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避難所の仕切りの作り方|手に入る材料で区切る

2026年10月2日 ・ Tsudoo編集部

避難所の仕切りは、専用の製品が届く前に手元の材料で作ることになります。体育館に人が入りはじめてから「何で区切るか」を考えはじめると、区切る前に場所取りが終わってしまいます。この記事では、段ボール箱で仕切りを作る具体的な手順と、材料が足りないときの代わりの作り方、高さと寸法の決め方、そして地域で備蓄と訓練をどう決めておくかを順にまとめます。

仕切りが先に要る理由

体育館に避難した場合、他の避難者と横になって並ぶ状態が想定されます。そこで必要になるのが、空間を区切り、目線を遮ることができる仕切りです。仕切りがあると、着替えができ、子どもを寝かせられ、体調の悪い人が横になれます。仕切りが無いまま数日が過ぎると、眠れない人が増え、体調を崩す人が出ます。

被災して体育館などの避難所で避難生活を送ることになった場合、他の避難者と雑魚寝状態で過ごすことが想定されます。そこで必要になるのが、空間を区切り、目線を遮ることができるパーティションです。最近では、パーティションは避難所での感染症対策としても注目されています。 出典: yomiuri.co.jp

国のガイドラインも、仕切りを後回しにしない立場を取っています。開設の時点から仕切りと簡易のベッドを確保することを目指すという考え方が示されており、その理由として、床に長く横たわっていると血の流れが滞って起きる症状を招くだけでなく、埃を吸い込むことによる体調の悪化も心配されることが挙げられています。仕切りは生活の質の話だけでなく、体を守る話として扱われています。

もう1つの理由は、場所取りです。人が入って場所取りが始まると、あとから並べ替えることは実際には難しくなります。仕切りを先に立ててしまえば、それが区画の境界になり、並べ替えを頼む必要がなくなります。仕切りは目隠しの道具でありながら、区画を確定させる道具でもあります。

そして仕切りには、感染症への備えという役目も加わりました。飛沫を直接受けないだけでなく、体調を崩した人の場所を区切って分けられます。専用の場所を用意する際にも、床に線を引くだけでは伝わらず、立てて見せる必要があります。

段ボール箱2つで土台と衝立を作る

もっとも早く作れるのは、段ボール箱を使う形です。用意するものは段ボール箱2つ、粘着テープ、はさみの3つだけで、避難所に届く物資の梱包をそのまま使えます。

作る順番は4つに分かれます。1つ目に、土台にする段ボール箱の上下を開きます。2つ目に、箱の角にあたる部分を縦に切り取ります。角の折れ目を中心に、左右の幅が同じくらいになるように切ると、同じ形のパーツが4つできます。3つ目に、できたパーツを三角形が2つできるように折り、粘着テープでとめます。これで土台が1つ完成します。真ん中の隙間は、そのまま開けておきます。4つ目に、土台を2つ並べ、その真ん中の隙間に、もう1つの段ボール箱を開いて差し込みます。これで衝立の形になります。

土台の間隔は、差し込む段ボールの大きさに合わせて調整します。段ボール箱が大きい場合は、土台を3つや4つ使います。差し込む側の段ボールを開いて1枚の板にすると幅が出るため、1世帯の頭側を隠すくらいの面積は作れます。

この作り方の良いところは、道具を選ばないことです。はさみが無ければカッターでも、粘着テープが無ければ養生テープでも作れます。折り目が付いた段ボールは手でも裂けるため、力の弱い人でも作業に加われます。1つ作るのに慣れれば数分で、数十人で並んで作れば体育館の1区画分が1時間ほどで立ち上がります。

作るときに気を付ける点が2つあります。切り取る位置を目分量でそろえないことです。左右の幅がずれると三角形がゆがみ、立てたときに傾きます。もう1つは、テープを内側にも貼ることです。外側だけだと、荷重がかかったときに開きます。

倒れる、滑る、低すぎるを直す

段ボールの仕切りは、作ったあとに3つの問題が出ます。どれも先に分かっていれば手が打てます。

1つ目は、倒れるかどうかです。この土台は意外にしっかりしていて、仕切りの上部を押してもなかなか倒れません。三角形が2つ並ぶ形が、前後の力を受け止めるためです。倒れることを心配するより先に、次の問題を考えるほうが実際的です。

2つ目は、横に滑ることです。軽いのですぐ横にずれてしまいます。直し方は簡単で、土台の三角形の中に何か重しを入れます。水の入ったペットボトル、本、たたんだ毛布などが使えます。重しを入れるだけで横滑りは解消します。体育館の床は滑りやすいため、この一手間を省くと、人が通るたびに仕切りの位置が動きます。

