老人会の会費について役員会で話が出るとき、論点はたいてい2つに分かれます。金額をいくらにするかと、どうやって受け取るかです。前者は総会で決められますが、後者は決めても実行できないことが多く、毎年同じ話が繰り返されます。
先に結論を書きます。会費の受け取り方を現金以外に広げるとき、いきなり全員を切り替える形は失敗します。うまくいっている会は、現金でしか払えない人を最後まで残す設計にしています。順番は、受け取る側の負担が重い人から先に外していくこと。遠方の家族が払っている人、施設に入っていて例会に来られない人、この2つを先に別の経路へ移すだけで、役員が現金を扱う量は目に見えて減ります。ここでは、金額の決め方から、経路を増やす順番、切り替えの初年度に起きることまでを順に見ていきます。
会費という言葉が、3つの違うものを指している
老人会で「会費」と呼ばれているものは、たいてい3層に分かれています。まずこれを分けないと、金額の議論が噛み合いません。
・単位クラブの運営費(会報の印刷代、行事の備品、慶弔費、活動の材料費) ・上部団体への負担金(市区町村や都道府県の老人クラブ連合会へ納める分) ・保険料(活動中のけがに備える保険に加入している会は、この分を会費に含める場合がある)
会員から見れば1,500円という1つの数字でも、内訳は「クラブに残る分が800円、連合会へ700円」といった構成になっていることがあります。この構成を会員が知らないまま「会費が高い」という話になると、議論のしようがありません。
会計報告のときに、収入の欄を「会費収入」の1行で済ませず、内訳を並べる。それだけで、翌年の会費の議論の質が変わります。値上げが必要になったときも、どこが増えたのかを説明できます。
老人会の会費は、年1,000円から3,000円程度に設定している会が多く見られます。金額そのものは家計に大きく響く水準ではありません。それでも会費の話が重くなるのは、金額ではなく、受け取り方の手間と気まずさが役員に集中しているからです。
現金の手渡しが残り続ける、3つの理由
会費を振込や口座振替に切り替えようという提案は、多くの会で一度は出ています。それでも現金が残るのには理由があります。理由を潰さずに号令だけかけても動きません。
1つめは、金額が小さいことです。振込手数料が数百円かかると、会費に対して負担の割合が大きすぎます。会員から見て「損をする方法」に見えると、切り替えは進みません。
2つめは、通帳や印鑑を自分で管理していない会員がいることです。家族が金銭の管理をしている場合、会員本人には振込という行為ができません。
3つめは、例会での手渡しに副次的な機能があることです。会費を受け取るやりとりの中で、体調や近況の話が出ます。1人あたり1分足らずの会話でも、それが年に1度の様子確認になっている会があります。この機能を失うことを、役員が直感的に警戒しているのです。
3つめは軽視できません。切り替えを進めるなら、この機能を別のところで受ける手立てを同時に用意します。会費の受け渡しをやめる代わりに、名簿の確認や健康調査の声かけを例会に組み込む、といった形です。
この3つを踏まえると、切り替えの目標を「現金をなくす」に置くのは無理があると分かります。手数料の壁も、家族が管理している事情も、会の側では動かせません。目標は「役員が現金を持ち歩く回数と距離を減らす」に置くのが実際的です。現金そのものが残っても、受け取る場所が例会の1か所に集まり、その日のうちに会計へ渡る形になっていれば、事故の起きる余地はほとんどなくなります。手段を変えることと、負担を減らすことは別の話です。
受け取る経路を、いくつまで増やしてよいか
経路が増えると会員は楽になり、役員は大変になります。この非対称を理解したうえで、上限を決めます。実務として管理できるのは3つまでです。
・例会での現金の受け取り ・指定口座への振込 ・家族や代理の人が持参する形
これ以上増やすと、突き合わせの手間が回収できません。特に、複数の口座を用意する、集金袋の郵送を受け付ける、といった選択肢は避けます。
口座振替は、会員にとっては最も楽な方法ですが、老人会の規模では現実的でないことが多くあります。金融機関の口座振替サービスは、団体側に契約と手数料が必要になり、会員数50人前後のクラブで年1回だけ引き落とすために契約するのは、費用が見合わないためです。市区町村の連合会が一括で仕組みを持っている場合は例外なので、まず連合会に確認するのが早い手順になります。
現金を減らす順番は、遠い人から
切り替えの順番を間違えると、混乱だけが残ります。効くのは、現金の受け渡しがそもそも難しい人から外していくことです。
