防災訓練の題材が毎年同じで、参加者が減っている。この相談を受ける地域は多く、そこで名前が挙がるのが避難所運営ゲームです。机の上で避難所の運営を疑似体験する図上訓練で、道具はカードと図面だけです。この記事では、このゲームを地域の訓練で使うときの進め方を、用意するものから当日の流れ、進行役が押さえる点、購入と貸出の手続きまで順にまとめます。
避難所運営ゲームとは何か
避難所運営ゲームは、避難所の運営をみんなで考えるためのひとつのアプローチとして静岡県が開発した図上訓練です。避難者の年齢、性別、国籍などそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるのか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを疑似体験する作りになっています。
名前は、避難所のH、運営のU、ゲームのGという3つの頭文字を取ったものです。あわせて、この3文字には英語で抱きしめるという意味があり、避難者を優しく受け入れるというイメージと重ね合わせて名付けられています。この由来を最初に説明すると、参加者の構えが少し変わります。人を割り振る作業ではなく、受け入れる練習だという方向づけになるためです。
参加者はこのゲームを通して、配慮が必要な人に気を配りながら部屋割りを考え、炊き出しの場所や仮設トイレを置く場所を考え、報道機関の取材への対応といった出来事にどう応じるかを、思いのまま意見を出しながら話し合います。避難所の運営を学ぶという目的に対して、講義を聞く形ではなく、手を動かして考える形になっているのが特徴です。
地域の訓練として見た場合の利点は3つあります。1つ目は、道具が小さいことです。カードと図面と机があれば、公民館の1室でできます。炊き出しや放水のような大がかりな準備が要りません。2つ目は、話し合いが生まれることです。グループに分かれての演習になるため、参加者同士の交流や連帯感が生まれます。ふだん顔を合わせない班の人と、同じ机で意見を交わす機会になります。3つ目は、雨でも中止にならないことです。屋外の訓練は天候で流れますが、これは室内で完結します。
用意するもの
必要なものは、ゲームのセットのほかに5種類あります。当日に足りないと気づくことが多いので、先に並べて確かめます。
1つ目は机と椅子です。図面を広げる大きさの机が、グループの数だけ必要になります。体育館や和室に座って行う場合は、用紙を囲んで座る形でも構いません。2つ目は掲示板の代わりになるものです。黒板かホワイトボードを用意します。参加者が避難者に知らせる内容を書き出す場所として使い、これがあるかどうかで議論の質が変わります。
3つ目は筆記用具と紙です。図面には直接マジックで書き込みます。裏写りしないよう、机の上に新聞紙を敷いておきます。白紙は、決めたことを書いて掲示板に貼るために使い、意見交換のときのメモにもなります。付箋も用意します。4つ目は、説明に使う機器です。セットに付属している資料を使って説明する場合は、パソコンとプロジェクターが必要になります。広い会場で行う場合はマイクを使います。
5つ目は、時計です。このゲームは時間の圧力があることに意味があるため、進行役が時間を管理します。各グループに見える位置に時計を置くか、残り時間を掲示板に書きます。
会場の広さは、グループの数で決まります。1グループに机を2つ並べる程度の場所と、その周りを人が歩ける幅を見込みます。グループの間に距離を取らないと、隣の議論が聞こえて自分たちの判断が影響を受けます。同じ内容を扱いながら別の答えが出ることに意味があるため、この距離は取ったほうがよいです。
当日の流れ
進め方は6つの段階に分かれます。時間の配分は会場と人数で変わりますが、この順番は変わりません。
最初が道具の準備です。セット、机、マジックなど必要なものを並べます。次が参加者のグループ分けです。1グループ当たり6人から8人程度に編成します。この人数には理由があり、少なすぎると意見が出ず、多すぎると発言しない人が出ます。地域の訓練では、班をばらして組むか、班ごとにまとめるかを先に決めておきます。ばらして組むと交流が生まれ、班ごとにまとめると当日の動きに近い議論になります。
3つ目が概要の説明です。進行役が、ゲームの概要と進め方、条件、時間の予定を説明します。ここで説明が長引くと、手を動かす時間が削られます。説明は要点だけにして、細かい決め事は進行しながら伝えるほうが進みます。
4つ目が図上訓練です。与えられた課題への対応をグループで話し合います。ここが本体で、時間の大半をここに使います。5つ目が振り返りと質疑応答です。感想や意見の交換を行います。6つ目が総評と片付けです。進行役が総括した後、片付けて終わります。