3つ目は、高さです。差し込む段ボールが小さいと、座っている人の目線より低くなります。低い仕切りは、床に座ったときに目が合わないだけで、立ち上がると全部見えます。着替えのためには足りません。高さを出したい場合は、段ボールをつなげて縦に長くします。つなぐときは重なりを広く取り、両面にテープを貼ります。

段ボールの大きさを変えれば、もっと大きい仕切りにもなります。いくつかつなげることもできるため、状況に合わせて調整できます。1世帯の四方を囲むなら、衝立を4枚作って角でつなぎます。角はテープで固定せず、蝶番のように折れる形にしておくと、たたんで片付けられます。

材料が足りないときの代わりの作り方

段ボールが足りない場面は珍しくありません。届く物資が箱ではなく袋で来ることもあります。そのときに使える代わりの作り方を、地域の備蓄に合わせて用意しておきます。

ブルーシートとひもを使う形は、もっとも材料が手に入りやすい方法です。体育館の壁のフックや、バスケットゴールの支柱、窓枠の金具にひもを渡し、そこにブルーシートを洗濯ばさみや結束バンドで留めます。天井から下げるのではなく、腰から上の高さに水平のひもを1本張って、そこに掛けるだけでも目隠しになります。ひもを張る位置を決めるときは、非常口の表示と通路をふさがないことを先に確かめます。

物干し竿と突っ張り棒を使う形も使えます。竿を2本立てて、その間にシートや毛布を掛けます。立てる部分をどう固定するかが要点で、段ボール箱に水の入ったペットボトルを詰めて、その中央に竿を差し込む形が現実的です。学校の施設なら、跳び箱や平均台を支えにできることもあります。

毛布を使う形は、材料が避難所に必ずある点で優れています。毛布を洗濯ばさみでつなげて壁を作れます。弱点は、毛布を仕切りに使うと寝具が足りなくなることです。夜は寝具に戻す前提で、昼だけ仕切りにする運用になります。

机と椅子を並べる形は、目線を遮る高さが出ませんが、区画の境界としては十分に機能します。机を横に倒して天板を立てると高さが出ます。学校の施設で人手がある場合は、これが一番早い方法になります。

どの方法を取るにしても、材料をどこから持ってくるかを先に決めておきます。当日に施設の備品を勝手に使うと、あとで揉めます。使ってよい備品と使ってはいけない備品を、平時に施設の管理者と話して紙に書いておきます。

地域の商店や事業所に声をかけておく手もあります。家具や家電を扱う店には大きな段ボールが常に出ており、引き取りの約束を平時に取っておけば、当日に運び込めます。約束するときは、誰が取りに行くか、何で運ぶか、連絡は誰から入れるかまで決めておきます。ここが曖昧なままだと、当日に電話をかけて断られます。年に1度の点検のときに、約束がまだ有効かを確かめる相手として名簿に加えておくのが確実です。

高さをどこまで上げるか

仕切りの高さは、上げれば上げるほどよいものではありません。決め方には2つの相反する要求があります。

1つは、目線を遮ることです。座ったときに視線が通らない高さは、床から1メートル前後です。着替えができる高さにするなら、立った人の肩まで、つまり1.4メートルから1.5メートルほどが必要になります。天井まで届く仕切りにすると、個室に近い状態になります。

もう1つは、見通しです。国のガイドラインは、プライバシーを確保する観点から間仕切りで世帯ごとのエリアを設けることを促しながら、その際に防犯のため見通しを確保することに留意するよう書いています。完全に囲うと、中で起きていることが分かりません。子どもへの声かけができず、体調を崩した人に気づけず、盗みや暴力が起きたときに誰も分かりません。

現実的な決め方は、高さを場所によって変えることです。通路に面した側は座ったときの目線を遮る高さまでにして、奥側と隣の世帯との間は高くします。着替えのためには、囲いのある専用の場所を別に1か所作ります。全部の区画を完全に囲うよりも、この形のほうが人手も材料も少なく済みます。

夜間の照明との関係も見ておきます。高い仕切りが並ぶと、通路が暗くなります。通路側の照明を残す、非常口の表示が隠れない位置に立てる、この2つを守れば、夜の移動で転ぶ人が減ります。

クッションと枕を手元の材料で作る

仕切りと合わせて作られることが多いのが、クッションと枕です。どちらも作りが単純で、待っている時間に作れます。

ポリ袋で作る方法は、材料がポリ袋と、それを縛るひもか輪ゴムだけです。ポリ袋を開いて2分の1から3分の1ほど空気を入れます。袋の口を持って上から振り下ろすとうまく空気が入ります。あとは空気が漏れないように、ひもや輪ゴムでしっかり縛ります。体を押し当てても漏れないように、きっちり縛るのが要点です。