第1に、施設に入所している会員です。例会に来られないため、役員が施設まで受け取りに行くか、家族に連絡するかの二択になっています。この人たちを振込に移すと、役員の移動が丸ごと消えます。
第2に、遠方の家族が会費を負担している会員です。もともと現金が本人の手を経由していないので、振込にしても本人の生活は何も変わりません。
第3に、勤めを続けていて例会の時間に来られない会員です。老人会の会員のうち60代にはまだ働いている人がいて、この層は振込のほうが早いと感じています。
ここまでで、全体の2割から3割が現金以外に移ります。残った人には現金のままでいてもらう。全員を移そうとしないことが、続けるための条件です。
振込を受け付けるときに、先に決めること
振込を選択肢に入れると決めたら、案内を出す前に次の4点を決めます。決めずに始めると、通帳を見ても誰の入金か分からなくなります。
・名義をどうするか。本人以外が振り込むことを前提に、氏名の前に会員番号を付けてもらう ・手数料をどちらが負担するか。会員負担とするなら案内に明記する ・入金の確認を誰がいつやるか。会計が月に1度、例会の前に記帳する、といった形で定例化する ・入金があったことを本人に伝えるか。伝えるなら、次の例会で名簿に印をつけて見せる形にする
3つめが抜けると、振り込んだのに未納として督促されるという最悪の事故が起きます。老人会でこれをやってしまうと、単なる手違いでは済みません。長年の関係に傷が残ります。
4つめについては、会員から「届いたかどうか分からない」という不安が必ず出ます。受け取った側から一言返す形を作っておくと、この不安は消えます。連絡の道具の中で名簿と受け取りの記録が同じ場所にあれば、この確認は1回の操作で済みます。
集める日を、年金の入金日と行事の予定から決める
受け取り方の話をする前に、受け取る日を見直すと解決してしまう問題があります。会費が集まりにくい会では、集める日が会員の暮らしの周期と合っていないことがよくあります。
老齢年金は偶数月の15日に振り込まれます。この日が休日にあたる場合は直前の平日になります。年金を主な収入としている会員にとって、この日を挟むかどうかで手元の現金は変わります。集める日を偶数月の後半に置いている会と、奇数月の月末に置いている会とでは、当日の持参率に差が出ます。
もう1つ見るのが、行事との重なりです。旅行の参加費や新年会の会費を集める月に年会費も重ねると、その月だけ負担が集中します。年間の予定表を1枚に広げ、お金が出ていく月を色分けして、年会費だけは何もない月に置く。それだけで「今月は続けて出費がある」という感覚を避けられます。
3つめは天候です。真夏と真冬に例会での集金を置くと、来られない人が増えます。4月と10月のように、外出しやすい季節に受け取る日を寄せている会は、督促の手間が少なくて済んでいます。
集金の方法を変えるのは手間がかかりますが、日を変えるのは総会の議決すら要らないことが多く、その年からできます。受け取り方の議論に入る前に、まずここを点検します。
会費の管理を、会計1人に背負わせない
会費の受け取り方を変えるかどうかを議論するとき、実は最も大きな論点は方法ではなく、担い手の数です。会計が1人ですべてを抱えている会では、その人が体調を崩した瞬間に会費のことが誰にも分からなくなります。
老人会の会計は、引き受けた人が長く続けることが多く、10年以上同じ人が担当している会もあります。長く続くこと自体は安定につながりますが、その人しか知らない手順が増えていきます。通帳の置き場所、印鑑の管理、どの会員が家族に払ってもらっているか、といった情報が頭の中にあるままになります。
分散させる方法は、権限を分けることではなく、見える人を増やすことです。
・通帳と印鑑を別の人が管理する。この2つを同じ人が持たない ・名簿と受け取りの記録は、会長と会計の両方が見られる場所に置く ・現金の受け取りは複数の役員で行い、その場で名簿に記録する ・月に1度、役員会で残高と未納の人数だけを読み上げる
4つめは短時間で済みますが、効果が大きいところです。数字を口に出す場が月に1度あると、記録が滞りません。会計が休んだときも、直近の状態は他の役員が把握しています。
領収書を出すかどうかと、印紙の話
受け取り方を変えると、必ず領収書の話が出ます。現金の手渡しでは名簿への押印で済ませていた会でも、振込にすると「証拠が欲しい」と言われることがあります。
金銭の受取書について、国税庁は次のように説明しています。
金銭または有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭または有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。 出典: 国税庁