グループ内での最初の一歩として、簡単な自己紹介をする時間を取ります。時間は5分程度です。ふだん顔を合わせない人と同じ机に着く場では、この5分を省くと最初の10分が沈黙になります。
カードの中身と、1枚が表す広さ
セットには、避難してくる人などを表現したカードが1セットに250枚入っています。250番は自由に記載できる白紙になっており、地域の事情に合う避難者を自分たちで書き足せます。
カード1枚の大きさは、縦2メートル、横1.5メートルの3平方メートルを表現しています。この寸法が重要です。図面の上に置いたカードの面積が、そのまま床の面積として読めるため、体育館がどれくらいで埋まるかが手で分かります。国のガイドラインが引いている国際的な基準では1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペースが示されており、カードを並べていくと、その基準に届かない詰め方になっていくことに参加者自身が気づきます。
カードに書かれているのは、上から、カード番号、世帯番号、住所、班、苗字、性別、年齢、続柄、自宅の状況、世帯の状況、特記事項です。特記事項の欄に、その人の抱えている事情が書かれています。介助が必要、乳児がいる、日本語が読めない、動物を連れている、といった内容です。この欄を読み上げたときに、グループの手が止まります。止まったところが、そのまま当日に判断が必要になる場面です。
図面はセットの資料に含まれており、A3の用紙4枚を印刷して貼り合わせると、カードと対応した大きさの体育館が再現できます。実際の体育館より小さめに設定されています。このほかに、教室などを再現した図面も収録されています。自分の地域の避難所の図面を使いたい場合は、カード1枚が3平方メートルであることに合わせて縮尺をそろえます。
進行に必要な説明用の資料も含まれており、説明する人のためのメモが書かれているため、初めて進行役をする人でも読み上げる形で進められます。
読み手の役割が、訓練の質を決める
グループの中に1人、カードを読み上げる役を置きます。この役の進め方で、訓練の緊張感が変わります。
まず、図面を机の上に広げ、読み手はカードを読み上げる準備をします。読み手はカードの1番から15番を読み上げ、机の上に出します。グループはここで作戦会議をして、どのように配置するかを考えます。必要に応じて通路や地区の名前を図面に書き込みます。誰ともなく受付を作ろうと言ったという内容のカードもあり、その場合は受付の場所を決め、図面の上に受付と書き込みます。
16番以降は、読み手がカードを順番に次々と読み上げ、プレーヤーに順番に手渡していきます。カードは1世帯分をまとめて読み上げます。世帯を分けて読むと、家族を離して配置してしまうためです。
読み手が守る点は4つあります。1つ目は、グループの中の人にどんな事情を抱えた避難者が来たのかを知らせるため、大きな声で読み上げることです。2つ目は、必ずカードを読み上げてから渡すことです。前のカードの内容を聞きながら、渡されたカードの内容を判断してもらうためです。3つ目は、前に読んだカードを置き終わる前に次のカードを読み上げることです。災害のときに避難者は待ってくれないためで、この間の詰め方が訓練の要になります。4つ目は、避難者に見立てたカードの扱いに注意することです。投げたり折ったりしないという当たり前のことですが、人を表す紙だという前提を進行役が最初に伝えておきます。
読み上げが追いつかず時間が足りなくなってきたら、読み手を2人にします。途中で終了してしまっても構いません。その場合は、残りのカードを確認して、どんな人が入りきらなかったのかを見ます。
プレーヤーの動き方
カードを受け取る側が守る点は2つです。1つ目は、迷って時間をかけすぎないことです。避難者は待ってくれません。思い切って判断し、あとから場所を移ってもらうことも選択に入れます。2つ目は、掲示板を活用することです。避難者に何かを知らせるときには有効な手段になります。
実際にやってみると、掲示板を使うグループと使わないグループで、進み方がはっきり分かれます。使わないグループは、同じ説明を来た人ごとに繰り返すことになり、途中で手が回らなくなります。使うグループは、決めたことを書いて貼ることで、次に来た人に同じ説明をしなくて済みます。この差は、実際の避難所でも同じ形で現れます。