使い方には向き不向きがあります。壁に押しつけるように腰に当てて使うと、座るときに楽になります。耐久性はあまりないため、座布団のように上に座って使うのは無理があります。表面が滑るので、タオルなどがあれば巻くと多少滑らなくなります。空気を少なめにして枕にすると、多少音はしますが心地よく使えます。

体育館にあるボールも使えます。ボールの空気入れを使って空気を抜くと、枕にちょうどよい硬さになります。施設の備品を使うことになるため、これも事前に管理者と話しておく対象です。

クッションと枕が要る理由は、床に直接寝る時間を短くすることです。国のガイドラインも、床に長く横たわることによる体調の悪化を挙げて、開設時から簡易のベッドを置けるようにすることを勧めています。ベッドが届くまでの間を、手元の材料でしのぐという考え方になります。

区画の寸法を先に決めておく

仕切りを立てる前に、1世帯にどれくらいの面積を割り当てるかを決めておきます。決めずに立てると、最初に入った人の区画が広く、あとから来た人の区画が狭くなります。

国際的な基準では1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペースが示されており、国のガイドラインもこの数字を引いて、開設時から仕切りを設けて居住スペースを確保するよう促しています。4人の世帯なら14平方メートル、およそ4メートル四方に近い広さです。体育館の面積を3.5で割れば、その避難所で無理なく受け入れられる人数が出ます。

避難所の運営を机の上で疑似体験する図上訓練では、避難者を表すカード1枚が縦2メートル、横1.5メートルの3平方メートルを表す作りになっています。この大きさのカードを平面図に並べていくと、思っていたより早く床が埋まることが分かります。仕切りを立てる前に、この寸法で床にテープを貼って区画を示しておくと、案内する側も迷いません。

通路の幅も決めます。人がすれ違える幅として1メートル前後を取り、車椅子や担架が通る主要な通路は1.2メートル以上を確保します。通路が狭いと、夜間に人の頭をまたいで歩く状態になります。仕切りを立てると通路が見た目より狭くなるため、床に線を引く段階で通路を少し広く取っておくのが実際的です。

区画の向きも決めておきます。世帯の区画を同じ向きにそろえると、通路がまっすぐになり、見通しが確保できます。ばらばらの向きに立てると、袋小路ができて奥の人が出入りしにくくなります。

備蓄と設置訓練をどう決めるか

手元の材料で作る方法を知っていることと、当日に作れることは別です。国のガイドラインには、仕切りや簡易のベッドの設置訓練を実施するという項目が置かれており、備蓄と確保についても、仕切りと簡易のベッドを別々の項目として挙げています。

備蓄について決めることは3つです。何を何セット持つか、どこに保管するか、誰が在庫を確かめるかです。仕切りの専用の製品は場所を取るため、地域の倉庫に入る数には限りがあります。人数分をそろえるのではなく、着替えのための場所と体調を崩した人のための場所に使う分だけを持ち、残りは手元の材料で作るという割り切りをしている地域もあります。

段ボールを備蓄する場合は、湿気に弱いことを踏まえて保管場所を選びます。床に直接置くと下から湿ります。棚に上げるか、すのこを敷きます。年に1度の点検で、変形していないかを見ます。

訓練で確かめるのは、作り方を知っている人が何人いるかです。1人だけが知っている状態では、当日その人が来られなければ誰も作れません。防災訓練の中に30分だけ枠を取り、実際に段ボール箱2つで1つ作ってみる時間を入れます。作ったものを片付けずに、しばらく倒れないかを見ておくと、重しの必要性が分かります。

もう1つ確かめるのは、材料がどこにあるかです。段ボールは平時にはごみですが、災害時には資材になります。地区の集積所に出す前の段ボールをどこに置くか、避難所に届いた物資の梱包を捨てずに残す約束をどう伝えるかを、訓練の場で共有しておきます。

作った仕切りを、あとから直す前提にする

仕切りは1度立てたら終わりではありません。人数が増える、世帯が入れ替わる、体調を崩した人が出る、専用の場所が要るといった事情で、何度も動かすことになります。

動かす前提で作るなら、テープで固定しすぎないことが要点になります。角を完全にとめてしまうと、動かすときに壊すしかなくなります。折れる形にしておき、たためるようにします。片付けるときに壊さずに済めば、次の日にまた使えます。