同じページには、営業に関しない金銭の受取書は非課税であることと、ここでいう営業とはおおむね営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことを指す、という説明が続きます。老人会が会費を受け取って出す書面がどう扱われるかは、この定義に照らして判断することになります。金額の大きい行事費などで判断に迷うときは、所轄の税務署に確認するのが確実です。
実務としては、振込の場合は金融機関の控えが手元に残るため、会からの領収書を求められる場面はそれほど多くありません。求められたときだけ出す、という運用で足ります。
年度の途中で入る人、抜ける人の金額
会費の受け取り方を整理すると、次に「途中入会をどうするか」という質問が必ず出ます。ここは規約に1行あるかどうかで、毎年の手間が変わります。
決めておく項目は4つです。
・年度の途中で入会した人から、全額を取るか、半額にするか、月割りにするか ・退会の申し出があった年度の会費を返すか、返さないか ・逝去された会員の会費を、遺族に返すか ・休会という区分を作るか。作るなら、その年の会費を免除するか
月割りは公平に見えますが、計算と記録が増えます。会員50人規模の会で、年に数人の途中入会のために月割りの計算をするのは、労力に見合いません。「10月以降の入会は半額、それより前は全額」といった2段階で十分に説明がつきます。
逝去された場合の返金は、多くの会が行っていません。返さない代わりに、慶弔の規定でお見舞いや香典を出す形にしているためです。この2つは対になっているので、どちらかだけを変えると釣り合いが崩れます。
会費を値上げするときの進め方
会費の値上げは、金額の妥当性ではなく、進め方で揉めます。老人会では特に、決まったあとで「聞いていない」という声が出やすい構造があります。例会に来ていない人には情報が届かないためです。
順番としては、次の形が無理がありません。
・役員会で、値上げが必要になった理由を数字で整理する。会報の印刷代、保険料、連合会への負担金のどれが増えたのか ・例会と会報の両方で、値上げの提案があることを事前に知らせる。総会の当日に初めて出さない ・総会で議案として諮り、賛否を記録に残す ・決まったあと、欠席した会員にも書面で結果を届ける
2つめを飛ばす会が多く、そこが火種になります。総会に出られる人は会員の一部です。老人会の総会は6割ほどの出席で成立することも珍しくなく、残りの人は結果だけを後から知ることになります。
事前に知らせる手段が例会と会報しかないと、この段取りは重くなります。連絡の手段を1つ持っていれば、議案の要点を先に配り、当日は確認だけで済みます。役員が代わっても同じ手順を再現できるかどうかが、続く会と続かない会を分けます。
会費で何をまかなっているかを、1枚で見せる
会費の議論を落ち着かせる一番の近道は、使い道を見せることです。決算書の数字の羅列ではなく、会員が読める1枚にします。
・会報の印刷と配布に、年間いくら ・行事の備品と材料に、いくら ・慶弔費に、いくら ・保険料に、いくら ・上部団体への負担金に、いくら ・繰越金がいくら残っているか
この6行があれば、会費の水準が妥当かどうかを会員自身が判断できます。特に繰越金は重要です。繰越金が年会費の2年分を超えている会では、値上げの説明が難しくなります。逆に繰越がほとんどないなら、値上げの必要性は数字で示せます。
この1枚を総会の場だけで配って回収するのではなく、会員が後から見られる場所に置いておくと、問い合わせが減ります。紙で全戸に配る余力がない会なら、連絡の道具の中に残しておく形が現実的です。
規約に金額を書くか、細則に落とすか
会費のことを規約のどこに書いているかで、値上げの手間が変わります。ここは見落とされがちですが、5年先の運営に効いてきます。
規約の本文に「会費は年額1,200円とする」と書いてあると、金額を変えるたびに規約の改正が必要になります。規約の改正は総会の特別議決を求めている会が多く、手続きが重くなります。
一方、規約には「会費の額は総会で定める」とだけ書き、実際の金額は細則や総会の議決事項として扱う形にしておけば、金額の変更は通常の議案で足ります。
どちらが正しいという話ではありません。金額を規約に書くのは、簡単には変えさせないという意思の表れでもあります。ただ、物価や印刷代が動く局面では、変えにくい仕組みが会の首を絞めることがあります。役員会で規約を読み直し、金額がどこに書かれているかだけでも確認しておくと、いざ必要になったときに慌てません。