もう1つ現れるのは、区画の決め方です。最初の15枚を置くときに世帯ごとの区画と通路を先に決めたグループは、後半も崩れません。空いている場所に順に置いていったグループは、途中で配慮が必要な人が来たときに動かせなくなります。国のガイドラインも、人が入って場所取りが始まるとあとから並べ替えることは実際には難しいと書いており、平時に空間の配置を決めておくことを促しています。ゲームの中でその難しさを体験すると、図面を先に作る意味が伝わります。
カードを全て配置したらゲームは終わりです。終わった時点で、図面を写真に撮っておきます。振り返りのときに他のグループと見比べるために使え、記録として残せます。
振り返りで何を引き出すか
振り返りは3つの段階で進めます。ここを省くと、体験だけが残って学びが残りません。
1つ目は、他のグループの様子を見ることです。避難者をどのように配置したのか、掲示板をどのように利用しているのかを見て、自分たちのグループと比べます。同じカードを同じ図面に並べても、結果は必ず違います。この違いを目で見ることが、正解が1つではないことの一番分かりやすい説明になります。
2つ目は、グループごとに感想と振り返りの意見を交換することです。まず個人で考えて、グループの中で発表します。他のグループに聞いてみたいことがあれば、まとめておきます。個人で考える時間を先に取らないと、発言の多い人の意見だけが残ります。
3つ目は、他のグループに質問することです。ただ聞くのではなく、自分たちのグループの意見と比べる形で聞きます。自分たちのグループでは何をどう考えて、こうしたが、他のグループではどうしたかという形です。たとえば、盲導犬を人と同じように扱うべきだと考えて家族と一緒に教室に入ってもらったが、他のグループではどうしたか、といった聞き方です。この形にすると、答える側も理由を話すことになります。
最後に、進行役から避難所の運営の要点や留意する点、訓練の中で改めて分かったことを総括して終わります。片付けのときに、カードは必ず番号順に並べます。次に使う人が並べ直す作業から始めることになるため、ここは省かないよう最初に伝えておきます。
振り返りで出やすい気づきは、毎回似た形で並びます。受付を作るのが遅れたこと、通路を取らずに詰めてしまったこと、配慮が必要な人の場所を先に空けておかなかったこと、掲示板を使わずに同じ説明を繰り返したこと、そしてトイレと炊き出しの場所を決めるのが後手になったことです。この5つは実際の避難所でも同じ順番で問題になります。進行役があらかじめこの5つを手元に持っておくと、意見が出ないときの呼び水にできます。
逆に、出てきた気づきを次につなげる形も決めておきます。出た意見のうち、平時に決めておけることと、当日に判断するしかないことを分けて書き出します。平時に決めておけることは、避難所開設のマニュアルや図面に書き足す対象になります。この分け方をしないと、感想だけが残って翌年に同じ議論をすることになります。
進行役が押さえておくこと
進行役を初めて務める人が気にするのは、正しい答えを示せるかどうかです。しかしこのゲームに正解はありません。いろいろなことに気付いてもらうことが大切だという立場で作られています。
そのため進行役の仕事は、答えを教えることではなく、気づきを言葉にしてもらうことになります。困った場面をそのまま流さず、なぜ困ったのかを聞きます。判断が分かれた箇所で、両方の理由を言ってもらいます。時間が足りなくて置けなかったカードがあれば、その人が実際の避難所ではどこに行くことになるのかを考えてもらいます。
進行役が用意しておくとよいのは、地域の事情に結びつける一言です。自分の地区の避難所は体育館が1つだけである、指定されている避難所まで歩いて20分かかる、高齢の世帯が多いといった事実を、振り返りの場で出します。ゲームの体験が自分の地区の話に接続されると、次の年の備えの議論になります。
進行の技術そのものについては、話し合いの進め方を専門にしている人から助言を受ける形の研修会も開かれています。災害の実例をもとに、避難所のあり方や運営について話を聞いたうえで体験に入ると、参加者の気づきが深まるという進め方が紹介されています。地域で初めて実施する場合は、市町村の防災の担当課に、経験のある進行役を紹介してもらえるかを聞いてみるのが早い道です。
もう1つ押さえておくことは、参加者の中に実際に被災した経験を持つ人がいる可能性です。当時の記憶が呼び起こされることがあるため、途中で席を外してよいことを最初に伝えておきます。
購入と貸出の手続き
セットの入手方法は2つあります。購入と、貸出です。
