として、いま使われている手段の性質を押さえておくと選びやすくなります。すでに家族との連絡でLINEを使っている会員が多い会では、その延長で運用したくなりますが、グループの人数や過去のやり取りの残り方に癖があります。その違いはLINEグループとの比較にまとめてあります。地域の団体で使われることの多いBANDについては、掲示板や予定表の持ち方が異なるため、BANDとの比較が判断の材料になります。会員以外の目に触れる範囲が気になる場合は、参加者を限定しない形の掲示板がどう見えるかを扱ったLINEオープンチャットとの比較を先に読んでおくと、名簿の扱いを決めやすくなります。

会員の名前と連絡先を置く以上、メンバー以外は見られないという条件は外せません。老人クラブの名簿には、緊急連絡先や独居かどうかといった情報が事実上ぶら下がるためです。

老人会の入会でつまずくのは、書類ではなく引き継ぎの部分

同じ地域の団体でも、町内会は世帯を単位に加入を受け付け、老人クラブは個人を単位に受け付けます。この違いが、書類の作り方より引き継ぎの部分に効いてきます。世帯単位なら住所が変わらない限り情報は動きませんが、個人単位では、入院、施設への入所、逝去、連絡先の変更が毎年数件ずつ発生するからです。平均49人の会で年に6件ほど動くと考えると、名簿は1年で1割強が書き換わる計算になります。

町内会と老人クラブを兼務している役員も多く、地域の連絡がどう流れているかを合わせて見ておくと重複が減らせます。地区の側の運用は町内会での使われかたに整理してあり、参加者の入れ替わりが早い集まりの運用はサークルでの使われかたが近い形になります。導入の可否を判断する前に出てくる疑問はよくある質問にまとめてあります。

会長の平均年齢が78.5歳、平均在職年数が6.4年という数字は、入会の受け付けを個人の記憶に依存させてはいけないことを示しています。6年に1度は必ず引き継ぎが起きます。そのとき渡すものが、封筒1つと名簿1つに収まっているかどうか。入会の受け付けを整えるというのは、突き詰めればその状態を作ることです。

年に3人に満たない入会を、会長の記憶と手帳だけで回している会は今も多くあります。それでも回っているうちは問題が見えませんが、会長が体調を崩した年に、声をかけた相手も、返事を待っている相手も、誰にも分からなくなります。紙を5種類そろえて1か所に置くという作業は、その年に効いてきます。今年の入会を増やすためではなく、来年の会長が困らないために手をつける、という順番で考えると着手しやすくなります。

Q1. 老人会の入会は何歳から受け付けられますか?

全国老人クラブ連合会の説明では、概ね60歳以上が対象とされています。ただし実態としては、会員の54.0%が80歳以上で、70歳未満は7.7%にとどまります。60代はまだ働いている人が多いため、年齢の下限を案内するより、仕事を離れた人に向けた言い方をしたほうが届きます。準会員や協力会員の制度で60歳未満を受け入れている会もあります。

Q2. 入会の申込書には何を書いてもらえばよいですか?

氏名とふりがな、生年月日、住所、電話番号、緊急時に連絡してよい人の名前と続柄、参加しにくい曜日、送迎の要否、写真を会報に使ってよいかの8項目で足ります。持病や服薬、要介護の認定区分は入会時には聞かず、必要が生じたときに本人と家族へ個別に確かめてください。用途と取扱者は申込書の下部に明記します。

Q3. 年度の途中で入会した人の会費はどうしますか?

月割りにすると端数の計算が毎回発生するので、前半は全額、後半は半額といった単純な区切りにするか、いつ入っても全額にするかのどちらかを会則か内規に書いておく方法が実務的です。会員1人あたりの年間会費は1,000円から1,499円が43.0%と最多で、6割近くが1,500円未満に収まっています。

Q4. 連絡はスマートフォンでよいか、紙が要るか、どう決めればよいですか?

入会の日に1人ずつ決めて名簿に記録してください。2024年のスマートフォン利用率は60代で78.8%、70代で53.0%です。会員の半数以上が80歳以上の会では全員を1本の経路に寄せられません。本人の端末、家族の端末、紙の3択を用意し、家族に届ける場合は届け先の名前と続柄まで書いておきます。

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