あわせて確認しておきたいのが、会費の未納が続いた場合の扱いが書かれているかどうかです。書いていないと、名簿から外す判断を役員が個人の裁量でやることになり、後から問題になります。
会費を払っているのに来られない人へ、何を返すか
会費の議論で見落とされやすいのが、活動に参加できていない会員の存在です。足腰が弱って例会に出られない、送迎の都合がつかない、介護をしていて家を空けられない。そうした人が会費だけを払い続けている状態は、どこかで「払う意味がない」という判断につながります。
老人クラブの退会理由として現場でよく語られるのが、この「参加できないのに払っている」という感覚です。会費の額を下げても、この感覚は解決しません。返しているものが何もないからです。
返せるものは、実はいくつもあります。
・会報を郵送か手渡しで届ける。行事の写真が載っているだけで、つながりは保てる ・活動の様子を、来られなかった人にも見られる形で残す ・友愛の当番が訪ねたときに、次の行事の話をする ・総会の資料と決算を、欠席者にも届ける
このうち2つめは、紙だけでやろうとすると印刷代がかかります。会報を年4回出すのが精一杯という会でも、写真と短い報告を出せる場所が1つあれば、来られない人にも活動が届きます。会費に対して返すものがあるという状態が、退会を減らします。
補助金があるから会費を下げる、という判断の危うさ
市区町村から老人クラブへの助成を受けている会では、「補助金があるのだから会費は安くていい」という意見が出ることがあります。老人クラブへの援助は法律に根拠があり、多くの自治体で会員数や活動実績に応じて交付されています。
ただし、補助金は年度ごとに額が変わり、制度そのものが見直されることもあります。補助金を前提に会費を低く設定していると、交付額が下がった年に一気に行事を削ることになります。
現実的な考え方は、会費で日常の運営費をまかない、補助金は行事や新しい取り組みに充てる、と役割を分けることです。こう分けておけば、補助金が減った年でも会そのものは回ります。
補助金には使途の条件が付くこともあり、報告書の提出が必要になります。会費と補助金を同じ財布で扱っていると、報告のときに切り分けができません。受け取り方を整理するのと同じタイミングで、帳簿の科目も分けておきます。
来年度の会費収入を、どう見積もるか
予算を組むとき、会費収入を「今年と同じ」と置いている会が多くあります。会員数が減っている局面では、この置き方が年度末の赤字につながります。
見積もりの手順は難しくありません。
・今年度末の会員数を数える ・そのうち80歳以上の人が何人かを数える ・過去3年で、毎年何人ずつ減っているかを見る ・来年度の新規入会の見込みを、実際に声をかけている人数から置く
3つめの数字は、ほとんどの会で毎年ほぼ一定です。逝去、施設入所、転出という理由は突然増えたり減ったりしないためです。過去3年の平均をそのまま引けば、実態からそう外れません。
多くの会でここを甘く見積もる理由は、減ることを前提に予算を組むのが心情的に難しいためです。ただ、実態より多く見積もった予算で行事を組むと、年度の後半で行事を削ることになります。減る前提で組んでおいて余ったなら、翌年に回せばよいだけです。
新規入会の見込みは、期待ではなく実績で置きます。「今年は5人くらい入るだろう」ではなく、「地区長が声をかける予定の人が3人いる」という数え方をします。
会費を取らない、という選択肢もある
会費の集め方を検討していくと、集めること自体をやめられないかという話が出ることがあります。実際に、年会費を廃止して行事ごとの実費だけを集める形に切り替えたクラブもあります。
この形の利点は、集金の作業が年に1度なくなり、未納という概念そのものが消えることです。会員名簿への出入りも軽くなり、入会の心理的な壁が下がります。
一方で、失うものもあります。
・会報の印刷代や慶弔費など、行事に紐づかない支出の原資がなくなる ・上部団体への負担金を、会として納める手立てがなくなる ・「会費を払っている」という意識が、会に対する所属感を支えていた面がある
3つめは軽く見えて、実際には大きい部分です。会費がなくなった途端に、行事のときだけ集まる人の集まりになり、名簿の実体が薄くなったという話も聞きます。
現実的には、年会費を思い切り下げて500円程度にし、行事は実費で集める折衷案を取る会が多く見られます。会としての枠は残しつつ、集金の負担を軽くする形です。どの形を選ぶにせよ、決める前に「会費で何をまかなっているか」の一覧を作っておかないと、廃止したあとに払えなくなる支出が出てきます。
切り替えの初年度に、必ず起きること