購入は、静岡県内の事業者が製造販売しています。販売価格は、その事業者の申込書で確かめる形になっているため、注文する前に申込書を取り寄せます。連絡先はゲームの案内ページに掲載されています。地域で1セットを持つか、市町村が持っているものを使うかは、実施の頻度で決めます。年に1度なら借りる形で足ります。
貸出には条件があります。購入の注文をしたが、使用したい期日に到着が間に合わない場合と、事前に試してみないと購入の判断ができない場合に限られています。つまり、毎年借りて済ませる使い方は想定されていません。貸出の期間は2週間以内で、借受の申請書は貸出の期間の10日以上前までに提出します。期限を過ぎた申請には対応できないことがあります。往復の送料は申請する側が負担します。
静岡県内の地域が実施する場合は、まず各市町に確認するよう案内されています。県外の場合も、自分の市町村が同じような教材を持っていることがあるため、先に防災の担当課に聞くほうが手続きが短くなります。市町村が持っている場合は、進行役の経験者も一緒に紹介してもらえることがあります。
申し込みの段取りを逆算すると、実施したい日の1か月前には動きはじめる必要があります。参加者への案内、会場の確保、机の手配、進行役の打ち合わせを含めると、それくらいの余裕が要ります。
内容を地域に合わせて直したいとき
やってみると、カードの内容を自分の地域に合わせたくなります。海に近い地区なら津波の事情を、山に近い地区なら土砂の事情を入れたくなります。ここには決まりがあります。
静岡県では、「避難所運営ゲーム(HUG)」の著作権・商標権を県の財産として登録しています。HUGの内容を地域の特色にあわせて改編したい場合は、「避難所HUG」使用取扱規程に基づく使用許可手続が必要になります。なお、作成した制作物を原則として対価の対象としないこと等が条件となります。詳細についてはお問い合わせをお願いします。 出典: pref.shizuoka.jp
つまり、勝手に作り替えて配ることはできません。改編したい場合は、定められた規程に基づく手続きを取ります。作ったものを売らないことなどが条件になります。地域で作った教材を近隣の地区に配りたいという話が出たときは、この手続きを踏むかどうかを先に確かめます。
改編せずに地域の事情を入れる方法もあります。白紙のカードが1枚含まれているため、そこに自分の地区で想定される避難者を書く形です。また、使う図面を自分の地区の避難所のものに差し替えれば、カードはそのままでも地域の訓練になります。図面の縮尺をカードに合わせるだけで済むため、こちらのほうが手間は少ないです。
案内のページで公開されている情報については、引用する場合の使用許可の手続きは不要とされており、静岡県のホームページからの引用であることを明記するよう案内されています。地域の資料に進め方を書き写す場合は、この一文を添えます。
時間の配分をどう組むか
実施の相談でいちばん多いのが、どれくらいの時間を見ておけばよいかという質問です。配分は会場と人数で変わりますが、組み方には目安があります。
全体で2時間を取れる場合は、準備と受付に15分、概要の説明に15分、自己紹介に5分、図上訓練に50分、振り返りと質疑応答に25分、総評と片付けに10分という配分が収まりやすいです。図上訓練に半分以上を割り当てるのが要点で、ここを削ると手を動かす時間が足りず、聞く会になります。
1時間半しか取れない場合は、概要の説明を10分に縮め、図上訓練を40分、振り返りを20分にします。それでも足りなければ、カードを全部配置することを目標にせず、途中で終わる前提で組みます。途中で終了しても構わない作りになっているため、残ったカードを見て「この人たちが入れなかった」と確かめる時間を取れば、学びは成立します。
逆に半日を使える場合は、図上訓練を2回行う形が効きます。1回目のあとに振り返りを短く挟み、同じカードでもう1度並べ直すと、1回目で気づいたことを試せます。2回目は区画と通路を先に決めるグループが増え、進み方がはっきり変わります。この差を参加者自身が体感できるため、平時に図面を作る意味が言葉の説明より伝わります。
時間を管理するのは進行役の仕事です。残り時間を掲示板に書き、10分を切ったら声をかけます。時間の圧力があること自体に意味がある訓練のため、余裕を持たせすぎると緊張感が消えます。
参加者の層ごとに変えるところ
同じ教材でも、参加する人の層によって進め方を調整します。調整するのは、説明の長さ、カードの枚数、振り返りの聞き方の3つです。
役員や自主防災の組織の人が集まる場では、説明を短くして図上訓練を長く取ります。この層は当日に判断する立場にあるため、迷った場面を細かく掘るほうが役に立ちます。振り返りでは、自分の地区の避難所で同じことが起きたらどうするかを聞きます。