もう1つは、誰が動かすかを決めておくことです。自分の区画を広げようとして仕切りを動かす人が出ると、隣が狭くなります。動かすときは運営の側に言う、という約束を掲示に1行書きます。区画の境界を床のテープで示しておけば、動かしても元に戻せます。

作ったものに名前を書かないという決め事も、意外に効きます。世帯の名前を仕切りに書くと、区画が固定され、あとから詰めてもらうときに動かしにくくなります。名前は受付で渡す札に書いてもらい、区画の入口に掛ける形にすると、移動のときに札だけを移せます。

数が足りなくなったときの優先順位も決めます。着替えのための場所、体調を崩した人のための場所、授乳のための場所、この3つを先に確保し、一般の区画は後回しにするという順番が、多くの運営で取られています。順番を決めていないと、声の大きい人の区画から立っていきます。

作り足す担い手も決めておきます。当日に手が空いている人が作る形だと、誰も作りません。班ごとに交代で作る当番にすると続きます。当番の割り振りは、避難所の運営の中でほかにも掃除やトイレの点検があるため、まとめて1枚の表にしておくのが実際的です。

段ボールベッドと組み合わせて考える

仕切りだけを立てても、寝る場所が床のままでは体がもちません。国のガイドラインは、仕切りと簡易のベッドを並べて挙げており、備蓄の項目でも両方を分けて書いています。仕切りの作り方を考えるときは、床から体を離す方法も一緒に考えておくのが順番として正しいです。

段ボールで作るベッドは、箱を並べて上に板を渡す作りが基本です。同じ大きさの箱を並べ、それぞれの箱の中に十字に仕切りを入れて強度を出し、その上に開いた段ボールを何枚か重ねて敷きます。箱の中の十字を省くと、上に乗ったときにつぶれます。専用の製品は組み立てるだけで形になりますが、届く前に作る場合は、この十字を入れる工程を省かないことが要点です。

高さは30センチから40センチほどが扱いやすい範囲です。立ち上がりやすい高さにすると、体を動かせなくなることを防ぐ効果も見込めます。国のガイドラインも、生活が不活発になるのを防ぐために立ち上がりやすいベッドを入れることは効果があると書いています。低すぎると床に寝るのと変わらず、高すぎると年配の人が上がれません。

ベッドと仕切りを組み合わせるときは、ベッドの側面を仕切りの支えに使えます。段ボールのベッドの縁に衝立を立てかけ、テープで軽くとめると、独立して立てるより安定します。区画の形も決まるため、並べ方が早く決まります。

組み立てに必要な人数と時間も、訓練で測っておきます。ベッド1台に2人で15分ほどかかるとすると、20台で5時間ほどの作業になります。この数字を先に持っていれば、当日に何人を組み立てに回すかを判断できます。

子どもと年配の人がいる区画で変わること

同じ作り方の仕切りでも、誰が使う区画かによって直すところが変わります。当日に調整できる範囲を先に知っておくと、声をかけられたときにすぐ動けます。

小さな子どもがいる区画では、仕切りが倒れてくることが心配になります。段ボールの衝立は軽いため、倒れても大きな怪我にはなりにくいものの、寄りかかって遊ぶと必ず倒れます。土台の重しを少し増やし、子どもが背をつける側には衝立を立てずに壁や跳び箱を当てる形にすると、心配が減ります。走り回る場所を別に確保しておくことも、結果として仕切りを守ります。

年配の人がいる区画では、通路の幅と、つかまる場所が要点になります。仕切りを支えにして立ち上がろうとすると、仕切りごと倒れます。手すりの代わりになるものを区画の入口に置くか、机を1つ置いて支えにできるようにします。夜にトイレへ行く経路が仕切りで曲がりくねっていると、転ぶ原因になります。年配の人の区画はトイレに近い側に置き、経路をまっすぐにします。

体調を崩した人のための場所は、区切るだけでなく、入口を1か所に絞ります。出入りする人を限るためです。仕切りを4枚使って囲い、1辺を出入口として開けておきます。換気ができるよう、窓に近い場所を選びます。

授乳と着替えのための場所は、完全に囲う数少ない例外になります。ここだけは見通しを捨てて、中が見えない形にします。かわりに、外に人が立って順番を整える役を置きます。囲いを1か所にまとめておけば、材料も人手も少なく済みます。

区画ごとの違いを当日に判断するのは難しいため、これらを図面の凡例として書き込んでおきます。どの区画をどこに置くかが図に入っていれば、当日は図の通りに立てるだけになります。