受け取り方を変えた最初の年には、決まって同じことが起きます。あらかじめ想定しておけば、慌てずに済みます。
・振込の案内を渡したのに、例会で現金を出す人がいる。断らずに受け取り、名簿に方法を記録する ・家族が振り込んだが、名義が違って誰の分か分からない入金が出る。2件から3件は出るものと考えておく ・「振込のやり方が分からない」と言われる。窓口で書く用紙の見本を1枚用意しておくと、その場で解決する ・去年と違うことに不安を感じ、会そのものへの参加をためらう人が出る
4つめが一番気をつけるところです。手続きの変更が、会から足が遠のくきっかけになってしまうことがあります。だからこそ、全員を一斉に切り替えないことが大切になります。
初年度は「選べるようにした」だけにとどめ、2年目に様子を見て範囲を広げる。この速度が、老人会には合っています。
会費の管理と、連絡の道具を同じところに置く
会費の受け取り方を整理していくと、最後に残るのは記録の置き場所の問題です。誰がどの方法でいくら払ったかという情報は、名簿と一体でなければ意味を持ちません。
いま多くの会が使っているLINEのグループは、連絡を届ける道具としてはよくできています。ただ、名簿として使うには向いていません。会話が流れていくため、半年前の入金の話を探すのに時間がかかります。この違いはLINEグループとの比較で整理されています。
団体向けに作られた掲示板型のサービスとの違いを見ておくのも判断の助けになります。BANDとの比較では、予定や連絡を分けて置ける形と、会話が中心の形の差が説明されています。会費の情報を扱う以上、後から探せる形であることは条件になります。
もう1つ、外部の目に触れないことも欠かせません。誰が未納かという情報は、外に出れば人間関係を壊します。参加者が確定していない場との違いはLINEオープンチャットとの比較にまとめられています。会費を扱うなら、メンバー以外は見られない状態は譲れません。
受け取り方を変える判断は、担い手の年齢から逆算する
最後に、判断の順番を整理します。会費の受け取り方を変えるかどうかは、会員の利便性ではなく、担い手の状況から決めるほうが実態に合います。
・いま会費を集めている役員は何歳か。あと何年、その作業を続けられるか ・現金を持ち歩く距離と時間は、どのくらいか ・会計を引き受けてくれる人が、毎年見つかっているか ・引き継ぎのときに渡している紙は、何種類あるか
4つめの答えが3種類を超えているなら、受け取り方より先に記録の置き場所を変えるほうが効きます。紙が減れば、引き受けてくれる人が見つかりやすくなります。
近い形の団体がどう整理しているかは、町内会での使われかたに例があります。地区ごとに分かれた名簿と連絡を1か所にまとめる考え方は、老人会でもそのまま使えます。判断の前に出てくる細かい疑問はよくある質問にまとまっているので、役員会に諮る前に目を通しておくと、話が早く進みます。
会費の集め方を変える目的は、効率化そのものではありません。会計を引き受ける人が来年も見つかる状態にしておくことです。そこから逆算すると、変える範囲も、変える速度も自然に決まります。
Q1. 老人会の会費を口座振替にすることはできますか?
金融機関の口座振替は団体側の契約と手数料が必要で、会員数50人前後のクラブが年1回の徴収のために契約するのは費用が見合わないことが多くあります。市区町村の老人クラブ連合会が一括の仕組みを持っている場合があるので、まず連合会に確認するのが早い手順です。当面は振込を選べるようにするのが現実的です。
Q2. 会費の値上げは、どうやって決めればよいですか?
役員会で理由を数字にし、例会と会報で事前に知らせ、総会で議案として諮り、欠席者にも結果を書面で届ける、という順番になります。事前の周知を飛ばして総会の当日に出すと、後から「聞いていない」という声が出ます。総会に出席できるのは会員の一部だという前提で段取りを組みます。
Q3. 年度の途中で入会した人の会費は、いくらにすべきですか?
月割りは公平に見えますが、計算と記録が増えて実務が重くなります。「10月以降の入会は半額、それより前は全額」といった2段階で十分に説明がつきます。大事なのは金額そのものより、規約か内規に書いてあることです。書いていないと、そのつど役員が判断することになり、扱いが年によってぶれます。
Q4. 振込にすると、誰が払ったか分からなくなりませんか?
名義が本人と違う入金が必ず出るので、案内の段階で氏名の前に会員番号を付けてもらう形にします。あわせて、家族が代わりに払う予定の人を名簿の備考に控えておくと照合できます。入金の確認を月に1度の定例作業にし、確認したら本人に伝わる形にしておくと、二重の督促を防げます。