子どもや中学生が参加する場では、カードの枚数を減らします。250枚を全部読み上げると集中が続かないため、最初の数十枚で区切って、その時点で振り返る形にします。特記事項の内容が難しいカードは進行役が言葉を補います。子どもは大人が思いつかない配置を出すことがあり、その意見を拾うと場が活気づきます。
年配の人が多い場では、机の高さと文字の大きさに気を配ります。カードの文字が読みにくい場合は、読み手を若い人が務める形にします。座って長時間続けるのが難しい人がいるため、途中で1度休みを入れます。
事業所や学校の職員が集まる場では、自分たちの施設が避難所になる前提で進めます。図面を実際のその施設のものに差し替えると、通路や出入口の話が具体的になります。どの部屋を何に使うかという議論がそのまま計画の下書きになるため、記録を残す価値が高くなります。
どの層でも共通して効くのは、最初に「正解はない」と伝えることです。正しい答えを探そうとすると手が止まり、時間内に終わりません。
地域の予定に組み込むときの段取り
題材が決まっても、人が集まらなければ訓練になりません。当日までの段取りは、案内、出欠の把握、当日の配置、記録の4つに分かれます。
案内では、何をするのかを具体的に書きます。避難所の運営を学ぶ訓練という書き方では、聞く会だと思われて申し込みが減ります。机の上でカードを並べながら話し合う形だと分かる書き方にすると、参加の判断がしやすくなります。持ち物がないこと、屋外に出ないこと、途中で抜けてよいことも書きます。
出欠の把握は、グループ分けに直結します。1グループ6人から8人で組むため、当日の人数が分からないと机の数が決まりません。回覧で回すと締め切りに間に合わないことが多く、電話で聞き直す作業が発生します。連絡と出欠を同じ場所で扱えるかどうかで、この手間が変わります。連絡が流れていく性質と、出欠を数えられる性質がどこで分かれるのかはLINEグループとの比較で整理しています。予定と出欠の扱いの違いはBANDとの比較で扱っています。
当日の配置では、班をばらして組むか、班ごとにまとめるかを決めておきます。ばらして組むなら、受付で番号を渡す形にすると早く座れます。記録では、各グループの図面を写真に撮り、振り返りで出た意見を1枚にまとめます。この1枚が、次の年の訓練の出発点になり、避難所開設のマニュアルを直すときの材料にもなります。
記録の保存先も決めます。役員の端末の中にあると、引き継ぎで失われます。地域で見られる場所に保存し、翌年の担当者が開ける状態にしておきます。写真に参加者の顔が写る場合は、見える範囲を確かめておきます。連絡の場を作るときにメンバー以外は見られない状態が既定になっているかどうかで、この心配をする量が変わります。
班ごとの連絡と全体の連絡が分かれている運営の形は町内会での使われかたに、学校の施設を使う場合の連絡の流れは学校での使われかたにまとめています。訓練の運営でよく出る疑問はよくある質問にまとめています。年に1度の訓練を、次の年につながる形で残せるかどうかは、当日の中身よりも記録の置き場所で決まります。
Q1. 避難所運営ゲームは何人くらいで実施できますか?
1グループ6人から8人程度で編成します。1グループでも実施できますが、他のグループと結果を見比べる時間が振り返りの中心になるため、2グループ以上あると学びが深まります。会場は1グループに机2つ分と、その周りを歩ける幅を見込みます。
Q2. セットはどうやって入手しますか?
静岡県内の事業者が製造販売しており、販売価格は申込書で確かめる形になっています。貸出もありますが、注文が使用日に間に合わない場合と、購入前に試す場合に限られ、期間は2週間以内、申請は貸出期間の10日以上前、往復の送料は申請する側の負担です。まず自分の市町村の防災の担当課に問い合わせるのが早い道です。
Q3. カードの内容を自分の地域向けに作り替えてもよいですか?
著作権と商標権は静岡県が持っており、内容を地域の特色に合わせて改編する場合は、定められた規程に基づく使用許可の手続きが必要です。手続きを取らずに地域の事情を入れたい場合は、セットに含まれる白紙のカードに書き足すか、使う図面を自分の地区の避難所のものに差し替える方法があります。
Q4. 進行役の経験がなくても実施できますか?
できます。セットには説明用のメモが付いた資料が含まれており、読み上げる形で進められます。進行役の仕事は正解を教えることではなく、困った場面や判断が分かれた箇所の理由を言葉にしてもらうことです。初めての場合は、市町村の防災の担当課に経験のある進行役を紹介してもらえるか聞いてみてください。