作る場所と、片付けたあとの扱い

仕切りを作る作業そのものが、体育館の床を占めます。人が入ってきてから作りはじめると、作業する場所がありません。作る場所を先に決めておきます。

向いているのは、体育館の外の渡り廊下や、使わない教室、玄関のホールです。段ボールを広げて切る作業には、1つ作るために2畳ほどの床が必要になります。雨が降っている場合は屋外が使えないため、屋内の候補を1か所は用意しておきます。図面にこの作業場所を書き込んでおけば、当日に探さずに済みます。

切りくずの扱いも決めます。段ボールを切ると細かい紙くずが出て、そのまま寝る場所に混ざると気になります。作業場所にごみ袋を1つ置き、作業が終わったら床を掃くところまでを一連の作業として書いておきます。

片付けたあとの段ボールをどうするかも決めます。使った仕切りをそのまま捨てると、次に必要になったときに1から作ることになります。たためる形に作ってあれば、たたんで保管できます。保管するときは、湿気を避けるため床から上げます。避難所の運営が終わるときに、備蓄として残す分と処分する分を分ける作業を、撤収の手順の中に1行入れておきます。

衛生の面から、使い回さないほうがよい場合もあります。体調を崩した人が使っていた区画の仕切りは、処分する扱いにしている運営が多いです。どの仕切りをどこで使ったかを覚えておくのは難しいため、専用の場所に使う分は色の違うテープで印を付けておくといった工夫が効きます。

連絡と記録を、どこに置くか

仕切りの作り方を知っている人が地域に何人いるかは、平時にどれだけ共有できているかで決まります。ここは道具の話ではなく、連絡と記録の置き場所の話になります。

作り方を紙で配ると、必要なときに手元にありません。防災訓練で1度説明しても、数年たてば忘れられ、役員が代われば引き継がれません。写真と手順を地域で見られる場所に保存しておき、訓練のたびに開く形にしておけば、その場で確かめられます。保存先が個人の端末の中にあると、その人が抜けたときに失われます。

日常の連絡と同じ場所に置くことにも意味があります。防災のためだけに新しい手段を入れても、年に1度しか開かれません。回覧の代わり、行事の連絡、当番の割り振りといった用事で毎週開かれている場所に、備えの資料も一緒に保存しておくほうが、当日に思い出されます。連絡が流れていく性質と、あとから探せる性質がどこで分かれるのかはLINEグループとの比較で整理しています。予定と出欠の扱いの違いはBANDとの比較で扱っています。

保存する内容に、避難者の名簿や区画の割り振りが含まれる場合は、見える範囲を確かめておきます。誰でも開ける場所に保存すると、住所や世帯の構成が外に出ます。連絡の場を作るときにメンバー以外は見られない状態が既定になっているかどうかで、この心配をする量が変わります。

班ごとの備えと全体の連絡が分かれている運営の形は町内会での使われかたに、学校の施設を使う場合の連絡の流れは学校での使われかたにまとめています。切り替えの判断で出やすい疑問はよくある質問にまとめています。仕切りを何で作るかという話は、結局のところ、当日に手を動かせる人が何人いるかという話に戻ります。

Q1. 避難所の仕切りは、段ボール箱いくつで作れますか?

段ボール箱2つ、粘着テープ、はさみの3つで1つ作れます。1つを土台用に切り分け、もう1つを開いて差し込む形です。段ボール箱が大きい場合は土台を3つや4つに増やします。折り目の付いた段ボールは手でも裂けるため、力の弱い人でも作業に加われます。

Q2. 作った仕切りは倒れませんか?

三角形を2つ組んだ土台はしっかりしていて、上部を押してもなかなか倒れません。問題になるのは横滑りで、軽いためすぐ横にずれます。土台の三角形の中に水の入ったペットボトルや本などの重しを入れると解消します。体育館の床は滑りやすいので、この一手間は省かないでください。

Q3. 仕切りの高さはどれくらいにすべきですか?

座ったときの目線を遮るなら床から1メートル前後、立った状態で着替えるなら1.4メートル前後が目安です。ただし完全に囲うと中の様子が分からなくなります。国のガイドラインは防犯のため見通しを確保するよう促しているため、通路側は低く、隣との間は高くする形が現実的です。

Q4. 1世帯にどれくらいの広さを割り当てればよいですか?

国際的な基準では1人当たり最低3.5平方メートルが示されており、国のガイドラインもこの数字を引いています。4人の世帯なら14平方メートルが目安です。通路は1メートル前後、担架や車椅子が通る主要な通路は1.2メートル以上を確保し、仕切りを立てる前に床のテープで区画を示しておきます。

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